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知事定例記者会見 令和5年4月27日(木曜日)

更新日:2023年4月27日更新 印刷

知事定例記者会見 令和5年4月27日(木曜日)

この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。

この知事記者会見録の模様は、  ふくおかインターネットテレビ  で動画配信しています。

発表事項

(1)響灘臨海部を中心とした水素大規模拠点の構築に向けた産学官推進組織を発足(自動車・水素産業振興課)

記者提供資料(水素大規模拠点の構築) [PDFファイル/208KB]

(2)新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う対応について(新型コロナウイルス感染症対策本部(総務・まん延防止班))

記者提供資料(新型コロナの感染症法上の位置づけ変更) [PDFファイル/137KB]

 

その他

・WBC出場選手感謝状贈呈(スポーツ企画課)

・「福岡県・ハワイ州友好促進訪問団」成果報告(国際政策課)

(知事)おはようございます。今日は私から、全体としては4件お話をします。発表事項としては2件です。

 まず最初に、先月開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、侍ジャパンの皆さんが14年ぶり3回目の優勝を勝ち取られました。国民の代表として出場された本県にゆかりの選手の皆さん、いずれも福岡ソフトバンクホークスの選手の皆さんです。甲斐拓也さん、近藤健介さん、牧原大成さん、周東佑京さん。この4名の選手の皆さんに、その努力と功績をたたえ、知事感謝状を贈呈するということを決定しましたので、お知らせします。皆さん、すばらしい活躍で優勝の大きな力となりました。

 この4名の方はもとよりですが、出場された選手の皆さんが心を一つにして戦い抜き、そして世界一の栄冠を勝ち取る。この姿は、コロナのパンデミック、あるいは物価・エネルギー価格等の高騰など、いまだ我々の社会に閉塞感が漂っている中で、我々に対し勇気と感動を、そして子どもたちには夢を与えてくれた御活躍でした。福岡県民を代表して、心からお礼を申し上げたいと思います。

 いつ、どこで、この選手の皆さんに感謝状を贈呈させてもらうかにつきましては、今、ソフトバンクホークス球団とも相談中ですので、決まり次第、また具体的にお知らせします。

 

 では、発表事項に入ります。

 まず第1点です。グリーン水素で成長する地域を目指し、北九州市響灘臨海部を中心とした水素の大規模拠点をつくるということです。

 福岡県は、北九州市、水素の利活用を目指す企業の皆さんと共に、グリーン水素による経済成長を目指し、北九州市の響灘臨海部を中心とした水素の大規模拠点の構築に向けて、新たな取組みを開始いたします。

水素は皆さま御存じのとおり、2050年のカーボンニュートラルの達成に向けて必要不可欠なエネルギー源です。この水素の利活用を進めるためには、大規模なサプライチェーンの構築と社会実装の加速化が必要です。

 このため、この新たなプロジェクトでは、北九州市響灘臨海部において、海外からのグリーン水素・アンモニアの輸入と、このエリア内で製造する余剰再生エネルギーを活用して製造するグリーン水素、そして、色々な製造工程で発生する副生水素。この三つの水素を北九州市響灘臨海部から供給し、県内各地に水素の利活用を進める拠点を整備します。都市ガスの導管を使う、あるいは水素トレーラーで運ぶということで、筑豊地域、大牟田地域、苅田港、または福岡都市圏等に整備するという図になっています。脱炭素化への対応を成長の機会と捉え、経済と環境の好循環をつくっていきたいという考え方です。

 次に、先ほど図でお示ししたのは、響灘から水素を県内の各地でというものでしたが、我々は将来的には、大分、山口、熊本、長崎、佐賀と、九州・山口各県のコンビナート等との連携も視野に入れて、北部九州における大規模な水素拠点となることを目指しています。

 この拠点化に向けた体制をどうしていくのかということですが、現在、国の動きとして、水素の利活用拠点をこの先10年間で8か所程度整備することが発表されています。今後、こういった拠点を集中的に支援する制度が予算化される見込みです。具体的には、多分、今GX債等の活用について色々な検討が行われていますが、その中でもこの水素の問題が取り上げられていると思います。

