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高温対策
暑熱環境下では長時間の作業を避け、こまめな水分と塩分の補給や休憩を取るように心掛けてください。
特に、高齢者は、のどの渇きや暑さを感じにくく、気がつかないうちに熱中症になる可能性があるため、単独での作業は避けるよう努めてください。
品目別の技術対策
普通作
1 高温の影響
<水稲>
水稲は、出穂後に一定の高温が続くと、「白未熟粒」や「充実不足」の発生による玄米外観品質の低下が懸念される。
病害虫については、高温多湿になると紋枯病の発生が増加するおそれがある。
<大豆>
生育中期に高温が続いて土壌水分が不足すると、節数や分枝数、さや数の減少等が発生する恐れがある。
2 対策
<早期水稲>
(1) 白未熟粒発生を防止し、籾の充実を高めるため、出穂後20日間は水を切らさないように管理する。
(2) 用水が有効に利用されるよう、ほ場の漏水防止対策に努める。
(3) 登熟期の水管理は間断かん水を基本とし、早期の落水を避ける。
<普通期水稲>
(1) 茎数が確保されたら、過剰分げつ抑制や倒伏防止のため、踏めば足型がつく程度の黒乾状態まで中干しする。
(2) イネが最も水を必要とする穂ばらみ期~出穂開花期を中心に湛水管理を行う。
(3) 用水が有効に利用されるよう、ほ場の漏水防止対策に努める。
(4) 登熟期の水管理は間断かん水を基本とし、早期の落水を避ける。
(5) 葉色が低下した状態で高温が続くと白未熟が発生しやすくなることから、幼穂形成期頃に極端な葉色の低下が見られる場合には、出穂前10日頃までに穂肥を施用する。
(6) 紋枯病やトビイロウンカ、斑点米カメムシ類は、高温により発生が増加するおそれがあるため、適期対策に努める。
<大豆>
(1) 出芽を確認したら、土壌の過乾燥を防止するため、本暗渠の栓を閉める。ただし、多量の降雨の場合は、栓を開けて排水を行い、再度、栓を閉める。
畜 産
1 高温の影響
家畜は、暑熱ストレスにより飼料摂取量が大きく減少するため、乳量減少、乳成分率の低下、増体量の減少、産卵率の低下および受胎率の低下等が発生する。
2 対策
(1) 体温の上昇を防止するため、屋根散水、細霧、送風、寒冷紗設置等の遮光による畜舎内の温度の低下を図る。屋根散水や細霧を行う場合は、畜舎内の湿度上昇に注意する。
(2) 大家畜に対しては、消化性が良く第一胃内での発酵熱の発生が少ない良質粗飼料の給与、給与回数の増加、粗飼料の切断長の短縮等が効果的である。
(3) 飼料は、涼しい時間帯(早朝又は夜間)に給与し、新鮮な水を常時、十分な量を飲めるようにする。
(4) 給与飼料中の蛋白質が過度にならないようにし、発汗等によりミネラル不足も懸念されることから鉱塩は切らさずに、ビタミンは通常期より増給する。
(5)高温や多湿は、飼料の変敗が懸念されることから、湿気の少ない冷暗所でなるべく保管し、カビが確認できたエサは給与しない。カビが見えない場合でもカビ毒吸着材等を活用する。(6)食べ残した飼料は飼槽内で変敗しやすく、臭気やハエ等の衛生害虫の発生源となるため、なるべく早く片付け、飼槽を清潔に保つ。
(7)熱中症が疑われる場合は、牛体に直接散水し、換気扇の風をしっかり当てる。散水の際は、頸部にあてると効果的である。
野 菜
1 高温の影響
全体的には、生育停滞や枯死、品質低下、乾燥による害虫の多発が予想される。
施設葉菜類では、葉先枯れ、生育停滞の発生が、施設果菜類では、着果不良や乾燥による尻腐れ果等の発生が懸念される。
2 対策
<共通>
(1) かん水は、少量・多回数を基本とするが、過剰なかん水はかえって根傷みを招く恐れがあるため注意する。
(2) 病害虫は、少発生時の防除に努める。
<施設野菜>
(1) ハウスの妻面やサイド、肩部を大きく開放して換気に努め、ハウス内の温度上昇を抑える。
(2) 換気扇や循環扇を活用して強制換気と外気導入を図る。
(3) 寒冷紗による遮光や遮光剤の塗布により、ハウス内の温度上昇を抑える。
(4) 施設青ネギ、軟弱野菜のかん水は、晴天日の早朝に表層から3cm程度が湿る程度とし、夜間は地表面が乾くことが望ましい。特に生育後期の多かん水は軟弱徒長の原因となるため留意する。
(5) アスパラガスは、蒸散量が多くなるため、土壌が乾燥しないようにかん水に注意する。
(6) 果菜類は、急激に土壌水分が変化すると病害発生や品質低下を招く恐れがあるため、かん水回数を増やす。
<露地野菜>
(1)光を反射するマルチ資材やワラでうね面を被覆し、地温の上昇と水分蒸発を抑える。
(2) 露地果菜類は、水量が確保できる場合は夕方に畝間かん水を、水量が限られる場合は株元に手かん水を行う。
