本文
令和6年度飯塚普及指導センター活動情報
飯塚普及指導センターの活動情報です。
030女性農業者農産加工研修会を開催
飯塚普及指導センターは、女性農業者の相互の研鑽や交流を深めることを目的に、1月28日に管内の女性農業者を対象とした農産加工研修会を開催しました。今回は、宮若市の女性農業者である宮田真由美氏を講師に招き、「野菜の美味しい食べ方を学ぶ料理教室」という内容で様々な料理について教わりました。宮田氏は、「Farm to table」の考えのもと、水稲や野菜などの栽培のほか、自家農産物を使ってカフェ経営や弁当販売も手掛けています。今回はそんな宮田氏の話を聞きこうと、14名の参加者が集まりました。
研修では、旬の菊芋やビーツなどを使ったポタージュやサラダなどを参加者と一緒に作りながら、ハーブを手軽に料理に取り入れる方法や、自家農産物を消費者に直接販売する際のポイントなどについて宮田氏から教わりました。参加者からは、「野菜が使い切れないこともあるが、乾燥させた野菜の使い方や、新しいレシピを学ぶことができよかった」「PRや加工次第で自家農産物が売れる商品になることがわかった」などの感想がありました。また、できた料理を一緒に食べることで、参加者同士の交流が深まりました。講師の宮田氏からも、今回の研修を通して地域の農業者と繋がりを持つことができたとコメントがあり、今後は地域内の女性農業者の交流がより活発になることが期待されます。
今後とも普及指導センターは、女性農業者の交流促進や経営参画のための支援を行っていきます。
029ふくおかエコ農産物認証制度の申請を受付
普及指導センターでは、令和6年12月中旬から令和7年1月中旬にかけて、ふくおかエコ農産物認証制度の申請受付を行いました。今回は今年度2回目の申請受付で、水稲生産者を中心に申請が行われました。
ふくおかエコ農産物とは、環境保全型農業の推進及び県産農産物の販路拡大と地産地消を推進する取組である「ふくおかエコ農産物認証制度」に沿って、化学農薬・化学肥料の使用量を県基準の5割以下に減らして生産された農産物のことです。
普及指導センターでは、環境保全型農業及び地産地消の更なる推進のため、この取組を支援しています。今年度は、ふくおかエコ農産物認証制度に対応した栽培暦の作成やJA広報誌を活用した認証制度の情報発信、申請期間や栽培期間における個別巡回支援を行いました。
今回、センター管内では水稲で56件の申請があり、そのうち4件が新規申請でした。また、水稲の申請面積は775.6haとなり、令和4年度と比べて21ha増加しました。
普及指導センターは、今後もふくおかエコ農産物認証制度に取り組む生産者の支援を行い、取組面積の拡大を推進します。
028ぶどう部会の園地流動化検討会を開催
2月6日、市町やJA、普及指導センターで組織する直鞍地域果樹産地協議会は、初めてブドウ生産者を交えて園地流動化検討会を開催しました。
JA直鞍ぶどう部会は、生産者68名、栽培面積62haであり、巨峰栽培では県北一番の産地です。しかし、生産者の高齢化が進み生産者、栽培面積とも減少傾向にあります。
そこで、ブドウ園地を継続し産地を維持していくため、昨年度から全農家に対して園地の5年後の栽培意向調査を実施し、貸出希望や規模拡大の意向を把握してきました。今年度は、貸出または売却希望の生産者から園地の状況や機械・施設の貸出し意向の確認を行い、データベースを作成しました。
今回の検討会では、普及指導センター職員からアンケート調査結果、園地マップ、貸出し園地の報告を行いました。参加者からは、「良い取り組みだ、貸出しを考えている」、「鞍手町では水田だけではなく、ブドウ園地も地域計画への位置づけが始まっている」などの意見が出されました。また、部会として栽培意向調査を毎年実施して園地流動化の仕組みつくりに繋げていくことが確認されました。
普及指導センターは今後も関係機関と連携して、ブドウ産地の維持拡大のため規模拡大希望農家や新規参入者へのスムーズな園地流動化を支援していきます。
027飯塚地域担い手・産地育成総合支援協議会の研修会開催
令和7年1月30日に飯塚地域担い手・産地育成総合支援協議会水田農業班と新規就農対策班は合同で、JAふくおか嘉穂本所大研修室にて研修会を開催しました。
研修会の対象者は、新規就農者、土地利用型大規模農業者、集落営農組織、大豆生産者と協議会の各班員で、50名が参加しました。
研修会では、初めに、「農作業の安全対策について」と題し、普及指導センター水田農業係の職員が講演を行いました。講演では、実際に起こった事故と事故による様々な影響、そして事故を防ぐための取組や考え方等を説明しました。