 この拠点の整備を目指して、支援制度を活用することが必要になってきますが、これまで水素社会の実現に向けて色々な取組みを重ねてこられた北九州市、響灘臨海部で水素の利活用を目指す企業の皆さん、九州電力さん、西部ガスさん、日本製鉄さんなどの皆さんと県で構成する福岡県水素拠点化推進協議会、名称は案ですが、これを5月11日に発足させたいと思います。第1回の総会を5月11日に開催する予定です。この体制で、最初申し上げたように、国の指定を目指し、国の支援制度をその中で活用していって、この拠点化を進めていきます。

 こういう取組みを進める背景として、福岡県はどういう強みを持っているのかを少し御説明したいと思います。

 四つの強みがあると我々は考えています。

 1点目は、先ほども響灘エリアの説明のときに少し申し上げましたが、多様な水素のベストミックスが可能な地域であるということです。風力や太陽光由来のグリーン水素や公共下水由来の水素、工業プロセスで生じる副生水素。これに加えて、最初に申し上げたグリーン水素の輸入。これができる港湾施設が整っている。このような、水素供給のベストミックスが図ることができる地域であると思っています。

 2点目は、需要面です。水素を幾ら入れても、そのエリアで水素のニーズがないということではいけないわけです。本県には、両市を合わせて250万人の人口を抱える政令市がございます。また、自動車をはじめ、多様な製造業、産業が集積しており、大規模な産業面、社会面、生活面での水素需要のポテンシャルを持っている地域です。

 3点目。我が国としてもエネルギーや安全保障上の考え方をしっかり持つ必要があると思います。報道機関の皆さんもよく伝えておられますが、京浜エリアや関西、中京といったところが水素について色々取組みを進めている。しかし、お分かりになるように全て太平洋側であり、首都直下型地震や南海トラフ地震といったリスクも高い。こういった中で、日本海側にも拠点を一つ、我が国として持っておく必要があると考えます。本県がこの拠点を構築すれば、日本海側において最大の水素の拠点になることができます。

 4点目です。我々はずっと水素について先進的な取組みを進めてまいりました。産学官の連携組織を持って進めてまいりましたし、昨年はグリーンというキーワードの下、福岡県水素グリーン成長戦略会議を全国最大規模の推進組織として立ち上げているところです。また、その中にも入っていただいておりますが、最先端の水素の研究拠点である九州大学が我々の地域にはある。また、全国唯一の水素の製品試験施設であるHyTReC(ハイトレック)という施設を糸島市に持っています。これは世界最高性能を持つ試験機関です。

 こういった、情報収集からビジネス展開まで一貫した支援体制が既に構築できているというのが我が県の強みだろうと考えています。

 こういった中で、何で響灘臨海部なのかという疑問があろうかと思います。北九州市はずっと水素社会の実現に取り組んでこられましたが、特に響灘臨海部は、再生可能エネルギーやLNG基地といったエネルギー関連施設が集積している地域であり、また、コンテナターミナルなどの港湾インフラが整備されているなど、水素需給のポテンシャルが高いエリアであると考えています。

 次に、県と北九州市のこれまでの取組みについてです。水素社会の実現に向け、これまで福岡県と北九州市は、八幡東区の東田地区に、北九州水素タウンとして、このエリアに敷設した1.2キロの水素パイプラインを活用して水素ビジネスに乗り出す企業等の実証を支援してまいりました。

 それからもう一つは、環境省の事業を活用して、若松区の響灘地区で、再エネ由来の水素を、つくって、運んで、使うといった一連のサプライチェーンを低コストで構築するCO2フリー水素製造・供給実証事業を北九州市と連携して取り組んできたところです。

 総括しますと、我が県が持つこうした強みやこれまでの取組みの積み重ねを生かして、北九州市響灘臨海部を中心とした水素の大規模拠点を構築し、グリーン水素で成長する地域を目指してまいります。

 

