本文
「福岡県・バンコク都アントレプレナーシップ人財育成事業」を実施しました!
〇福岡県とタイ王国バンコク都は、2006(平成18)年に友好提携を締結し、経済、環境、青少年など幅広い分野で活発な交流を行い、様々な分野で交流事業を展開してきました。
〇2024(令和6)年度から、新たな交流事業として、アントレプレナーシップ(起業家精神)を持つ人材の育成を目指す「福岡県・バンコク都アントレプレナーシップ人財育成事業」を開始しました。
〇この事業は、スタートアップに関心のある両地域の大学生や社会人を相互に派遣し、企業訪問やグループワーク等を通して、社会課題の解決につながるビジネスプランの立案を行うものです。
〇事業初年度となった2024(令和6)年度は、両地域の大学生・社会人12名が参加しました。
1 スケジュール
■事前研修(オリエンテーション)
日時:令和6年12月7日(土曜日)、8日(日曜日)
会場:福岡市内
■海外研修(派遣プログラム)
日時:令和6年12月22日(日曜日)から27日(金曜日)まで
会場:タイ・バンコク都
■オンライン研修(海外研修の振り返りと国内研修に向けた準備)
日時:令和7年1月から2月(各グループ2回実施)
■国内研修(受入プログラム)
日時:令和7年3月11日(火曜日)から16日(日曜日)まで
会場:福岡県内
2 参加者
福岡県の大学生6名、バンコク都の大学生・社会人6名
3 事業成果(概要)
参加者を3つのグループ(日本人2名、タイ人2名)に分けて、アイデアを出し合いながらビジネスプランを考案し、発表しました。
グループA
[テーマ]
高齢化・孤独死
[成果報告の概要]
日本とタイに共通する社会課題である高齢化に着目し、特に日本で深刻化している「孤独死」問題をふまえ、高齢者の孤立を防ぐためのアプローチを検討。地域住民が高齢者と日常的に緩やかにつながる仕組みづくりに取り組み、安否確認や会話のきっかけづくりとなるようなビジネスモデルを考案した。
グループB
[テーマ]
バンコク都の不法路上屋台問題とグリーンスペースの有効活用
[成果報告の概要]
バンコク都の不法な路上屋台の営業問題に対し、屋台文化を維持しながらルールを守れる新たな出店モデルを検討。使用されていないスペースの有効活用を軸に、屋台出店と人材のスキルアップ、将来的な独立が可能な仕組みを提案した。
グループC
[テーマ]
メンタルヘルス問題
[成果報告の概要]
両国で課題となっているメンタルヘルスケアを目的に、日常的に使えるアプリ型支援ツールを検討。感情の記録、思考トレーニング、睡眠管理などの機能を通じて、日常の中で心の状態を “見える化”し、自己理解と自己肯定感の向上を図りながら、心の健康維持をサポートするアイデアを考案した。
4 参加者の声
〇「これまでビジネスや企業に強い関心があったわけではありませんが、企業視察や起業家との対話を通じて、起業という選択肢に可能性を感じるようになりました。」
〇「ビジネスプランの組み立て方だけでなく、チームでの信頼関係や対話の重要性を学びました。」
〇「タイの学生たちの積極性やリーダーシップにも感銘を受け、共に学び合える仲間の存在が大きな刺激となりました。」
〇「ネットや本で得る情報とは異なる、現場ならではの気づきを得ることができました。」
〇「何度も立ち止まりながらも、メンバー全員がアイデアを出し合い、最終的には納得できるビジネスモデルを完成させることができました。」
〇「大学の授業では得られない、社会課題の現場に近い体験ができたことで、自分の中で少しずつ起業家精神が育ってきたと感じています。」