次に、農林業総合試験場農産部の研究員から、「大豆新品種「ふくよかまる(ちくしB5号)」について」と題し、講演していただきました。講演では「ふくよかまる」は6月下旬から播種できるため、「フクユタカ」に比べて「播種適期が長く、収量が安定すること」「フクユタカ」より「収量が8%多いこと」等が説明されました。
飯塚地域では令和7年から大豆の品種を「ふくよかまる」に全面的に切り替えることから、参加者は熱心に聞き入り、積極的に質問していました。
今後も普及指導センターは関係機関と協力し、新規就農者や土地利用型経営体の支援を行っていきます。
026炭そ病対策研修会を開催
現在、令和6年産いちごは、例年を下回る収量となっており、その一因として、炭そ病の多発があります。そこで、1月31日、管内のいちご生産者を対象に、炭そ病の基本的生態や防除対策について研修会を開催し、34名が出席しました。
研修会では、基本的な内容から、耐性菌の発生状況や周辺雑草の罹病等に関する最新情報を踏まえ、できうる限りの対策について講習を行いました。
今まで使用していた農薬にも既に耐性菌が発生していることや、周辺雑草が無病徴で炭そ病に罹病していることがある等の新たな情報に、生産者からはまだまだ対策が十分でなかった、薬剤ローテーションを見直そう、雑草防除を徹底しよう、など既に始まっている7年産の育苗作業に向けた強い意気込みが聞かれました。
また、研修会終了後は、収穫作業等の労力軽減対策として、アシストスーツの着用体験会も開催しました。土耕栽培の収穫作業は足腰への負担が大きく、若い生産者でも腰を痛めていることがあります。今回は2~15万円程度の比較的安価で導入しやすい4タイプを紹介し、早速導入を決める生産者もいました。
普及指導センターは、今後もいちごの安定生産・収量向上のための支援を実施していきます。
025ランピースキン病の発生防止に向けて部会員が対応を協議
令和7年1月20日に、JAふくおか嘉穂繁殖和牛部会の全体会議が開催されました。
令和6年11月5日に国内初となるランピースキン病が糸島地区で発生し、その後、朝倉市での発生を受け、JAふくおか嘉穂繁殖和牛部会においても多くの部会員が佐賀県や熊本県の家畜市場に子牛を出荷できない状態となっていました。全体会議では、牛舎に滞留する子牛に関する対応やワクチン接種への対応を協議しました。
普及指導センターからは、ランピースキン病の発生状況とワクチン接種などの対応、他県家畜市場の受け入れ状況および米国向け輸出牛肉取扱施設への搬入について、正確な情報を発信するとともに、同病の蔓延防止のための吸血昆虫対策について研修を行いました。その結果、繁殖和牛部会として吸血昆虫(特にサシバエ)対策に取り組むこととなりました。
和牛繁殖農家にとって主な収入である子牛販売収入が、最低でも2か月間途絶える状況に対し、短期的な資金繰りに対する支援や、出荷再開に向けた家畜市場への働きかけなどの要望が出されました。部会としては、福岡県和牛改良協議会、福岡県肉用牛振興協議会と連携して県内肥育農家への販売を模索するとともに、関係機関等に支援を要請していくこととなりました。
今後とも普及指導センターとしては、ランピースキン病の蔓延防止のための吸血昆虫対策や滞留子牛の飼養管理指導などを通じて、和牛繁殖農家の支援を行います。
025ランピースキン病の発生防止に向けて部会員が対応を協議 [PDFファイル/236KB]
024JAふくおか嘉穂ぶどう部会で長期貯蔵シャインマスカットの試食会を開催
12月20日、JAふくおか嘉穂ぶどう部会は、飯塚普及指導センターで冷蔵シャインマスカットの試食会を開催しました。この試食会は、管内直売所の目玉商品として、クリスマスや年末年始に長期冷蔵保存したシャインマスカットの販売を目指す取り組みの一環として行われ、普及指導センターは冷蔵方法の検討および試食会の開催準備、当日の運営をサポートしました。
試食会には、ブドウ部会員、JA担当者、普及指導センター職員が計18名参加し、保存した約40房の外観、食味について調査をおこないました。参加者からは、「外観が想像よりも良い状態だった」、「食味に問題はない」などの評価が得られたほか、多くの部会員から「次年度以降、自分もぜひ取り組みたい」という意見がだされました。
また、翌日の21日にはJAふくおか嘉穂のファーマーズマーケットで約20房を試験販売し、消費者からも「品質がよい」、「来年度も購入したい」、などの声が聞かれました。
普及指導センターは、引き続き関係機関と連携し、冷蔵シャインマスカットの本格的な販売にむけた支援を行っていきます。
023トマト先進地視察の開催
JA ふくおか嘉穂トマト部会は、令和6年12月18日に、生産者5名で先進地視察を行いましました。