 2点目の発表事項です。

新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更される5月8日まで、あと10日となります。5類感染症、つまり、新型コロナも季節性インフルエンザなどと同じ分類となるわけです。この新型コロナの発生から既に3年余りがたちました。感染拡大の8回に及ぶ波がありました。この波を、県民の皆さん、事業者の皆さん、医療関係者の皆さん、そして様々な現場で社会を支えていただいている皆さんと共に乗り越えてくることができました。皆さまの御協力と御尽力に対し、改めて厚く御礼を申し上げます。

 県民の皆さんが、この5月8日以降、戸惑うということがあってはなりません。安心して日常生活を送っていただかなければなりません。この位置づけの変更に当たっての対応をまとめましたので、全体については、この会見の後に担当部局から詳しくブリーフィングをさせていただきますが、県民の皆さまの日常生活などに関わる主なものについて、私からお話をさせてもらいます。

 一つ目は、基本的な感染防止対策です。3月13日からマスクの着用についての取扱いが変わりましたが、これと同様に、今後5月8日からは、この基本的感染防止対策についても、行政が一律に求めることはなくなります。個人や事業者の皆さまの主体的な判断で感染対策に取り組んでいただくことになるわけです。

 これに当たって、政府からは、個人・事業者の判断に役立てられるようにということで、基本的な考え方が示されています。

 一つが、この手指衛生、換気とありますが、手洗いや換気、これは新型コロナの特性から考えて有効であると示されています。それから、三つの密の回避があります。やはり流行期において、高齢者の皆さんや基礎疾患のある皆さんなど、重症化リスクの高い方にとって、密を避けるということは有効です。位置づけが変わっても、新型コロナウイルスが死滅する、消滅するわけではありません。周りの方のリスクや状況に応じて適切に判断し、行動してもらうようお願い申し上げます。

 次に、同じ基本的感染防止対策ですが、事業者の皆さんについてです。これまでは業種別のガイドラインがありましたが、この業種別ガイドラインは廃止されます。今後は事業者の皆さんが自ら、どのように感染対策を行うかを判断してもらうことになります。これについても、国が事業者の判断に役立てられるように示した、専門家の皆さんの知見を踏まえた感染対策の考え方が示されています。このようなものを参考に、それぞれの事業者において感染対策を判断し、取り組んでもらいたいと思います。

 また、これまで登録制度などについて、たくさん御協力をいただきました。飲食店の皆さん、宿泊施設の皆さんに感謝申し上げたいと思いますが、この感染防止認証制度、いわゆるゴールドマーク。それから、感染防止宣言ステッカー制度、いわゆる青ステッカー。いずれも5月7日、日曜日をもって終了しますので、よろしくお願いします。

 それから3番目です。もし熱が出た、少し症状がある、こういう場合にどうしたらいいかということです。この場合は引き続き、それぞれの症状や自らの重症化リスクに応じて対応していただきたいと思います。症状が軽い方は自宅療養を始めていただく。重症化リスクがある方や症状が重い方は、早めにかかりつけ医などお医者様に御相談をいただきたいと思います。そして受診する際は、できるだけかかりつけ医など近くの医療機関を受診をいただきたいと思います。

他方、発熱患者の診療を行う医療機関が分からないという場合もあると思います。こういう場合はふくおか発熱外来検索サイトで検索していただければと思います。また、このサイト以外にも24時間対応のコロナウイルス総合相談窓口を引き続き開設しておりますので、こちらにも問合せをいただくことが可能です。

 そして、医療機関を受診されることになった場合、医療機関には重症化リスクの高い方、そのほかの御病気等でお見えになっている方がたくさんいらっしゃいます。受診前に必ず医療機関に御連絡をしていただき、受診をされるときにはマスクをつけていただきたいと思います。

 それから、コロナ陽性の判定が出た場合はどうするかということです。これまでは行政から入院勧告や外出自粛の要請、保健所からの健康観察、それから、必要な方は宿泊療養施設での療養、さらには濃厚接触者の特定。こういったことを様々やってまいりました。さらには食料品等の生活支援ということも取り組んでまいりました。このような対応は、5月7日をもって終了します。

 では、療養中の外出はどうなるかということですが、これも個人の判断というのが基本です。しかし、これについても、政府においても推奨ということが示されており、発症後5日間、かつ症状軽快後24時間程度のうちは、外出や重症化リスクが高い方との接触というものは控えていただいたほうがよいということです。周囲の人への感染を広げないように、適切に判断いただき、行動していただきたいと思います。

