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知事定例記者会見 令和6年4月9日(火曜日)

更新日:2024年4月9日更新 印刷

知事定例記者会見 令和6年4月9日(火曜日)

この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。

この知事記者会見録の模様は、  ふくおかインターネットテレビ  で動画配信しています。

発表事項

  • 「よかバス」が始まります!(観光振興課)

(知事)

 新年度明けましておめでとうございます。新年度初めての会見になります。今日は、報告事項1件です。

 いよいよこの4月から、「至福の旅・大吉の旅」福岡・大分デスティネーションキャンペーンがスタートしました。6日と7日の週末には、博多駅でオープニングイベントを開催しました。関西の方からオープニング記念号の新幹線に乗ってたくさんの皆様においでいただき、お迎えをしました。今日は、福岡県としてのこのキャンペーン期間中のイチ推し企画「よかバス」について、改めて報道関係の皆様方にご紹介します。

 4月1日にすでに「よかバス」はスタートしていますが、大変ご好評をいただいていると伺っています。全国から観光客の皆様はもちろんですが、県民の皆様にも大いにご利用いただき、まだまだ私たちも知らないこの福岡県内の各地の魅力というものを、もっともっと知っていただければと思う次第です。まずはこちら少しショートムービーがございますのでご覧ください。

 

(動画視聴)

 

(知事)

 今の映像でもお分かりいただけたかと思いますが、福岡は非常に食の魅力が溢れているところです。この福岡の食、歴史や伝統文化、伝統工芸、或いは自然の魅力、こういったものを巡り、感じ取るバスツアーです。

 「よか場所」を巡り、「よか食べ物」や「よかお酒」を楽しみ、何より、福岡のやさしい人々、「よか人」に出会い、「福岡はよかとこやね」と思って帰っていただく。そして何度も福岡を訪れ、この「よかバス」に乗っていただきたいと思います。

 福岡を観光する際、足をどうするかということは非常に重要なポイントです。この「よかバス」に乗っていただきますと、それぞれのテーマごとに非常に効率的に、いろんな楽しいところを回ることができます。

 またバスの中でゆっくり過ごせて、運転をしないため、お酒も楽しんでいただける、そのような「よか」ところが満載のバスです。

 この「よか場所」は、デスティネーションキャンペーンの期間中は50種類、300本以上のツアーコースを用意しています。

 例えば、今の季節の4月は、八女黒木の大藤や久留米のつつじ、シャクナゲといった春の花々を楽しんでいただくツアーを用意しています。5月は、新緑の季節であり、五感で楽しんでいただく森林セラピーウォークや八女の新茶のシーズン。この八女茶、新茶を満喫していただくツアーも含んでいます。他にも特別なものとして、京築地域に貴船神社がありますが、この貴船神社で、特別に実施する神楽を鑑賞していただき、通常夜間閉めている旧藏内邸を開け、そこで夕食を食べていただく特別ツアーも用意しています。

 パンフレットにもありますが、この二次元コードから入っていただくとこの公式サイトに辿り着きます。そして、各旅行会社のサイトにもリンクしており、お気に入りのツアー等があった場合、そこから予約できるようになっているので、是非ご活用いただければと思います。

 東京では、皆様ご存知のように「はとバス」があります。もう昔から有名です。東京は「はとバス」、福岡は「よかバス」ということで定着させていきたい。つまり、このデスティネーションキャンペーンが終わった後も「よかバス」事業を継続し、季節ごとにおすすめのツアーを造成していきたいと考えています。

 ぜひ、たくさんの皆様にこのバスをご利用いただきますよう、お待ちしています。

 私からは以上です。

質疑応答

(読売新聞)先ほど、「既にご好評いただいている」ということでしたが、どれぐらい現状予約が入っているとか、お客さんがどこから来ているのか、例えば、関西とか東京からなのか、あるいはインバウンドで海外からも来られているような状況なのでしょうか。

(観光振興課)通常、バスのツアーだと2週間前ぐらいから予約が入るのが通常ですが、今月についてはすでに26コースの催行が決定しています。

 もう一つ、どこからのお客様が多いかというご質問ですが、そこについては今、現状まだ分析はできておりませんが、今後、分析していく予定です。

(読売新聞)知事が先ほどおっしゃった、東京は「はとバス」、福岡は「よかバス」ということですが、このキャンペーンが終わった後も各旅行会社とバス会社と連携しながら広げていくというイメージでしょうか。

