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知事定例記者会見 令和6年5月30日(木曜日)

更新日:2024年5月30日更新 印刷

知事定例記者会見 令和6年5月30日(木曜日)

この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。

この知事記者会見録の模様は、  ふくおかインターネットテレビ  で動画配信しています。

発表事項

  • 中小企業の挑戦を応援。アトツギ・サッシンベンチャー伴走支援プログラムスタート!
    ~「テイクオフ Party」を開催!アトツギや新分野に挑戦する企業が集結~(新事業支援課)

 中小企業の挑戦を応援。アトツギ・サッシンベンチャー伴走支援プログラムスタート! [PDFファイル/322KB]

  • 九州初!福岡県在宅医療・介護職員カスハラ相談センターを開設します
    ​~利用者等からの暴力・ハラスメントから在宅の医療・介護現場で働く方を守る~(高齢者地域包括ケア推進課)

 九州初!福岡県在宅医療・介護職員カスハラ相談センターを開設します [PDFファイル/282KB]

その他

  • 経済・文化の中心であるロンドン・パリで福岡県の観光・食・県産品をPRしました!!(観光振興課)

 経済・文化の中心であるロンドン・パリで福岡県の観光・食・県産品をPRしました!! [PDFファイル/1014KB]

(知事)皆さんこんにちは。本日は発表事項が2件、報告事項が1件です。

 まず1件目の発表事項です。今年度から新たに「アトツギ・サッシンベンチャー伴走支援プログラム」をスタートします。

 「ベンチャー」と書いてありますが、ベンチャー・スタートアップの育成支援に我々もいろいろ取り組んでいます。一方で、本県の雇用の8割は、いま我々の地域で事業活動を営む中小企業の皆様に担っていただいています。また、これまで長きにわたり、地域経済を支え、あるいは地域社会コミュニティーを支え、お祭りを支え、文化を支え、このようなことを長きにわたりしていただいてきたのは、やはりこの地域に根差した中小企業の皆様です。本県経済の発展のためには、県内の中小企業をさらに強くし、育てる。このことが重要です。

 冒頭、ベンチャー・スタートアップと申しましたが、こういう皆さんはやはりどうしてもゼロから始めなければいけない。そういった点の支援はもちろん必要なわけですが、中小企業の皆様はゼロから始めるスタートアップと違って、すでに資金や、人材、マンパワー、あるいは設備があります。それから顧客、お取引をされている先との信用関係、そういったものをお持ちです。こうした中小企業がすでに持っている経営資源を生かして、家業をお継ぎになる若手の後継者が新規事業に挑戦する、この中小企業を「アトツギベンチャー」、そして、後継者ではなく、今現在経営者の方でも、第二創業など新しい分野に挑戦する中小企業を「サッシンベンチャー」と名付け、このチャレンジを応援し、本県経済を成長させるために、このプログラムをスタートさせました。

 このプログラムは、大きく分けて「ベース」、「ジャンプ」の二つに分かれます。

 「ベース」、まさに土台ですね、中小企業を発展成長させるための土台を作るプログラムが「ベース」です。先輩の経験談ですとか、あるいはアドバイスを聞けるセミナー、また専門家の皆様による新規事業開発ワークショップを開催し、具体的なアイデアをまだ持っていなくても事業化に進むための後押しをする、これが「ベース」です。

 「ジャンプ」は、この土台、「ベース」からですね、次のステージに飛び立つ、このことを行うプログラムです。専門家の皆様の伴走支援、いわゆるアクセラレーションプログラムを行いまして、新しい商品や新しいサービスを開発します。開発した新しい商品は、クラウドファンディングに出展をする。そして販売データに基づく専門家からのフィードバックを、今後の販売戦略に生かしていただきます。そして、新しいサービスは、全国規模のビジネスプランコンテストで発表を行い、メディアへの露出を増やし、売上増加や販路拡大につなげていきます。