 県としては、先ほど少し申しましたコロナの総合相談窓口を引き続き設置し、24時間で対応しますので、必要な方はぜひ御活用をいただきたいと思います。

 それから、病院の入院受入れ体制について少し御説明します。入院については、これまでは限られた医療機関による特別な対応だったわけです。これが幅広い医療機関による自律的な通常の対応になります。これに向けて、9月末までに移行を進めていくことになります。

 こういったことを踏まえて、県内の大学病院の皆さんや専門家の皆さん、それから行政機関、関係団体の皆さんと協議を行いまして、福岡県としては、9月までの間は、コロナの確保病床を最大数では1,600床とすることとしました。一方で、幅広に医療機関に入院の受入れを広げていくことが必要ですので、そのための移行計画をつくることとし、この計画を国に提出したところです。

 この計画をつくるに当たって第8波の状況を振り返ると、コロナが軽症の方で基礎疾患が悪化するおそれがある方や、介護が必要な方の入院調整が難航しました。この結果、重点医療機関に多数入院された方がいらっしゃり、医療負荷が増大したということが第8波においての大きな課題でした。

 こういった患者の皆さんを受け入れる医療機関を増やすことが必要でして、医療機関の皆さんの御意見を伺ったところ、介護等の必要がある軽症の方を診ることはできるけれども、その方の症状が悪化したときの対応が非常に難しいという御意見がありました。このため、軽症患者の症状悪化時に入院することができる、中等症2以上の患者の皆さんのための病床を600床確保することとしました。この600という数字は、第8波時の感染状況を踏まえて必要数を算定したところです。

 先ほど「最大で1,600床」と申し上げました。これは、今申しました介護等を必要とする軽症患者を受け入れる体制を7月末までには整えていきたいと考えており、この間は対応病床を1,000床確保しておくということです。この軽症者対応の病床が1,000床、それと中等症2以上の患者の皆さんのための病床が600床。合わせて1,600床ということでございます。

 この1,600床というベッドを確保できるかということですが、大学病院などを含め、これまで病床を確保していただいていた医療機関のうち、大部分の医療機関において、引き続き病床を確保していただくということで、達成できる見込みです。

 さらに、病床の確保はしていないけれども、コロナ患者をこれまで受け入れた経験がある医療機関が245施設ございました。このうちの4割、98施設の医療機関の皆さんから、5月8日から受け入れるとの回答をいただいているところです。

 こういったことによって、入院治療が必要な方が入院できる体制を確保してまいりたいと思っています。詳しい説明は、後ほど部局から説明させていただきます。

 それから、高齢者施設等は重症化リスクの高い方が多く生活をしている場です。引き続き、施設の職員の皆さんに対する検査の頻回検査を行う。それから、感染防止対策について、医師や看護師といった専門家の皆さんの指導、助言を行う。さらには、新たに国の補助事業を活用して、医療機関との連携を促し、平時からの応援派遣体制を確保していく。高齢者施設等に対してはこのような取組みを進めてまいります。

 それから、ワクチン接種は、位置づけが変更されても、もう2類からの変更にかかわらず、令和5年度も全ての方に対して無料、自己負担なしで接種ができます。重症化リスクの高い方である高齢者の皆さんや持病をお持ちの方は年2回の接種となり、このワクチン接種は5月8日からスタートすることになります。

 コロナ特措法の規定に基づき、5月7日をもって政府対策本部が廃止されます。これに伴い、福岡県新型コロナウイルス感染症対策本部も廃止となります。こういった感染症法上の新型コロナの位置づけ変更により、これをもって社会経済の動きもいよいよ本格的に平時に戻っていくことが期待されます。

 しかし一方で、必要な方が適切に医療を受けることができる、安心して日常生活や事業活動を行うことができるということが重要です。我々としても引き続き、この点については努力したいと思いますし、県民の皆さんも、冒頭申したように、それぞれの御判断が非常に重要になってきます。基本的な感染防止対策について適切に御判断いただき、そして行動していただきたいと思います。

