ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 健康・福祉・子育て > 感染症対策 > One Health > ワンへルス ”One Health”~人と動物の健康はひとつ。そして、それは地球の願い~

本文

ワンへルス ”One Health”~人と動物の健康はひとつ。そして、それは地球の願い~

更新日:2021年5月19日更新 印刷

目次

新着情報

令和3年1月5日 「福岡県ワンヘルス推進基本条例」を公布、施行しました。

「ワンヘルス」とは?

 令和2年(2020年)1月に中国武漢で感染者が確認されて以来、世界各地で猛威を振るい続けている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染の波を繰り返しながら多くの人命を奪い、各国の経済にも大きな打撃を与えています。

 今回のCOVID-19やよく知られた狂犬病をはじめ、近年、国内外で大きな社会問題となった、新型インフルエンザ、牛海綿状脳症(BSE)、鳥インフルエンザ、エボラ出血熱、そして同じコロナウイルスによる中東呼吸器症候群(MERS)及び重症急性呼吸器症候群(SARS)といった感染症は、動物に由来し、人への感染力を獲得した「人と動物の共通感染症」です。WHO(世界保健機関)で確認されているものだけでも200種類以上ありますが、農耕や都市拡大のために森林を切り開き、野生動物を取引する等の人間の活動によって環境や生態系の破壊が進み、人と動物の適切な距離が保てなくなったため、野生動物保有の病原体が、直接又は蚤、蚊などを介して人や家畜、家庭飼育動物等に感染するようになったものと考えられています。

 こうした「人と動物の共通感染症」が、更に人から人に感染する能力を獲得すると、ほとんどの人がまだ免疫を持たないため、時に大規模な(世界的)流行(パンデミック)となって、人類に甚大な危害を及ぼしてきました。

 このような事実は、私たちに、人の健康と動物(家畜、愛玩動物、野生動物の別を問わず全ての動物)の健康、そして環境の健康(健全性)は、生態系の中で相互に密接につながり、強く影響し合う一つのもの「ワンヘルス」(One Health)であると教えてくれます。私たちは、これらの健全な状態を一体的に守らなければならない、これが「ワンヘルス」の理念です。

ワンヘルスの歩み~理念の提唱から実践へ~

 この理念は、平成5年(1993年)に開催された世界獣医師会世界大会で採択された「人と動物の共通感染症の防疫推進や人と動物の絆を確立するとともに平和な社会発展と環境保全に努める」という「ベルリン宣言」が端緒とされています。

 そして、平成16年(2004年)、アメリカ・ニューヨークのロックフェラー大学で開催された「ワンワールド・ワンヘルス」をテーマとするシンポジウムに集結した世界保健機関(WHO)や国際獣疫事務局(OIE)、国際連合食糧農業機関(FAO)など世界中の専門家が感染症リスクの抑制を図る戦略的枠組みとして提示した12の行動計画(マンハッタン原則)を経て、平成24年(2012年)に世界獣医師会と世界医師会が「ワンヘルス推進の覚書」を調印したことで、ワンヘルスの取組は、医学と獣医学の垣根を超えて世界に広まることになりました。

 日本でも、公益社団法人日本医師会と公益社団法人日本獣医師会が連携し、ワンヘルスの理念の実践に向けた取組を進めてこられましたが、平成28年(2016年)11月に本県の北九州市で、世界31か国から600名を超える医師、獣医師等が参加し、「第2回世界獣医師会-世界医師会”One Health”に関する国際会議」が開催されました。同会議では、人と動物の共通感染症、薬剤耐性菌対策等を含む「ワンヘルス」に関する重要な課題について、最新の情報交換と有効な対策等の検討が行われ、その成果として、「ワンヘルス」の理念の実践に向け医師と獣医師が様々な形で協力関係を強化すること等、ワンヘルス実践の礎となる4つの項目からなる「福岡宣言」が採択されました。

 福岡宣言 [PDFファイル/509KB]

「福岡県ワンヘルス推進基本条例」について

 「ワンヘルス」の理念の実践、すなわち、人と全ての動物の健康と環境の健全性を一体的に「ワンヘルス」として守るためには、医師や獣医師、研究者だけでなく、行政や企業、県民の皆さんが一緒になって、様々な課題の解決に取り組んでいく必要があります。そして、この活動を次世代にも引き継ぎ、健全な状態の生態系を将来に向けて守っていくためには、ワンヘルス実践の取組を総合的かつ計画的に推進する仕組みや基盤が必要です。

 そこで、令和2年(2020年)12月、本県議会において、ワンヘルスの実践に関する条例として全国で初めてとなる「福岡県ワンヘルス推進基本条例」が議員提案により可決成立し、令和3年(2021)年1月に施行しました。

 今後、県では、この条例に基づき、ワンヘルスの理念の浸透と実践のための行動計画を策定する等、具体的な取組を進めていきます。

福岡県ワンヘルス推進基本条例

【関連リンク】

(福岡県議会)「福岡県ワンヘルス推進基本条例」が制定されました

「ワンヘルス」を推進するための6つの柱

1.人と動物の共通感染症対策

人と動物の共通感染症とは?