(知事)そういうことです。旅行会社、また、特にバスがないと駄目ですから、バス会社の皆様と旅行商品を造成していく。これを「よかバス」として販売していきたいと考えています。

(読売新聞)バスツアー自体は結構色々ありますが、今回のこの「よかバス」の新しさというか、今までにないポイントは知事としてどこだと思いますか。

(知事)やはり、我々行政も加わって、市町村の皆様にもご協力いただいているところもあり、地域のこれまで知られていなかったような魅力をあらためて掘り出して、それを非常に便利に回って見ていただこうということですので、よく一般的に知られているような観光地だけではなく、新しい福岡の魅力というものを掘り出し、それを巡っていただけるツアーとして「よかバス」の魅力があると思っています。

(朝日新聞)先ほどインバウンドの話が少し出てきましたが、多言語対応はどのようになっているか教えてください。

(観光振興課)多言語対応については、現在、日本語での対応のみとなっています。

(朝日新聞)そうすると、ターゲットとしては主に日本語、日本人の方となると思います。現在のトレンドか分かりませんが、訪日外国人観光客にも結構力を入れている自治体も多いと思いますが、今回特に、まず日本語で始めているというのは、例えば、今まで福岡県の魅力が交通アクセスなど色々な事情でまだ知られていないとか、なかなか行っていただけていないとか、そういった問題意識があるのかなと想像したのですが、色々なところに足を運んでいただくために課題に感じていることがあれば教えていただけますか。

(知事)先ほどもお答えしたように、今まで我々も市町村の皆様も、県内の各地にこういうところがありますよ、いいところありますよと割と点で示してきた傾向があります。確かにそれぞれのポイント、ポイントはすばらしい。しかし、観光するときに、限られた時間の中で効率的に回りたいので、どうやって行けばいいのだろう、どれぐらい時間がかかるのだろうと思うわけです。

 こういうことを考えたときに、まず県として、このデスティネーションキャンペーンもにらみつつではありますが、県の中に観光エリアを6つ作っています。例えば、筑前玄海エリアは、やはり海のものがおいしいので、イカ王国と名付けています。それから久留米・うきは・朝倉エリアはとても新鮮な野菜や果物があるほか、美人の湯と言われる筑後川温泉や原鶴温泉、あるいは美容の資生堂の見学施設もあるということでヘルス&ビューティーのエリアとしています。日田彦山線沿線は、小石原焼や物づくり、それから修験道の霊峰英彦山があるということで、6つの観光エリアを作って取り組んでいます。それであっても各エリアを繋ぎながら、効率的に楽しんでいただくためには、やはり主なJRの駅などからどうやってそこに行くのかと考えたときに、バスツアーが必要だと考えた理由です。それで、「よかバス」で、たくさんコースをつくって巡ってもらおうということです。

 やはりどうしても今、皆様も感じているように、インバウンドも含めて、観光客の皆様が福岡市や北九州市の政令市にたくさんお見えになっていますが、その近辺に泊まってしまって、とどまっているという感じがあります。したがって、先ほども申し上げたように、県内の各地を巡っていただいて、我々が新たに掘り出した観光の魅力、それぞれの地域の魅力というものも感じ取っていただきたいということと、その周遊性をもっと広げていきたいということで、このバスツアーを作りました。

(朝日新聞)その関連で、特に福岡市とかは、観光地が中々ないという話があると思いますが、そういう意味ではバスツアーは日帰りが多いのですか。例えば、日帰りでも、その日宿泊しようとか、そういうことに繋げたいという思いもあるということですか。

(知事)各地を巡って、色々なものを楽しんでお買物もしていただく、そして、いい温泉もありますから、できればそういうところで宿泊もしていただきたい。「よかバス」ではそういう宿泊型のツアーもあります。

 そういうのを、楽天トラベルやじゃらんを使って予約していただくと、2人以上の利用で宿泊が3,000円割引になります。そういうメリットも用意しいていますので、各地に足を運んで滞在していただいて、そして、地域の経済効果を見出したいと思っています。

 