 この「ベース」と「ジャンプ」とあるわけですが、「ベース」は、もちろん土台ということですから、「アトツギベンチャー」であれ「サッシンベンチャー」であれ、いずれも対象になるプログラムです。「ジャンプ」については、これまでのISSIN(イッシン)というアクセラレーションプログラムで支援を行っていた「アトツギベンチャー」が対象です。こうしたアトツギ・サッシンベンチャーの皆様が新事業新分野に挑戦する際にアドバイス、或いはヒントを得るための人脈形成や交流の場として、7月18日の16時から、アトツギ・サッシンベンチャーの「テイクオフ Party」を開催します。全国的に活躍されている先輩「アトツギ」さんが全国にいらっしゃいます。あるいは地元の福岡で活躍している先輩アトツギ・サッシンベンチャーさんもいらっしゃるわけです。こうした皆様によるトークセッションを行いたいと思います。今日から、この「テイクオフ Party」の参加申込を開始します。ぜひ、たくさんの中小企業の皆様にご参加いただき、同じ思いを持つ仲間や先輩企業の皆さん、行政、金融機関などの支援機関、こうした皆さんと交流していただき、ご自身の新事業の実現に向けて、テイクオフしていただきたいと思っています。

 2点目です。様々、報道機関におかれても伝えられていますが、在宅の医療、介護現場で働いていらっしゃる皆様を、利用される方々からの暴力、ハラスメントから守ることが必要です。このために、6月7日の金曜日に、九州初となる、「福岡県在宅医療介護職員カスハラ相談センター」を開設します。

 在宅の医療あるいは介護の現場で発生する暴力ハラスメント、これは一般的に申しますと、例えば大声で怒鳴るといった精神的な暴力、それから実際に叩くとか蹴るといった身体的な暴力、そして3番目は必要もなく体を触ったり、あからさまに性的な話をしたりするセクシャルハラスメント、この3つに分類されると言われています。

 県で調査を行ったところ、在宅医療介護の現場で働く皆様の4割が、利用者の方、あるいはその利用者の家族の方から、暴力ハラスメントを受けたことがある、と回答をされています。さらに、この内の4割の方については、病気になった、仕事を休んだ、休職をした、仕事を辞めてしまった、といった経験がある。という声をいただいています。例えば、具体的な行為を聞いてみると、包丁を突きつけられ、命の危険を感じるような深刻な事案もあります。

 働く方の安全・安心を確保し、在宅の医療・介護サービスを円滑に継続的に提供していくために、九州で初めてとなる「福岡県在宅医療・介護職員カスハラ相談センター」を開設します。今回のセンターは、在宅の医療・介護サービスに従事していらっしゃる方や、その管理者からの相談に特化したセンターです。センターには電話やメールでご相談いただくことができます。

 誰が対応するかということですが、暴力やハラスメント問題に詳しい警察のOBの方などの相談員が対応します。法的判断が必要なものなどは弁護士による法律相談も行えます。そしてこの相談を受けた事案について、助言やアフターフォローを行います。

 緊急性の高いものや悪質なケースについては、警察へ情報提供し、状況に応じてハラスメント行為者への警告や注意などの協力を警察に求めます。また、事業所のハラスメント対策が不十分であることが考えられる場合は、保健所などに情報提供し、事業所の管理者に対する助言を求めます。

 このセンターの概要ですが、相談についてはすべて無料です。時間は月曜日から金曜日の9時から19時まで受け付けています。

 こういった問題はいずれも同様ですが、複雑化する前に対応を図ることが重要です。匿名でのご相談ももちろん可能ですので、暴力やハラスメントを感じたら、1人で抱え込まず、早い段階からセンターにご相談ください。

 働く方も、またその在宅医療・介護サービスを利用される方も、安心できる在宅医療・介護の提供ができるよう、暴力ハラスメント撲滅に向けてしっかりと取り組んでいきます。

 次に報告事項です。すでに日程を発表していましたが、今月の23日から27日の日程で、ロンドン・パリでプロモーション活動等を実施しましたので、ご報告します。往復の日数を除くと、ロンドンが2日、パリは1日、極めて短く少々きつかったですが、充実した活動ができたと思います。

