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この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。
この知事記者会見録の模様は、 ふくおかインターネットテレビ で動画配信しています。
ネーミングライツ初導入 県有施設の愛称決定! [PDFファイル/113KB]
(知事)
おはようございます。今日は、発表案件が2件です。
まず1件目です。公募を行っていた「ももち文化センター」と「春日公園」の野球場、庭球場、球技場のネーミングライツの愛称が決定しましたので発表します。
まず、ももち文化センターは、「SAWARAPIA(サワラピア)」です。それから春日公園は、「オクゼン不動産ベースボールスタジアム」、「オクゼン不動産テニスコート」、「オクゼン不動産フットボールスタジアム」です。
ももち文化センターは、皆さんご存知のように、県立福岡勤労青少年文化センターとして、昭和48年にオープンした施設です。大ホールは、座席数は800で、演劇や落語など様々な文化イベントや、絵画作品展など、県民の皆様に大いにご活用いただいています。この「SAWARAPIA」という新しい愛称は、福岡市西区の株式会社サワライズ様のご提案によるものです。命名権料は年720万円で、契約期間は、今年の9月1日から令和9年3月31日までです。
春日公園は、公園の中の野球場、テニスコート、そしてラグビーやサッカーを行うことができる球技場の3つを公募しました。野球場と球技場は、いずれも約1万人を収容でき、テニスコートは16面あります。それぞれ高校・大学や社会人など、様々な大会が開催されているスポーツ施設です。新しい愛称は「オクゼン不動産ベースボールスタジアム」、「オクゼン不動産テニスコート」、「オクゼン不動産フットボールスタジアム」となります。春日市の株式会社オクゼン不動産様のご提案によるものです。命名権料は年417万5千円で、契約期間は今年の9月1日から令和9年3月31日、ももち文化センターと同様です。
命名権料の収入を活用し、ももち文化センターは、古くなったピアノや壊れた椅子等の備品を買い替え、春日公園は、暑さや雨をしのぐための休憩施設を設置するなど、県民の皆様に、それぞれの施設をより快適に、より使いやすくご利用いただけるよう、この命名権料を活用したいと思っています。
それから、今回の公募に当たり、施設の特徴を活かした地域活性化の取り組みもご提案いただきました。株式会社サワライズ様からは、SAWARAPIAで、地元の魅力を伝えるマルシェやヨガ、料理、スポーツなどの出張ワークショップの開催、或いはダンス発表会や作品展示会を株式会社サワライズ主催で行うといったご提案をいただいています。また、株式会社オクゼン不動産様からは、自社によるスポーツ大会の主催や、スポーツ大会の協賛、さらには公園の中でウォーキングイベントの開催についてもご提案いただいています。今後、それぞれの会社と契約を締結し、10月上旬には、看板表示を開始します。その後の両社のイベント開催等の取り組みに、県として指定管理者の方とも協力し、県民の皆様に親しまれ、たくさんの方に、さらにご利用いただける施設を目指してまいりたいと考えています。
2件目です。私が持っているこれがARグラスです。ARグラスは、実際に見ている映像をリアルタイムで共有できます。
このARグラスを活用して、全国の自治体としては初めてとなる障がいのある方の就職前トレーニングをスタートし、障がいのある方の働く分野を拡大します。障がいのある方の「企業で働きたい」、「新しい仕事にチャレンジしたい」という思いと、「ぜひ障がいのある方にうちで働いて欲しい」という企業の考えがあります。これだけを見れば、ニーズは一致していますが、ここに難しい問題があります。障がいのある方にとっては、この企業側が求める技術スキルがあるのか、周囲に迷惑をかけるようなことはないか等、不安を持っています。それから、企業側は、仕事にあたって必要なスキルをどのようにして習得してもらうかという課題や、また実際に就職された後、この障がいのある方に対するサポート体制を整備できるだろうかという不安があります。お互いにこのような不安を持っているというのが現実です。
その一方で、法定雇用率が引き上げられ、障がいのある方の就職というのが一般に困難であると言われている職業種の雇用義務を軽減する除外率は逆に引き下げられると。要するに、障がいのある方の働く場を増やしていかなければならないということで、障がいのある方と企業、双方の不安を解消して、そして新しい職域を拡大していく。そのために、就職前にARグラスを活用した業務トレーニングを行っていただきます。