(西日本新聞)明日4月10日で服部知事の任期が残り1年になるかと思います。服部知事は非常に気力が充実しているようにうかがえますが、次の選挙に向けて現時点でどのように考えているか教えてください。

(知事)気力充実という評価をいただきありがとうございます。おっしゃったように、ちょうど3年です。考えたら、もう3年経つのだなと思っています。これは一つには、昨年5月に新型コロナが5類に移行するまで、知事に就任してから2年以上がたっており、その間、何といっても新型コロナウイルス感染症から県民の皆様の命を守るということ、これを最大限に本当に必死で考えてやってきました。また、事業者の皆様のなりわい、事業というものをどう維持し守っていくのかということを第一にずっとやってきたということがあって、時間の経過がすごく早かったなという感じがします。

 そういう中でも、昨年の一文字に、展開の「展」という字を当てましたが、オミクロン株という毒性の低い株になったことも踏まえて、昨年の年頭から、「前を向きましょう、未来を見据えて前進していきましょう」ということを言ってきました。そういったことから、昨年度、令和5年度の当初予算に当たって、「1,000億円の人づくり」と、「県内GDP20兆円への挑戦」、そして「安全・安心で活力ある社会づくり」、この3つの新しい柱を立てて施策を展開してきました。

 こういうことを取り組んできましたが、そういう中でも、去年の5月にはコロナが5類になりました。ようやく人、モノというものの経済・社会が動き出したなと、徐々に秋になり、我々の日常が戻ってきたなという感があります。一方で、7月には梅雨前線豪雨の災害を被りました。こういったことから、やはり災害の復旧、復興はもとより、防災・減災、県土強靱化、こういう取り組みを一層進めていかなければいけない、計画的に進めていかなければいけないという思いも強くしました。

 それからまた、このコロナの間にロシアのウクライナ侵攻が始まり、さらにはパレスチナとイスラエルとの紛争も勃発するなど、予期もできなかったような国際情勢の変化もあり、さらにまた円安という基調が続き、諸物価の高騰がある。このことで、私たちの生活もですが、事業者の皆様の活動というものも非常に厳しい状況にある。こういう物価高騰対策もやはり緊急にさらに進めていかなければいけない。それから少子化対策など、解決すべき様々な社会課題、行政課題というのがたくさんあるわけです。

 そういったことで令和5年度があり、そして令和6年度に向けては、まず何より、ずっと申し上げていますように、県民の皆様をど真ん中に置いて物を考えるということで、これは知事就任以来申し上げてきた、その県民の皆様の命を守る、健康を守る、生活を守る、このことを第一にするということは、もう揺るぐところはございません。

 その上で、令和5年度と同じ3つの柱で施策を組み立て、かつ、令和6年度にあたっては、やはり新しくキーワードを2つ、「サステナブル」、「イノベーション」。この2つのキーワードの下で、やはり将来を守るサステナブル社会に変えていく、改新していく。そして未来を開くイノベーションを起こしていく、創発していく。この2つの視点を持って施策を横串を刺して組み立ててきました。この中にはもちろん物価と賃金の好循環を生み出す。あるいは災害とか感染症、気候変動、こういったことから人々を守る。それから、イノベーションという点では、女性の活躍、あるいは障がい者や外国人の皆様など多様な人材の持つ力をもっと生かしていく。そして、人が生み出すイノベーションの力で、労働生産性、あるいは付加価値生産性というものを上げていって、福岡県を力強く成長、発展させていきたい。このように思っており、これをまた6年度スタートをさせていただいたところです。

 今年の字を私は「実」という字を挙げましたが、こういった施策を力強く実行して、そして、成果、「実」を上げるべく、この6年度は必死に一生懸命考えてやっていきます。県庁職員と力を合わせて、また、市町村の皆様と力を合わせてやっていくと。このことが今、最大の取り組みといいますか、頭の中がいっぱいですので、まだ2期目について語る時期にはないと考えています。

(西日本新聞)ありがとうございます。関連して、その判断の時期、いつぐらいを目途に、出る、出ないにせよ、ある程度目途があれば教えてください。

(知事)自分で考えがまとまりましたら、お知らせをしたいと思います。

 

(西日本新聞)改正地方自治法について、今、国会に提出されていますが、感染症の大流行とか大規模災害時に、個別法がなくても国からの指示、自治体に指示できる内容で、ある意味、地方自治の原則に反する、自治体の上下関係を変えるものだという専門家からの指摘、自治体からも懸念とか出ていると思います。改めて服部知事の改正法についての受け止めをお願いします。

