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この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。
(県民情報広報課長)ただいまから、秋篠宮皇嗣殿下、同妃殿下お成りに係る記者会見を始めます。
まず、加地皇嗣職大夫から、本日のお成りについての両殿下からの御感想をお願いいたします。
(加地皇嗣職大夫)宮内庁皇嗣職大夫の加地と申します。よろしくお願いします。
それでは、このたびの福岡県お成りの秋篠宮皇嗣同妃両殿下の御印象について、御紹介いたします。
「昨年12月に訪れて以来の2人での福岡県訪問となりました。
最初の訪問場所は、1917年に創業され、その製品を目にしない日はないTOTOが運営するTOTOミュージアムでした。創業以来の歴史やものづくりの展示を見学するとともに、水回りの技術や製品の進歩の状況やデザイン、グリーンボランティアをはじめとする社会貢献活動への取組などについて、興味深く見学しました。
その後、響灘緑地内の温室・熱帯生態園を訪れました。私(文仁)は30年ほど前に訪れたことがありますが、その当時にも植栽されていたセイバの仲間などもかなり残っておりました。また、その際には、到津の森公園の分園に当たる、ひびき動物ワールドで、日本でも有数のシマオイワワラビーとオオカンガルーの多頭飼育を見学することができました。
夕刻には服部誠太郎知事から、福岡県の概要をはじめ、現在取り組まれている次代を担う「人財」の育成、先端技術産業や農林水産業の振興、さらには感染症におけるワンヘルスの推進などについてのお話を興味深く伺いました。
夜はホテルにおいて、「みどりの愛護」のつどいのレセプションに出席しました。全国各地で、花の植栽、河川や公園の清掃などに尽力されている方々から平素の活動のお話などを伺えたことは、大変意義深いひとときでした。
明日は「みどりの愛護」のつどいの式典が行われますが、全国から参加された皆様とお会いできることを楽しみにしております。」
以上でございます。
(県民情報広報課長)ありがとうございました。
続いて、服部知事から本日の御視察内容及び感想などについてお願いします。
(服部知事)福岡県知事の服部誠太郎でございます。よろしくお願いします。
このたびの秋篠宮皇嗣同妃両殿下の御来県を大変光栄に存じております。
本日は、福岡空港からお入りになり、北九州市小倉北区にあるTOTOミュージアムと、若松区にある響灘緑地を御視察いただき、その後、第34回全国「みどりの愛護」のつどい記念レセプションに御臨席いただきました。
最初に御訪問されたTOTOミュージアムでは、国産初の腰掛式水洗便器のレプリカをはじめとした数々の展示を御覧いただき、水回りの文化や歴史、TOTOのものづくりへの思い、また、その商品の進化についても説明を御聴取いただいたところです。
次に御訪問された響灘緑地ですが、「水・緑・そして動物たちとのふれあい」を基本テーマとした、北九州市内最大の公園です。両殿下におかれましては、大変美しいチョウであるオオゴマダラや、熱帯生態園の様々な樹木や花、それからナマズなどの魚やカメレオンなどを御視察いただき、その後、ひびき動物ワールドでオオカンガルーやワラビーなどを御視察いただきました。
平成3年10月に、全国都市緑化祭において、皇嗣殿下はこの響灘緑地を御訪問されておりました。それから30年以上経っているわけですが、熱帯生態園でナマズを御覧になったときに、そのとき出会ったナマズがまだ元気にしていたので、大切にかわいく飼育されていますね、というお言葉がございました。
いずれの場所でも、両殿下が大変興味深く御覧になり、また、色々御質問されている御様子が印象に残っております。
次に、ここリーガロイヤルホテル小倉で、私から県勢概要について御説明を申し上げました。本県の飛躍・発展に向けた未来を担う人づくりや経済成長を支える人づくりなどの「人財」の育成、グリーンをキーワードに、半導体、自動車、水素などの先端技術産業の振興に向けた戦略的な取組、県産農林水産物のブランド力強化や輸出の拡大、ワンヘルスの推進、不妊治療への助成や病児保育の利用料無償化など子どもを安心して産み育てることができる地域社会づくり、こういった取組について御説明を申し上げました。両殿下には大変熱心に御聴取をいただいたところです。
特に皇嗣殿下におかれましては、ワンヘルスについて関心をお示しいただき、今の新興感染症の多くが動物由来である、動物の体内で変異をしたウイルスが人に感染する、といったことを踏まえて、医学や獣医学等の連携の必要性について御理解を示されました。
その後、第34回全国「みどりの愛護」のつどい記念レセプションに御臨席いただき、みどりの愛護活動により国土交通大臣賞や県知事賞を受賞された皆さんと御歓談いただきました。受賞された皆さんの公園緑地や道路美化などの日頃の活動について、両殿下は非常に感心をされ、熱心にお話を聞いておられました。両殿下からは、それぞれの活動内容はもとより、御苦労されている点についてお尋ねがあり、出席された受賞者の皆さんから御説明いただきました。両殿下から親しくねぎらいのお言葉をいただき、受賞された皆さんは大変喜ばれ、大きな励みになったものと思います。