同部会は、ふくおかエコ農産物認証※を取得しており、生産されたトマトは、高単価で取引されています。今年度、新規部会員1名の加入を契機に、部会平均反収15t以上を目指すため、同じ品種・作型で栽培している八女地区の先進農家を視察しました。
視察で意欲的な数多くの質疑が出され、施肥方法やかん水、整枝、高温期の対策等について熱心な意見交換が行われました。
意見交換を行う中で、収量向上を図るために、元肥・追肥のバランスの見直しが必要だと分かったため、部会として、施肥体系の改善に取り組む機運が高まりました。
このため、普及指導センターでは、各部会員へ個別の施肥設計の改善提案を行っていきます。
今後、トマトの出荷が本格的に始まるため、普及指導センターは関係機関と連携し、現地互評会や個別面談を通じて、施肥改善によるトマトの収量向上を支援していきます。
022未来への一歩をビジネスプランから
飯塚地域担い手・産地育成総合支援協議会(市、JA等関係機関で構成、事務局:飯塚普及指導センター)は、農業経営の改善を目指す農業者向けに、ビジネスプラン作成を目的とした「経営者育成塾」(全4回)を開催しており、6年目となる今年は6名の意欲ある担い手が参加しました。
育成塾では、以下の内容を実施しました。
第1回(11/5) 「財務から考える農業経営」と題した専門家による講演と、普及指導員によるビジネスプラン作成の目的と構成の説明
第2回(11/12)「農業経営者の思いや行動が経営を変える」と題した専門家による講演と、普及指導員の支援によるビジネスプラン作成
第3回(11/19)「ビジネスプランを作成して分かったこと」と題した育成塾OBによる講演と、普及指導員の支援によるビジネスプラン作成(続き)
第4回(12/4) ビジネスプラン発表会
発表会に臨んだ各塾生は、自らの経営理念や経営目標を定めたビジネスプランを発表し、今後の経営方針(改善)について決意表明をしました。
塾生からは、「何から手をつければ良いか整理できた。」、「家族で話し合いができ、目標が共有できた。」等の声が寄せられました。
普及指導センターは関係機関と連携し、担い手のビジネスプラン実現に向けて継続的に支援していきます。
021雇用研修会を開催
飯塚普及指導センター管内では、高齢化、後継者不足による担い手減少が課題となっています。産地維持の手段として担い手農家の雇用導入による規模拡大を図るため、飯塚地域担い手・産地育成総合支援協議会(市町、JA等関係機関で構成、事務局:普及指導センター)は、11月27日に雇用研修会を開催し、15名の農業者が参加しました。
株式会社ノースエイム代表の宮村昌吾氏を講師に迎え、農業アルバイトや外国人雇用、農福連携など様々な人材募集方法とそれぞれの特徴や雇用事例について学びました。更に、「農業経営における基本的な雇用管理」と題し、スタッフの募集、労働契約、教育訓練、就業規則、労働条件に関する基準、法定帳簿、労働保険・社会保険、退職金制度など、雇用するうえでの基本的なルールについて学びました。
農業アルバイトについては、最近福岡県でも利用が増えている、「1日農業バイトデイワーク」の運営会社鎌倉インダストリーズの福田氏にバイトアプリの活用方法について説明していただきました。
意見交換では、雇用者の事故に備えた保険や、お互いが納得して働けるような求人の書き方などについて質問がありました。参加者からは、「雇用のハードルは高いと思っていたが、将来的に必要なことだと思った」「具体的な雇用方法や法律の確認ができて良かった」「保険について詳しく調べて、バイトアプリを使ってみたい」などの感想があり、雇用に対する理解が深まりました。
今後とも普及指導センターは、農業者や産地の発展に向けて経営改善支援を行って参ります。
020嘉穂地区農業青年クラブが農産物販売会を県庁で開催
11月6日、嘉穂地区農業青年クラブは初めて福岡県庁1階ロビーで農作物販売会を開催しました。この販売会は、クラブ員が生産した農産物を消費者に直接販売することで、クラブの活動や嘉穂地区の農業の魅力を発信することを目的としています。
販売会に向けてクラブ員は自分で生産した米・野菜・はちみつ等を用意し、それぞれ農産物の特徴を説明できるよう準備しました。当日は、嘉穂地区の農業の魅力等を伝えながら農産物を販売し、用意していた100点以上の品物はほぼ売り切ることができました。
参加したクラブ員からは、「クラブの活動内容や自分の農産物の説明を消費者に直接できて、よい機会だった」、「想定よりも多くの人と交流できたので、来年も販売会を行いたい」などの感想があり、生産意欲の向上と嘉穂地区農業青年クラブの情報発信につながる販売会となりました。
