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<早急な対応>
・まず、問題があると思われた段階で、その部分をプリントアウトするなど、記録に残す。
・プリントアウトは、職員間で書き込みの問題点を確認したり、管理職に報告するために必要である。また、法的手続きの際の証拠としても必要である。
・携帯電話専用の掲示板では、サイトのアドレスであるURLや問題ある書き込み内容を、正確に書き写す。
・特に問題があるものについては、すぐに校長へ報告するシステムを確立し、関係分掌で協議する。
・人権侵害を放置しないという視点から、問題ある書き込みは、掲示板管理者に削除依頼をすぐに出し、少しでも早く削除する。
・掲示板の管理者宛の定型のメール文を作っておき、迅速に対応する。
・差出人は、学校総体としての正式な取組という意味で学校長名とする。
・新しい書き込みを数多くしていくことで、問題のある書き込みを古いものにし、児童生徒たちの目に触れにくくすることができる。複数の教職員で書き込みを行うことも、緊急の対応としては有効である。
・個人名をあげ、誹謗中傷された児童生徒への対応は特に配慮を要す。当該児童生徒がその事実を知っているのか、周りの児童生徒さらには保護者が知っているのかを把握し、対応する。
・特に書き込みの内容に大きな問題がある場合は、全職員に周知し、対応・取組について確認をする。
・早急な対応が必要でないものは関係分掌で整理し、後日、職員研修等で職員に周知して、問題意識を共有する。
・全校集会・学年集会、HR、情報の授業等でネットモラルについて指導を行う。
・ネットへの無責任な書き込みは人権問題につながるため、学校としても関心を持って、注視していることを児童生徒に伝える。
・効果的な学習教材の作成や学習方法を工夫する。
<留意事項>
・書き込みをされた児童生徒に、話を聞くのは信頼関係のある職員が行う。係だからと安易に聞き取りを行うと、そのこと自体が児童生徒を傷つけることにもなりかねない。その際、児童生徒が書き込まれたこと自体を知らないケースもよくあるので、注意が必要である。
・集会等で児童生徒へ早急に指導を行いたいが、その集会が悪質な書き込みがあったことを広めてしまう危険性がある。少なくとも、当該の悪質な書き込みを児童生徒たちが見ることができなくなった後、被害にあった児童生徒に配慮しながら全体的な指導を行う。
・書き込んだのではないかと思われる児童生徒へのアプローチは、先入観や偏見を極力排除した形で行う。単に犯人捜しをしても解決とならない。大切なことは、書き込みが引き起こした問題の深刻さを理解させることである。
設置者は必ず連絡先を明記している(電子メールアドレスの場合が多い)
・掲示板には、設置者が必ず連絡先を明記しなければならない。その掲示板の削除依頼のシステムを利用して削除依頼をする。
・フリーペ(無料のHP開設サイト)等の小さな掲示板の場合は、比較的に設置者の目に届きやすく、削除される可能性は高い。
・掲示板をいくつも持つ設置者は削除依頼に気付かないこともあるので、粘り強く継続して削除依頼する。
・ドメインがjpで終わるものについてはWHOISで検索できる。ただし、フリーペ等を利用した掲示板はドメイン名を登録していない場合が多いので、検索できないことがある。
・そこには登録者氏名と、電話・FAX番号、E-メ-ルアドレス等が表記されている。それを利用し、 削除依頼する。
・学校として正式な依頼文書とする。決して、攻撃的な文書や態度とならないよう配慮する。
・これらの告訴は被害者本人から行う必要がある。被害者が未成年の場合は保護者が告訴する。
・プロバイダ責任制限法は、総務省のHP上に掲載してあるので、ダウンロードして活用する。
その中に依頼文書の書式等もある。
この資料は平成18年度第3回人権教育研修会で使用したものです。