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知事定例記者会見 令和6年5月14日(火曜日)

更新日:2024年5月14日更新 印刷

知事定例記者会見 令和6年5月14日(火曜日)

この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。

この知事記者会見録の模様は、  ふくおかインターネットテレビ  で動画配信しています。

発表事項

  • 「福岡県こども食堂応援プロジェクト2024」クラウドファンディング開始!(こども未来課)

 「福岡県こども食堂応援プロジェクト2024」クラウドファンディング開始! [PDFファイル/290KB]

その他

  • 福岡県とハワイ州で、ワンヘルスの推進に関する共同宣言を行いました(国際交流課)

 福岡県とハワイ州で、ワンヘルスの推進に関する共同宣言を行いました [PDFファイル/135KB]

(知事)本日は、私からの発表事項は2件です。

 まず1点目、福岡県こども食堂応援プロジェクトについてです。

 皆さん、こどもたちの大切な居場所、「こども食堂」を応援しましょう。

 本日から「福岡県こども食堂応援プロジェクト」と称してクラウドファンディングを開始します。こどもたちを笑顔にしたいという皆さまの温かい気持ちを県内のこども食堂に届けるため、クラウドファンディングでのふるさと納税による寄附を受け付けています。本日から今年度の事業をスタートします。

 こども食堂は、NPOや地域のボランティアの皆さまの支えのもと、こどもたちに「温かい食事を提供する場」、また、こどもたちが、学年、年齢を超えて、一緒に遊ぶ「世代を超えた交流の場」、さらに、ボランティアの学生さんたちがこどもたちに勉強を教えたり、野菜の収穫体験を行う「学びや体験の場」など、無限の可能性を持ったこどもたちの未来につながる大切な居場所です。

 こども食堂の運営は、食材の寄附のほか、開催場所の提供、食材の運搬や調理をしていただくボランティアなど、多くの人々の善意に支えられています。県内のこども食堂の数は昨年の11月時点で342か所あり、平成30年の90か所から約4倍増加しています。今月7日には「こども食堂トップセミナー」を開催し、私から市町村長の皆さまに対して、こども食堂の立ち上げや運営の支援についてご協力をお願いしました。こども食堂を応援する輪をもっともっと広げて、たくさんの方々の善意をこども食堂に届けることが必要です。

 昨年度は目標金額を800万円としましたが、結果的にこの目標を大きく上回る18,074,600円の寄附をいただきました。あらためて深く感謝を申し上げます。いただいた寄附金を活用し、「金のめし丸元気つくし」や県が開発したおいしい地鶏の「はかた地どり」をこども食堂にお届けしました。また、これだけではなく地域の新鮮な、その時々の野菜、あるいは果物を買うことができるように、商品券としてもお届けしたところです。こども食堂の運営をされている方や、こどもたちから、たくさんのありがとうのお言葉をいただいたところです。実際に私どもに届けていただきましたメッセージをご紹介しますので、ご覧いただきたいと思います。

(ビデオメッセージ:こども食堂「みずほ町」)おいしいお米とお肉をたくさんありがとうございました。

(ビデオメッセージ:「NPO法人チャイルドケアセンター」江上)昨年はたくさんのお米やお肉をいただき、本当にありがとうございました。こどもたちが美味しそうにカレーを頬張る姿を見て、こども食堂を続けてやってきてよかったなと感じています。物価の高騰もあって運営が苦しい時もありますが、これからもこどもたちやみんなの笑顔を見るために頑張ってまいります。

(知事)最後に今回の寄附の募集について申し上げます。

 今年度は、本日5月14日から募集を開始し、個人の方は8月11日、企業の皆さまには12月27日までの期間としています。目標金額は昨年と同じ800万円です。いただきました皆さま方からの寄附金は、県内の多くのこども食堂が加入している、福岡県こども食堂ネットワークを通じて、県の誇るおいしい県産食材や商品券という形で、こども食堂の皆さまにお届けして、こどもたちにお腹いっぱい食べてもらうために活用したいと思います。是非皆さまと一緒に、こどもたちのたくさんの笑顔が溢れる福岡県にしていきたいと思います。どうぞご協力をよろしくお願い申し上げます。

