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福岡県は、タイ王国・バンコク都と2006年に友好提携を締結し、経済、環境、青少年など、さまざまな分野で交流を深めています。11月19日から22日の日程で、知事および県議会からなる「福岡県・バンコク都友好促進訪問団」がタイ王国・バンコク都を訪問しました。
本県とゆかりのある企業駐在員や本県に留学経験のある大学関係者などに参加いただき、現地で活躍されている方々とタイの経済状況などについて意見交換を行いました。
知事は、本県とタイの交流の架け橋として協力いただいている皆さんに感謝を述べるとともに、「今後も福岡県とタイ、バンコク都の結びつきがますます強いものとなるよう取り組んでまいる。引き続き、皆さまのご協力をよろしくお願い申し上げる」とあいさつしました。
バンコク都のチャチャート都知事との会談で、知事は「次のパンデミックに備えるためにも、ワンヘルスの取り組みを世界に広めていく中心地として、福岡県がその役割を果たしていきたい。その意味からもバンコク都とワンヘルス推進に係る基本合意書を締結するのは意義深い」と述べ、都知事からは「ワンヘルスの推進に福岡県とともに取り組み、両地域、世界へと広げていきたい」との発言がありました。
両知事は、人と動物の健康と環境が調和した社会づくりにグローバルに貢献することに合意し、香原県議会議長、藏内世界獣医師会次期会長をはじめとする県議会議員同席のもと、「福岡県とバンコク都の協力によるワンヘルスの推進」に関する基本合意書に署名しました。
この基本合意を経て、ワンヘルスを推進するための人材育成や普及啓発など、両地域が連携し、具体的に進めていくためのさらなる覚書の締結を目指します。
(写真)「福岡県とバンコク都の協力によるワンヘルスの推進」に関する基本合意書署名式
在タイ日本国大使館の大鷹大使を訪問し、現在のタイの社会経済情勢や、タイ人から好まれる和食の傾向など、幅広い情報をお聞きするとともに、県が力を入れている観光客の誘致や、フルーツ・八女茶・日本酒など県産品の販路拡大などについて意見交換を行いました。
(写真中央)大鷹正人駐タイ日本国大使
バンコク都議会のスラジット議長を表敬訪問し、福岡県議会の香原議長とスラジット議長との間で、ワンヘルス推進の協力関係の増進を盛り込んだ協定が新たに締結されました。
知事は、チャチャート都知事とワンヘルス推進に共に取り組む合意書を交わしたことに触れ、「福岡県議会とバンコク都議会との間でも、ワンヘルスの推進に関する新たな協定書が締結されることを大変心強く、うれしく思う」と挨拶しました。
(写真)スラジット議長表敬訪問
(写真)「福岡県議会とバンコク都議会との協力関係確立に関する協定」締結式
バンコク都主催の歓迎レセプションが開催されました。知事は、チャチャート都知事との間で、ワンヘルスの推進に共に取り組む合意書を交わしたことに触れるとともに、「来年度はバンコク都のスタートアップ企業に福岡県に来ていただき、本県の企業とのビジネスマッチングや、ベンチャーキャピタルとの資金調達に係る協力体制の構築などを行ってまいりたい」と挨拶しました。
(写真)バンコク都主催歓迎レセプションでの知事挨拶
現地の旅行会社、メディア関係者などを対象に、本県の食・観光をPRする観光セミナー・交流会を開催しました。知事は、大相撲九州場所の観戦や季節ごとに楽しめるフルーツ狩りといったアクティビティを紹介したほか、八女茶やイカの活き造りなど本県の食の魅力をPRしました。
交流会の後、県内の観光事業者と現地旅行会社によるB to Bの商談会をバンコクで初めて開催しました。本県からは、ホテルや商業施設、観光協会など12社が参加し、延べ宿泊者数200人の宿泊の問合せや、20人を超える団体体験予約を複数受注するなどの成果がありました。
参加した県内の観光事業者からは、「多くのタイの旅行会社と商談することができた。こうした直接話せる機会は大変ありがたい。」との声がありました。
(写真)本県の魅力をPRする知事
(写真)現地旅行会社と意見交換する様子
11月21日から24日の日程で、バンコク都と共催で「福岡フェア」を開催しました。多くのタイの皆さんに来場いただき、観光・伝統工芸品PRや、八女茶の試飲体験、とんこつラーメンやうどんなど福岡ならではの食を提供しました。また、八幡中央高校書道部の皆さんによる書道パフォーマンス披露や書道体験教室の開催、手裏剣など忍者体験も行い、現地の方々に日本の文化を見て、触れて、感じてもらい、福岡の魅力を広く発信することができました。
(写真)知事あいさつ
(写真)オープニングセレモニー
(写真)書道パフォーマンス
(写真)忍者体験
5つ星ホテルのマンダリン オリエンタル バンコクに外食事業者、現地メディア、インフルエンサーなど約70人を招き、県産農林水産物のPR試食会を開催しました。ブランド柿「秋王」、博多和牛、福岡有明のり、天然マダイ、八女茶、県産酒などの福岡の食を堪能していただき、「食の王国」福岡をPRしました。
併せて、今回提供した料理には、ワンヘルスの理念に沿って生産された福岡県ワンヘルス認証農林水産物を数多く活用し、福岡県が推し進めるワンヘルスの意義や「福岡県ワンヘルス認証制度」についても紹介しました。
参加者からは、「食材の風味が豊かで、タイの人にも好まれる」と高く評価されるとともに、ワンヘルスについても関心が寄せられました。
今回、タイへの輸出ルートが決まった食材をトップセールスしたことで、今後、タイへの県産農林水産物の輸出がさらに拡大すると期待されます。
(写真)PR試食会の様子