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この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。
(県民情報広報課長)ただいまから、秋篠宮皇嗣殿下、同妃殿下のお成りに係る記者会見を始めます。
それでは最初に吉田皇嗣職大夫から、本日のお成りに係る両殿下からの御感想をお願いします。
(吉田皇嗣職大夫)宮内庁皇嗣職大夫の吉田です。お成りの御感想の前に一言申し上げます。
昨日、大雨特別警報が発令された山形県などを中心に多くの被害が発生しました。秋篠宮皇嗣同妃両殿下は被災された方々にお見舞いのお気持ちをお持ちでいらっしゃいます。
それでは、福岡県のお成りの御感想について、御紹介いたします。
「全国高等学校総合体育大会のインターハイの総合開会式に出席するため、福岡県を訪れています。
本日は北九州メディアドームで、既に始まっている自転車競技のケイリンを観戦しました。私たちにとって自転車競技を実際に見るのは初めてのことでした。説明をしてくださった方から、競技の見方や基本的なルールなど色々なお話を伺いながら、新鮮な気持ちで見学いたしました。
その後、ドームを後にする前、運営に携わっている高校生とお話をいたしました。会場を彩る草花や福岡情報が掲載されているマップ、競技をイメージしたポスターなど、それぞれが大会をよいものにしたいとの気持ちが伝わってきました。
福岡市では、ラグビーの強化施設であるとともに、多目的に使用が可能なジャパンベースを訪ねました。日本のラグビーの歴史を振り返るとともに、選手たちが普段、どのような練習をしているのかの説明を受けました。そして実際に、国民スポーツ大会の福岡代表候補の高校生の練習風景も見学しました。目標に向かって練習に励む次世代の選手たちの活躍を応援したいと思いました。
夕刻には、服部知事から、福岡県の現状と今後の展望などについてのお話を伺いました。
明日はインターハイの式典に出席いたします。全国から参加される高校生の皆さんには、暑い中ですが、熱中症などに気をつけて、これまでの準備の成果を披露し、高校生活のよい思い出をつくっていただきたいと思います。
皆さまに温かく迎えていただいたことに感謝いたしております。」
以上でございます。
(県民情報広報課長)ありがとうございました。
続いて、服部知事から本日の御視察内容及び感想などについてお願いします。
(服部知事)福岡県知事の服部誠太郎です。よろしくお願いします。
まず初めに、昨日来の豪雨により被害が発生しております山形県はじめ、当地域の皆さま方に深く心よりお見舞いを申し上げます。
このたびの秋篠宮皇嗣同妃両殿下の御来県を大変光栄に存じております。
本日、両殿下は北九州空港からお入りになり、北九州市にある北九州メディアドームで自転車競技を御覧いただき、その後、福岡市にあるJAPAN BASEを御視察いただきました。
最初に御訪問された北九州メディアドームでは、明日の全国高等学校総合体育大会開会式に先立って開催された女子の自転車競技のケイリンを御覧いただきました。ケイリンは、北九州市の小倉が発祥の地です。両殿下はオリンピック種目の一つにもなっているケイリンの迫力のあるレース展開を大変熱心に御覧になっておられました。
皇嗣殿下からは、選手の練習方法について御質問があり、説明された方からは「競輪場で練習したり、一般道路を60キロメートルから100キロメートル走行して練習したりしています」とお答えしたそうです。
次に御訪問されたJAPAN BASEは、ラグビー日本代表選手の強化・育成のための拠点施設であり、令和5年6月に開設されました。この施設は、地元の高校や大学のラグビー部などに天然芝のグラウンドを開放したり、日本代表選手との交流活動を行ったりと、地域のスポーツ交流拠点としても活用されています。両殿下におかれましては、このJAPAN BASEの理念や日本代表のこれまでの歩みなどの説明を熱心に御聴取いただきました。また、この施設内にあるコミュニティセンターでは、展示されている博多人形や小石原焼などの県の伝統的工芸品についての説明を御聴取いただきました。
その後、グラウンドにお出になられ、男子ラグビーで国民スポーツ大会の福岡県代表候補となっている高校生の練習風景を御視察されました。殿下は、御自身が開会宣言をされたラグビーワールドカップ2019の写真を懐かしそうに御覧になっていました。妃殿下からは、高校生の練習時間について御質問があり、施設の方からは「高校生たちは文武両道を目指しています。午前中は勉強、午後は練習に頑張っています」とのお答えがされました。いずれの場所でも、両殿下が大変興味深く御覧になっている御様子が印象的でした。
それから、トレーニングセンターにおいて、それぞれのトレーニングの目的やその効果について御質問があり、タックルなどでの引きつける力をつけるために綱上りの練習をしていますとの御説明がされました。
次に、ここホテル日航福岡で、私から県勢概要を御説明申し上げました。本県では、「サステナブル」と「イノベーション」という二つの視点を持って、福岡県の未来を見据えた政策を展開しています。
まず、「将来を守るサステナブル社会への改新」という視点において、スポーツによる未来を担う人づくりや県民の健康づくりなど、総合的な施策を進めていることを御説明申し上げました。特に県民の健康づくりについては、本県は男性も女性も食塩の摂取量が標準量よりも多いため、スマートソルティング「スマソる?」というネーミングで減塩に取り組んでいると御説明を申し上げました。