(知事)そのような懸念もあり、私自身も今回のこの法改正について、一定の懸念を持っていました。そういうことから、地方の自主性や自立性というもの、これは地方分権というものの考え方に立って、自主性、自立性ということを十分に尊重することがまず前提になっていなければいけないということです。

 そして国による補充的な指示、この規定を入れるということですが、これはやはり、本当に、真に必要な場合に限定するべきだということ。その上でその行使が必要だという場合でも、行使すべきかどうかという判断に当たっては、閣議決定の前に国と地方公共団体との協議がしっかりと行われるべきだと。この三つの点を考えており、この点について全国知事会の意見としても政府に要請をしていただきました。

 この結果、国としても、この補充的な指示について国と地方公共団体との関係の特例だということは明示されて、そういう中で、どういう場合にという、先ほど私は、真に必要な場合に限ると言ったわけですが、人々の生命等の保護についての措置を採る、これを的確かつ迅速に採らなければいけない、このような特に必要がある場合に限定、必要な限度において行使することが示されました。それから事前の協議は、行使するかどうかの検討のために地方公共団体に意見を求めるよう努めなければならないということが盛り込まれました。このことについては一定の評価をしたいと思います。

 ただ、地方公共団体との協議について、事前の協議とか意見聴取というのが「努めなければならない」と、つまり努力義務にとどまったということで、どういう運用がされるのかというのも不透明であります。こういったことから、やはり補充的な指示というものが、地方公共団体の意に反して安易に行使されるということがあってはならない。手続を明確化していただきたいと思います。

 このことを全国知事会を通じて要請しており、引き続き国には申し上げていきたいと思います。

 

(朝日新聞)大きく2点あります。まず一つ、特定利用空港・港湾の関連で、政府がやはり、自衛隊などが平時から民間の港湾とか空港を利用できるように整備するという計画で、福岡では博多港と北九州空港が選ばれています。それぞれ県の管理ではないと承知していますが、例えば、県として港の充実ですとか何かしらに関与することがあるのか、もし何か役割というのが今の時点であれば教えてください。

(知事)今おっしゃったように、北九州空港は国管理、博多港は福岡市の管理になっており、基本的には施設管理者と国との関係において判断されると考えています。

 ただ、私ども県としても、県民の安全・安心というものを守るという立場にあります。こういった観点から、今後もやはり、この国の動向というものはしっかり見て、情報収集というのには努めていきたいと思います。

 その上で、まず、特定利用空港・港湾というものは何かと。これはあくまで平時において、民生利用を主としながら自衛隊、海上保安庁の艦船、航空機の円滑な利用ができるような枠組みです。このために、浚渫、岸壁の整備、滑走路の延伸や、必要な整備、あるいは新たな整備、既存事業の促進を図るというものであると理解しています。

 そういう中で、民生利用を主とするということが大前提です。民間の利用や施設の運用に支障がないということが大前提、このことを国、県、そして施設管理者である福岡市にも説明をしており、この説明の下で、福岡市長としても施設管理者として理解を示されていると承知しており、福岡市の考え方というのを私としても尊重していきたいというふうに思っています。

 

(朝日新聞)もう1点、台湾有事の住民避難の関係について、こちらの事業は、政府が台湾有事に備えて今年度策定を目指す先島諸島からの住民の避難計画で、先日報道で、住民を熊本県の八代市に避難させるというモデルケースがまとめられたというのが出ております。このモデルケースの概要というのは既に福岡県にも示されていらっしゃるのかどうかという確認です。

(防災企画課)まだ示されていません。

(知事)八代の具体的な実証の総括は示されていません。

(朝日新聞)今、福岡空港がという話もありますが、県への受入れ計画の策定状況や、何か国と既にやり取りをしているようなところがもしあれば、教えてください。

(知事)県として国の求めに応じて、本県においての受入れ最大可能数は既にお示ししています。これは各県ともに同様だと思います。その上で、国が県ごとの割当てといいますか、福岡においては何万人を受け入れてほしいということを今後示されてくるようになっています。それに応じて、国に色々お尋ねしなければいけないことも出てくると思いますが、その上で我々としても受入れ計画を策定していくことになると思います。

