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公益事業における争議行為の予告
(1)概要
公益事業において争議行為を行うには、当事者である労働組合又は使用者は、少なくとも10日前までに、労働委員会と厚生労働大臣又は都道府県知事へ通知しなければなりません(労働関係調整法第37条)。
これは、公益事業を営む事業所における争議行為の場合、住民の日常生活への影響が大きいことから、あらかじめ争議行為が行われることを公表することによって、住民生活への影響を最小限にするためです。
この通知を行わずに争議行為を行った場合、10万円以下の罰金に処せられることがあります(労働関係調整法第39条)。
「公益事業」とは
「公益事業」とは、次に掲げる事業であって、公衆の日常生活に欠くことのできないものをいいます(労働関係調整法第8条)。
(1)運輸事業 (2)郵便、信書便又は電気通信事業 (3)水道、電気又はガス供給事業 (4)医療又は公衆衛生事業
なお、運輸事業の中で公益事業に該当するものは、「一般公衆の需要に応じ、一定の路線を定め、定期的に、旅客または貨物を輸送する事業」とされています。したがって、路線バス・鉄道・航空事業などは該当しますが、ハイヤーやタクシー事業は、路線ではなく区域であるため該当しません。
「争議行為」とは
「争議行為」とは、集団的な労使関係にある当事者が、労働関係に関する主張を貫徹することを目的として行う行為及びこれに対抗する行為で、業務の正常な運営を阻害するものをいいます(労働関係調整法第7条)。
労働組合の争議行為としては、同盟罷業(ストライキ)、怠業(サボタージュ)などがあり、使用者がこれに対抗するための争議行為としては作業所閉鎖(ロックアウト)があります。
(2)予告通知
(ア)届出方法
予告通知は、電子申請又は文書の郵送若しくは持参により行うことができます。
1.電子申請する場合
以下のリンク先から福岡県労働委員会への電子申請を行うことができます。
2.郵送又は持参する場合
次の事項を記載した文書を下記(ウ)の届出先に郵送又は持参により提出してください。
- 通知者の名称、事業所の所在地、代表者の役職氏名
- 争議行為の目的(要求事項)
- 争議行為の日時
- 争議行為の場所
- 争議行為の概要(争議行為の種類、規模等)
通知書の様式は、以下からダウンロードできます。(必要事項が記載していれば、任意の様式によることも可能です。)
公益事業に係る争議行為の予告通知書 [Excelファイル/28KB]
(イ)届出期日
争議行為をしようとする日の少なくとも10日前までに労働委員会と厚生労働大臣又は都道府県知事へ届出をしなければなりません。
期間の計算にあたっては、予告通知が到達した日及び争議行為予定日は期間に算入しません。
したがって、予告通知が到達した日の翌日から争議行為を行う日の前日まで10日以上の期間を要することになります。
(例)争議行為の予定日が10月12日の場合、10月1日までに届出が必要です。
(ウ)届出先
届出先 | 届出窓口 | |
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福岡県労働委員会 | 〒812-0046 福岡県福岡市博多区吉塚本町13-50 福岡県労働委員会事務局 | |
福岡県知事 | 〒812-8577 福岡県福岡市博多区東公園7-7 福岡県福祉労働部労働局 労働政策課 |
届出先 | 届出窓口 | |
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中央労働委員会(※) | 〒105-0011 東京都港区芝公園1-5-32 中央労働委員会事務局 調整第一課 | |
厚生労働大臣(※) | 〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2 厚生労働省 政策統括官労使関係担当参事官室 |
※ 福岡県労働委員会及び福岡県知事(労働政策課)を経由して届出することもできます。