 まずロンドンを訪問しました。イギリスはヨーロッパの中では本県への入国者が最も多い国です。

 日程表にあるとおり、ロンドン到着後すぐに、在英国特命全権大使の公邸にお招きいただき、林大使と意見交換を行いました。

 大使から、「日本をPRするためには地方を売り込む時代。こちらで知名度が高いのは東京、京都、富士山だが、それに続く4番目がない。福岡についてはほとんど知られておらず、現在は、福岡の知名度は大変低いと言わざるを得ない。しかし、福岡のような魅力のある地域は大いに頑張っていただきたいし、大使館としてもしっかり応援する」という力強い言葉をいただきました。

 私からは、「福岡は豊かな自然に恵まれておいしい農林水産物がたくさんある。特にイギリスにおいては、八女茶や美味しい日本酒を広めていきたい」とお話ししました。また、イギリスの皆様が観光地を決めるにあたってどういうことを求めるかなどについて意見交換を行っています。

 林大使からは、「物を売るにせよ、あるいは観光を呼び込むにせよ、ストーリーが大事。その物がどうやって作られ、その土地がどういう土地なのか、どういう人が作っているのか、どういう歴史・文化があるのか、やはりこのストーリーで売らなければ。ただおいしい、ただ綺麗ということではだめである。また、物産についてはターゲットを明確にし、高価格帯のものを出すべきである」とお話がありました。

 翌日の朝ですが、世界各国の茶葉を輸入販売し、八女茶も取り扱っているコミンズティ社と販売促進に関する意見交換を行いました。

 共同代表、つまり奥さんも八女に来ていただいたことがあります。また、社長には、2017年、私が副知事の頃に、ヨーロッパの茶商の皆様を八女に招聘した折に、朝の霧を味わっていただく、あるいは土をなめていただくなど八女の風土を感じていただき、八女茶を作っている人たちと触れ合っていただきました。そういうことから、コミンズティ社は八女茶を取り扱うこととなり、とにかく八女茶は美味しいと高く評価いただいています。

 また、ヨーロッパはオーガニックに対する人気が高い。絶対にオーガニックではなくても構わないが、ヨーロッパ基準がありますので、そういったものを考えて生産していく必要があります。ヨーロッパの消費者はお茶が育った環境や歴史文化などに関心があるので、八女茶にまつわるストーリーを伝える、あるいはまがい物ではない茶道体験などのデモンストレーションを行うことが効果的であるというご助言をいただきました。

 次に、観光セミナーと交流会ですが、現地の旅行者、或いはメディアの皆様、インフルエンサーの皆様などをお招きした観光セミナーを開催しまして、約80名の皆様にお集まりいただきました。ここでは、私から、そしてそのあとロンドンで県の観光PRを行う日系の旅行会社、さらに、福岡への訪問経験がある地元のインフルエンサーの方から、食の魅力、或いは、山笠とかどんたくとか大蛇山とかのお祭り、そういったものをはじめとする本県の魅力のPRを行ったところであります。ほとんどの皆さんが交流会に残られまして、八女茶や県産品を試飲していただき、意見交換を行いました。この際には、私ひとりでは対応できませんので、我々職員と県議会から同行した先生方もホストとして対応していただきました。