安心な日常生活と活力ある社会経済活動、これを力を合わせて取り戻してまいりましょう。よろしくお願い申し上げます。

 

 最後に、ハワイ州を訪問してまいりました。これについて少し御報告します。

 コロナ禍を経て、海外との往来が再開しています。福岡にもたくさん外国の方が見えています。この機を捉え、県、県議会、大学の皆さん、スポーツ関係者の皆さん、経済界の皆さん、農林水産業関係の皆さん、伝統芸能の関係者の皆さん。こういった関係者の皆さんから成る約100名の訪問団を結成し、姉妹提携先のハワイ州を訪問しました。

 御存じのとおり、福岡県とハワイ州は1981年に姉妹提携を締結しました。ここまで長きにわたり、経済、青少年、教育、文化等様々な分野での交流をしてきたところです。

 今回の訪問では、ワンヘルスをはじめ、新たな交流分野に関する覚書の締結など、新たなスタートを切ったと考えています。また、ハワイ州の皆さんに福岡県のことをもっと知っていただく「福岡フェア」、ハワイ大学をはじめとする現地の教育機関の訪問、県人会の皆さんとの意見交換等も行ってきました。これまで築いてきた福岡県とハワイ州との友好の絆の強さをもう一度確認することができたと思っています。

 まず初日、在ホノルル日本国総領事館を訪問した後に、ハワイ州知事とハワイ州議会の上院、下院の両議長を表敬訪問しました。その後、ハワイ州知事公邸、いわゆるワシントン・プレイスと言われるところですが、こちらで記念式典とレセプションが開催されました。この中で、私とハワイ州のグリーン州知事が姉妹県州の提携の確認宣言に署名いたしました。また、これに先立って、桐明議長とハワイの上院、下院両議長が、国際友好親善促進の盟約の確認に署名されました。さらに、本県の吉田教育長とハワイ州の教育局長が、覚書の署名を行ったところです。

 この中で、姉妹県州の提携確認宣言においては、これまで40年以上にわたって両県州の先輩方が築き上げてこられた友好関係を基礎として、健康、環境、教育、経済の分野において共に取組みを進め、友好交流を発展させていくことをお互いに確認しました。

 このレセプションにおいては、太宰府天満宮による巫女舞も披露して、現地の方からも、福岡の伝統文化に触れていただいたところです。

 それから、ワンヘルスの推進に関する覚書締結。今回の一つの大きなテーマです。福岡県とハワイ大学との間でワンヘルス推進に関する覚書を締結しました。この際は、九州大学の石橋総長をはじめ、県内11の大学の学長さんなどに御同席をいただき、締結式を行ったところです。

 福岡県が海外の大学とこういう提携をするというのは、これが歴史上初めてのことです。今回の訪問の大きな成果であると考えています。

 既にハワイ大学はワンヘルス教育を進めておられて、講座をお持ちです。もちろん、それで単位が取れる。この覚書の締結を機に、ワンヘルスの推進に取り組む本県と、このハワイ大学と連携協力体制を構築し、ワンヘルスに関する共同研究や人材育成を進めてまいります。

 また、グリーン知事においても、この1月、ワンヘルスの推進宣言を出されています。この覚書の締結に当たっては、日本獣医師会及びアジア獣医師会連合会の会長をお務めである藏内勇夫会長をはじめ、県議会の皆さんに多大なるお力添えをいただいたところでして、改めて感謝を申し上げたいと思います。

 それから、三つの学校を訪問いたしました。

 一つは、ハワイ州立ジェームズ・キャンベル高校です。こちらは、スポーツ交流ということで訪問しました。ハワイ州の公立高校では最大の生徒数を誇っており、バスケットボール競技では、男女ともハワイ州大会で優勝を果たす強豪校で、今年8月、本県の高校生のバスケットボール選抜チームが同校を訪問します。さらに11月には、キャンベル高校の選手の皆さん、生徒の皆さんが福岡に来て合同練習や試合を行う予定です。