嘉穂地区農業青年クラブは、今回の販売会の他にもクラブ員OBの圃場視察や地元JA青年部との意見交換会などの活動も行っています。
普及指導センターは、今後も農業青年クラブの活動を支援していきます。
019県北ブロック技術交換大会を開催
11月8日に、第28回県北ブロック農業青年技術交換大会をJA直鞍新入支所で開催しました。今年度は、直鞍、嘉穂、田川、みやこ地区の農業青年クラブから14名が集い、技術競技・スポーツ交流と意見交換会を行いました。
技術競技の部は、経営、水田、野菜、花き、果樹、畜産部門ごとにクラブ員が知っておくべき問題を普及指導センターが作成し、全30問の問題を解いて正答率を競い合いました。参加者は1問あたり30秒という限られた時間の中、集中して問題を解いていきました。
その後、普及指導センターが問題の解説を行い、参加者同士で実体験なども話しながら、それぞれの技術力の向上につなげていました。
また、スポーツ交流の部では、クラブ員を混成したチームを作り、グラウンドゴルフを行いながら、各クラブを越えた積極的な交流が行われました。
今回の大会を通じて、参加者が農業未来に向けた情熱や意気込みを語り合うなど、それぞれ刺激を受ける機会となりました。
普及指導センターは、これからも地域農業を担う農業青年の活動を支援していきます。
018令和6年産「博多あまおう」出荷開始
当管内には、JA直鞍とJAふくおか嘉穂にそれぞれいちご部会があり、両部会で合計約13ヘクタールの「博多あまおう」が生産されています。
今年度は、夏が非常に高温で、8、9月の平均気温は平年より3度以上高く、根傷みや株の消耗が発生したためにいちごの花芽分化が遅れ、早期作型では平年より3日程度定植が遅くなり、普通作型では主に10月上旬の定植となりました。しかし、定植後も気温が高く推移したため、果実の登熟が早く進み、JA直鞍では11月1日、JAふくおか嘉穂では11月11日から出荷開始となりました。
「博多あまおう」は、2004年からこれまで、いちごの市場単価日本一を達成しています。今後もこのブランド力を維持するため、両部会では高温による品質低下防止対策の徹底、定期的な目合わせ会などを通じた出荷基準の遵守などの取組みを通じて、高品質な「博多あまおう」を市場に出すことに努めています。
普及指導センターは、今後もいちごの生産技術向上のための支援を実施していきます。
017繁忙期の短期労働力確保に向けて先進事例を学ぶ
飯塚・田川地域の花き生産者、農林事務所、飯塚・田川の両普及指導センターで構成する筑豊地域花き生産者連絡協議会は、令和6年10月3日に全体研修会を開催し、会員生産者と関係機関の約25名が参加しました。
花きに限らず、人口減少・高齢化の進展に伴い繁忙期の労働力確保に苦心する農業経営体は少なくありません。そこで今回の研修会では、県内で活用が始まっている新しい農業サービスに着目し、農業アルバイトマッチングサービス「デイワーク」の導入事例についてJAふくおか八女の光延氏から、また(株)NEWアグリ(旧菜果野アグリ)の農作業受託サービスについて同社の堀井氏から、それぞれ講演いただきました。併せて飯塚普及指導センターからも管内の雇用導入事例を紹介しました。
「デイワーク」は、スマホアプリを通じて農業アルバイトの求人を行い、農業に関心のある求職者と1日単位で効率よくマッチングするサービスで、求人条件を詳しく示すことでミスマッチを回避できるのも特長です。
一方、NEWアグリ社の農作業受託サービスは、収穫やビニル張り等の依頼内容に応じて熟練スタッフが作業を実施し、天候変化等にも柔軟に対応できる点が特長です。
研修会参加者の関心は高く、「雇用は難しいと考えていたが、ハードルが下がった」「さっそくアプリを使って募集してみたい」といった感想が聞かれ、活発な質疑を通じて、各サービスの特徴を理解して選択・利用することの大切さも共有されました。
今後も、普及指導センターでは関係機関と連携し、労働力確保などの経営課題の解決を通 じて、花き産地の発展を支援します。
016飯塚地区高校生農業セミナーを開催
10月3日、飯塚地域担い手・産地育成総合支援協議会(市町、JA等関係機関で構成、事務局:普及指導センター)は、県立鞍手竜徳高校および県立嘉穂総合高校の農業関連コース在籍の生徒24名を対象に「飯塚地区高校生農業セミナー」を開催しました。本セミナーは、高校生の農業に対する理解や就農への意欲を高めることを目的として毎年開催し、参加した高校生の中から農業大学校へ進学した生徒も多数でています。