 参加者の皆様には、「福岡の歴史、文化、そして食の魅力を知ることができた。東京よりもリーズナブルということもわかった。ぜひツアーを作りたい、特に富裕層向けのツアーを作りたい」という会社の方がいらっしゃいました。それから、「東京・京都以外の情報を知ることが初めてできた。今後、記事として掲載したい」というメディアの方もいらっしゃいました。それから、私のプレゼンの中で、仁川まで1時間、上海までも約2時間と近いんだと申し上げたところ、交流会のときに、「あなたはそうおっしゃたが、インバウンドを呼び込むにあたって、東京、大阪から広島まで来て、もっとこっちに持っていきたいと言う。それは矛盾してないか。仁川から呼べばいい」と言われました。つまり、「国境を越えた観光ルートを、福岡は、アジアの窓口とおっしゃるならば、もっと考えるべし。仁川、上海、シンガポール、ソウルを楽しんで、福岡に、九州に入る。いずれから入って出てくればいい。その際にはクイーンビートルがあるんだろう」というお話でした。そういう参考になるご意見・ご指摘もいただいたところです。また、もう少し苦い話としては、「福岡に行ったことがあるけど、ベジタリアンメニューが充実してない、あるいはわかりにくい。ヨーロッパから客を呼ぼうと思うのならば、ベジタリアンメニューをちゃんと充実すべし」ということを指摘いただきました。ハラールも含めて、今後対応を検討していきたいというふうに思っています。こういった、いい話も辛い話も含めて聞くことができました。

 次は、伝統工芸品関係ですが、外務省が設置しています、ジャパンハウス・ロンドンです。日本文化の情報発信拠点ですが、ここにお伺いしまして、意見交換を行いました。

 すばらしい施設、設備を備えたところでして、ジャパンハウス・ロンドンからは、ロンドンにおける日本の工芸品等の販売状況や、福岡はここでやったことはないが、他県の取組事例について、ご説明を受けました。また体験型のワークショップなども行っておられます。日本各地域の魅力の効果的な発信方法について、ご示唆いただいたところです。

 次は、これはジャパンセンターというところなのですが、もともとはですね、昇龍ラーメン、福岡県ご出身の徳峰会長が1976年に設立をされまして、我々がラー麦を開発してからは、真っ先に、ラー麦を使った豚骨ラーメンをロンドンで提供しておられます。

 イギリスでは豚骨ラーメンブームの先駆けとなったお店です。同時に、このジャパンセンターは、長年にわたって各種の食品、お米も含め、日本製品の販売も行っていらっしゃいます。ここで、ラー麦の話、或いは八女茶や、梅酒が人気があるんですが、お酒の輸出などについても、意見交換、ご指導いただいたところです。

 そのあとは、イギリスでご活躍の福岡県人会の皆様と意見交換を行いました。会計士の方、或いは大学の研究者の方など、会員数は100名を超える規模の県人会が構成されていまして、イギリスの政治経済状況など、生の声をお聞きすることができました。私からもいろいろご報告もし、また、来年、福岡で、第12回の海外福岡県人会世界大会がありますので、ぜひ参加していただきたいとのお話もさせていただきました。

 次、翌日の朝から、すごいものだというのは、行ってみてまさに実感しましたが、ガーデニングショーの最高峰、ロンドンのチェルシーというまちで、チェルシーフラワーショーを訪問しました。花を活用した、まさにまちづくり、チェルシーというまち全体がもう花で、その花のまちの中に老人介護施設とか、いろんなものがあるというまちです。ホスピタルシティ。今年度、シルバーギルトメダルを受賞され、これまでも12回にわたり金賞受賞されています世界的に著名な庭園デザイナー石原和幸代表と、花を活用したまちづくりについて、意見交換、石原さんの理想、理念をお聞きいたしました。

 チェルシーのフラワーショーでは、チャールズ国王とカミラ王妃がおいでになると、必ず真っ先に石原さんの100平米の展示場においでになると。エリザベス女王は彼のことを、緑の魔術師とお呼びになったとのことです。このチェルシーのフラワーショーは世界からお客様がお見えになっている状況で、非常にごった返しておりましたが、富裕層の皆様が大変多い印象を受けました。

 また石原さんは、非常にサステナブルな取り組みとして、きれいな庭を見せるだけではなく、裏にコンポストを備えていて、そこを見学に並んでいらっしゃる方もたくさんいらっしゃいました。ワンヘルスにもつながる考えということです。