 2校目がハワイ大学のカピオラニ・コミュニティカレッジです。この目的は食の文化の人材育成です。既にこのカレッジは食に関するプロフェッショナルを数多く輩出している学校で、これまで本県の中村学園さんが交流に取り組まれています。本年度からはこの交流を広く、中村学園に限らず県内の学生の交流に拡大していきます。これにより、国際的に活躍できる食の分野のプロ、シェフになる方、あるいは食品の製造関係のプロ、こういうプロを育成するとともに、互いの食文化を世界に発信するということにもつながる、大変意義ある事業であると思っています。

 それから3校目がワシントン・ミドル・スクールです。これは、八女市の上陽北汭学園と昨年姉妹提携を結ばれて、子どもたちの互いの言語による交流を鋭意行っておられます。

なぜ八女の上陽北汭学園なのかというと、ホノルルの国際空港の名前を御存じでしょうか。ダニエル・K・イノウエ空港といいます。このダニエル・K・イノウエさんというのは、もうお亡くなりになりましたが、アメリカの上院議員で、アメリカにでは英雄です。この方が八女の御出身です。ハワイからの御寄附で、八女市ではダニエルさんの銅像を建てられている。こういう御縁で八女市の北汭学園とこのミドル・スクールの間で今、交流をしています。ウェブを通じてお互いの言葉、文化を学びながら交流をする様子を見せていただいたところです。こういうふうに、将来を担う人材を育成するという大きな目標の下で、県内市町村の取組みを支援しながら、ハワイ州との交流をこれからも進めてまいります。

 それから、福岡フェアは2か所で実施しました。一つは、ディーン&デルーカの協力をいただき、地元のメディア関係者、インフルエンサーの皆さんにお集まりいただき、八女茶と、福岡有明のりを使った特別メニューをディーン&デルーカのシェフ、パティシエの方につくっていただきました。また、八女茶や日本酒を福岡から持っていきました。このペアリングも実施をしたところです。

 もう一つは、Robata JINYAさんという和食のレストランに、地元のシェフの皆さんや食品関連企業の皆さんに集まっていただき、本県が全国でも1位、2位の水揚げを誇っている天然のマダイや、福岡有明のり、八女茶などを使用した特別メニューや県産酒を提供しました。この際には、豊前の神楽の皆さんも同行いただいておりましたので、豊前山内神楽を御披露し、また、八女の茶山唄も御披露して、福岡の伝統芸能を披露させていただきました。また、10月のツール・ド・九州のPRも行ったところです。

 こういったフェアの様子は、地元のメディアの皆さんにも広く取り上げられました。福岡の食材については、プロの皆さんからの高い評価をいただいたところです。

 そして、こういうのがあって、急遽、私に地元のラジオ局に出演してくれというお話がありましたので、ラジオを通し、ハワイの皆さんに、福岡県の食、観光などの魅力をPRさせていただく機会を得ることができました。

 最終日は、先ほど申したダニエル・K・イノウエ元米国上院議員や、うきは市の御出身であり、チャレンジャー号の事故でお亡くなりになりましたエリソン・オニヅカ宇宙飛行士が埋葬されているパンチボウル国立太平洋記念墓地を訪問して、献花をさせていただいたところです。

それから、こちらがジョージ・アリヨシ元ハワイ州知事です。1981年に本県とハワイ州との姉妹提携が調印されました。これはハワイ州にとっても福岡県にとっても初めての姉妹提携だったわけですが、これを行われたのが豊前市に御出身のルーツを持っていらっしゃるジョージ・アリヨシ元ハワイ州知事です。御年97歳です。非常にお元気で、レセプションや福岡フェアに御夫妻で御参加いただいて感謝を申し上げております。アメリカでも日系人の知事としては初めての方です。ハワイ州の知事として12年間お務めになった、これも最長不倒記録です。財政の立て直し、経済産業の振興に大きな功績を上げられました。