また、本県では、私たちの健康・暮らしに大きな影響を与える新興感染症、地球温暖化等に対応していくため、ワンヘルスの取組を推進していることを御説明申し上げました。これについて、本県では、ワンヘルスセンターの整備を進めていること、また、来年開催される大阪万博でワンヘルスをテーマとしたシンポジウムを開催する予定であることなどを御説明申し上げ、今後もワンヘルスの研究を進め、実践の必要性を世界に向けて発信していくことを申し上げました。
次に、二つ目の視点である「未来を拓くイノベーションの創発」として、「次世代創薬」、「再生医療」、「バイオものづくり」、「機能性表示食品」の4分野を中心として、「福岡バイオエコシステム」の形成に取り組んでいること、また、先月4日、「国の金融・資産運用特区」に選定されたことを御報告申し上げ、これを契機として、県内の成長産業への資金の供給、また、産業・企業成長への好循環の実現を目指していること、そしてまた、本県の基幹産業である園芸農業について、特に先端技術の導入に取り組んでいることなどについて御説明申し上げました。
両殿下には大変熱心に御聴取をいただき、特に、今例示した中には挙げておりませんでしたが、スポーツの中で、明後日から、福岡県で第30回目となる世界少年野球大会が開催されることについて御関心をお示しいただき、私からは、この大会は王貞治ソフトバンクホークス会長がお亡くなりになったハンク・アーロン氏とともに始められた取組であり、スポーツを通じて子供たちの交流を目指していこうという取組であること、そして、王さんがライフワークとして非常に熱心に取り組まれ、30回目の節目の大会をぜひ福岡県でということで、このたび福岡県において開催することとなったことを御報告申し上げました。
本日の御日程を通じての私の印象ですが、秋篠宮皇嗣同妃両殿下におかれましては、スポーツに真剣に取り組む高校生たち、そしてまた、インターハイで全国からお見えになる皆さまへのおもてなしに向けて一生懸命準備に取り組む高校生たちのひたむきな様子を、温かいまなざしで御覧いただき、お声をかけていただき、あらためて優しいお人柄を実感しました。
明日は、久留米総合スポーツセンター体育館において、「令和6年度全国高等学校総合体育大会」総合開会式に御臨席いただき、秋篠宮皇嗣殿下のお言葉を賜るほか、引き続いて開催される公開演技を御覧いただきます。そして、高校生アスリート、高校生の選手たちにとって夢の舞台であるインターハイの企画や準備をし、支えてくれている高校生活動推進委員や総合開会式に出演した生徒たちと御交流いただきます。
その後、春日市のクローバープラザにおいて、将来世界で活躍するアスリート、またパラアスリートを育てるため、福岡県で実施している「福岡県タレント発掘事業」、「福岡県パラスポーツタレント発掘・育成事業」の育成プログラムを受講している皆さんのトレーニングの様子などを御視察いただく予定です。
明日の日程もつつがなく進み、多くの県民の皆さんと触れ合っていただくとともに、福岡県への御理解をいただき、この2日間の御滞在が両殿下にとって思い出深いものとなりますよう、私どもも精一杯努めてまいりますので、皆さん方におかれましても、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
私からは以上でございます。
(共同通信)大夫に質問ですが、冒頭のお見舞いの気持ちは、両殿下からということでよろしいですか。
(吉田皇嗣職大夫)そのとおりです。
(共同通信)知事にお伺いします。外国の話になってしまいますが、米国のトランプ前大統領の銃撃があったことなどから要人警護というのが注目されていると思いますが、今回の両殿下のお成りに関して警備面で強化されたことや、事件を受けて変わったことはありますか。
(服部知事)その点については、県警察本部が万全を期して対応していただいていますが、内容については私から申し上げるべきではないと考えています。
(共同通信)大夫と知事それぞれにお伺いします。北九州メディアドーム、また、JAPAN BASEの両殿下の御視察に同行された中で、両殿下の御様子や特に印象深かった場面、やり取りなどがあれば教えてください。
(服部知事)両殿下には、本日、東京の秋篠宮邸を御出発されて、大変暑い中、そして長距離の御移動となり、お疲れであったと思います。それにもかかわらず、高校生たちへ本当に温かい眼差しを向けていただき、そして、励ましもいただきました。その点が私にとってはとても印象に残り、子どもたちにとっても大きな励みになったものと感じています。
(吉田皇嗣職大夫)両殿下の御感想とも重なるところですが、自転車競技を初めて御覧になったということで、そのルールも含めて、どのような形でレースが行わるのかについて大変関心を持っておられ、女子ケイリンの方々の走りにも大変御関心を持って御覧になっていたという印象です。
ラグビーについても、特に高校生の方々の練習風景については、非常に熱心に御覧になっておられて、先ほど知事からもお話がありましたが、ワールドカップの際の御経験等もありましたので、そういったことも色々と思い起こしながら御覧になっていたのかなと拝察しています。
(共同通信)もう1点、知事にお伺いします。先ほど知事から両殿下に説明された県勢概要について、特にポイントというか重点を置かれて説明された項目はありますか。また、その際の両殿下の御反応など、気づかれた点があれば教えてください。
(服部知事)私からは、幅広く県政全般について、かいつまんで御説明申し上げましたが、その中でも、先ほども触れた、本県が注力しているバイオテクノロジーの分野での産業育成のお話をさせていただきました。特に我々は、米国のボストンを訪問して様々学び、また、ボストンにおいて形成されているバイオエコシステムを福岡県としても形成していきたいというお話を申し上げて、この点について非常に殿下にも興味深く聞いていただいたことが印象に残っています。
(終了)