 2点目ですが、今月の10日から12日までの3日間の1泊3日の行程で、姉妹提携先である米国ハワイ州を訪問し、グリーン州知事と会談を行いましたので、ご報告します。

 今回の訪問の目的は、ワンヘルス推進のために福岡県とハワイ州の新たな協力関係を築くことです。本県は、昨年、先進的にワンヘルス教育に取り組んでおり、ワンヘルスの講座も持つハワイ大学との間でワンヘルス推進に関する覚書を締結しました。この際、九州大学を始め、県内11の大学の皆さまにご出席いただいた上で、この覚書の締結を行いました。そして現在、県内大学における教育プログラムの導入に向けた協議を進めているところです。また、県内高校生がハワイ大学でワンヘルスに関する特別講義を受講するなど、取組が広がりを見せているところです。

 ハワイ大学と本県との覚書の締結から1年が経ち、さらに幅広い分野でワンヘルスを推進していくためには、行政同士の間で、連携して取り組んでいくことが重要であると考え、今回ハワイを訪問しグリーンハワイ州知事と会談を行ったところです。グリーン知事からは、「私がワンヘルスを支持するのは、自分が医師だからではということだけではなく、ワンヘルスの理念が非常に意義深いものであり、両県州がワンヘルス分野の協力関係を将来にわたって継続していくことに大いに賛同する。」との発言がありました。私からは、「ワンヘルスを次なるパンデミックの備えとして、人類、あるいは地球環境が抱えている課題を克服していく、このための鍵とも呼ばれるものがワンヘルスである。医師や獣医師さんなど専門家の皆さまには、もう随分理解が国際的に広がっているわけですが、一般の皆さまの理解の促進に取り組んでいく必要がある。これについて、両県州においても、具体的に取り組むことが重要だ。」と述べたところですが、これに対して、グリーン知事からは、やはり教育が大切であるというお話をいただきました。

 そのうえで、関係部局が一体となって、横断的に取り組んでいくために、ワンヘルス分野での交流に関する覚書を年内に締結するということで合意しました。ハワイ州としても法律的な手続きを踏む必要があるということで、年内には締結したいという話で、できればグリーン知事が福岡を訪問して、その場で締結することが望ましいということもおっしゃっていました。そういった太平洋を挟んだ両地域が「人と動物の健康と環境が調和した社会づくり」にグローバルに貢献すると明記した共同宣言をまとめました。ハワイ州議会代表者の皆さまの立会のもとで、私とグリーン知事、そして県議会の香原議長の3者で署名を行ったところです。

 香原議長には、会談を行う前日の9日に、事前にハワイ州議会の代表者の皆さまと協議していただきました。両議会が両県州の取組に賛同し、後押しする、支援していくということを合意するとともに、州議会の代表者にこの共同宣言を署名する際の立会をご要請いただきました。香原議長におかれては、かねてよりグリーン知事に対し両県州でワンヘルスに関する覚書を締結してはどうかと働きかけもしていただいたところであり、道筋をつけていただいたところです。県議会のお力添えに対してあらためて感謝申し上げたいと思います。

 今回の訪問を契機に、ワンヘルスに係る両県州の実務レベルでの協議を加速させ、年内に覚書を締結し、新たな取組をスタートさせたいと考えています。

 また、州知事と会談後、在ホノルル日本総領事館の兒玉総領事にもお会いしました。兒玉総領事は、昨年9月に就任されたばかりで、私もお会いするのは初めてです。意見交換では、福岡県にシンパシーを感じていただいておられ、今後、ハワイにおける福岡の物産の販路拡大について協力していきたいと言っていただきました。特に、総領事からは、ぜひ福岡県から非常に品質の良い福岡有明のりを出して欲しいとお願いがありました。ハワイでは本当に品質の良いものはなかなか手に入らないとのことです。

 また、訪問した日に、株式会社クボタのハワイ進出のセレモニーがあり、総領事がセレモニーに出席されてからお会いしたのですが、なぜクボタがハワイに精米所を作って、日本の米をハワイで精米して売るかというと、当然コストは非常に高くなるのですが、それでも十分売れるということで、新しい取組をしたスタートしたとのことです。ぜひ、福岡県にも美味しい県産米があると承知しているので、その販売に取り組んでいただきたいこと、さらにまた、八女茶や日本酒などについてもお話いただきました。