 次に、花を活用したまちづくりについて意見交換をさせていただき、これからも石原さんと色々なプロジェクト等をご一緒できたらという想いもしたところです。

 それから、フランスでご活躍の福岡県人会の皆さまと意見交換会を行いました。弁護士や医師、華道の先生など皆さんからいろんなお話を聞くことができました。ここでもいろいろなフェアがあるため、福岡県は参加したらどうかなど、いろいろな声をいただいたところです。

 また、パリ・オリンピック、パラリンピックで活躍が期待される福岡県ゆかりの選手を紹介し、現地での声援をお願いしました。

 次に日本の伝統工芸品等の展示・販売店「メゾン・ワ」において、塩川代表と今年度から実施する本県の伝統工芸品のテストマーケティングに関する意見交換を行いました。

 言われたのは、まず、「行政の事業は『海外』という言葉を使う。なぜ海外と一括りにするのか。ターゲットをピンポイントで決めること。フランスとイギリスは違う。アメリカとフランスが一緒か。それぞれの国の文化、歴史、生活様式がある。そういうことを考えたときに、どこをターゲットにして物を売りたいのか人を呼びたいのか、そういうことを海外という言葉でまとめることがまず間違っている。」というお話でした。

 それと、器を例に言えば「フランス料理は30cmの丸皿に肉も野菜もサラダ出します。そこに突然日本の角皿を持ってこられても、或いは刺身用の小皿を持ってきても、それは美しい、綺麗だと、絶賛はされるけど、絶対買われません。こういうことをもっとリサーチしてから、ものを作って持ち込んでいただきたい」というご指摘でした。非常に有益な助言・提案をいただきました。

 この秋に「メゾン・ワ」でテストマーケティングを行います。今後参加事業者の皆さんを選定するにあたっても、そこの心構えができるかどうかは極めて重要です。また意見をしっかりと聞いて、その製品や作品を修正することも積極的でなければ、非常に難しいというお話もありました。フランスの皆様のニーズにこたえられるよう、しっかり準備を進めたいと思います。

 次に、本県出身の和食シェフが営む、ミシュラン1つ星を1年で獲得された茶懐石レストランで、元駐日フランス大使でもある、世界的なグルメ情報サイトLA LISTE(ラ リスト)の創業者や、ヨーロッパ初の日本専門旅行会社の企画部長や在フランス日本国大使館の山谷公使にもおいでいただき、食や観光分野の意見交換を行いました。高取焼などの器で和食を提供し、八女茶や県産酒を味わっていただきました。大変好評でした。

 特に八女茶はフランスでもイギリスでも非常に好評でした。ただ言われたのは、やはりフランスはワインの国であり、家庭向けに多量の日本酒を売るということは極めて難しく、こういうお店を通じて日本酒を売っていくのは可能だがフランス政府もあまり好まないということです。このようなこともよく考えてやった方がよいと。だからむしろ緑茶が今非常に人気が高いので八女茶の販売に注力すべきという意見もいただきました。

 それから、米粉で作った乾麺のベイメンを持ち込んで、作っていただきましたが、大変好評でした。米粉がグルテンフリーということについて、非常に関心が高くありました。

 そういう高い評価をいただき、LA LISTEの創業者のフォール氏からは、グルメ情報サイトLA LISTEで福岡県政府として責任の持てる情報を提供してくれるという条件で情報発信してはどうかと言っていただきました。また、東京のフランス大使館、パリの外務省の建物を使ったイベントに参加しないかというお話もいただきました。私が驚いたのは、岐阜県や福井県はすでに数年参加している、福岡より岐阜や福井の方が知名度が高いと言われたことです。やはり、各県非常に頑張っているなと思い知らされたところです。