<イチゴ苗>
(1)鉢土の水分状況を常に観察(育苗床内の乾きやすい場所に特に注意)し、過乾燥で萎れないようこまめにかん水する。また、逆に過剰かん水による根傷みにも注意する。
(2)寒冷紗被覆(風通しは必ず確保する)により鉢土からの蒸散を防ぐ。ただし、かん水過多に注意し、曇天が続く場合は一旦除去する。
(3)高温による薬害を生じやすいため、夕方でも葉温が高い場合は、事前に葉水程度の少量の散水を行い、葉温を下げてから防除する。
(4)雨よけ被覆を行っている場合は、妻部分を開放するとともに肩部分も可能な限り巻上げ、ハウス内の通気を促し温度を下げる。
花 き
1 高温・乾燥の影響
(1) キク類では、高温により開花遅延が発生する懸念がある。
(2) トルコギキョウでは、短茎開花や茎葉の軟弱化等の懸念がある。
(3) 露地栽培では、葉の萎れ、日焼けや開花遅延が発生する懸念がある。
(4) 高温・強光により葉色が薄くなり、欠乏症等が発生する場合がある。
(5) 花木では、土壌が乾燥しすぎると葉焼けや落葉が発生し、樹勢が低下する。
(6) 花木苗では、葉焼けや萎凋が発生し、症状が進むと枯死につながる。
(7) 高温により発芽率が低下する。
2 対策
(1) 施設栽培では、ハウスの妻面やサイド、肩部を大きく開放して換気に努め、適切な遮光により、気温や地温、植物体温度の上昇および乾燥を防ぐ。
(2) 乾燥害を避けるため適宜かん水を行う。かん水は夕方に行い地温の低下を図る。また、水量が確保できれば畝間かん水を行うが、地温の低下を図るためできるだけ日没後に行う。
(3) 少量多かん水を行い植物体及び地温の低下を図る。
(4) キク類の施設栽培では開花遅延を防止するため日長処理を徹底する。但し、シェードによる換気率の低下から施設内が高温にならないよう暗期はシェード被覆を開放する。
(5) 必要に応じて、液肥施用や葉面散布を実施する。
(6) 収穫は早朝等の比較的気温の低い時間帯に行う。鮮度保持剤を活用し、清潔な水で水揚げする。
(7) 露地では白マルチや敷きわら等を行い、根域の水分保持と昇温抑制に努める。
(8) 高温乾燥時は、特に害虫(カメムシ類、ヤガ類、アザミウマ類、ハダニ類)等が発生しやすくなるため、早期発見・早期防除に努める。ただし、高温条件下での薬剤散布は、薬害発生リスクが高いため、早朝等気温の低い時間帯に防除を行う。
(9) 必要であれば冷蔵庫や冷房施設の利用も検討する。
果 樹
1 高温・乾燥の影響
(1) 果実の陽光面では果実温が高くなり、日焼け果(カンキツ、カキ、ブドウ、キウイフルーツ)が多発する。
(2) カンキツ、ブドウ、イチジクでは、着色遅延や着色不良を招く。
(3) 成熟期の高温は、成熟異常果(軟熟果、過熟果、果肉褐変等)を誘発する。
(4) 収穫後(流通段階を含む)の高温により果実の日持ち性が悪くなる。
(5) カンキツ、ブドウでは、乾燥後の急激な降雨により裂果発生の危険が高まる。
(6) 施設果樹では、高温になりすぎて葉焼けや樹体の衰弱等が発生する。
(7) 露地果樹では、土壌が乾燥しすぎると葉焼けや落葉が発生し、樹勢が低下する。
(8) 苗木では、葉焼けや萎凋が発生し、症状が進むと枯死につながる。
2 対策
(1) 十分なかん水と敷きわら等を行い、根域の水分保持と昇温抑制に努める。
(2) 園内の夜温を少しでも下げるためには、日没後のかん水が有効。
(3) 乾燥後に急激な降雨が予想される場合は、事前のかん水により裂果の防止を 図る。
(4) 苗木や幼木は根量が少ないため、優先的にかん水を行う。
(5) 日焼け果の発生防止として、徒長枝の誘引等によって果実に日影を作る。また、カンキツではサンテ(果面保護資材)被覆やカルシウム剤散布、表層摘果等、キウイフルーツ、ブドウでは笠掛けにより日焼け果の発生を軽減する。
(6) 着果過多の場合は、早めに摘果・摘房を行い、果実肥大・品質向上および樹体養分の浪費防止を図る。
(7) 適熟収穫に努めるとともに、日焼け果や成熟異常果が混入しないよう、収穫前の果実品質の把握と選果選別を徹底する。
(8) 収穫は果実温が低い早朝に行うとともに、収穫果実の品温を上げないよう収穫後や搬送中のコンテナには日除けシート等を被せる。なお、イチジクでは予冷し、品温を下げる。
(9) 収穫中の施設果樹では、妻面の開放や、換気扇、循環扇を活用し、異常高温を回避する。収穫が終了した施設果樹は、速やかに天井被覆を開放し、十分なかん水を行う。
(10) 高温乾燥時は、特に害虫(シンクイムシ、ハマキムシ、アザミウマ類、ハダニ類)等が発生しやすくなるため、早期発見・早期防除に努める。ただし、高温条件下での薬剤散布は、薬害発生リスクが高いため、早朝等気温の低い時間帯に防除を行う。