 我々も、ハワイ州には、ディーンアンドデルーカなどとの関係を作っており、そういったところを通じて、八女茶の販売等行っています。ディーンアンドデルーカハワイの高橋社長ともお会いしましたが、八女茶の販売が大変好評で、さらに品数を増やしていきたいというお話もいただきました。総領事からも、ハワイでは良質で値段が高いものが売れる傾向があるということで、総領事館として福岡産の品のPRに積極的に協力していきたいと、力強い後押しのお言葉をいただいたところです。ディーンアンドデルーカの話をしましたが、今後、日系スーパーあるいは日本のレストランとも連携して、良質な福岡県産品を売り込む取組をさらに進めてまいりたいと思います。

 私からの発表事項は、以上です。

質疑応答

(TNC)ワンヘルスの件で、共同宣言の中に人材育成や普及・啓発など具体的な取組について今後協議するということですが、このワンヘルスの推進に向けて、今後より具体的にどういう事業展開があるのか、どういう取組を進めていくのか、より具体的なものがあれば教えていただきたいです。

(知事)先ほど申しましたように、既に高校生の皆さんがハワイ大学の講座を受講するということも実現できております。さらにまた県内の大学も参加していますので、我々の大学においてもワンヘルス講座、授業をつくっていきたい。その上においては、ハワイ大学は一日の長がありますので、ハワイ大学、あるいはそれをバックアップしているハワイ州にも協力いただく。特にハワイ大学でありますとサンドラ・チャン教授――プロフェッサーが非常に積極的に取り組んでおられます。そういった皆様の御協力をいただきながら、海を超えた協力関係の下で人材の育成等も進めていきたいと思います。

 また、我々だけではなくて、ハワイ州の人材育成も必要です。そういうことで、グリーン州知事も教育が重要とおっしゃった。我々ももっと分かりやすく、こどもたちにも理解しやすい、日々の活動、行動、生活、こういった中でワンヘルスというものが実践される、何をすればワンヘルスなのかということをもっと分かりやすく啓発していく必要があると思っています。

 そういう意味でも、ハワイ州は既にワンヘルスの推進宣言を発出されていますので、州の色々な実践例をこれから勉強させていただきたいと思っています。

(TNC)クラウドファンディングのことについて、これは昨年度からということですが、ほかの自治体でふるさと納税を通じたこども食堂の応援はどれぐらい行われていますか。

(こども未来課)全国のこども食堂支援ネットワークというものがありますが、その紹介の事例で本県が挙げられていまして、特に市町村とか県レベルでの紹介はありませんでしたので、本県のみと思っているのですが、すべての自治体までは把握していません。

(知事)あまり聞かないですね。非常に新しい取組だと思っています。

(TNC)おそらく都道府県単位では唯一でしょうか。

(こども未来課)補足ですが、大分県や佐賀県では、以前からされているようですが、規模としてここまで大きい寄附があったのは本県のみということになります。

(TNC)先月の南アフリカ、ドバイなどの県議団の海外視察について、先週、議長が視察内容を記者団の前で報告されましたが、その関連で議員による報告の在り方の件についてです。九州のほかの県議会では、議員による報告書の義務付けがなされているところもありますが、福岡県議会においては議員による明確な報告義務はないということで、知事として海外視察の報告の在り方についてどうあるべきだと考えていますか。

(知事)例えば、私知事、執行部が海外出張を行った場合は、今まさにハワイのことについて御報告したように、事前に出張の行程などを資料提供していると思います。さらに、こういう会見の場を活用して、出張の内容、成果というものを私としての受け止めも交えながらお話し、報道機関の皆さまを通じて、県民の皆さまにお伝えいただいています。そして同時に、県としても、この内容をホームページで公表しています。

