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福岡県労働委員会委員コラム 第3回

更新日:2023年12月27日更新 印刷

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第3回

 

「中小企業経営者と労働問題」

 

使用者委員 熊手 艶子

 

 私は、平成29年11月に使用者委員に就任してから6年目を迎えます。税理士としては30年間おもに中小企業の税務申告に関わってまいりました。社会保険労務士が労働委員会の委員というのは納得されるかもしれませんが、税理士が労働委員会の委員であることには違和感を覚えられるのではないでしょうか。

 

   実は中小企業白書で経営者が相談相手として税理士を選んでいる比率が最も高いとの結果が出ています。実際、私の顧問先でも経営上の様々なご相談のなかに人に関する問題も大きく占めています。従業員の採用や処遇、他社はどうしているのか等、様々です。

 

   私が使用者委員に就任する前にも、顧問先から、従業員が外部の労働組合である合同労組(一人でも加入できる外部の労働組合)に加入して、団体交渉の要求があって困っているとの相談がありました。中小企業は、企業内に労働組合はほとんどありませんので、外部の労働組合から団体交渉の要求をされると大変戸惑われます。経営者は、会社の外の人間と、何故団体交渉をしなければならないのかと憤慨されることもあります。

 

   その時はアドバイスをして無事解決することができましたが、労働委員会で使用者委員として労働問題に携わるようになった現在、中小企業の経営者が不当労働行為を行ったとして合同労組から申し立てられる事件が多いと感じています。

 

   不当労働行為とは、労働組合法第7条に定められており、主として労働組合に対する次のような使用者の行為をいいます。

① 労働者が労働組合員であること等を理由として解雇や不利益な取り扱いをすること(第7条第1号)

② 正当な理由がなく団体交渉を拒むこと(第7条第2号)

③ 労働組合を支配し介入すること(第7条第3号)

④ 労働委員会に申立てたことを理由に労働者に対して解雇や不利益な取り扱いをすること(第7条第4号)

 

   労働委員会に申立てがあれば、公益委員・労働者委員・使用者委員で調査をして審問を行い、最終的には命令が発せられます。命令が発せられるまでに和解が成立する場合もあります。

 

   使用者委員として感じることは、中小企業の経営者において労働組合や労働関連の知識が不足していることです。中小企業の経営者は、資本基盤がぜい弱で厳しい経営環境にさらされているため、従業員の雇用を守ることが最優先になりがちです。

 

   しかし、現在の人手不足の中、経営者も労働法の知識を積極的に学び、従業員との対話の中から従業員が働きがいのある職場づくりをしていく必要があると思います。

皆様のご意見をお聞かせください。

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