そして、スキルの習得という問題が出てきています。このような課題を解決し、容易に業務に必要なスキルを習得していただくということが今回の取り組みでございます。今回の取り組みについて、具体的にご説明をしますと、今回は、この西鉄グループのうちの、西鉄エアサービス様、以下6社の企業にご協力をいただいています。事業の流れですが、この6つの企業の各社から、障がいのある方に適した業務というものの切り出しを行い、それをNPO法人セルプセンター福岡がマニュアル化を図ります。そして作業のポイントを画像や動画で説明しまして、このARグラスで見られるようにすると。この作業をセルプセンター福岡の方で行っています。県は、ここに対して、日本財団とともに、必要な経費を助成します。オブザーバーとして助言も行って参ります。障がいのある方は、このARグラスを使って、視覚的に理解をしながら実践的な訓練を行っていただくということになります。事前に自分のペースで実際の業務内容を体験することができるわけです。障がいのある方は、やっぱり難しいんじゃないかとか、失敗したら嫌だなとか、そういうふうな不安があると思うんです。こういう、いわば心の障壁といいますか、そういう不安を取り除いて、就職というものにチャレンジをしていただきたいと思っています。この訓練が終わった後、実際にこの6社の方で面接を行いまして、就職につなげて参ります。
この訓練で使用するARグラスを実際にかけますと、このような映像が映し出されます。この大きな赤枠があります。この大きな赤枠で示していますが、障がいのある方が、グラス越しに実際に見えている映像です。この黄色い枠は、今度はその作業、掃除機をかける手順を番号で示しています。これを示した映像がありまして、手前から1、2、3、4、5とあります。この順番に掃除機をかけていくということをわかりやすくて示しているわけでございます。このように目の前の映像で、作業手順をわかりやすく加えることで、詳細な作業マニュアルを表示するということも可能でして、非常にすぐれた機能を持ったARグラスです。それからARグラスは、離れたところから、(1)番にオペレーターがいらっしゃいますが、遠隔地からリアルタイムで指示を行うことができます。この指導者の方が手元のパソコンなどで、訓練をされている障がいのある方が見ているものと同じ映像を確認します。そして、作業について誤りがあり、そこ違いますよというのがありますと、矢印などを書き込んで、ARグラスに投影します。こういうふうにやってください、ということです。簡単にこの作業指示を遠隔で行うことができます。また、ARグラスには内臓しているスピーカーがあります。音声で指示を行うこともできます。こういったツールを活用して、企業と障がいのある方、双方の負担を軽減し、効率的に作業を習得していただきたいと思っています。
先ほど西鉄グループ6社で業務切り出しというふうに申しましたが、6社それぞれどんな業務があるのかというところです。緑の色をつけたところが、4社で切り出していただいた業務で、ARグラスを使って事前の訓練を行うことができる業務であります。乗車サポートとか、構内の見回り、いろいろな駅構内のクリーンキーパーとしてのお仕事、ポーター業務など、多岐にわたる訓練のコースを用意しています。
訓練に参加を希望される方の募集については、7月16日から9月30日の期間。募集人数は、20名程度、6社ありましたので、大体、各コースが3名程度です。参加は無料。新たな仕事に挑戦したいと考えておられる障がい者の皆様方には、ぜひ積極的に応募をいただきたいと思います。今回のARグラスを活用した就職前トレーニング事業、これをしっかりと成功させまして、今日この6社で業務切り出しを行いましたが、将来的には他の分野に取り組みを広げていきたいと思っています。障がいのある方の働く場を増やし、多様な人材が活躍できる、輝くことができるような福岡県を目指して参ります。私からの発表事項は以上でございます。
(FBS)発表案件からお聞きします。ネーミングライツに関して、今回の2つの施設にそれぞれ何社から応募があったかというのをまず教えてください。続いて、ももち文化センターを落札されたサワライズさんは、具体的にどういった企業というか、どういった業態に取り組まれている企業なのかを教えてください。
(財産活用課)今回、優先交渉権者に決定した2施設については、提案事業者はそれぞれ1者ずつです。なお、今回公募は、そのほか、アクシオンと呼んでいる県立スポーツ科学情報センター、県立総合プールについては応募者がございませんでした。
2点目のサワライズ様は、福岡市西区にある企業で、不動産業を中心に幅広くやられており、例えば、姪浜で自動車学校を運営されている等、不動産を軸に色々やられている企業だと認識しています。