(朝日新聞)最後に、これも今後の話になると思いますが、もし、住民の方々が避難してきてそれが長期化した場合に、いわゆるキャパシティー、ホテルとかという話だけでは

なくて、教育や介護・医療、そういった暮らしに関する対応というのもまた必要になってくると思いますが、そういったものに関して既に、方針は決まってないかもしれないですが、何かお考えがあればお伺いできますか。

(知事)現段階で具体的にまだ申し上げるべき段階にないですが、ただ、おっしゃるとおりで、1日、2日、台風を避けて少しこちらに避難という話ではないと思います。そのため、避難を余儀なくされる期間がどれぐらい想定されるのか、ケース分けをして考えていく必要もありますし、今おっしゃったとおり、子どもたちには教育の問題がある、あるいは持病のある方もいらっしゃる等色々なご事情があるでしょう。あるいはまた、福岡に一旦入っても、国内に色んな親戚がおり、そちらにも移動したいという方も出てくる可能性もあります。色々な個々の数で捉えるべきではありません。やはり一人一人の生活があるわけですから、ご事情というものを捉えて、それにきめ細かく対応していくことができる、そういう体制をつくっていっていかなければいけないと思います。

 

(読売新聞)今のに関連してお伺いしますが、これは、先日試算を公表されましたが、そういう県はほかになかったので、何か狙いがあれば。

(防災企画課)国への回答結果を公表したということで、本県独自に何か試算したというわけではなく、国が示した調査方法に基づいて報告した結果をお示しした形です。

(読売新聞)他県は特に公表されてなかったので。

(防災企画課)本県より先に公表しているところはあるかと思います。

(読売新聞)これを考えると、恐らく福岡がどう考えても九州8県の中で一番キャパシティーも多くて、受入れに当たっては一番人数も多く、役割が大きいかと思いますが、知事、前回の会見でも、他県とも連携をしていかなければいけないと。それは何か、今後他県にも呼びかけていくのか、何かリーダーシップを取ってやろうというお考えがあるのか。

(知事)リーダーシップというより先ほどのご質問もあったように、様々な課題というのが出てくると思います。それぞれのご事情に対して、福岡県だけではやはり対応できないということも出てきましょう。最大のキャパをお示ししたと申し上げましたが、いきなり住居、あるいはホテルにしても、全ての部屋を空けるということは不可能です。事業者さんの事業もあるし、既にそこにお住まいの方もいらっしゃるわけで、そういうことを考えたときに、現実的にどれだけの人数を受け入れられるのか、そうしたときに国からは示されても、やはり中長期にわたってその方々を福岡県だけで受け入れて生活していただくことができるのかどうか、この辺はやはりよく考えていかなければいけません。その際に特にやはり隣県等々のご協力も仰ぐ必要が出てこようかと考えます。

 また当然、県の中では市町村のご理解、そしてまた、地域住民の皆様のご理解もしっかりといただいていかなければいけないと思います。

(読売新聞)例えば、福岡市、北九州市、要はどの市町村に何人お願いするかというのは、今後県として県が考えていくことになるのですか。

(知事)当然その市町村とも協議をしますが、その計画というのは県が責任を持ってやらなければいけないと。これは法律上も、都道府県知事としてやらなければいけないとそういう立てつけになっています。

(読売新聞)どの市町村というのは、国から示されてから考えていくということですか。

(知事)人数にもよります。今、全体では12万人と言われています。そのうちどれぐらいの、あるいはどの島といいますか、沖縄のほうもあります。市や町、そこの方々を受け入れるのかということ、そういうのが示されてくると思います。

 

(TNC)小林製薬の紅麹の被害について、健康被害がどんどん増えてきていると思いますが、改めて何か最新で分かっていることがありましたら教えていただきたいのと、健康被害が拡大していることに対して改めて教えていただけますでしょうか。

(生活衛生課)4月7日時点で、県内で84件の健康被害の相談が寄せられています。内訳としては県域が49件、北九州市が15件、福岡市が15件、久留米市が5件となっています。

(知事)そのようなご相談を政令市も含め各保健所でお受けしています。非常に不安に思う県民の皆様もいらっしゃるため、我々としても丁寧に対応していきたいと思います。

 