 いろいろ申しましたが、私として感じたことは、最初に申し上げたように、残念ながら福岡、九州はほとんど知名度がない。やはり各県継続的な努力されているということ。それから、海外ということで一括りにして物事を考えない。ターゲットとする国の文化、ライフスタイルをしっかりとリサーチして、その国に合った商品を提示して、提供、提案していくことが重要であるということ。3番目は、さっきの繰り返しになりますが、単発のイベントではなく、継続して、根気強く取り組んでいく必要があること。

 こうした点を踏まえながら、これからもイギリス・フランスからの観光客の誘致、それから収益性の高い県産品の輸出拡大に取り組んでいきたいと思います。

 私からは以上です。

質疑応答

(時事通信社)アトツギ・サッシンベンチャー伴走支援について、お話の中にISSINプロジェクトという前身のお話が出てきましたが、これからアトツギ・サッシンプロジェクトに変わる意義や導入の経緯を教えていただけますか。

(知事)3年ぐらい前から、中小企業の若手後継者、いわゆるアトツギに注目してこのアトツギベンチャー支援を行った、それがISSIN、アクセラレーションプログラムです。新商品開発を伴走型で支援してきて、一定の成果が上がっています。

 しかし、中小企業の皆様のお声をお聞きすると、アトツギではないが、プログラムに参加したいし支援してくれないかという話が結構ありました。確かに、アトツギでなければならないものではないし、第二創業など新しい新分野にチャレンジする、そういうサッシンベンチャーも支援しなければならないということで、このアトツギとサッシンを産業政策の新たな柱として打ち出すことにしたものです。

(時事通信社)カスハラについて、介護業界はそもそも人が集まりにくくて足りないと言われている中で、さらにハラスメントを受けて嫌な思いをされて、休職したりとか退職されたりしたという状況があると思いますが、この取組に対する期待感があればコメントいただけますか。

(知事)介護の世界もなかなか人手不足、福祉分野はいつも有効求人倍率が極めて高いという状況になっています。こういう中で、せっかくその分野で頑張っていただいている方が、こういう暴力、あるいはハラスメントを受けて辞めざるを得ないという事態に追い込まれる、これは極めて深刻な問題であり、そういうことがない職場環境を、業者の皆さん任せ、あるいは現場の皆さん任せにするのではなく、行政として警察とも連携をとりながら、しっかりと従事者の皆さんを守っていくことが必要だと考えて、この取組を始めたわけです。

(毎日新聞)海外視察の件ですが、知名度がやっぱり低いことだとか、八女茶のストーリーだとか色々成果があったと思いますが、知事がターゲットやライフスタイルをリサーチしていくなど色々お話しされたことについて、県庁の組織体制を含めて、今後どのように取り組まれるかもう少し具体的に教えていただけますか。

(知事)まず、観光の面でいえば、観光局で、ツアーの観光客誘致や、それと同時に伝統工芸品等の販売も行っています。そして農林水産部では、食の魅力の豊かな県ですので、輸出促進課や福岡の食販売促進課において、福岡県の食の魅力を国際的フェア等で発信しています。こういう体制で今取り組んでいます。今回も様々、色々な御指摘もいただきました。この中には、そういう組織の壁を越えて、やはり横連携をとって取り組むべきこと、勉強し直すべきことが随分あると思います。そしてまた、国際局も当然関わってきます。ハラールの問題などですね。そういう問題についても、観光客の皆様だけではなく、これから日本に住んで活躍していただくべきイスラム圏の方も増えてくる。こういったことを考えたときに、そういう生活上の支障がないように対応していかなければいけない。こういったことも今の各組織の中で情報共有しながらしっかり取り組んでいきたいと思っています。

(毎日新聞)庁内横断的に例えば何かプロジェクトチームをつくったりみたいなこととかをお考えなんですか。

(知事)特に今、プロジェクトチームとかは考えてないです。

(毎日新聞)横断的にやってきたいということですね。分かりました。

(RKB)今の海外視察に絡んで、県議会の話ではあるのですが、今日、代表者会議のほうでプロジェクトチームをつくって、今後、視察の在り方、経費だったり公表の仕方を検討していくということになったのですが、それについて知事の受け止め、どのように受け止めていらっしゃるかお伺いできればと思います。