 県議会の結果の公表については、先日、議長が、海外視察調査についてはその成果が大事だとおっしゃったということを、報道を通じて私も聞いていますが、まさにそのとおりだなと思います。しかし、議会の視察調査の成果が直ちに施策に反映できるかというと、なかなか難しいところがあります。議会ですので、調査の後、色々検討されて、そして、その後の議会の審議となります。今までも色々なことがありました。海外視察で色々な取組を見てきて、福岡県でも取り入れられないのか、あるいは、海外県人会の皆さまからこういう御要望をいただいたが、もっと改善できないのかと、そういう御質問というのはたくさん今までも審議の中でいただいています。これも一つの成果だと思います。だから、そういう中でも活かされていくことが多いと思います。

 そういうことですので、なかなか県民の皆さまにとって、出張の後すぐにというのは分かりづらいです。しかし、やはり公費を使った海外出張であれば、県民の皆さまが早期に、そして容易に、そして分かりやすく、知ることができるということが大切だと思います。

 現在はどう対応しているかというと、議会におかれては情報開示請求をしていただくことになっているようです。皆さまも開示請求されたことがあると思いますが、なかなか手間がかかるし、コピー代などコストも要ります。そういうことですので、議会におかれては、現状よりも積極的に公表されるように取り組まれることが望ましいと考えています。

 公表の手法というのは色々あると思います。議長は私と違ってこういう会見の場もありませんので、どういう形、手法で公表するかというのは議会の中で御検討されるべきものであると思いますが、公表するにしても、職員の復命書だけで良いとは思いません。やはり海外視察、調査の目的、課題意識というものに照らして、議員さんの思いでも良いと思いますが、どんな成果が得られたか県議会として公表の際に説明していただくということも必要と考えています。

(TNC)より積極的に周知する手法に関しては、議員による報告書作成の義務付けと、あとホームページでの公表なども、そうすべきというお考えでしょうか。

(知事)そうすべきというか、そういう色々なやり方、あるいは他団体の例も参考にしながら、議会において早期に御検討いただきたいと考えています。そのやり方については、議会の中で主体的に検討されるべきものであると思います。

(TNC)もう一つ、費用の件ですが、同じ視察に関して、先日の南アフリカの視察に関しては、先週の報告の中で、事前の見積りを含めて、総費用に関しては、数字が一人歩きするかもしれないということも踏まえて、先週時点では議長が明確にされていないですが、これについてはどう受け止めていらっしゃいますか。

(知事)業者さんから色々な請求が届いていないとか精算できていないとか、そういうこともあってのことかなと思います。どういう意味でなのかは私もよく存じ上げません。

 質問の趣旨は、結局、費用について明らかにするというか、予算に計上してない事業として出張されているので、そうすると全くいくらという枠も何も分からないということで質問されていると理解してよろしいですか。

(TNC)はい。

(知事)1年間色々な事業を執行していって、活動していく中で、色々なケースはあると思いますが、基本的にはやはり、緊急やむを得ず対応を迫られるといったものを除いては、予測されるようなものは全て当初予算において計上して、県民の皆さまに対する透明性を高めることが必要であると考えています。

 予算計上に当たっては、やはり所要額を十分精査して、必要最小限なものとするとともに、予算に計上していても、実施に当たって参加される人数などが予算から大きく乖離してしまうことがあると、予算そのものについての疑義を県民の皆さまに持たれることにもなりかねませんので、この点は、たとえ予算に計上していたとしても、その実施に当たっては十分注意すべきものであると考えています。

 先ほど申したように、やはり予算編成時に想定されていない事業というのも色々あるわけです。海外からの訪問団の受入れとか、あるいは色々なスポーツ大会、あるいは国際大会、国際会議の誘致の話が後から持ち上がるとかです。そういう場合に既定予算の中で対応するということはあります。今回の南アフリカ等の議会の視察調査というものも、そういったものに当たると思われますが、それに当たっては、県議会議長の責任の下で必要性、妥当性を議会として御判断をされて実施したものであると承知しています。

(TNC)その費用の関連でいくと、九州のほかの県議会においては、費用の上限を原則定めているところも多いようです。そういう意味でいくと、もちろん予算化していくということも踏まえつつ、原則的な費用の上限を設定するべきか否か、することの妥当性について、どうお考えでしょうか。

(知事)目的地によっても変わりますし、また、為替相場によっても変わりますし、各自治体において決められている上限というのが、どういう形で積算できるのかによると思います。各県議会の上限の決め方を存じ上げませんので正確なお答えをすることができません。