(西日本新聞)昨年度から始まった未来子どもチャレンジ応援プロジェクトについてお尋ねします。アンビシャス運動が20年続いて、昨年度から新たなプロジェクトに切り替わったということですが、1年間やってみて何か手応えを感じたことがあれば教えていただきたいのと、今後どういう展開をしたいかという思いがあれば教えてください。

(知事)この「未来子どもチャレンジ応援プロジェクト」、読んで字のごとしではありますが、我々の思いとしては、自分たちの将来、未来に向かって、あるいは世の中の未来に向かって伸び伸びと子どもたちがチャレンジして、そして育っていっていただく、そういうことを応援していきたいという思いで始めたプロジェクトです。

 「アンビシャス運動」は県民運動として行ってきましたが、市町村や企業の皆様と組織的な連携は取っていませんでした。今回のこのプロジェクトは市町村、地域・団体、企業の皆様と我々が力を合わせて進めていくプロジェクトです。こういったことから、市町村の皆様が行っている体験活動にも助成を行っており、それから、今は46の企業・事業者の皆様に「未来子どもチャレンジの応援事業者」として登録をいただき、子どもたちに体験の場を提供していただいています。

 去年の8月に、「未来子どもチャレンジTAKE OFF DAY」というイベントを福岡国際センターで開催しました。私も出席しましたが、非常にたくさんの親子の皆様、3,000人の方にご来場いただいて、色々な企業、NPOの皆様、あるいはANA等企業の皆様がブースをつくってくれ、そこで色々な体験をやっていただきました。

 それから、折り紙飛行機についても子どもたちがどうやったら遠くに飛ぶだろうかと考えて工夫をして、そしてチャレンジしているという様子も見て取れました。

 それから、「未来をつくる高校生チャレンジ」では、高校生に活動資金の助成や専門家をアドバイザーとして派遣したりして、9か月間という長い時間をかけて色々な社会課題の解決等の提案を高校生が行いました。この成果報告会が先日、3月28日にあり、私も行きましたが驚きました。すばらしい、すごいなと。ワンヘルスに取り組んでいるグループや、宇宙デブリの問題に対しての取り組みを考えているところもある。それから、高齢者の皆様がもっともっと安全のためにスマホを使いこなすために高齢者の皆様に高校生がスマホの使い方を教える教室みたいなものをつくってはどうかなど。そういうことを9組の高校生の発表を全部聞かせていただきましたが、中にはもう会社を起こします、1株1,000円で株式を発行しますのでよろしく、とおっしゃっていたグループもありましたが、非常にチャレンジングな子どもたちの様子を見て、非常に未来に向けての希望が湧いて、こっちも負けてはいられないと思いました。

 今、この事業主体は青少年育成県民会議の皆様、長井会長の下でやっていただいています。非常に熱心に取り組んでいただいて、この1年の間でも今申し上げたように色々なイベント、取り組みをしていただき、成果が出ていると思います。大分広がってきているなと思いますし、もっともっと市町村の皆様にも私たちのこの思いを伝えて、我々の助成金もありますので、使いやすい形に見直しも図りながら、市町村との連携というものをもっともっと強くしていきたいし、私も直接市町村長の皆様には色々な会合の場でそういった考えをお伝えしています。

 こうやって、多様な主体の皆様と力を合わせて、やはり子どもたちが色々な体験を通じて自分の可能性がどこにあるのか気がつき、そして、自分の中の無限の力を信じて世界に向かって飛び立っていく子どもたちを育てる、そんなプロジェクトにしていきたいと思います。

 

(西日本新聞)先の2月議会で企業立地促進交付金について、補助限度額の引上げを含めて見直すという方針の答弁があったと思いますが、そのときに商工部長は、なかなか地域間の競争が激しくなって、勝ち抜くために考えていきたいというふうにおっしゃられて、企業立地は熊本等も含めて、九州内で競争が激化しているところですが、それを勝ち抜いていくために知事の思いを聞かせてください。

