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住宅の省エネルギーに関する制度について
住宅部門のエネルギーの消費量は、エアコンなどの設備機器の増加、ライフスタイルの変化などの要因により増加傾向にあります。
室内を快適な温熱環境に保ち、便利で快適なライフスタイルを維持しつつ、エネルギー消費量を抑制するには、住宅の外壁や窓などの断熱性能(外皮性能)の確保に加え、効率(一次エネルギー消費性能)の良い設備機器を採用することが大切です。
環境負荷の少ない、エコで快適な暮らしの指針となる、住宅の省エネルギー化に関する情報についてご紹介します。
住宅の省エネルギー基準に関する制度について
建築物省エネ法
「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」は、一定規模以上の非住宅建築物の新築等を行う際の基準適合義務等の規制的措置のほか、省エネ基準適合建築物の認定・表示制度について定められています。
【基準値について】
- 外皮性能 : 平成25年外皮基準(次世代省エネルギー基準(平成11年基準)相当)
- 一次エネルギー消費量 : 平成25年基準(平成24年時の標準的な効率の設備機器(暖冷房、給湯、換気、照明)を設置した時の一次エネルギー)
住宅・ビル等の省エネ性能の表示について [PDFファイル/1.33MB]
出典:国土交通省ホームページ
住宅性能表示制度
住宅性能表示制度は、平成12年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、同年10月に本格的に運用された制度です。
「住宅性能表示制度」には、新築の場合、10分野33項目の評価項目があり、それぞれの項目について等級や数値で評価されます(等級が高いほど性能が高い)。
住宅の省エネルギー性能は、評価項目の中の「温熱環境」という項目で、以下の2つを表示することとしています。
- 外皮(住宅の外壁、窓など)の「断熱等性能」
- 設備(暖冷房、換気、給湯、照明)や創エネルギー(第要綱発電設備など)の「一次エネルギー消費量」
省エネルギー 対策等級 |
1.断熱等性能 | 2.一次エネルギー消費量 |
---|---|---|
5 | - | 平成25年基準相当-10% |
4 | 次世代省エネルギー基準(平成11年基準) | 平成25年基準相当 |
3 | 新省エネルギー基準(平成4年基準) | - |
2 | 旧省エネルギー基準(昭和55年基準) | - |
1 | その他 | その他 |
新築住宅の住宅性能表示制度ガイド [PDFファイル/3.31MB]
出典:国土交通省ホームページ
省エネルギー性に優れた住宅について
認定長期優良住宅
環境負荷の低減を図りつつ、良質な住宅ストックを将来世帯に継承することで、より豊かでやさしい暮らしへの転換を図ることを目的に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、長期にわたって使用可能な質の高い住宅として認定された住宅です。
認定長期優良住宅は、住宅性能表示制度の断熱等性能等級4の住宅となります。
低炭素住宅
都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)で定める低炭素建築物とは、建築物における生活や活動に伴って発生する二酸化炭素を抑制する低炭素化に資する措置が講じられている、市街化区域内等に建築される建築物を指します。
【認定基準】
- 省エネ基準を超える(-10%)省エネルギー性能を持つこと、かつ低炭素に資する措置を講じていること
- 都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針に照らし合わせて適切であること
- 資金計画が適切なものであること
ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、住宅の高断熱化と高効率設備により、快適な室内環境と大幅な省エネルギーを同時に実現した上で、太陽光発電等によってエネルギーを創り、年間に消費する正味(ネット)のエネルギー量が概ねゼロ以下となる住宅です。
幸せなエコライフパンフレット((一社)日本サステナブル建築協会)
住宅の省エネルギー化に関する補助金について
【新規】福岡県こどもリノベ補助金
福岡県内で、若年世帯又は子育て世帯が購入した既存住宅や、若年世帯又は子育て世帯が同居する親世帯の持家に対して、子育てしやすい住宅にリノベーションする工事について、その費用の一部を補助します。
福岡県木造戸建て住宅性能向上改修費補助金
福岡県では、市町村を通じて、耐震性のない木造戸建て住宅を対象とする性能向上改修工事(耐震改修工事とあわせて行う省エネ改修工事)等に要する費用の一部を補助しています。
補助の実施状況、補助対象要件、補助金額等は市町村により異なりますので、お住まいの市町村にご確認ください。
その他関連事業
【国の省エネ住宅補助事業】(令和6年4月時点)
詳細は各ホームページをご覧ください。
エネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年のカーボンニュートラルの実現を図る事業
断熱窓への改修を促進し既存住宅の省エネ化を促すことで、エネルギー費用負担の軽減、健康で快適なくらしの実現および家庭からのCO2排出削減に貢献するとともに、断熱窓の生産効率向上による関連産業の競争力強化と成長を実現させることを目的とする事業
家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野について、高効率給湯器の導入支援を行い、その普及拡大により、「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」の達成に寄与することを目的とする事業
家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野について、特に賃貸集合住宅に対する小型の省エネ型給湯器の導入支援を行うことによりその普及拡大を図り、「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」の達成に寄与することを目的とする事業
【国の省エネ住宅補助事業を活用したモデル事業】
○ふくおか小笹賃貸共同住宅における燃料電池を利用したエネルギー融通プロジェクト [PDFファイル/3.29MB]
「賃貸共同住宅での燃料電池による余剰電力融通」「MEMSの導入による電力消費の見える化」「燃料電池を利用した非常時電源」「省エネ効果の検証」を主な取り組みとした、低炭素社会における賃貸住宅のモデルとなる建替事業。
※その他、市町村で独自の補助事業等を行っている場合があります。
お住まいの市町村の窓口へご相談ください。