(知事)私も県議会の今回発表された内容についてはまだよく知らないところもありますが、それを前提にお話ししますが、この県議会の議員さんの海外出張については、やはり費用でありますとか人数、公表のやり方、ルールなど、私の目から見ても課題があると感じており、先般もそう申し上げたところです。

 このため、議会として主体的に改善を図っていただきたいということを香原議長に対して御意見を申し上げておりました。これを受け止めていただき、今日、県議会内の超党派の議員によるPT、プロジェクトチームを立ち上げられるということを決定されたということで、香原議長のリーダーシップによって改善に向けて速やかに動き出したと受け止めています。ぜひこのプロジェクトチームで充実した議論をしていただき、海外出張の必要性についても明確にしていただくとともに、公表の在り方など、課題について県民目線で議論いただいて、県議会の活動というもの、またその必要性というもの、これを県民の皆様からやはり理解がいただけるように、早期に容易に分かりやすく県民が知ることができるように、そんな仕組みを検討していただきたいと希望しています。

(RKB)もう1点ですが、今、県議会のほうで視察の費用についてなかなか明らかにせず、情報公開すれば出すというような、ちょっと後ろ向きとも取れるような姿勢なのですが、それについては知事として、こうすべきとか、情報公開しなくても県民に対して明らかにすべきとか、どのようにあるべきか、知事のお考えをお伺いできればと思います。

(知事)情報公開というか、公表するに当たっては、その費用等も含めてというふうに先ほど申し上げたつもりです。確かに、実際に使った額というのは、なかなかすぐには精算ができないというところはあると思いますが、予算額とかそういうものはあらかじめ分かるわけでありますので、そういったことは出せるだろうと思いますし、できる限り速やかにそういうものを公表できるように、そういう工夫をしていただければと思います。

(読売新聞)先ほどに関連して予算の話ですが、例えば今回のロンドン・パリ視察に関しては、もちろん払った費用はまだすぐには出ないということですが、知事の訪問としては、予算はどのぐらいかかったと。かかった予算、見積りというのは。

(知事)今回の訪問団の概要について少しお話ししたいと思います。今回の訪問団として訪れた人数は23名です。内訳を申しますと、知事を含む知事部局の職員が8名、県議会議長並びに議員の皆さんが8名、議会事務局の職員の方が3名、福岡県観光連盟等民間機関の方が4名、合計で23名です。このうち、議員8名のうち3名の方、それから、観光連盟等と申しました民間機関、民間団体の方4名、この合計7名の方は、旅費は自己負担での参加となっています。

 予算額ですが、ロンドン・パリ訪問団派遣事業に係る予算額は、約3,000万円です。中身を簡単に申しますと、渡航・宿泊費が8名分で約600万円、観光セミナーや交流会、それから各種の意見交換とかテストマーケティングの協議とか、色々さっき順番で申しましたけども、こういったものをひっくるめますと約1,700万円、さらに、やはり車両の借り上げ費とか、通訳さんも複数名配置する必要があります。諸々各種の経費が約700万円、合計で約3,000万円です。

(読売新聞)例えば、今、円安とか物価高もあったりする。時期にもよりますが、予算を組んだときよりもかなり高くなったりする可能性もあるという。

(知事)ありますよね。だから、予算編成のときにある程度、私も予算査定をやっていましたが、為替の動きとかもありますので、少し危険負担は乗せたりはします。ただ、急激に動きますとこれはどうしようもないので、既定経費から持ってくるなどして対応する場合もあります。

(読売新聞)その差額というのは、別の経費からということですか。

(知事)それもありますし、大きく不足するようであれば補正で追加をするということになりますが、そこまでということはあまりないかなと思います。

(RKB)今の質問に関連してなのですが、今回、県議団の方に同行して行かれたと思うのですが、これはそうすると費用は、大体一緒の行程なので、大体同じぐらいなのでしょうか。詳しいことは県議会になりますでしょうが。