 それから、こちらが現地の福岡県人会の皆さん。福岡県民が初めて海外に移住した地がハワイです。ハワイには島が八つありますが、そこに四つの県人会があり、活発に活動をされています。今回は移住県人会の皆さんだけではなく、ハワイに進出しておられる企業の皆さんにも意見交換会に出席いただき、今年度から県として新たな事業をスタートすると申し上げました。これは本県の高校生を海外の企業県人会に派遣し、現地の企業で実務経験をさせるという事業です。ハワイの進出企業の皆さんからも御協力をいただくことになっており、移住県人会の皆さん、企業県人会の皆さんと新しい取組みのスタートラインにつくことができたと考えています。

 結構タフな日程でしたが、今回のハワイ州訪問を機に、両県州の友好のバトンを次の世代の若者にしっかりと渡すことができるように、ハワイ州とも手を携えて、新しい具体的な取組みを進めていきたいと考えています。

 

 私からは以上4点です。

質疑応答

(朝日新聞)グリーン水素の拠点構築に関してですが、こちらは国の支援の予算化の見込みがあるということですが、この支援が具体的にどういった内容なのかと、今後の10年で整備するという話ですが、スケジュールをどう進めていく御予定かを伺えたらと思います。

(知事)国のほうは、まだ今年度の予算には乗っていませんが、今の示された計画では、大規模な水素、アンモニアチェーンの構築を目指すということで、官民併せて15年間で15兆円の投資計画を検討中です。この中で10年ということですが、大都市圏を中心に、大規模拠点を3か所、中規模拠点を5か所程度整備するということで、国際競争力のある産業集積拠点をつくっていこうという方針です。こういった拠点整備に向けて、色々な調査費や設計費、輸送設備や貯蔵設備といったインフラ整備について支援を考えているということでして、我々も、国の指定、またはこういった支援制度を活用できるように、今回のプロジェクトをしっかりと具体的に進めていきたい。

 また、もちろんプレーヤーの皆さんは民間企業ですが、こういうものを我々が示すことによって、実際の予算を組んでいる国においても、福岡は実現できる、予算を執行できるんだということを認識していただき、我々のこの取組みを支援していただくことにつながると思っています。

(朝日新聞)大規模拠点が3つと中規模拠点が5つということですが、今回は大規模拠点の構築を目指す、大規模拠点での指定を受けることを目指すということでよろしいでしょうか。

(知事)目指すところはそういうところです。国も、3とか5と言っていますけれども、この辺もまだ少し流動的なところはあるようです。

(朝日新聞)他県との協力というところで、大分県や山口県との連携も視野に入れるということですが、この話は今後進めていくということでしょうか。

(知事)まず我々の地域がしっかりとサプライチェーンの構築を進めていかなければ、他県に声をかけても進まないわけですから。まずは響灘臨海地区での拠点の構築をしっかりと進めていく。それを進めていく上で、各県とも我々の情報を提供しながら連携を図っていければと思っています。

(朝日新聞)ハワイの訪問団に関してですけれども、今回は約100人規模で訪問されたということですが、これは県費としてどういったものを負担したのかということと、その負担額の総額、どれぐらいの支出がかかったのかを聞いてよろしいでしょうか。

(国際政策課)基本的には経済界の方は御自身の負担で来ていただきまして、伝統芸能とかこちらからお願いした方の分はこちらで旅費などを負担しています。

(朝日新聞)総額で幾らかかっているか、もし数字があれば。

(国際政策課)詳しい数字は後でよろしいですか。

(朝日新聞)分かりました。

(西日本新聞)九州の他県、山口県も含めて連携をするということは、九州・山口地域で拠点化を、中規模、大規模含めて目指すのは、九州・山口ではここが1か所という御認識でしょうか。もしくは、九州のほかでもそういう動きが出ているのでしょうか。

(知事)それぞれの地域の動きを全て私が承知しているわけではありませんが、ただ、世界の中で物を考えていく上において、あまり小さな拠点がぱらぱらとあって、そこの間の連携がないというのは非常に効率も悪いです。そういう意味で、九州・山口という単位、特に、北部九州エリア内の構想は、我々として持っておくべきだろうと思っています。

(西日本新聞)先ほど太平洋側と日本海側という話がありましたけども、日本海側でライバルというか、拠点化に国から選ばれる上で、ライバルと呼んでいいか分かりませんけども、ほかに動きというのはあるのでしょうか。

