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ポリ塩化ビフェニル(PCB)とは?

更新日:2025年12月1日更新 印刷

PCBとは?

 PCBの用途

  PCBは電気機器用の絶縁油、各種工業における加熱並びに冷却用の熱媒体及び感圧複写紙など、以下のとおり様々な用途に利用されていました。現在は新たな製造が禁止されています。

PCBの用途
用途 製品例・使用場所
絶縁油 変圧器用 ビル・病院・工場・鉄道車両・船舶等の変圧器
コンデンサー用 変電所等の電力用コンデンサー、蛍光灯の安定器・テレビ・電子レンジ等の家電用コンデンサー、直流用コンデンサー、蓄電用コンデンサー、医療用X線装置用コンデンサー
熱媒体(加熱用、冷却用) 各種化学工業・食品工業・合成樹脂工業等の諸工業における加熱と冷却、船舶の燃料油予熱、集中暖房、パネルヒーター
潤滑油 高温用潤滑油、油圧オイル、真空ポンプ油、切削油、極圧添加剤
可塑剤 絶縁用 電線の被覆・絶縁テープ
難燃用 ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂
その他 ニス、ワックス・アスファルトに混合

感圧複写紙

塗料・印刷インキ

ノンカーボン紙(溶媒)、電子式複写紙

印刷インキ、難燃性塗料、耐食性塗料、耐薬品性塗料、耐水性塗料

その他

紙等のコーティング、自動車のシーラント、建築用シーリング材

陶器ガラス器の彩色、農薬の効力延長剤

PCBの性質

 水にきわめて溶けにくく、沸点が高いなど物理的な性質を有する主に油状の物質です。
 また、熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高いなど、化学的にも安定な性質を有することから、電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、ノンカーボン紙など様々な用途で利用されてきましたが、現在は製造・輸入ともに禁止されています。
 PCBとはポリ塩化ビフェニル化合物の総称であり、その分子に保有する塩素の数やその位置の違いにより理論的に209種類の異性体が存在し、なかでもコプラナーPCB (コプラナーとは、共平面状構造の意味)と呼ばれるPCBの毒性は極めて強くダイオキシン類として総称されるもののーつとされています。

PCBの毒性

 脂肪に溶けやすいという性質から、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、様々な症状を引き起こすことが報告されています。
 PCBが大きく取りあげられる契機となった事件として、昭和43年に食用油の製造過程において熱媒体として使用されたPCBが混入し、健康被害を発生させたカネミ油症事件があります。一般にPCBによる中毒症状として、目やに、爪や口腔粘膜の色素沈着、ざ瘡様皮疹(塩素ニキビ)、爪の変形、まぶたや関節の腫れなどが報告されています。

「参考」 PCBとは?なぜ処分が必要か?​(環境省 低濃度PCB廃棄物早期処理情報サイト)

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