当日は、地域の代表的な青年農業者組織である直鞍4Hクラブ員の現地視察を行いました。「イチゴの収穫を一人でやるのが大変だったが、頑張った分だけ儲かり、農閉期に趣味もでき充実している。」などのお話をしていただきました。その後、4Hクラブ員3名を交え、各々の就農の動機や栽培している農産物、農業の魅力・やりがい等について話をしていただき、意見交換を行いました。
高校生からは、「農業の楽しさ、大変さ、たくさん苦労されていることがわかった。」「地道にやっていく大切さを学んだ。将来、農家になって生活してもいいなと強く思えた。」等、農業に対する前向きな感想が聞かれました。
普及指導センターは今後も関係機関と連携し、地元の高校生に農業の魅力を発信する活動を継続していきます。
015パソコン簿記初級講座を開催
飯塚地域担い手・産地育成総合支援協議会(事務局は飯塚普及指導センター)は、認定農業者や新規就農者等、地域農業の担い手の経営改善に向けた取組の一環として、経営管理講座を実施しています。
今回、パソコン簿記の初級として、8月2日から9月12日にかけて、普及指導センターで全5回の講座を開催しました。受講者9名を対象にセンター職員が、複式簿記の基礎知識の講座と併せて、簿記ソフトを活用した記帳の演習も行いました。
受講者の多くは就農3年未満の新規就農者でありましたが、受講者は自身の経営状況を的確に把握しようと、毎回熱心に受講されました。アンケートでは、ほとんどの受講者が「記帳や簿記の大切さなど講座の内容を理解できた」との回答でしたが、「パソコンへの入力についてもう少し説明して欲しい」との要望がありました。
協議会では、10月から月に1度のペースで、パソコン簿記の中級講座を開催することとしています。ここで、実際に経営収支等のデータ入力を行いながら、個別に経営状況の把握や分析を指導していきます。
今後とも、普及指導センターでは、協議会の活動とも連携しながら、地域の核となる永続性のある経営体の育成に取り組んでいきます。
014「里山レモンの会」ブランド化に向け始動
9月10日、宮若市の「里山レモンの会」は、初めてのブランド化検討会を開催しました。
「里山レモンの会」は、地域内の農業生産者の高齢化が進み、耕作放棄地も増加する中、これらを解消するため、平成30年に6名の有志で会を立ち上げました。
レモン栽培は、冬場の低温に弱いものの、鳥獣被害を受けにくいことから、平成30年に116aの作付けを行い、令和3年から収穫が始まりました。販売先は、積極的な販路開拓により直売所、量販店、ケーキ屋や居酒屋など多岐にわたっています。
今回の検討会では普及指導センター職員がコーディネーターを務め、現状の分析と活動ビジョンの検討を進めました。会員からは「これから生産量も増加していくので対応が必要だ」、「情報発信が不十分」「レモンのブランド化を通じて交流人口を増やし地域を元気にできないか」などの意見が出され、地域に根差したブランド化に取り組んでいくことを決定しました。
普及指導センターは今後とも専門家や関係機関と連携して、レモンの安定生産、ブランド化や地域活性化を支援していきます。
013いちご先進地視察の開催
8月26日、当センター管内2JAのいちご部会員を対象に、先進地視察を開催し、生産者12名が参加しました。
当管内では炭疽病の蔓延や普通作型における花芽分化の遅延が問題となっており、根本的な対策が必要と考え、同じ県北地域に属するJA糸島の先進農家への視察を企画しました。
視察先では、葉に艶があり、クラウン径の大きな苗を見ながら話を伺いました。優良農家の方から、「いちごは炭疽病との戦いなので、農薬の使用回数を確認し、ローテーションでひたすら防除をすること」「大苗を作るために親株育成時の肥料と水を切らさず適切な時期に切り離すこと」など様々なアドバイスをいただき、参加者は基本技術を当たり前にやることが重要である、と再認識しました。また、近年の夏の高温で普通作型の花芽分化が遅れる問題に対しては、普通作型をやめて9月10日前後から短期的に株冷する作型を導入するとのことで、当センターでは今年度は試験的な導入にとどめているものの、早急に対策を実施しなければならないと実感しました。
普及指導センターは、今後もいちごの生産技術向上のための支援を実施していきます
012JAふくおか嘉穂ぶどう部会でシャインマスカット品評会を開催
9月3日、JAふくおか嘉穂ぶどう部会はJAふくおか嘉穂本所で昨年に引き続きシャインマスカット品評会を開催しました。この品評会は、ぶどう部会員の栽培技術と生産意欲の向上を図るとともに、嘉穂地区のシャインマスカットブランドの情報発信を目的としています。普及指導センターは、開催準備や当日の運営をサポートしました。