 感染症とは、ウイルスや細菌などの病原体が人や動物の体内に入って起こる病気のことです。そのうち、動物から人へ、人から動物へ感染する感染症を「人と動物の共通感染症」といいます。その中には新型コロナウイルス感染症やインフルエンザも含まれ、全ての感染症の約半数は「人と動物の共通感染症」と言われています。

 感染症は、次の3つの要因がそろうことで起こるため、各要因に対する対策が必要となります。

  1. 感染源・・・感染症の原因となる病原体を保有し、人や動物に感染させることができる動物や食べ物など
  2. 感染経路・・・病原体が感染源から宿主へ移動する方法。感染している人のくしゃみや咳からでる病原体を含むしぶき(飛沫)を吸い込むことで感染する飛沫感染、手に付いた病原体が口などから入り感染する接触感染などがあります。
  3. 宿主・・・病原体が体内に侵入し、寄生されたり、共生される生物。宿主の生物体内で病原体が定着・増殖することにより、感染は成立します。

県の対策方針

  • 人と動物及び環境の各分野の専門家などと連携し、感染源、感染経路及び宿主それぞれに対する対策を研究し、必要な対策を進めていきます。
  • 人と動物の共通感染症について、県民の理解を深め、感染症に対する適正な対応ができるよう、啓発を行っていきます。

2.薬剤耐性菌対策

薬剤耐性菌とは?

 細菌による感染症の場合、その細菌を死滅させたり、増加を抑えるには、抗菌薬(抗生物質)を使用することが有効です。

 しかし、十分な効果を期待するには、1回の服用量や服用期間量を適切に守る必要があります。この服用量や期間などを守らないと、目的の細菌を死滅させることができないだけではなく、体内の他の細菌を死滅させ、抗菌薬に対して抵抗力(耐性)を獲得した「薬剤耐性菌」を発生させる原因となります。

 この「薬剤耐性菌」による感染症が発生した場合、これまで使用していた抗菌薬が効かないため、治療が困難となります。

 今、この「薬剤耐性菌」が増加し、一方で新たな抗菌薬の開発が減少していることが世界的に問題となっています。

 また、抗菌薬は、家畜などの動物にも使用されており、畜産現場でも「薬剤耐性菌」が発生し、環境への汚染や、畜産物や農産物を介して人へ拡がることも問題となっています。

 そこで、世界保健機関(WHO)は2015年に薬剤耐性菌対策に取り組む決議(グローバル・アクション・プラン)を定め、加盟国に対し、各国の薬剤耐性菌対策進めることを要請しました。日本でも、2016年に薬剤耐性対策アクションプランを定め、その取組みを進めています。

県の対策方針

 WHO等の国際機関と連携及び協力し、国が作成した薬剤耐性対策アクションプランの取組みを進めていきます。

3.環境保護

環境保護と人と動物の健康について

 近年のグローバル化や大量消費・大量生産は、人や動物によって貴重な森林や生態系の破壊し、地球温暖化等の気候変動の一因となっています。その影響は、気温上昇だけでなく、生態系の変化など、様々な問題を引き起こすことが懸念されています。
 また、大規模な森林伐採や都市開発は、これまで、人間社会と触れ合う機会のなかった野生動物が保有していた病原体と、人が遭遇するきっかけを作ったとされています。

 自然環境は、人を含む様々な生物が生きる場です。生態系を守り、人と動物とのすみ分けが保たれてこそ、人と動物の健康を保つことができます。そして、健全で豊かな自然環境を次世代に引き継いでいくことも重要なことです。

県の対策方針

 調和のとれた自然環境保全と生物のすみ分け維持の観点から対策を進めていきます。

4.人と動物の共生社会づくり

人と動物の共生社会について

 少子高齢社会の中で、犬や猫などの愛玩動物は、人の心を癒し、家族の一員となる等、重要な存在となっています。
 また、災害救助犬や盲導犬等、その特性を活かし、人のために働き、社会活動の様々な場面で活用されている動物もいます。
 一方で、動物への虐待や遺棄等の問題が発生しています。

 人と動物との関係をより良く保つためには、動物の生態や本能、習性をよく理解することが大切です。また、動物をペットとして飼う場合や社会で活用する場合は、健康管理などを含んだ飼い方等を十分に知っておく必要があります。

 野生動物については、その生態や習性を理解したうえで、むやみに触れ合おうとせず、一定の距離を保つ等、適切な関わり方を行うことが重要です。

県の対策方針

  • 愛玩動物と触れ合うことは、人の心の健康や生活の質の向上に貢献することもあることから、医療、福祉、教育等、様々な分野でその活用を進めていきます。
  • 災害発生時に、災害救助犬を活用した人の救護体制や、愛玩動物の避難や救護等を迅速に実施できる体制の整備を進めていきます。
  • 野生動物に関する生態や行動について、県民の理解を深め、適正にすみ分けが行われることで、野生動物との共存を図っていきます。

