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福岡県労働委員会委員コラム 第29回

更新日:2026年2月1日更新 印刷

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第29回

 

 

「労働者としての権利」

 

労働者委員  金光 千春 

 

 労働委員会に携わるようになって4年が経過し、いくつかの調整事件や審査事件に関わるなかで、時折、「自分自身が労働者として、労働組合のない職場で不当な扱いを受けた場合どうするだろう」と考えることがあります。

 職場に労働組合がある場合は、当然のことながら労働組合の仲間に相談することができるでしょう。しかし、職場に労働組合がない場合はどうすればいいのでしょうか。

 同僚? 職場の先輩? 上司? 相談する相手への信頼度によっても変わります。一人が感じている不当性は、他の誰かも感じているかもしれません。

 相談する相手は、労働者の側に立ってくれるでしょうか、それとも中立の立場をとるのでしょうか。いずれにしても使用者が労働者を尊重しない限り労働者として納得のいく回答は得られず、職場環境も改善しないまま我慢をして職場で働き続けるのか、それとも退職なのか、労働者としての最悪の選択を迫られることもあり得ます。

 「双方にとって中立」は、利害関係が発生している場合には成立しませんし、個人的な中立性ほど曖昧なものはありません。

 一人ひとりの労働者は、使用者に対して弱い立場にあることを踏まえ、使用者と対等な立場で協議や交渉を行うためにも、労働者としての権利を知ることが必要であると同時に、労働組合の存在は重要です。

 労働組合は法律で認められた団体です。労働組合が使用者と交渉することで個人では難しい労働条件等の改善や不当な解雇を防ぐことができます。

 しかし、労働組合が交渉できるからといって全てに納得のいく解決ができるとは限りません。場合によっては、労働組合と使用者との交渉がうまくいかないこともあります。

 労使間の問題について当事者だけの協議では平行線のままの状態でも、労働委員会が間に入ることで解決の糸口が見つかるかもしれません。

 労働委員会は、専門的知識と経験を持つ公益委員・労働者委員・使用者委員の三者で構成されています。1つの事件について公労使委員の三者で担当し、申立人および被申立人の意見を聞きながら、和解を前提にしながらも、公平性・中立性を保ち、最善の方法を探ります。最終的に出された結論が労働者として妥協を強いられたとしても、労働者としての尊厳は守られるはずです。

 問題の早期解決のためにも、労働者の権利や労働組合の必要性を知り、必要な時は労働委員会の活用について考えてみてください。

皆様のご意見をお聞かせください。

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