本文
この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。
この知事記者会見録の模様は、 ふくおかインターネットテレビ で動画配信しています。
(1)「高取焼」を新たに県知事指定特産工芸品に指定(観光政策課)
「高取焼」を新たに県知事指定特産工芸品に指定 [PDFファイル/202KB]
(2)県知事指定特産工芸品ロゴマークが完成(観光政策課)
(知事)今日の発表事項は一点です。
福岡県が誇る県知事指定特産工芸品に、新しい仲間が加わります。新たに「高取焼」を指定します。
本日は、高取焼振興会の代表であり、陶芸家の鬼丸碧山様にご同席いただいています。
(鬼丸氏)よろしくお願いします。
(知事)福岡県では、県内の伝統産業の振興を図るため、福岡県内で製造される、郷土色豊かで、そして一定の伝統性を有すると認められる工芸品や民芸品を県知事指定特産民工芸品として指定しており、これまでに籃胎漆器(らんたいしっき)や小倉織など35品目を指定してきました。今回指定する高取焼が36品目となります。
高取焼につきましては「製造過程の主要部分が手工業的であること」、また、「製造する技術、あるいは技法が、50年以上の歴史を持っており、今日までこの技法が継続されていること」という指定要件に該当することが確認されたので、このたび、県知事指定特産工芸品として指定するものです。
高取焼はそもそも黒田藩の御用窯として、茶陶器の製作で盛況を見せた遠州七窯の一つです。陶器は、磁器のような薄さ軽さが持ち味で、精密な工程、華麗な釉薬、きめ細かく繊細な生地が特徴です。
1602年に直方市の高取山の麓の永満寺宅間に窯を開いたことが高取焼の起こりです。その後、福岡県内の様々な土地に幾度も窯を移す、あるいは窯を増やしていくということが繰り返され、400年以上にわたって、伝統的な技術・技法が継承されてきました。
現在では、東峰村の小石原、福岡市、直方市、筑紫野市、添田町において生産が行われています。
高取焼は、茶陶器として知られています。しかし、現在では様々な生活様式に合わせてお皿やカップといった食器類も製作されており、身近に楽しめるようになってきました。
振興会の皆さまは、伝統工芸品の展示会への出展あるいは陶芸体験の実施などを通じて、高取焼について振興を図っているところです。
ここでご同席いただいている鬼丸様から、一言お願いします。
(鬼丸氏)高取焼振興会の代表の鬼丸です。よろしくお願いします。
この度、高取焼の指定をいただき本当にありがとうございます。
高取焼は古い時代から、代が変わるごと、時代を経ていくごとに様々な土地に移動して、
その土地その土地の材料だったり、環境を研究して素晴らしい作品を作ってきました。先輩たちのそういった努力や工夫を我々も引き継ぎながら、これからも、素晴らしい作品を皆さまに届けて、喜んでいただけるようにというのをスローガンにしようと、振興会みんなで話しています。
1月に高取焼振興会を立ち上げて、みんなでその伝統を守るということを心に置いて、これからやっていこうという、やる気を持って頑張っていますので、どうぞ皆さま応援よろしくお願いします。
(知事)ありがとうございました。
今回高取焼を指定し、高取焼が我々の伝統的な工芸品のラインナップに加わっていただいたことにより、伝統産業の振興に繋がることを期待しています。
そしてもう1点ですが、今回指定した高取焼を始め36品目は、先ほど申し上げましたように、県知事指定を受けた歴史のある素晴らしい民工芸品です。このことを、県民の皆さまはもとより、国内外の皆さまにわかりやすく伝えていくために、新たにロゴマークを作成しました。
このロゴマークを、製造事業者の方々がパンフレットやパッケージに印刷するなどして、PRを行っていくことにより、県知事指定の民工芸品の認知度を向上させ、ステータスを上げ、伝統産業のさらなる振興を目指すものです。
このロゴマークのデザインは、福岡県の「福」という字の旧字体をモチーフにしており、右下の「田」に福岡県の花である「梅の花」を描いています。この梅の花の部分には、朱を入れています。そして、長さや太さを一定のものに揃え、水平と垂直に引かれた黒い線は、職人の皆さまの技術の高さ、そして妥協を許さない厳しい姿勢を表現しています。そして、漢字特有の「はね」や「とめ」から伝統感を表し、また、重厚感を持ったデザインとなっています。
このロゴマークのあるものは、福岡県知事から指定を受けた歴史ある民工芸品であると
いうことを知っていただくことができます。ぜひ皆さま方にはこれを知っていただき、そしてたくさんお買い求めをいただきたいと思っています。
私からは以上です。
(FBS)知事にお伺いします。先ほどおっしゃっていましたが、改めて、今回高取焼が指定されたポイントを教えていただけますか。
(知事)先ほども高取焼の歴史を簡単に申し上げました。1602年からということで、大変な歴史があるわけです。この高取焼というもののすばらしさをより多くの皆さま方に知っていただく。このためにも、我々としては、県知事がそのすばらしさというものを認めたということをはっきりと表したいと思っていました。
これまで、高取焼は長い歴史の中で窯を移されたり、各地に展開をされています。このため、一つの組合というものがありませんでした。今回、高取焼の窯元の皆さまで、この高取焼というものをさらに発展させていこうという思いを一つにされて、振興会というものを結成されました。このことによって、我々も今回県知事指定ができるようになりましたので、我々も高取焼の皆さまと心を一つにして、このすばらしい焼き物をさらに発展させていきたいし、また、高取焼が福岡県知事指定工芸品のラインナップに加わることによって、他の指定した35品目についても、改めてそのすばらしさを広めていきたい、伝えていきたいと思っています。