 そういったことも含めて、私の目から見ても県議会の海外出張について課題があると考えています。このため、今御質問があったことも含め、県議会において、主体的に改善を図っていただくよう、香原議長に対して私から御意見申し上げたところです。

 たまたまハワイに御一緒したので、少し時間をつくっていただき、非常にタイトな日程でしたが、二人でお話しする時間が作れましたので、今申し上げたように、私としての課題意識というか問題意識をお伝えして、議会において議長がリーダーシップを取っていただいて、議会として主体的に改善すべきところは改善するなど検討を行っていただくことが望ましいということを、御意見を申し上げました。

(TNC)現状の海外視察の在り方についていくつかの課題があるという認識を持っていらっしゃって、議会側にもお伝えされたということですが、今後、海外視察が継続するという前提でのやり取りかと推察しますが、そもそも議員による海外視察の必要性とか妥当性、この点について知事のお考えはいかがですか。

(知事)県議会議員が海外出張されるというのは、大きく分けると二つとあると考えてよいと思います。

 まず一つは、我々執行部のほうから一緒に同行していただくことを依頼して、議会において議員派遣を議決いただいているという出張があります。

 今回のハワイ出張も、先ほど成果も含めて御説明しましたが、例えば、昨年も水素分野での新たなビジネス関係をつくるために、オーストラリア、ニューサウスウェールズ州に訪問し、州政府との間でお話しました。また、ボストンのマサチューセッツ州で州知事とお会いし、バイオスタートアップ等、現地企業や投資家とのネットワーキングを図り、今後の県・州間の協力にも合意しました。そのほか、観光客、インバウンドの誘致、あるいは我々の県産品のプロモーション、様々なことがあります。

 その際に、やはり地方自治においては、知事と議会は二元代表制です。県政の両輪である、この双方が一体となって取り組んでいることを先方にもお示しして、そして、我々の取組の熱意を御理解いただくために、そういう依頼をすることがあります。

 この際には、昨年もそうでしたが、県内、大学の皆さま、あるいは経済界、産業界、企業の皆さまなど、産学官一体となった訪問団を組んで行くというケースがあります。

 これとは別に、TNCさんが問題意識を持っていらっしゃる、県議会が独自に海外出張をされるケースがあります。

これは、やはり県議会というのは、知事から独立して、執行部をチェックする機関になるわけです。この独立した機関として、調査権と政策を立案する機があります。特に福岡県議会は、年間平均すると1本、2本、議員提案で条例を出されるなど、非常に政策立案についても積極的です。こういった独立した機関としての機能を果たすために必要な視察、調査というものを実施されています。

 今大きく二つと申し上げましたが、いずれにしても、やはり議長の下で必要性、あるいは希望参加者等についても判断されて、派遣を決定されているものと考えています。

(朝日新聞)先ほどの海外視察の関係で、重複する部分もあるかもしれませんが、効果、費用、あるいはそれがペイするものなのかと問う声、決して福岡県内だけではなくて全国でそういった話はあると思いますが、県民、あるいは自治体によっては市民かもしれませんが、そもそもなぜそういった声が上がるのか。それは、報告の場が、一般的に不足しているということなのか、あるいは無駄が多く見えているのか、そもそもどうしてそういった声が上がるのかということに関して、どのように御認識、御理解されていらっしゃいますか。

(知事)決して正確なお答えにはならないかもしれませんが、県民、国民の皆さまから見て、国会議員さんも含めて公的なお金を使って出張する、しかし、その出張の行程や出張旅費が不明確である、あるいは目的が不明確である、さらにまた、先ほどからお話があるように、結果について具体的な報告がない、あるいは公表されない、こういったことがやはり国民の皆さまから見て疑念を持たれるような一因になっているのではないかと思います。

 それぞれの課題意識というか、今の行政あるいは政治の上での課題意識があり、目的意識があって、目的地を選定し、そして出張されるのですから、それに照らしてどのような調査が行われ、どういう成果が得られたのかということを積極的に説明されるべきものと思っています。