(FBS)応募がなかった2件に関しては引き続き応募してるんでしょうか、それとも一旦中止といいますか。
(財産活用課)中止の方向で考えています。県立スポーツ科学情報センター及び県立総合プールについては、平成19年に一度公募しています。その際も応募がなく、今回、再公募になったところですが、なかなか企業における広報効果等が薄いと判断されていると認識していますので、今後はやらない方向で考えております。
(知事)やはり立地とかもあるんでしょうね。アクシオン、県立総合プールは、ご存じのように空港の横、少し山手の方に上ったところにありますが、道路に接してない立地ですし、そこでの広報効果があまり見込めないと事業者の皆さんがお考えになったのではないかと思います。
(FBS)この応募がなかった2施設を除いて、今後さらにほかの施設に拡大する、もしくは決まっているところというのはあったりしますか。
(知事)特に、この2つの施設もそうですが、多くの県民の皆様にご利用いただいている県民向けの施設については、今回の命名権料も色々な備品の買換え等に活用させていただく、県民の皆様のご利用に当たって利便性の向上に活用させていただくように考えており、そういった親しまれる施設にしていくためには、様々な施設の利用状況、また、今申しましたような立地も勘案しながら、導入に向けた検討を積極的に続けていきたいと考えています。
(読売新聞)ネーミングライツについて、決まっていればでいいんですが、オクゼン不動産さんの予定されている自社によるスポーツ大会は何か、どういったものを今、検討されてるんでしょうか。
(財産活用課)オクゼン不動産さんが冠となってのオクゼンカップという名前でのスポーツ大会を開くことも検討しています。
(知事)種目とかは。
(財産活用課)オクゼンカップの種目はまだ確定してないとのことです。
(読売新聞)年代とか、どれぐらいですか。小学生とか社会人とか。
(財産活用課)対象は現在のところはないです。
(西日本新聞)ARグラスの件で確認なのですが、このARグラスを使うのは結局西鉄グループ4社でということでいいんですか。
(知事)今回のこの取り組みにおいては、ARグラスを活用するのは、西鉄グループの4社です。あと二つ業務がありましたが、これはARグラスを活用するのではなくて、ほかの形です。障がい者の皆さんのテレワークオフィスというものを御存じでしょうか。このテレワークオフィスを活用しながら支援をしていきたいと思っています。
(共同通信)東京都知事選の選挙ポスターの問題についてお伺いします。都知事選では多数の候補者が出馬して、ポスターの掲示スペースが足りなくなったり、掲示板に同じデザインのポスターが並んだり、掲示そのものが問題になったり、公選法の改正を求める声が上がっています。知事選挙を経験されたお一人として都知事選の状況をどのようにお感じになりましたでしょうか。また、公選法改正の要否についても御意見をお願いします。
(知事)選挙ポスターの掲示というものについては、多額の税金が使われているんですね。税金が使われている公共的な目的のものが、寄附という形ではありますが、事実上、販売をされているということになったのはやはり問題ではないかと思っています。立候補された方にとっても、ポスターは有権者の皆さんに政見に関する情報を伝える手段であり、また、有権者の皆さんにとっても、誰が代表として、今回都知事という都のトップでありますが、将来を託すにふさわしいか、その判断材料にするためのものです。こういう重要な機会を阻害することにもつながりかねませんので、いわゆる民主主義の根幹を成す選挙というものを揺るがす許されない行為であると思っています。
今回の都知事選を通じては、我々も色々と、ある意味問題提起を受けたのかなと思っています。ポスターの問題、あるいは政見放送の問題等々あります。やはり今の公職選挙法が想定していない問題が起こっているわけでして、今後、言論の自由、表現の自由というものについて十分配慮をする必要がありますが、やはり今回の経験を経ますと、選挙や政治と関係のない内容は何らかの規制をかけるなど選挙制度自体を見直す必要があるのではないかと思っています。
(西日本新聞)都知事選で関連なんですけど、この前の都知事選で前安芸高田市長の石丸伸二さんがすごい躍進したと思うんですが、そういった第三極的な方が躍進したことについて、知事、何か、どう思っていたのかというのをお教えいただけないでしょうか。
