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ケガをしている動物を見つけたら
1 野生動物とのつきあいかた(知っておいてほしいこと)
(1)命のつながり
野生動物の多くは寿命がつきる前にほかの生き物に食べられたり、ケガや病気で命を落とします。
そして、野外でなくなった命を食べて、また多くの命が育っています。野生動物はそうした命のつながりの中で生きています。
(2)ペットとは違うもの
野生動物は人と暮らしているペットとは違い、もともと、人をこわがって暮らしているものです。
人がふれようとすると、体を動かせるかぎり逃げようとします。人が保護しようとすることそのものも、野生動物にとってストレスがかかるものなのです。
(3)ケガをした野生動物を保護すること
野生動物は、自然のままに生きていくのが本来の姿であり、自然の中での出来事については見守ることが基本です。
傷ついた動物を助けたいと思う気持ちはとても自然で大切ですが、彼らが生きていく環境そのものを守ることについて考えていただければ、より大きな保護につながります。
県では、人が原因で傷ついた野生動物の保護を行っています。
2 保護の対象となる動物(野生復帰させるもの)
ただし保護にあたっては、以下の条件に該当するものを対象とします。
(1)ほ乳類と鳥類を対象とします。
例:○(まる)コウモリ、シジュウカラなど
×(ばつ)カメ、ヘビ
(2)人が原因の事故で傷ついたものを対象とします。
野生動物はペットとは違い、弱った生き物もほかの生き物の命をつなぐ役割があります。
例:○(まる)交通事故にあったもの、釣り糸が絡まっているもの
×(ばつ)他の鳥獣(カラスなど)に襲われたもの
(3)野生復帰が可能な傷ついた野生動物を保護対象としています。
人が保護することによって野生復帰が困難となると思われるものや野生復帰させることが適当でないものは、保護の対象としていません。
(4)ただし、以下のものは保護の対象としていません。
- 野鳥のヒナ、産まれて間もない幼獣
手を出さず、そのまま見守ってください。ヒナの場合、車やネコ等が心配なときは、可能であれば近くの枝等高いところにそっと置いておいてあげてください。
詳しくは以下又は「3傷病鳥獣を発見したときは(よくある問い合わせQ&A)(5)」をご覧ください。
- 農林水産業、生活環境に被害を与えるおそれが大きいもの
例:ハシブトガラス、ハシボソガラス、ドバト、スズメ、ヒヨドリ、イノシシ、ニホンジカ、イタチ、タヌキなど - 外国産の動物で野生化し、昔からそこに住んでいた野生動物の生態や農林水産業に被害を与えているもの
例:アライグマ、ソウシチョウ、ガビチョウ、カオジロガビチョウ、カオグロガビチョウ(特定外来生物)
※捨てられたペットが野生化し、人や自然環境に様々な被害を与えています。捨てることは絶対にやめましょう。 - 感染症の疑いがあるもの
例:疥癬(かいせん:毛が抜け落ちた状態)にかかったタヌキ、大量に死んでいる野鳥など
※野鳥の大量死については、最寄りの保健福祉環境事務所へご連絡ください。
3 傷病鳥獣を発見したときは(よくある問い合わせQ&A)
(1)Q:弱った鳥をみつけたけどすぐ保護しなくていいの?
A:まず様子をみましょう。
庭や公園等で傷病鳥獣を見つけたら、まずケガや衰弱の具合を見ることが大切です。ケガをしていても、逃げる元気がある場合は、人が保護しようとして追い回すことで衰弱することもあります。野生動物はある程度のケガでも自然に回復するたくましさを持っています。むやみに手を触れたりせず、できるだけそっとしておいてください。
自然の野山などでは、かわいそうだと思っても、そのままにしておくことが、野生動物の生態系を守ることにもつながります。
(2)Q:誰かが引き取りに来てくれるの?
A:発見者の方に持ち込みをお願いしています。
傷病野生鳥獣医療所では、治療に専念するため、持ち込みは、発見者の方に無理のない範囲で自主的に行っていただいております。詳細はお近くの保健福祉環境事務所にお問い合わせください。(連絡先参照)
(3)Q:保護した動物のその後の状況はおしえてくれるの?
A:受入後の状況についてはお答えできません。
傷病野生鳥獣医療所は、ご協力いただいている施設の善意で運営されている面もあります。収容された動物の治療に専念するためにも、ご理解をお願いします。
(4)Q:野鳥のヒナを見つけた場合どうしたらいいの?
A:野鳥のヒナは拾わないでください。
ヒナを見つけたときは、そのままにしてそっと離れましょう。近くに姿が見えなくても、人がいなくなれば親鳥はヒナのもとへ戻って世話をします。(ヒナに手を出して親子を引き離すのは「誘拐(ゆうかい)」になるのでそっとしておくのがよいでしょう)
人が保護しても野生で生きていくために必要な知恵を教えることは非常に困難です。拾ってしまったらなるべく早くもとの辺りに帰しましょう。
巣が見あたらないときは空き容器などを仮の巣にして、猫が気になるときは高いところへ置いてください。
※(公財)日本鳥類保護連盟では「ヒナを拾わないで」キャンペーンを実施しています。
かわりの巣の例(ザルや空き容器をつかった方法)
- ザルやボールにいれて針金やひもなどで空中につるします。
4 傷病鳥獣の保護について(いろいろな考え方)
野生動物は本来、自然の中で生きていくものです。弱った生き物をほかの生き物が食べることで、自然界は成り立っています。
傷ついた野生動物の保護については、いろいろな考え方があります。自然保護について先進的な国でも、自然復帰の見込みが乏しいものはすみやかに安楽死させたりしています。
これは野生動物にカゴやオリの中で一生を終えさせるべきではないという考えによるものです。
傷病鳥獣保護事業は、いろいろな議論がありますが、傷病には人間が原因のものが多くみられることから、傷病野生動物保護事業を実施しています。
この制度がより正しく運用されるよう、皆さんのご理解とご協力を御願いします。
連絡先
お問い合わせは保健福祉環境事務所(地域環境課または環境課地域環境係)へお願いします。
機関名 | 電話番号 | 所在地 | 郵便番号 |
---|---|---|---|
筑紫保健福祉環境事務所 地域環境課 |
092(513)5611 | 大野城市白木原3丁目5-25 筑紫総合庁舎内 | 816-0943 |
宗像・遠賀保健福祉環境事務所 地域環境課 |
0940(36)2475 | 宗像市東郷1丁目2-1 宗像総合庁舎内 | 811-3436 |
京築保健福祉環境事務所 環境課地域環境係 |
0930(23)9050 | 行橋市中央1丁目2-1 行橋総合庁舎内 | 824-0005 |
嘉穂・鞍手保健福祉環境事務所 地域環境課 |
0948(21)4975 | 飯塚市新立岩8-1 飯塚総合庁舎内 | 820-0004 |
北筑後保健福祉環境事務所 環境課地域環境係 |
0942(30)1052 | 久留米市合川町1642-1 久留米総合庁舎内 | 839-0861 |
南筑後保健福祉環境事務所 地域環境課 |
0943(22)6963 | 八女市本村字深町25 八女総合庁舎内 | 834-0063 |
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