品評会には、10点のシャインマスカットが出品されました。今年も高温や少雨等ぶどうの栽培には厳しい条件の日が続きましたが、こまめなかん水や摘房、摘粒を適期に実施するなど生産者の努力により、房型は良好で食味に優れている物が多くありました。
JA及び普及指導センターの職員が、外観(房型、着色)、重量や食味を慎重に審査した結果、最優秀賞は嘉麻市の魚谷隆太氏が2年連続で受賞しました。また、食味が最も優れた出品者に対する優秀賞が新設され、飯塚市の大村国興氏が受賞しました。参加者からは、「他の人が栽培したシャインマスカットと比較ができてよい機会だった」などの感想があり、高い生産意欲を感じる品評会となりました。また、後日品評会の内容が新聞の紙面に掲載され、嘉穂産シャインマスカットの知名度向上や情報発信につながりました。
普及指導センターは、引き続き関係機関と連携し、シャインマスカットの栽培技術やブランド力の向上にむけた支援を行っていきます。
011営農基礎講座野菜部門(いちご)の開催
飯塚地域担い手・産地育成総合支援協議会(市町・JA等関係機関で構成、事務局:普及指導センター)は8月21日に「営農基礎講座野菜部門(いちご)」を開催しました。
この講座は、いちごで就農3年以下の農業者および就農希望者が対象で、いちご栽培の基礎を身につけ早期に高収量を達成することと、同時期の就農者同士の交流を図ることを目的に開催しています。当日は、4名の参加がありました。
はじめに、普及指導員が講師となり、「農薬の特徴・防除の考え方」や「イチゴの収量構成要素・生理生態」など、これからのイチゴの管理に必要な知識について講習を行いました。
さらに、管内ベテラン生産者を講師に、実際のほ場を見ながら現地講習会を行いました。ベテラン生産者からは、自身の失敗談を交えながら、イチゴを定植するほ場の準備について、具体的な作業工程や農業機械の使い方などの説明がありました。
参加者からは、「イチゴの生理生態がわかった」、「ほ場準備の方法が具体的に見れた」などの感想があり、充実した講座となりました。
11月には第2回の営農基礎講座野菜部門(いちご)の開催を予定しており、今後も関係機関と連携しながら、新規就農者等の早期経営確立を支援していきます。
010飼料用米の単収増を目指して
JA直鞍では、飼料用米として、「夢あおば」と「ミズホチカラ」を栽培しています。
「夢あおば」は、普通期栽培で単収が増加しにくく、「ミズホチカラ」は、10月上旬までの用水がなければ単収が十分確保できないことが課題となっていました。
そこで、普及指導センターからJAに品種比較試験の提案を行い、有望と思われる品種「笑みたわわ」の種子を確保し、試作することにしました。
「笑みたわわ」の品種特性は、「ミズホチカラ」より熟期が10日程度早く、9月下旬まで用水が確保できればミズホチカラと同等の単収が見込めます。また対倒伏性が強く、穂数は少な目ですが、穂が大きい穂重型です。「夢あおば」も穂重型ですが、一穂籾数の目安は「夢あおば」が130粒、「笑みたわわ」が140粒です。
7月24日の調査では、草丈は「夢あおば」を100%とした時、80%であり、約20ポイント短く、がっしりとした草型でした。「笑みたわわ」は、「夢あおば」と茎数がほぼ同数でしたが、「笑みたわわ」の一穂籾数が「夢あおば」より多い特性がありますので、多収が期待できます。
今回の結果が良ければ、飼料用米品種として「笑みたわわ」の普及・拡大が見込まれます。
普及指導センターでは、これからも、農業者の所得拡大に向け、支援していきます。
009飯塚地域新規就農者のつどいを開催
飯塚地域担い手・産地育成総合支援協議会(関係機関で構成、事務局:飯塚普及指導センター)では7月2日に「飯塚地域新規就農者のつどい」を開催しました。
この「つどい」は、就農1~3年目の新規就農者、就農希望者が対象で、円滑な就農と就農後の早期経営確立を支援することを目的に開催しています。当日は、新規就農者、就農希望者及び関係機関30名が参加しました。
はじめに、新規就農者の先輩である岡松侑希氏(飯塚市:イチゴ)のほ場で、就農してから今までの体験、新規就農における留意点を話してもらいました。
その後、飯塚普及指導センターにて、JA、農林事務所、共済組合から「JA部会活動」、「就農関係事業」、「収入保険制度」について説明を行いました。また、新規就農者及び就農希望者の自己紹介の後、指導・青年農業士を交えた意見交換を行いました。農業士からは「地域に認められる農家になるためには?」等のアドバイスをいただき、アンケートでも参加者全員が「参考になった」と回答した充実した会になりました。
飯塚普及指導センターでは、今後も関係機関と連携しながら、就農相談や研修の推進等による円滑な就農と、営農基礎講座の開催や個別巡回指導等による就農後の早期経営確立を支援していきます。