(知事)福岡県は地理的にも、あるいは、考えていただくと、高速道路も九州自動車道、東九州道、それから長崎大分道が縦横に走っています。新幹線も走っています。それから、有明海沿岸道路等の自動車専用道路等も整備されている。様々な交通インフラが発達をしているので、時間、距離というものが非常に短く県内を移動できる、こういうふうな利点があります。そして、国際空港が2か所あります。それから、博多港、北九州港という国際貿易港があり、そして、県の管理でも苅田港という重要港湾もあります。それから三池港。様々なインフラが整備され、そして便利な地域である、この強みがあります。企業の皆様をお招きする、誘致をする上においても、この強みはあると思っています。

 また、色々な業種の皆様がいますが、お住まいになる上でのコストも、東京や大阪に比べるとオフィスの賃料や生活費も非常に割安で、そういう中でクオリティー・オブ・ライフは高いと思っており、非常に競争力がある、魅力的なところだと自負しています。

 ただ、先ほど質問の中でもおっしゃったように、やはり九州各県の中でも、様々な企業の誘致の競争というのはあります。そのときに企業立地交付金や税の減免制度を用意しています。これを考えたときに、先ほどこの3年間を振り返っての話の中で、物価の高騰を申し上げたように、今、非常に建設コストも上昇しています。色々な諸物価も高騰している中で、先ほど申し上げた利点があるということで我々もずっとこの企業立地交付金というものを見直してこなかった。しかし、やはり各県の状況、九州あるいは全国を見ても、非常にこの立地交付金の充実度が上がってきており、一方で、企業の皆様が各工場等を建設する際のコストというものも上がっているというのを考えたときに、やはり立地交付金についても見直しをする必要があるということです。

 

(NHK)ライドシェアについて、5月以降、国交省が福岡市周辺の自治体でも導入を認めるという方針を出していますが、今の福岡県内の状況と、県としてライドシェアの解禁に向けて働きかけとか対応をされるのかということをお伺いしたいです。

(知事)昨日の福岡市長の会見でもおっしゃっていたようですが、現段階では、福岡市周辺のタクシー事業者の皆様で手を挙げている事業者は、まだ今ないと伺っています。こういう状況にはありますが、私もこのライドシェアについて、先般も国土交通省あるいは事業者の皆様等々、規制改革推進会議のメンバーの皆様との意見交換もウェブで行いました。そのときにも申し上げたのが、やはり何点かありまして、ともかく知事として、県民の皆様の、あるいはタクシーを利用される方の命、安全、安心を守らなければいけない。事故が起こったらどうするかというのではなくて、事故が起こらないようにしないといけない。このことについて、タクシー業界の皆様もこれまで一生懸命取り組んでこられた。このことは、やはりまず置いておかなければいけないと思います。事故のないように安全性を確保するということが第一だと。

 それからまた、運行に当たって運転者の方も、あるいはお客様も犯罪に巻き込まれるということがあってはならない。この辺の安全性をどう担保するかという問題。

 そして、企業の規模の大小はありますが、中小のタクシー事業者の皆様も、これまで我々地域住民の皆様の足として、公共交通機関ですから、足としてやはり踏ん張って地域の足を守ってきていた、支えてきていただいている。こうした事業者の皆様の経営、そしてタクシー運転手の皆様の声を、そして所得というものを守っていかないといけない。この点もやはり考えなければいけないと思っています。

 こういう中で、今月から自家用車活用事業が開始され、これに5月から、先ほどお話があった福岡交通圏も追加されたわけです。その後、結局、国のスケジュール感も6月に法整備、というのが聞こえていますが、申し上げたのは、議論を拙速に進めるべきではなく、今回の自家用車活用事業というものの実施状況、タクシーのマッチングの率とかしっかり分析をして、そういうものを踏まえて、かつ、交通事業者や地域住民の皆様、あるいは我々地方公共団体、この意見も国においてはしっかり聞いていただいて、その上で進めていくという必要があるのではないかと思います。

それと、ライドシェアは今、5月、次から福岡交通圏、言わば大都市圏です。やはり考えないといけないのは、ライドシェアと一口に言っても、我々の地域も、福岡都市圏もあれば、やはり郡部もあるわけで、多様性があります。県によっても、県の中でも違う。そういう地域ごとの特性、多様性というものも十分踏まえないといけないと思います。それによって、やはりライドシェアというものの生かし方というものも変わってくるのだと。頭からこのライドシェアというものがいいとか悪いとかではなくて、一方、こういう新しい仕組みというものを安全に生かしていくのかということを考えるべきだと思います。

 

(終了)