5.健康づくり

健康づくりについて

 WHO憲章によると「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、全てが満たされている状態のこと」(日本WHO和訳)と定義されています。

 例えば、多様な動植物に囲まれた自然の中で気晴らしに散歩をしたり、スポーツなどの趣味を楽しみ、家族や友人と過ごすことは、年齢や性別、障がいの有無に関わらず、人を元気にする力があります。

 健康づくりには、人や動物が、身体的、精神的、社会的に満たされた状態で過ごすことができるよう生活環境を整え、誰もがスポーツなどの趣味を様々な形で楽しんだり、調和のとれた自然環境と多様や動植物との関係の中で、主体的に健康を維持していくことが大切です。

県の対策方針

  • 人や動物が、身体的、精神的、社会的に満たされた状態で過ごすことができるような生活環境の整備を推進していきます。
  • 誰もがスポーツ等の趣味を様々な形で楽しむことができるよう、また調和のとれた自然環境と多様や動植物との関係の中で主体的に生きていくことができるよう支援していきます。

6.環境と人と動物のより良い関係づくり

環境と人と動物のより良い関係づくりについて

 私たちの健康は健全な環境で生産された農林水産物等を食べることにより維持されています。

 安全な米や野菜等を作るには、化学物質等に汚染されていない水や土(農地)等、健全な自然環境が必要となります。

 肉や卵、牛乳などの畜産物は、動物の「いのち」から生まれますので、牛や豚、鶏などが健康に育つよう、その飼育環境や餌の安全性にも配慮する必要があります。

 畑や農地のある里山は、様々な動植物が生息しており、私たちの身近な自然環境の維持に貢献しています。私たちが、地元の新鮮な野菜を食べることでも、身近な環境を保つことにつながります。

 納豆やチーズなどの発酵食品は、微生物の働きで作られています。また、動物の体内には消化を助ける微生物も存在します。微生物は、環境と人と動物の間で行き来し、健全な環境を保つ役割を担っています。このように、感染症の原因となる一方で、人や動物、環境に必要となる微生物が存在します。

 私たちが安全な農林水産物を食べていくには、このような「食」に対する知識を持ち、農林水産物が生産されている環境等へ関心を持つことも大切なことの一つです。

県の対策方針

  • 人や動物の健康を維持するために、健全な環境の下での農林水産物の生産を推進します。
  • 人の健康に有益な働きをする微生物の活用を検討していきます。
  • 「地産地消」及び「食育」を推進していきます。
  • 生産及び消費における環境への負荷の低減を図る農林水産物の生産を推進していきます。

「ワンヘルス」の世界的先進地を目指して

 ワンヘルスは国連が掲げるSDGsの目標の多くにも関わっている問題であります。ワンヘルスを実践する拠点の整備などに取り組み、福岡県がワンへルスの世界的な先進地となることを目指します。

「ワンヘルス」に関する情報発信コーナー

国における取組み等

〈厚生労働省〉One Healthの取り組み

〈厚生労働省〉ワンヘルス・アプローチに基づく動物由来感染症対策

〈厚生労働省〉薬剤耐性(AMR)対策について

〈農林水産省〉動物に使用する抗菌性物質について

〈農林水産省 動物医薬品研究所〉薬剤耐性菌への対応

福岡県における取組み等

〈がん感染症対策疾病課〉感染症情報

〈生活衛生課〉食の安全情報

〈生活衛生課〉ペットに関する情報

〈医療指導課〉福岡県保健医療計画

〈環境保全課〉福岡県の地球温暖化対策

〈自然環境課〉福岡県生物多様性戦略について~第2期行動計画を策定しました(平成30年3月)~

〈食の安全・地産地消課〉福岡県の環境に優しい(環境保全型)農業について

〈食の安全・地産地消課〉福岡県食育・地産地消推進計画

〈畜産課〉家畜衛生に関するお知らせ

〈健康増進課〉健康づくり

民間団体における取組み

〈世界自然保護基金(WWF)ジャパン〉人と動物、生態系の健康はひとつ~ワンヘルス共同宣言

 

 

 

皆様のご意見をお聞かせください。

お求めの情報が分かりやすく十分に掲載されていましたか?
このページの情報は見つけやすかったですか?

※個人情報を含む内容は記入しないでください。
※お答えが必要なお問い合わせは、上の「このページに関するお問い合わせ先」からお問い合わせください。
※いただいたご意見は、より分かりやすく役に立つホームページとするために参考にさせていただきますのでご協力をお願いします。
※ホームページ全体に関するお問い合わせは、まで、お問い合わせください。

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)