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福岡県労働委員会委員コラム

更新日:2025年3月1日更新 印刷

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福岡県労働委員会委員のコラムを連載しています。

 
  投稿日 タイトル 投稿委員

第19回New!

令和7年3月1日

ロウキ(労働基準監督署)より、サイバンショ(裁判所)に近い?

ロウイ(労働委員会)の役割って何?

公益委員 千綿 俊一郎

第18回

令和7年2月1日 労働委員会を知っていただきたい 使用者委員 丸山 武子

第17回

令和7年1月1日 新年を迎えるにあたり 労働者委員 西 央人

第16回

令和6年12月1日 対話の時代のお手伝い 公益委員 丸谷 浩介

第15回

令和6年11月1日 労使関係の構築について 使用者委員 小川 浩二

第14回

令和6年10月1日 快適な職場環境づくりは労使双方にとってメリット 労働者委員 藤田 桂三

第13回

令和6年9月1日 労働委員会ってどんなところ? 公益委員 服部 博之

第12回

令和6年8月1日 使用者と労働委員会 使用者委員 内場 千晶

第11回

令和6年7月1日 労使紛争と労働組合の役割 労働者委員 桑原 忠志

第10回

令和6年6月1日 労使関係におけるエチケット 公益委員 所 浩代

第9回

令和6年5月1日 和解による早期解決 使用者委員 吉村 達也

第8回

令和6年4月1日 労働者の権利と労働委員会 労働者委員 金光 千春
第7回 令和6年3月1日

使用者と労働者の利害

公益委員 大坪 稔
第6回 令和6年2月7日 括弧に入れること・括弧を外すこと

使用者委員

中村 年孝

第5回

令和6年1月5日 労使間トラブルの円満な解決を目指して 労働者委員 高田 章男
第4回 令和5年12月27日 継続的で前向きな労使関係の構築に向けて 第44期会長

上田 竹志

第3回

令和5年11月27日 中小企業経営者と労働問題 使用者委員 熊手 艶子
第2回 令和5年10月27日

労働組合法は働く人たちの味方

労働者委員 溝田 由美子

第1回

令和5年3月1日 御挨拶 第43期会長 德永 響

 

第19回

 

「ロウキ(労働基準監督署)より、サイバンショ(裁判所)に近い?

ロウイ(労働委員会)の役割って何?」

 

公益委員  千綿 俊一郎 

 

 ロウキ(労働基準監督署)は、労働基準法等の法令を十分に機能させるために設置された、行政監督機関です。

 労働者からの割増賃金不払い等の相談に乗り、事業場を見回って法律が遵守されているかどうかをチェックし、労働者の安全確保の審査や、業務に起因した負傷等について認定や保険給付を行っています(労働基準法97条以下、労働安全衛生法88条以下、労働者災害補償保険法施行規則12条以下)。

 行政機関としては、労働者にとって最も身近な存在であり、「労働者保護の最前線」 と呼ばれることもあります。

 

 他方、ロウイ(労働委員会)は、労働組合法に基づいて設置された独立行政委員会です。

 その主な役割として、「不当労働行為の審査」があります(労組法27条以下)。

 例えば、労働者が、労働組合の組合員であることを理由として不利益な取扱いを受けた場合に、当事者(労働組合、労働者)は、不当労働行為(労組法7条1号)であるとして、労働委員会に対して救済を求めることができるのです。

 このような申立てを受けた労働委員会は、双方の言い分を聴取し、争点及び証拠を整理して(労組法27条の6)、証人尋問等の証拠調べを行い(労組法27条の7)、救済命令あるいは棄却命令等の命令を発します(労組法27条の12)。これらの手続中において、和解による早期の紛争解決を図ることも多く見られます(労組法27条の14)。

 

 このように、ロウイ(労働委員会)が担っている役割は、「争点及び証拠の整理」、「証人尋問」、「命令」、「和解」など、ロウキ(労働基準監督署)が担っている役割よりも、サイバンショ(裁判所)が担っている役割に近い面があります。

 そのため、「労働者保護の最前線」であるロウキ(労働基準監督署)に比較すると、県民の皆さんにとって、ロウイ(労働委員会)は縁遠く感じられるかもしれません。

 しかしながら、労働組合法が、ロウイ(労働委員会)による救済命令の方法を採用したのは、「専門的知識経験を有する労働委員会に対し、その裁量により、個々の事案に応じた適切な是正措置を決定し、これを命ずる権限をゆだねる趣旨」にあると言われています(最高裁判所大法廷判決昭和52年2月23日)。また、サイバンショ(裁判所)では「過去の後始末」がなされるが、ロウイ(労働委員会)では「未来を見据えた手打ち」が求められているという言い方をされることもあります(森戸英幸『プレップ労働法第7版』(弘文堂、2023、306頁))。

 このような役割を十分に発揮するために、使用者を代表する使用者委員、労働者を代表する労働者委員、公益を代表する公益委員の三者によって構成されている(労組法19条1項)のも、ロウイ(労働委員会)の特徴の一つです。

 

 ロウイ(労働委員会)は、令和8年3月1日に制度創設 80 周年を迎えます。これを機会に、県民の皆さんにも、ロウイ(労働委員会)が果たしている役割・存在意義について関心を持っていただけると、大変うれしく思います。

 

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