(知事)特に今のところは聞いておりません。

(日本経済新聞)関連して、響灘に大規模拠点を構築するというのは、具体的に県はどういった取組みをしていますか。

(知事)この拠点の構築に当たって、県が色々なプラントを造るというわけではありません。先ほど申したように、エネルギー関連の九州電力さん、西部ガスさんといった企業の皆さん、また、製鉄関係が副生水素をつくるというのもありますし、水素、アンモニアをそういった拠点において使う可能性を考えられる企業もあります。こういった皆さんに対して、水素をベストミックスできちんと供給していく体制をつくる、そういう拠点の構築の色々なコーディネートをするという役割が県にあろうかと思っています。

(日本経済新聞)先ほど、海外からグリーン水素であったり、アンモニアを輸入する拠点化を目指したいとおっしゃっていましたが、何か具体的に動きがあるのですか。

(知事)再生可能エネルギーによるグリーン水素を製造して、輸出もしていきたいという意向を、オーストラリアのニューサウスウェールズ州が持っています。同州においても色々な調査を進められているという状況で、我々はニューサウスウェールズ州とも、今色々な接触をしています。今年8月に、県を中心とした訪問団をニューサウスウェールズ州に派遣をしたいと思っています。

 御存じのように、色々な水素があるわけです。グリーン水素が一番良いのです。その次はブルー水素とか、クリーン水素と言われるものもある。やはり製造段階でCO2を出すグレー水素というのは、結局、評価されないというか、そこに頼るわけにはいかないということで、やはりグリーン水素というものに着目して取組みを進められる地域と我々は連携をしていく必要があると思います。

(日本経済新聞)今まで、水素の先進的な取組みをということで、協議会を幾つかつくられてきたと思うのですが、改めて今回、この協議会を発足する意義を教えていただけたらと思います。

(知事)拠点構築ということで、我々の水素グリーン成長戦略会議は、約900の企業の皆さんや大学の皆さん等に入っていただいていますが、その中で、我々は今回、この響灘臨海部というエリアにおいて、集中的にこのプロジェクトを進めていくわけですので、そこに関係、立地をしている、あるいはそこでの今後の事業展開を考えておられる企業の皆さんと集中的に、絞ってこの協議会を立ち上げるということです。

 

(朝日新聞)ChatGPTについてですが、県としてどのように活用していくのか、対応していくのかについて、方針はありますでしょうか。

(知事)いわゆるChatGPT、非常にすごい技術だと思いますが、このChatGPTなどの生成AIというものが、今色々な話題になっている。この生成AIに限らず、これまでも、そしてまたこれからも新しい技術は生まれてきたし、生まれてくるのだと思います。

 まず基本的に、これらに対して後ろ向きであってはいけないと思っています。ただ同時に、やはり課題もある。政府においても今検討をされていますし、G7でも、生成AIについての規制も含めた今後の取扱いについて話し合われるというふうに仄聞していますが、やはり色々な懸念を言われているわけです。個人情報保護の問題、それから教育の場面で使うときの弊害の問題等々です。また、生成AIが、色々な情報を集め、そして、それをアウトプットするときのプロセスがよく分からないということもあります。色々な課題や疑問もあるわけですので、この点については、やはり十分検討していく必要があると思います。

 いずれにしても、生成AIであっても、これはツールであるわけです。人がこれをどううまく使うのか、使いこなせるのか。ここが重要ですので、うまく使っていく。そして、業務の効率化や生産性の向上といったことに効果を生み出すことができるような、そういう安全にこれを使うことができるルールづくりといったことも考えていく必要がありますので、庁内でも、また、市町村の皆さんとも色々な検討をこれから進めていきたいと思っています。

 

FBS)全国旅行支援の「福岡の避密の旅」は、今後5類に移行された後、何か対応として決まっていることはありますか。

(知事)全国旅行支援が終了した後に、我々としては、閑散期の平日にお客様をお迎えしたいというのがありますので、今回の予算でも、そういう閑散期の平日のお客様に対する助成を組んでいるところです。それで旅行業者、宿泊業者の皆さんと観光業の支援を引き続き行っていきたいと考えています。

 

(終了)

 

 

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