本日の御日程を通じての私の印象ですが、秋篠宮皇嗣同妃両殿下におかれましては、受賞者の皆さんはもとより、私たち関係者に対しても非常に親しく接していただき、ねぎらいの言葉を掛けられ、改めて両殿下の優しいお人柄を実感したところです。
明日は北九州ソレイユホールにおいて、第34回全国「みどりの愛護」のつどい式典に御臨席いただき、秋篠宮皇嗣殿下のお言葉を賜ります。その後、勝山公園内において、つどい式典での誓いの言葉宣誓者等との御懇談や会場の緑化装飾の御視察、そして、記念植樹に御臨席いただきます。その後、工業都市北九州市の基礎を築いた企業家である安川敬一郎氏により明治45年に建設された旧安川邸を御視察いただく予定です。
明日の日程もつつがなく進み、多くの皆さんと触れ合っていただくとともに、福岡県への御理解を深めていただき、この2日間の御滞在が両殿下にとって思い出深いものとなりますよう、私どもも精いっぱい努めてまいりますので、皆さん方におかれましても、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
私からは以上でございます。
(共同通信)知事に質問させていただきます。先ほど県勢概要聴取のところで、皇嗣殿下がワンヘルスに関心を持たれていたとおっしゃっていましたが、具体的に両殿下から知事への御発言や質問などで、特に印象に残っているやり取りがあれば教えていただければと思います。
(服部知事)ワンヘルスについてですか。
(共同通信)それも含めて、ほかにも、もし関心がおありのようなものがあったら。
(服部知事)特にワンヘルスについては、皇嗣殿下は生物学について深い御造詣をお持ちであるということもあってだと思いますが、動物由来の感染症について、アジアという地域がこういう新興感染症の発生リスクが高い地域であるという我々の認識も申し上げまして、皇嗣殿下からも、アジアに近い福岡県において、そのようなワンヘルスの理念に基づく取組をされることは非常に重要なことであるとおっしゃっていただきました。
殿下からは、コロナのこともあってかと思いますが、県内の医学部を有する大学や看護学部を有する大学等についてのお尋ねもありました。
また、コロナに関連して申しますと、やはり医療現場で医療関係者の皆さんが非常に御奮闘された。その中でも、先ほど看護学部のお話があったと申し上げましたが、看護職が今不足しているという御認識をお持ちで、看護職の資格を持っている皆さんが復職することや、その際に新しい技術や機材への対応ができるような研修の重要性についてお言葉がありました。
(共同通信)大夫にも1点お伺いします。両殿下が「みどりの愛護」のつどいの式典に現地で参加されるのは4年ぶりになりますか。
(加地皇嗣職大夫)そうですね。その間、オンラインやビデオメッセージで言葉を寄せられたことはあったかと思いますが、実際にお出ましになるのはおっしゃるとおりだと思います。
(共同通信)おそばで見られていて、久しぶりに現地に入って皆さんたちと懇談されたり、あした式典に臨まれますが、見ていて両殿下はどのような感じだったり、久々に現地に入ることに関してどのようなお気持ちをお持ちなのかというのを、大夫の目線で感じたことがあれば教えていただきたいです。
(加地皇嗣職大夫)やはりCOVID-19の感染拡大の時期を経て、ようやく実際のお出ましができるようになったということで、実際にお供をしていて、実際に県にお出ましになり、色々な方々とお会いになって、色々なお話をされたり、色々な施設を御覧になったりということを、喜んでおられるのではないかと拝察しています。
(KBC)お二人に質問ですが、去年から今年にかけて要人が襲撃されるような事件が相次ぎました。これを受けて、今回の秋篠宮皇嗣同妃両殿下の来県について、警衛・警護の観点で重視された点等、何かありましたらお聞かせください。
(加地皇嗣職大夫)今回も福岡県警察には大変セキュリティーの面でお世話になっており、感謝をしているところです。御指摘の色々な事案がありましたが、警察当局は、色々な事案の発生を含めて、その時々の情勢に応じた必要な警備をしていただいていると思っています。したがって、今回もそのような観点から、しっかりと御対応いただいていると思っています。
なお、具体的に内容がどういうことであったかというのは、セキュリティーに関することですので、控えさせていただきたいと思っています。
(服部知事)今お話がありましたように、皆さんも御覧いただいていたと思いますが、岡部県警本部長も随伴者としてずっと同行していただいています。県警としても万全の体制で臨んでいただいていると考えていますし、県警察、宮内庁、県、市といった行政の連携で、警衛・警護について万全の備えで臨んでいると考えています。
(RKB)先ほどの質問に関連して、知事にお伺いします。今日1日目は特に問題はなかったということでよろしいですか。
(服部知事)特に何か問題があったという報告は受けておりません。
(終了)