本文
令和7年度 北九州普及指導センター活動情報
当普及センターの現地情報を記事にして、随時掲載しております。
No.1 赤い絨毯からのめぐみ
水稲緑肥クリムソンクローバによる環境保全型農業
遠賀・中間地区の市町、JA、県で構成される「遠賀・中間地区農振連ブランド化戦略部会」では、緑肥を活用することで化学肥料を低減した環境に配慮した米づくりを進めています。
当部会では水稲の緑肥としてクリムソンクローバを試験的に導入しました。昨年10月に生産者が播種を行い、現在、開花期をむかえています。鮮やかな紅色の花がほ場に広がり、景観作物としての効果も発揮しています。
普及指導センターは、すき込み時期と生育量から化学肥料の低減割合を算出し、生産者に情報提供しています。今後も、環境に配慮した高品質・安定生産に向けた米づくりを推進していきます。
No.2 若松潮風®キャベツ過去最高クラスの販売金額
過酷な気象を乗り越えた生産者の努力と技術
JA北九若松そさい部会では5月17日に総会が行われ、令和6年度のキャベツ班の販売金額は4億4,000万円(前年比190%)に達しました。
令和6年度は定植期の高温乾燥、11月の大雨や雹、厳寒期の低温といった極端な天候でした。一方、販売面ではプロモーションビデオの作成や出荷箱のデザイン刷新等、積極的なPRを展開し、産地のブランド力を高める取り組みを行いました。このような過酷な気象条件への生産者の対応力と販売戦略が結びつき、過去最高クラスの販売金額という結果に繋がりました。
また、現場では近年、イノシシ、ヒヨドリ等による被害が拡大しており、被害額は約9,000万円と大きな影響が出ています。そのため、令和7年度は関係機関が一体となって、若松地域での鳥獣害対策として、研修会の実施や生産者自らの狩猟免許取得に向けた支援を予定しています。
普及指導センターでは、今後も関係機関と連携して安定した出荷と品質維持を両立させる取り組みを支援していきます。
N0.3 高品質な麦の生産に向けて
遠賀・中間地区のJA北九麦作部会(部会員数55名)の生産者が麦の収穫を行っています。 5月に開催された麦の刈取前講習会では、普及指導センターが麦の収穫時期と収穫の注意点を周知し、その後、多雨が予想されたことから、雨の合間を縫って早めに収穫するための注意点をまとめた資料を配布しました。
これらのことを踏まえ、生産者は収穫の日程を決め、5月15日から 計画的に大麦の収穫を終え、6月1日からは小麦の収穫に取り掛かっています。令和7年産の麦については、穂数も確保されており、計画どおりの収穫量が見込まれます。
今後も普及指導センターでは、麦の高品質・安定生産に向け、技術支援や情報提供を通じて、生産者の技術の向上をサポートし、麦の生産振興に取り組みます。