(知事)石丸伸二さんが2位に上がられたということで、このことについては色々なメディアによっても大きく取り上げられています。その結果といいますか、分析というのは、やはり多岐にわたって分析を行う必要があると思いますので、簡単に申し上げることはできませんが、よく石丸さん、You TubeとかX等のいわゆるSNSを活用して、そのことによって、というふうにも言われますが、しかし石丸さんの選挙活動を見てみますと、非常に街頭演説が多いんですね。二百数十回にわたって街頭において直接有権者の皆様にお会いをして、そして自分の考えをお伝えになっている。それをまたSNSを活用する形で広げていくといいますか、そういうふうな手法を使われています。この辺が非常に効果的な選挙戦を展開されたのではないかと思いますし、基本的には、街頭演説というものを重視されて、従来型の選挙手法も使いながら、新しいSNSというツールを活用した選挙を展開されたのだと思います。
これを通じて、特に若い方々、若年層において、当選された小池都知事に迫る勢いを見せておられました。やはりこれは、石丸さんのそういう熱意といいますか、そういうものを今申し上げたような手法を使いながらお届けになった、その結果であろうかというふうに思います。
(毎日新聞)今、都知事選の話が出ましたけれども、福岡県知事選挙の話をちょっとお聞きしたいと思うんですが。
6月に自民党の県連大会がありまして、その中で原口県連会長が、どうも知事は東京でも人気があると。手を挙げれば一丸となって頑張りたいと述べられまして、知事の再選出馬に強い期待感を示されたんですけれども、こういう声は知事にも届いているんでしょうか。受け止めを教えてください。
(知事)はい、各社の報道を通じて存じ上げております。そのようなことをおっしゃっていただいていることについては大変ありがたく受け止めております。と同時に、やはり今、私が福岡県知事という職にあって、なすべきことをしっかりやっていかなければいけない、このことについて改めて気を引き締め直してというところでございます。
(毎日新聞)任期満了まで9か月ぐらいになってるんですけれども、態度表明というのはいつ頃というふうにお考えでしょうか。都知事選挙では、現職がぎりぎりに出馬表明をすることにちょっと批判も出てましたけれども、その点を踏まえてお願いいたします。
(知事)まだ、いつというふうなのは正直決めておりません。やはり自らにしっかりと問いかけをし、そして、自らの気持ちを、心を決めて、しっかりとしたことをまた県民の皆様に対してお話をさせていただきたいというふうに思っています。
(毎日新聞)ぎりぎりにはならないか、どうですか。
(知事)県民の皆様にとって、先ほどの都知事選挙でのお話もありましたが、県のトップ、都のトップ、自治体のトップを選ぶということ、非常にこれは重要なことであります。有権者の皆様、県民の皆様にとって混乱や不安を引き起こすことのないように、そこは留意をして取り組んでいきたいと思っています。
(RKB)
新型コロナについてお伺いしたいんですけれども、県内の感染者数が7月1日から7日で先週比の1.68倍で、2,000人を超えていまして、この2,000人を超えているのが2月以来ということになっています。これまでの新型コロナと違う特徴だったり傾向があれば教えていただきたいのと、また、夏休みに入るので、県民への呼びかけを改めてよろしくお願いできればと思います。
(知事)今おっしゃっていただいたように、定点当たりの数値も11.28と非常に高くなってきております。今回の定点当たりの報告数が増えたことに伴って、特段、症状とか色々な特徴において何か変化が見られるということは聞いておりません。
しかし、過去を見ましたら、夏休みの時期といいますか、夏場に感染が広がったという経験がございます。これはやはり、夏休み、あるいはお盆等々のイベントが多い時期になりますので、人が集まる機会が多くなる、そしてまた、蒸し暑いとか暑い時期になってどうしても部屋を閉め切ってエアコンをかける、こういうふうな季節になります。やはり、適切にマスクを着用していただく、あるいは手洗いや手指消毒を励行していただく、そしてまた、部屋の中においては、暑い時期なんですけども、人が集まるようなときには定期的な換気というものが非常に重要になりますので、御面倒かもしれませんけれども、換気について特に注意を行っていただきたいと思います。
もし疑われるような症状、発熱とか、そういうものが出たときには、かかりつけ医さんをはじめ、診療所、病院のほうに受診をお願いいたしたいと思います。
(RKB)追加なんですけども、コロナの5類移行後、今、現状としまして、大きな波が来ていると感じられておられるのか、それを教えていただけますか。
(知事)まだ、今これをどう判断するかという段階にないとは思いますが、先ほど申しましたように、過去の経験からも、やはり夏場、夏休み時期というのは非常に感染が拡大をしている経験がありますので、これはそういう感染拡大の波の入り口にあるとも考えられます。十分に注意を払っておく必要があると考えています。
(終了)