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特定外来生物アライグマの防除に取り組んでいます
特定外来生物アライグマの県内分布情報
県内の野生個体と思われるアライグマの確認情報は、平成17年1月(16年度)に朝倉市の寺内ダム周辺でセンサーカメラで撮影されたのが、最初の事例とされています。
その後、農作物被害を起こす鳥獣として、有害鳥獣捕獲されたり、交通事故死したものが確認されたりするなど、次第に県内における確認情報が増加しています。
令和6年度に確認情報のあった市町村について、県内地図で表示しています。
確認情報は、県内市町村及から提供された情報のうち確実性の高い情報のみ抽出しています。

※下記「2.アライグマ捕獲情報分析システム【目撃被害情報】」の情報とは必ずしも一致しません。
福岡県におけるアライグマ対策について
福岡県では、アライグマによる生態系、農産物及び生活環境に係る被害の軽減と分布域の拡大防止を目的に福岡県アライグマ防除実施計画を策定し、市町村、防除従事者、地域住民が連携して、計画的、効果的及び継続的な防除を実施しています。
また、県内の18市町においてもアライグマ防除実施計画を策定し、アライグマの防除に取り組んでいます。
アライグマ捕獲情報分析システムを運用しています
福岡県では、アライグマの分布する地域を可視化する「アライグマ捕獲情報分析システム」を開発し、令和7年3月24日から公開しています。
このシステムは、農林水産部経営技術支援課が開発した「福岡県鳥獣被害対策システム」のアライグマの情報や市町村の捕獲情報等を取り込み、アライグマの分布域を可視化する電子地図システムです。
福岡県鳥獣被害対策システム、福岡県アライグマ捕獲情報分析システム説明チラシ [PDFファイル/519KB]
1.福岡県アライグマ捕獲情報分析システム
< システムで確認できる電子地図 >
・目撃・被害情報
・市町村、5kmメッシュ別捕獲数
・市町村、5kmメッシュ別メス・幼獣捕獲数
<操作方法>
アライグマ捕獲情報分析システム 操作説明書・利用上の注意 [PDFファイル/839KB]をご参照ください。
2.目撃・被害情報投稿アプリ
「目撃・被害情報投稿アプリ」は、農林水産部経営技術支援課が開発したアプリケーションとなります。野生鳥獣の目撃や被害の情報をスマートフォンやパソコンから投稿でき、投稿された情報は地図上に掲載され、過去の情報とあわせてすぐに確認できます。
目撃・捕獲データの活用について
○捕獲ポイントの絞り込み
本システムを活用し、アライグマの分布域を把握することで最適な設置場所の把握が可能となります。
また、メスの成獣や幼獣が捕獲される場所では、アライグマが定着・繁殖しているため、優先的に捕獲を実施すべきとされています。

アライグマを含む哺乳類の多くは、オスは生まれた場所から遠くに移動しますが、メスは近くにとどまって繁殖する傾向があります。そのため、アライグマの侵入初期にはオスが発見されることが多く、オスのみが確認されている地域ではアライグマが増えていく可能性は比較的低くなります。
しかし、成獣メスや幼獣が確認されることは、その場所の周辺で繁殖している証拠であり、その地域から優先的に排除する必要があります。
○侵入防止対策
アライグマはゴミ捨て場を荒らしたり、家屋の天井裏に侵入する等の被害が報告されています。
アライグマが多く分布する地域では、生ごみなど餌になるものを放置しない等、侵入しないよう対策することをおすすめします。
アライグマについて
アライグマは北米大陸を原産とする動物です。
日本にはペット等として輸入され、その後全国各地で逃げ出したり捨てられたりした個体が野生化し、繁殖を繰り返して分布を拡大しています。
特徴
- 気性が荒く、夜行性でなんでも食べる雑食性。
- 頭から尻尾のつけ根までの長さ:40~60センチメートル
- 尻尾の長さ:20~40センチメートル
- 体重:4~10キログラム
- 顔つきはタヌキ、アナグマに似ている。
- 耳が大きく、白い縁どりがある。
- 鼻に黒い筋がある。
- 尻尾が長く、5から6本の縞模様がある。

被害
農作物、畜産被害
カキ、スイカ、ミカン、イチゴ、キウイ、ブドウ、ナシ、トウモロコシ等の農作物の食害、畜産飼料の食害、養魚場や養鶏場への侵入や食害が確認されています。
生活環境被害
市街地に進出し、ゴミ捨て場を荒らしたり、家屋の天井裏にすみつき、家屋の破壊や糞尿による被害を及ぼします。神社や仏閣にも侵入するため、文化財への損害も報告されています。
生態系被害
樹上の鳥の巣を襲ったり、樹洞に侵入しフクロウ、ムササビ、コウモリなどを追い払ったり、水辺でサンショウウオやカエル類などを捕食します。また、他の動物に対して感染症や寄生虫を媒介する可能性があり、希少な野生動物の減少など、生態系へ重大な影響をもたらすことが懸念されています。
(注)環境省九州地方環境事務所作成パンフレット、チラシより一部抜粋・改変
アライグマによる被害を予防するためには
アライグマによる農産物被害や生活被害等を軽減、予防するためには、農業従事者や地域住民による被害地への侵入防止対策が重要となります。


リーフレット「特定外来生物アライグマにご注意ください!」 [PDFファイル/1.22MB]
(1)餌を与えない
見た目は可愛くとも、絶対に餌を与えてはいけません。生ごみを畑に不用意に捨てたり、廃棄する作物を畑に放置したり、果物をなりっぱなしにすることのないようにしましょう。
(2)ねぐらをつくらせない
アライグマの侵入口になりそうな壁や床下、屋根の近くの隙間はふさぐようにしましょう。特に神社などの古い木造建築は、ねぐらや繁殖場所に使われやすいので注意が必要です。
<対策の例>
ア 家屋等
・壁や床下、屋根付近等の隙間など侵入口の封鎖
・空き家の点検・管理又は解体
・家庭菜園や生ごみなど餌になるものを放置しない(餌を与えない) 等
イ 農地等
・防護策等の設置
・廃棄野菜や果樹などの点検・管理(餌を与えない)、耕作放棄地の整備 等
ウ 共通
・足跡等のフィールドサインや目撃情報の早期通報 等