(西日本新聞)海外視察に関連して、先ほど知事は、主体的に改善を図っていただけるよう香原議長に対して申し入れたと、結構踏み込んだ話かなという気がしましたが、それに対して議長はどういった反応をされたのか、話せる範囲でお願いします。

(知事)私の問題意識はよく御理解いただけたと思います。その上で議長としても、議長の独断で色々なことを執り行えるものでもないですので、議長としても色々とお考えのことがあるようでした。そういったことを、代表者会議や議会運営委員会など、そういう議会組織の中で諮っていきたいというお話でした。

(西日本新聞)それと、視察の規模についてですが、県議会の規模を今後縮小していくべきなのか、それから、今回の問題を受けて執行部の海外視察についても、例えば人数を減らすような何かしらの工夫をしていくのか、現時点で知事が考えていることを教えてください。

(知事)まず、後半の質問について申し上げると、知事に就任して以降、国際局の皆さんを中心として色々な海外出張に当たっての必要な随行職員は、事業として行くので、各部にまたがっている場合はありますが、それについても必要最小限にするということで、削減を図ってまいりました。

 職員に非常に忙しい思いをさせているとは思いますが、十分それでやれると思っていますので、今後とも必要最小限の人員で対応してまいります。議会事務局の随行職員数についても、今回の見直しといいますか検討の中で考えられるのかなと思っています。

 また、今後の海外出張について、先ほどTNCの質問にお答えしたように、一口に海外出張といっても、特に私でいうと視察を主目的にした出張はしていませんし、これからもする気はありません。やはり事業目的を明確にして、何かを取ってくる機会、そのために行きます。企業誘致等は、なかなか話しづらい面もありますが、極力皆さんにその成果を具体的に報告します。そういうことで、これからも事業の必要に応じて目的地を選定していきたいと思っています。

 議会におかれては、先ほど申したような調査権を行使していく上で、議会として必要があるとお考えの場所、ことがあれば実施されると思いますが、そのときには、議長に申入れさせていただいたように私から見て現段階で課題と思われる点についても検討いただいて、今後の取扱いを決めていただければと思っています。

(RKB)5月23日からのロンドン、パリへの視察について、県議会からは10人近くの議員が参加されるということを聞いていますが、それほどの人数で行く意義があるのかどうか、知事はどう考えられているのかを教えていただければと思います。

(知事)ロンドンについて議会からどなたが何人行かれるのか、まだ報告を受けていません。今後のことについて、直近ではロンドン、パリがあるわけですが、それについても今回のことを踏まえて判断をされ、必要な人数を判断されるものと思っています。

(TNC)関連して、先ほどおっしゃった事業目的が明確であるものに限るべきという認識だと感じましたが、いわゆる視察目的の2つ目の議員独自の海外視察、事業としての目的が明確化されてないものに関しては、知事としてはどうお考えですか。

(知事)事業目的というのは、主として我々執行部としての事業と理解していただければと思います。ただ、議会も調査を行うというのは、やはり一つの事業です。ですから、やはりそこには議会としての課題意識、問題意識、現在の県内の県民の皆さまの生活の中における色々な問題というものを捉えて、海外でその改善等に資するような調査を行いたいという目的があるはずです。そこは明確であるべきだと思うし、また、事業の報告書、成果報告においてもその点は明らかにされるのではないかと思っています。

(読売新聞)他の県議会に聞くと海外視察が0件とかもあり、少ないからよいというわけでは全くないと思っていて、ただ、知事と県議団が一緒に行かれる場合も含めて、福岡県はやはり全国的に見ても多いのかなと思います。それは、福岡県としての特徴というか、トップセールスみたいなことを意識してされているから多いのでしょうか。

(知事)年によって波はあります。例えば、海外移住県人会等の周年行事は年によって違います。何十周年とかがあります。そういうのが割と集中している年は、議員の方の出張が特に増えます。先ほどから申し上げているように色々な事業とか、特に産業関係の話であるとか、それも機を捉えてやる必要があるわけです。だから、一概に比較するというのも難しいところはあります。

 ただ、福岡県議会においてなぜ多いのかといって、我々がやはり議会と一体となった取組を先方にお示しするというのは、先ほど申しましたが福岡県はずっとそのようなスタイルで、小川知事、あるいは麻生知事のときからやってきており、これは福岡県の取組方式で、他県が全部そういうやり方ではないと思っています。

