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福岡県労働委員会委員コラム 第17回

更新日:2025年2月1日更新 印刷

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第17回

 

「新年を迎えるにあたり」

 

労働者委員  西 央人 

 

 皆様におかれましては、2025新年を健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。

 昨年は地震や豪雨をはじめとする多くの自然災害に苦しめられ、改めて日頃の備えの大切さを痛感させられた1年でもありました。自助・共助・公助の言葉の通り、私たち一人ひとりでは限界があることを再認識し、労働組合として培ってきた励まし合い・助け合いの精神に基づく働く仲間の連帯や地域社会への貢献等、労働運動ならではの使命と役割を引き続き全うしていきたいと思っています。

 また昨年は、1944年ILOによって採択されたフィラデルフィア宣言から80年という記念すべき年でもありました。「労働は商品ではない」「表現及び結社の自由は不断の進歩のために欠くことができない」「一部の貧困は全体の繁栄にとって危険である」こと、加えてここ数年来様々な労使交渉に携わる中で、1950年代に我国の政労使によって確認された生産性三原則「雇用確保」「労使協議」「公正配分」の今日的意義を、改めて労使共に問い直していかなければならないと実感させられました。かつて組織化(労働組合作り)の仕事をしていた頃に、先輩から「労働組合の結成に際し、会社側には従業員意識調査と組合員意識調査を足して割った数字が実態であること、組合側には労働組合ができたからといって会社の庭に金のなる木が生えるわけではないことを、労使共に理解してもらわなければならない」と教わりました。また、明治時代に欧米から入ってきた新たな概念「right」を、福沢諭吉は「権利」ではなく「権理」と訳していたことへも思いを馳せつつ、健全な労使関係について、その歴史的経緯も含め再共有しなければならないと思っています。

 そして本年は、我国で労働組合法が成立して80年の節目を迎えます。法の条文、解釈という側面だけでなく、民主主義の発露ともいえる労働組合、そして民主主義の成熟度を現すであろう労使関係について、戦前・戦後の労働運動やGHQ、そして法の成立過程等を通して熟慮する1年にしたいと思います。

 結びに、労働委員会は公益委員、使用者委員、労働者委員の三者で構成され、その専門性が期待されていることからも、労働運動に携わる者として、引き続き自己研鑽に努めてまいります。

 本年も宜しくお願い申し上げます。

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