(知事)そうですね。議員さんのほうは議会費に計上しています。ただ、議会費のほうには、先ほど私が申しましたような事業費ですね、全体事業費ですけど、中での色々な、テストマーケティング云々とか意見交換会の経費とか通訳とか、そういう事業費はこちらのほうで措置をしているケースが多くありますので、議会費のほうには主として渡航費の計上かというふうに思います。

(西日本新聞)地方自治法の改正についてなのですが、大規模災害などの非常時の自治体に対する国の指示権が拡大するところで、今日の本会議で可決されて今国会で成立するという形ですが、以前の会見でもお聞きしましたが、附帯決議にどうやら知事がおっしゃっていたようなことは載るようなのですが、改めて、どういった運用を求めていきたいかというのを教えていただけないでしょうか。

(知事)先般申し上げたことと同じにはなりますが、まず、今回の法改正ですね、私が申し上げていたのは、やはり地方、地方自治の自主性・自立性というものをまず十分に尊重することが前提であり、その上で、今回の法で定められる権限の行使に当たっては、本当に真に必要だという場合に限定するべきであると。さらに、行使すべきかどうかという判断に当たっては、閣議決定をされる前に国と地方公共団体との協議を十分に行うということが必要だというふうに申し上げてまいりました。これは全国知事会の皆さんも同様です。

 しかしながら、今回の改正法案、附帯決議とはおっしゃいましたが、事前の協議とか意見聴取というものが努力義務にとどまっているということは変わってないわけですよね。どういう運用がなされるかということが不透明だと思います。やはり、我々地方公共団体の意に反して安易に行使されることがないように、手続をより明確にしていただくことを引き続き政府には求めたいと思います。この点については、全国知事会の村井会長も21日の公聴会で参考人として意見を述べています。引き続き、全国知事会と連携して、政府に要請してまいります。

(西日本新聞)もう1点、別件で。今日午前中、小倉城クリテリウムの件で共同発表されて、北九州市の武内市長も来られていましたが、武内市長が県庁に来られたのは初めてですか。

(知事)市長として公的な立場でお見えになるのはおそらく初めてだと思います。

(県民情報広報課)県民情報広報課から補足します。武内市長が県庁来られたのは、初めてではありません。就任のご挨拶等で来られています。

(西日本新聞)来られる経緯と、今回のツール・ド・九州以外の話題がもし控室などであったのであれば、その件を話せる範囲で構わないので、どういったやり取りがあったのか教えていただけますか。

(知事)来られた経緯はまず、クリテリウムをどこでやるか。共同会見で倉富会長がおっしゃったように、非常にシンボリックかつ集客性の高いイベントです。これをどこで行うかは、実行委員会の中でもやはり議論になる中で、北九州市の小倉で再び行うということになりました。これは、やはり北九州市の協力がないとできません。機運を盛り上げるだけではなく、現場は大変です。一般公道を閉じて、例えば、クリテリウム開催中は小倉城には入れません。つまり、小倉城の入場料は取れません。色々な面で、有形、無形の市のご協力、市職員の努力が必要です。そのようなことについて、北九州市としてご協力いただくことになりました。これを踏まえ、開催市の市長として、そして実行委員会の会長、副会長として、三者で合同会見を行いました。

(西日本新聞)知事が直接市長に伝えられたのではなく、あくまで事務方とのやりとりということでしょうか。

(知事)北九州市のご協力に対して非常に感謝をするとともに、記者の皆様を通じて県民の皆様にクリテリウムを一緒に発表しましょうということで私からもメールは送りました。

(西日本新聞)何か返信はありましたか。

(知事)「ありがとうございます。一緒にやりましょう」ということで返信をいただきました。また、控室でのやり取りは、県、市ともに企業誘致等も含めて、私のふるさとでもある北九州市をもっともっと元気にしていきたいので力を合わせていこうという話をしました。

(終了)

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