(毎日新聞)今の質問に関連して、先ほど議長とハワイでお話しをされたということでしたが、これはいつになりますか。5月の何日ですか。

(知事)私は5月10日しかハワイにいませんでしたので、10日です。

(毎日新聞)時間的にはどれくらい話されましたか。

(知事)1時間ほどです。あまり時間がなかったので、40分から1時間の間ぐらいだったと思います。

(毎日新聞)先ほど知事は、主体的に改善するような申入れをされたとおっしゃいましたが、それだけですか。1時間というと結構長い時間話されていますが、ほかに具体的に何か。

(知事)私もアフリカ出張、ケープタウンやナイロビ、その辺については詳しく存じ上げなかったので、その内容も改めてお聞きをしました。どういう出張だったのかということもお聞きした上で、そしてまた、先般来、報道機関の皆さまからも色々報道されていることについて、議長としての受け止めもお聞きをした上で、あらためて私から考えていることについて申し述べて、それで意見交換をさせていただいたところです。

(時事通信社)2点ありまして、1点目が、前回の記者会見の次の日に人口戦略会議が発表した消滅可能性自治体について、福岡県も8自治体該当していて、これについての受け止めを伺いたいです。

(知事)人口推計において、特に女性の数の減少等を捉えて消滅可能性のある自治体ということで発表されていると思いますが、推計は推計であるとしても、客観的な数値として非常に厳しい状況にあるということは認識する必要があると思います。よく報道等でお見かけすると、消滅という言葉について、やはり色々な御意見はあるようです。それはそれとしても、今現在の数字というものを見ても、厳しい状況にあることは間違いないわけですから、我々としては、消滅可能性と言われたところだけではなくて、県内の各地域の活性化、そして皆さんが住み慣れたところで長く住んで、そしてこどもを産んで育てていただくことができる、そんな地域をつくっていきたいと思っています。

(時事通信社)もう一点が、選挙でのオンライン立会についてです。来月にある鳥取県の智頭町長選の選挙の投票で、オンラインの立会を総務省が認めましたが、これの有用性と、県内で今後活用されるお考えがあるのか伺えますでしょうか。

(知事)結局、今の消滅可能性のある自治体の話ではないですが、やはり非常に人口の減少の多い地域においては、投票所における投票立会人をお願いする方が足りなくなっている。こういうことを背景に、鳥取県の智頭町長選挙で全国で初めてオンラインによる投票立会が計画されるということです。これは報道等で承知しているわけですが、一般的に申し上げれば、基本的には現地で立会することが法律上は求められると思っています。しかし、今の人口問題等々も踏まえると、現地での立会に伴う負担というものが、デジタル技術をうまく活用することで緩和されると、このことは方向性として望ましいのではないかと思います。

 本県はどうするかということですが、これは本来、選挙の管理・執行に係る事項です。これについては選挙管理委員長の下で、選挙管理委員会が独立した行政委員会として所管するものですので、県であれ市町村であれ、選挙管理委員会において導入等も含め検討されるべきものと考えます。

(西日本新聞)宮城県の村井知事が福岡県の半導体リスキリングセンターを視察された際に一緒に同行されたと思います。宮城県といえば、昨年、台湾PSMCの誘致が決まり、福岡県も北九州市が惜しいところまで行きました。

(知事)武内市長と一緒に取り組んでいましたが残念でした。

(西日本新聞)非常に悔しい思いをされたと思いますが、そういったある意味、因縁の人ではないですが、そういった方があえて福岡県の視察に来たことに対しての受け止めを伺いたいです。

(知事)村井知事とは以前から親しいですが、そういうものは関係ないとして、半導体関連についての人材不足の現状、またこれからさらに深刻化していくであろうことに対して、どう人材を育成し、確保していくのかということ、この大きな課題意識をお持ちであると思います。このことで、我々としては日本全国から、あるいは海外からでも良いですが、基本的に福岡県に限らず全国から受け入れて、eラーニングの手法も使いながらリスキリングセンターで講義を行っています。しかも、日本では唯一だと思いますが、作る側と使う側と両面にわたっての講座をしており、70にわたる講座を体系的に組み上げているところです。こういったものは日本で唯一、我が県のリスキリングセンターだけだと思います。こういったことで、村井知事としても、その施設を我々から直接お聞きになりたいと思ったということでした。