このためにも、このロゴマークを大いに活用したいと思いますし、「福岡県の工芸品」というパンフレットに今回高取焼を新しく掲載する際に、併せてこのロゴマークの印刷をしているところです。
(RKB)鬼丸さんにもう一度伺いたいんですけれども、今回の指定となったことについて、改めて、どういうふうに受け止められているのか、お気持ちをもう一度伺ってもよろしいですか。
(鬼丸氏)さっき知事のほうからもご説明がありましたように、高取焼は今まで組合というのがなくて、行政区をまたいであったので、色々難しさもありましたが、今回、時代の変わりとともに、みんなで手をつないで振興会という形ができて、今後高取焼の振興というものをみんなで話し合ってやれるというのは、すごく新たな気持ちです。
茶陶でずっとやってきた高取焼ですが、器も今つくっています。色々と時代の変化に問われる時代だと思うので、若いメンバーを中心に、今回、振興会の執行部というのをつくりましたが、みんなやる気があって、本当に期待しかないですね。
(TNC)やはりこのような形で指定をされることとこれまでとは、全然違うというお気持ちでいらっしゃるんですか。
(鬼丸氏)高取焼というのは、先ほど言ったように茶陶でやってきて、結構それぞれで活躍してきました。それが、今回指定という形ができて、みんなで話し合うテーブルもできましたし、今後、茶陶も、お茶の人口が減ってくる中で、そういう時代の変化にどういうふうに対応するかというのも、一人じゃなくて、みんなで話し合って活動できるようになったというのは、すごく変わったと思います。
(読売新聞)有事を想定した沖縄からの避難民受け入れ計画ですが、内閣官房が宿泊施設などの調査を行って、福岡県も回答されたと思います。来年からたった1年間で計画をつくるということになっていますが、これについて福岡県としてどう取り組まれていくか、あるいはまた、現状の段階で課題と考えられていることがあればお願いします。
(知事)有事を想定して沖縄県から避難を受け入れる。このことについては、昨年の12月に内閣官房から福岡県に対しましても正式な要請があったところです。
福岡県としては、先日、国からのこの照会に対して、県内における宿泊施設の総数などを回答しました。今後、国から、福岡県ではこれぐらいの人数を受け入れてほしいとか、そういった案が示されると思っています。この国から提示された内容について、県としても改めて、受け入れが可能であるかどうかということを検討していくことになります。
国は今、1年ぐらいでつくらなければいけないがというご質問でした。この計画策定支援を国としても行うと伺っていますし、我々としても、国としっかり協議をしていく必要があると思います。そして、計画ですから計画倒れになってはいけないわけでありまして、実際に受け入れが必要になった場合に実効性の高い計画でなければなりません。そのためにも、市町村や、受け入れに関係する、あるいはご協力いただく機関、また、民間企業・団体などとの協議というものも進めていく必要があると考えています。
また、この計画を策定するにあたっては、当然、福岡県だけで全ての沖縄県からの受け入れを行うわけではありませんし、不可能です。また、福岡県だけでは解決することが難しい課題もあろうかと思います。こういった課題について、これから色々出てくるのではないかと思っていますので、近隣県と協力関係をつくることも重要なテーマだと思っています。九州・山口各県と連携を図っていくとともに、国に対しては全面的な応援体制をしっかりとつくっていただくこともお願いしていきたいと思っています。
(NHK)小林製薬の紅麹の問題についてです。入院患者が随時判明している状況ですが、県内で何か現状、健康被害の報告があったとか、それに対する県の対応であるとか。また、自主回収の動きで福岡市のメーカーが当初動いていたと思いますが、それ以外にそうした対応を取っているところの報告があるか。以上3点を確認できたらと思います。
(知事)3月22日に小林製薬株式会社から、紅麹を使った製品の使用中止のお願いと自主回収のお知らせが報道発表されたと承知しています。厚生労働省からは、同じ日に紅麹を含む健康食品の取扱いについて事務連絡が来ています。各都道府県等において、過去の健康被害についての相談を確認して、小林製薬の当該製品に関する健康被害相談に該当する場合には、厚生労働省に対し報告を行うよう依頼があったところです。
これを受けて、県内の9つの保健所に対して、当該製品、いわゆるサプリメントや紅麹を使った製品について健康被害相談の有無を確認しました。3月25日の時点では、各保健所に対してこのような相談はあっていないと聞いています。
また、福岡市、北九州市、久留米市の、いわゆる保健所設置市についてもどういう状況か少しお伺いしましたが、3市に対してもこのような相談はあっていないと聞いています。
小林製薬も、当該製品の使用中止、また自主回収をされていますので、当該製品をお持ちの方は、食べない、摂食しないこと。そしてまた健康被害がもしある場合には、最寄りの保健所にご相談をいただくようお願いしたいと思います。
また、このことについては、本日、県のホームページや公式のSNSを通じて県民の皆さまに対して呼びかけを始めたいと思っています。
(終了)