008農薬の安全で効果的な使用に関する研修会を開催
飯塚地域・担い手産地育成総合支援協議会(市町、JA等関係機関で構成、事務局:飯塚普及指導センター)では、管内の新規就農者等の栽培技術の早期習得と経営管理能力向上のため営農基礎講座を開催しています。
営農基礎講座は全6講座を計画しており、第1回として、7月18日に、「病害虫の基礎知識と防除管理のポイント」について開催し、15名が参加しました。
講座は、新規就農者が農薬使用を正しく理解し、効果的な防除対策の知識習得を図るため、2部構成で進行しました。前半は、農薬のラベルの見方など農薬に係る基本的な知識をはじめ、農薬の使い方について具体的な事例の動画を視聴し、後半は、病害虫の被害を最小限に抑える防除対策の考え方について、普及指導センターから講義を行いました。
講義後、「曇天時の防除をどう行うか」など多くの質問が出され、「防除作業の要点を動画で確認でき、初心者でも分かりやすい内容だった」などの感想が聞かれました。
普及指導センターは、今後も農薬の安全使用や病害虫の防除対策の指導を行うとともに関係機関と連携し、新規就農者の早期定着に向けた支援を行っていきます。
007高品質なキク栽培を目指して
令和6年7月5日、JAふくおか嘉穂キク部会および飯塚花卉園芸組合の全体現地講習会が開催されました。
飯塚地域は古くからの露地キクの産地であり、主に、盆・秋の彼岸に向けて高品質なキクを出荷しています。今年は、定植時期の高温・多雨、定植後の乾燥などの天候により、より細やかな栽培管理が必要でしたが、生産者の適切な潅水管理や事前の排水対策により、順調に生育しています。
今回の現地講習会では生産者・JA・市場・普及指導センターの計12名が参加し、5戸のほ場巡回を行いました。各ほ場にある多様な品種の情報交換を行うとともに、盆出荷品種の生育状況について、積極的に意見を交わしました。
普及指導センターからは、キクの重要害虫で、主に葉を吸汁して品質を低下させるクロゲハナアザミウマの防除対策や、露地での作業時にもできる熱中症対策について説明しました。
今後も、普及指導センターは関係機関と連携し、飯塚地域のキクの高品質・安定生産に向けた支援を行っていきます。
006シャクヤク試験結果報告会を開催
JA直鞍シャクヤク部会は、6月27日に日吉集荷場にて、普及センターが部会とともに取り組んだシャクヤク試験の結果報告会を開催し、生産者9名が参加しました。
今回、シャクヤクの収穫適期を見直し、花屋での開花率を向上させることを目的に、収穫時の蕾と花屋到着時の蕾の画像データを収集し、開花率や花の大きさなどの調査をしました。このデータをもとに開花蕾と未開花蕾を判定するシステムの検討を行いました。実際に農家がタブレットやスマートグラスでAIアプリを体験し、収穫適期の判断に役立つことが示唆されました。今後、AIの判定基準を分析し、出荷規格表の更新を行っていきます。
合わせて竹チップ牛糞堆肥と牛糞堆肥の施用試験結果を報告しました。竹チップ牛糞堆肥を施用した試験区では、萌芽数が増加する傾向が確認されました。一方、竹チップ牛糞堆肥を株元に施用した試験区では、茎間の抑草効果があることが確認されました。次年度の栽培暦へ結果を反映し栽培に生かしていく予定です。
今後も、飯塚普及指導センターでは、シャクヤク栽培の高品質化を目指していきます。
005第1回花き技術研修を開催
飯塚地域・担い手産地育成総合支援協議会(市町、JA等関係機関で構成、事務局飯塚普及指導センター)では、新規就農者等の栽培技術習得と経営管理能力向上を目的とした営農基礎講座の一環として、若手の生産者を対象とした花き技術研修会を開催しています。
7月5日、第1回目の研修会には、就農10年目までの花き生産者4名が参加しました。まず、兼弥産業株式会社の猪俣光史氏が、「高温環境に適応した栽培体系への転換を目指して」の講義を行いました。高温による農作物の被害の状況から、具体的な対策とその効果についての情報提供が行われ、参加された生産者からは、「これからハウスで作付けを始めるが、どの点に気を付けるべきか?」や「露地作物の場合どのような対策がとれるのか?」等の自身の経営に活かしていくための質問も多く出されました。
講義後に、先進農家視察として直方市のトルコギキョウ生産者の施設に移動し、ハウスの高温対策のための遮光資材や施設管理方法などについて学びました。
普及指導センターでは、今後も若手花き生産者の技術及び経営管理能力向上のための指導を行うとともに、新規就農者の早期定着に向けて関係機関と連携して支援していきます。
004女性農村アドバイザー研修交流会を開催