(読売新聞)玄海町の最終処分場の件ですが、町長が文献調査を受け入れるということを表明されましたが、この件に関してあらためて知事のお考えをお聞かせ願えないでしょうか。

(知事)脇山玄海町長が国からの文献調査の申入れを受け入れるとされました。非常に町長も悩ましい中での御判断であったと思います。議会では、やはり請願を受けて、申入れを受け入れるべしという御議決があった。町民の皆さまには、賛否両論がおありになったのかなと思います。さらにまた国からは、齋藤大臣からお話もあり、そういった中で、文献調査が処分地選定に直結するものではないということも踏まえて、脇山町長は大変難しい御決断、御判断をされたと思います。

 この文献調査は非常に調査内容が多岐にわたっています。活断層の問題、火山の分布、あるいは、あそこは炭鉱がありましたから鉱山の色々な状況、そういったことを調査することになると聞いています。我々としても、玄海町から半径30キロ以内に糸島市がありますので、国、そしてNUMOにおかれては、我々福岡県民の安全安心を確保するという観点からも、この文献調査をしっかりと、そして詳細に調査していただき、その結果を公表していただきたいと思っています。

(読売新聞)ただ、経済産業省の調査では、玄海町はほぼ全域が最終処分に好ましくない地域とされているようなので、町長としては、全国的な議論を引き起こしたいという思いを話されていたのですが、福岡県も全く他人ごとではないとは思いますが、知事としては注視していくということでよろしいでしょうか。

(知事)玄海町の今回の文献調査については、今申し上げたようにしっかり詳細な調査をしていただいて、その結果を注視していきたいと思っています。また、調査に当たっては、陸域だけではなくて海域のほうも調査をされると聞いています。鉱山、炭鉱というのは、入り口は陸域にあっても坑道は海の中に延びている場合もあります。だから、そういったこともきちんと調査をしていただく必要があると思っています。

 いずれにしても、最終処分という問題、これは玄海町であれどこであれ、特定の地域だけではなくて、核のごみと言われますが、原子力発電が稼働すればどこにも廃棄物が発生するわけです。これは日本全体で考えていかなければならない問題だと思います。しかし、今の段階で国民的な議論が喚起されているかというとそうではない。国におかれては、齋藤大臣も、政府一丸となって、かつ、政府の責任でとおっしゃっていますので、ぜひこのとおり、国、政府が前面に立って、そして国民全体の議論として、国全体で今後、考え取り組んでいただきたいと思います。

(毎日新聞)今の質問に関連しますが、玄海町が受け入れたということで、今後、文献調査があり、今後、次の概要調査に進むには、地元の町長と地元の知事の同意が必要となりますが、半径30キロ以内の福岡県の同意は原則必要ないことになっています。この枠組みについてはどのようにお考えなのかということと、先ほど詳細な調査が必要で、公表すべきだというお話でしたが、例えば福岡県民向けにきちんと説明する場があっていいかと思いますが、知事はどうお考えですか。

(知事)最終処分法上は、文献調査であれ、また、その次のステージである概要調査であれ、近隣自治体の同意は必要ないとされています。このことから、伊万里市長も意見を言っておられましたが、現段階ではこのような法律上の立ち位置にあるということです。

 高レベルの放射線廃棄物の問題、その安全性等について、我々自治体は、なかなか科学的な知見は持たないわけです。どの範囲の自治体まで同意とか意見とか、そういったことを求めるべきかと、それが適切なのかということについて、科学的な知見も持たない中で申し上げるのは適切ではないと思います。

 しかし、特に近隣自治体やその住民の皆さまの理解が深まる、得られるということにならなければ、処分地の選定は円滑に進まないと思います。そうしたことから、今回の文献調査をまずはしっかり詳細に調査いただく。その上で、その結果について、玄海町、佐賀県はもとより、近隣の自治体に対しても、特に住民の安全はもちろんですが、やはり安心していただく、この観点から国には丁寧な説明をしていただきたいと思っています。

(終了)

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