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第1回森林環境税(仮称)検討委員会の概要
更新日:2014年9月17日更新
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第1回森林環境税(仮称)検討委員会の概要
1 日時
平成18年4月17日(月曜日)13時30分から15時50分まで
2 場所
福岡県庁特9会議室
3 内容
(1)委嘱状交付
(2)知事あいさつ
(3)委員長選出 九州大学名誉教授 堺 正紘氏を選出
(4)議事
第1回の検討テーマ:「森林の荒廃と公益的機能の低下」
ア. 検討委員会の設置に至る経緯
イ. 森林の有する機能
ウ. 森林・林業の現状
エ. 森林の荒廃と公益的機能の低下
4 委員の主な発言内容
- 海は、川を通して森林とつながっている。山が荒れると海の環境にも悪影響が出る。漁業者の側からも何か森林に手助けができないかと考え、植樹活動等を行っている。
- 二酸化炭素の貯蔵量に関しては、広葉樹より、スギの方が多い。幹が大きければ、炭素の貯蔵量が多いということ。
- 主婦の立場からは、このごろは健康で安全なものが第一だと思っている。だから材木でも、県産材や国産材が福岡県の風土に一番適していると思う。県産材を使うとこんなところがよいというようなPRをしたらどうか。
- 場所によって異なるが、柱材が採れる大きさまで育ったスギの木を間伐し、道路まで搬出し、トラックで運搬して市場で売った場合、赤字となる。国や県の補助があっても、マイナスになったりするとやはりやる気はなくなる。林業は、そんな現状だ。
- 林業経営の厳しさを知ると、現実的に山の手入れを林業だけに頼れない状況だと思う。福岡県民は、九州の他県に比べ、山というものに対する「執着」や「身近さ」が少し薄いと思われるので、県民に対し、わかりやすく問題提起をする必要がある。
- 今の林業の延長では、自然を取り戻していったり、地球温暖化に対応していくことは困難。日本の森林を大事にするためには、どうしたらいいか、もっと幅広く新しい発想やいろんな知恵で、自分たちが参加できる方法というものを呼びかける、あるいはPRできれば、もっと進んだ展開ができるのではないか。
- 問題は、林業が成り立っていかなくなったということ。そんな時代になった。日本の将来の林業をどのようにするのか。伐期を延ばすなどして今のうちに基礎を作ることを考えることが大事。県民全員からその理解と協力をいただこうという、今回の県の提案は、いい着眼点だと思う。是非、県行政として、視点を変えた森林の保全を検討していただきたい。
- 20年後には、荒廃した森林は、本県民有林の40%に達するということを聞くと、大変な問題だ。すでに十数県でいろいろな施策を導入されているということは非常に切実。
- 今回の説明を聞いて、林業の危機、森林の大切さを知った。ボランティアで少しでもお役に立てればという気持ちだ。
- 将来的なことを考え、現に荒れている今の森林を蘇らせるには、現実的に経済的負担が必要。そのことを県民に理解していただく説明が必要。
- いづれにしても、今ある人工林をどうにかしなければならない。放置して、天然林になるわけではない。次回は、是非、森林の現地を見る機会を作っていただけないか。
5 委員長総括
- 森林の有する公益的機能が問題のある状況に来ているのは理解いただけたと考える。森林は、外から見ると全然荒れていないように見えるが、中に入った時、どういう状況かが問題。公益的機能を発揮する森林は林地が裸出しておらず、林床に下草等の保護物があるかどうかが重要。
- 森林荒廃の背景として林業の衰退があり、人工林が放置されたことにより、森林の荒廃を招き、森林の有する公益的機能の低下が起こっているということが明らかとなった。
- 次回は、是非、森林の現地視察を行うとともに、今までどのような施策を行ってきたのか、今後どのような新たな施策が必要か、検討していきたい。