令和6年6月24日、女性農村アドバイザーOBの梅田飛鳥さんが経営されているカフェで、女性農業者同志の交流及び経営参画の促進を目的に研修交流会を開催しました。起業に興味がある新規就農者、市担当者も含め、女性農村アドバイザー中心に6名の参加がありました。
最初に、女性農業者が対象となる補助事業や認定農業者の共同申請について普及指導センターから説明を行いました。「今後、夫や息子と話し合って認定農業者の共同申請に取り組みたい。」や「補助事業を活用する際には、いろいろな事業があるのでじっくり検討した方がよい。」との声も聞かれました。
次に、梅田さんから、「イチゴの魅力をあますことなく伝えたい!地域の交流の場をつくりたい!」とのカフェ事業への想いなどをうかがいました。梅田さんは、当センター主催の経営塾でのビジネスプラン作成やカフェ建設を経て、今年度、「農林漁業女性のベンチャー事業」に参加し、商品のブラッシュアップに取り組まれています。参加者からは、「価格の設定はどう考えているのか」、「どのような器具を使ってつくっているのか」などは興味津々で活発な質疑応答が行われました。
当センターでは、今後も関係機関と連携し、意欲ある女性農業者の活動と、女性農業者の仲間づくりを支援していきます。
003夏秋なす産地の活性化
JA直鞍なす部会は、令和6年に新規部会員が8名増え、合計14名で栽培をスタートしました。本年は新規部会員の栽培技術の早期習得のため、4月10日に「ほ場づくり」、4月26日に「定植」、5月15日に「本支柱立て、誘引準備」、6月18日に「誘引、整枝」などポイントとなる作業毎に現地講習会を行っています。各講習会では、ベテラン生産者による作業実演と説明を交えながら、和気あいあいとした雰囲気で活発な意見交換が行われました。
本なす部会の出荷方法は2つあり、個別に選別し箱詰めを行う方法とふくれん県北広域販売センターにコンテナ出荷する方法が選択できます。6月18日にはそれぞれ今後の出荷に向けて出荷開始時期の検討や規格・品質の目合わせ会も行われました。
さらに本年は、台木の試験やバイオスティミュラント資材の試験など、生産力向上に向けた積極的な取り組みが行われています。
普及指導センターは、今後も夏秋なす産地の発展のため、総合的な支援を継続していきます。
002飯塚農作業受託管理者に対するブドウの房管理講習会を開催
5月13日、飯塚普及指導センターは、農業の労働力支援をおこなっている株式会社菜果野アグリの職員に対し、ブドウの房管理方法について講習会を実施しました。
株式会社菜果野アグリは、福岡県や大分県において、農作業請負を行っていますが、ブドウの房管理は高度な技術水準を求められることが課題になっています。普及指導センターは、高い技術力を持った即戦力のアルバイターを育成することが農家の経営改善につながると考え、講習会を開催することとなりました。
当日は、嘉麻市のブドウ無核栽培園と鞍手町の有核栽培園の2か所で講習を実施し、職員5名が参加しました。主に花穂整形と摘粒作業について、実演を含めながら説明をおこない、質疑もまじえながら技術習得を図りました。また、各管理とも農家毎に目標や考え方が異なるため、事前の打ち合わせを十分におこなうことに留意するよう、アドバイスも行いました。
今後、今回の参加者が実際のアルバイターに指導する形で技術の共有、習得をおこない、より農家の満足度や所得の向上につなげることを目指します。
普及指導センターでは、これからも農家の労働力不足に対応できる取組を支援します。
001JAふくおか嘉穂大豆作部会が総会を開催
5月22日に、第21回JA ふくおか嘉穂大豆作部会通常総会が開催されました。部会員数は17経営体で、作付面積は5年度実績で約125ヘクタールです。
総会の前に、普及指導センターから大豆栽培講習会を行いました。内容は、昨年の大豆が多収となった要因と今年の技術対策として土づくり、適期播種、雑草防除等の基本技術の徹底、令和7年度から栽培する「ふくよかまる」について説明しました。また、JA からは、「ふくよかまる」作付けによる県設定の産地交付金「大豆生産性向上助成」、水田活用の直接支払交付金における交付対象水田の見直し、管内の大豆作に係る交付金と数量払いの状況について説明しました。
今年度の活動計画では、「ふくよかまる」の展示ほ設置や現地講習会等が予定されており、総会終了後には、雑草対策や「ふくよかまる」について個別に質問や相談がありました。「ふくよかまる」への大きな期待と「大豆の収量向上で収益を上げたい」という意気込みが感じられました。
普及指導センターとしても、昨年以上の大豆の多収を目指し、引き続き支援していきます。