ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 県政情報 > 広報広聴・意見募集 > その他の広報(テレビ・ラジオ・一般情報) > 知事記者会見録 > 知事定例記者会見 令和7年9月1日(月曜日)

本文

知事定例記者会見 令和7年9月1日(月曜日)

更新日:2025年9月1日更新 印刷

知事定例記者会見 令和7年9月1日(月曜日)

この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。

この知事記者会見録の模様は、  ふくおかインターネットテレビ  で動画配信しています。

発表事項

  •  副知事の選任について(令和7年9月議会提案)  (人事課)

 副知事の選任について [PDFファイル/211KB]

  •  新潟県・福岡県連携会議を開催

  ~両県知事が連携する分野について合意しました~  (総合政策課)

 新潟県・福岡県連携会議を開催 [PDFファイル/1.04MB]

  •  「福岡キャリア・カフェ」3周年記念イベント開催!

    ~JALの鳥取社長登場!~           (女性活躍推進課)

 「福岡キャリア・カフェ」3周年記念イベント開催! [PDFファイル/818KB]

(知事)皆さんこんにちは。まず私からは9月議会に提案します人事議案についてご説明申し上げます。

 今回、大曲昭恵副知事から辞職したい旨の申し出があり、受理することといたしました。

 後任には元本県副教育長の上田哲子さんを考えております。上田さんは、本県教育委員会事務局において、教育振興部長、教育総務部長、副教育長など要職を歴任し、長年にわたり本県の教育振興に貢献してこられた方です。

 私は2期目の県政を担わせていただくにあたり、人材育成こそが、これからの福岡県の飛躍発展の礎になるものと考え、3つのチャレンジの1番目に、人こそ宝、人を育てるを掲げているところです。福岡の未来を担う人材を育成し活躍を推進する取り組みをさらに前進させるために、是非とも必要な人材であり、副知事として私を支えていただき、そして県政推進の一翼を担っていただきたいと考えています。

 また本県では平成10年4月から連続して女性が副知事に就任しており、今回の議案を県議会でご同意いただきましたならば、4人目の女性副知事となります。全国的に見ても、このような長期にわたり女性が就任し活躍しておられる事例はございません。選任にあたっては、もちろん適材適所、性別にかかわらず検討を行ってまいりましたが、上田さんというすぐれた人材を得ましたので、引き続き女性の副知事として、活躍していただき、性別、年齢、国籍、障がいのあるなしにかかわらず、誰もが輝き、活躍できる福岡県をともに作っていきたいと考えています。

 詳細な選任理由及び上田さんの経歴につきましては、お手元配付の資料のとおりです。

 なお、この他の人事案件といたしまして、任期満了に伴う教育委員会委員がございます。人事議案の説明は以上でございます。

 それでは2番目でございます。8月の26、27日。2日間の日程で新潟県を訪問しまして、史上初めてですが、新潟県・福岡県連携会議を実施いたしました。

 新潟の地図が右の方に出ております。福岡県と新潟県の写真を並べておりますが、これご覧いただいてもわかりますように、福岡県と新潟県、いろんな共通点といいますか似たところが多いんですね。1つちょっと脇にそれますけど、博多の朝のご飯とか皆さんおきゅうととか食べますよね。おきゅうと、おきゅうと草って僕は博多の食べ物だと思っていたら新潟行くとですね佐渡の方は食べるんですよ。あちらは「えご」とか「いご」とかいう言葉なんですけど全く同じものなんですね。我々のところはあれを平べったくして切って食べますけど、向こうは平べったくしたのをグルグルっと巻いてあってですね、それを切って食べるんですね。ポン酢で食べたりお醤油で食べたりかつお節かけて食べ方もほぼこちらと同じですね。そうやって北前船とかが通っていたルートですから、やっぱりそういうふうな昔からの交易交流というものも、人・物のですね、あったのかなあというふうに思いました。これはちょっとわき道にそれてしまいましたが、こういったようにこの福岡・新潟はともに農林水産業が盛んでありまして、その豊かな自然から生まれる農林水産物も素晴らしいものがございます。そしてその食、あるいは酒についての強みもございます。我々のところは日本酒の蔵元が65あります。新潟は100ほどあります。我々がやってきた「& SAKE FUKUOKA」というのもまた10月にありますけど、あれも元々を言いますと新潟で3月に行われる酒の陣というのがあるんですね。やはりお酒のイベントですごくにぎやかなんですが、これを元に、県の酒造組合の方に新潟の酒の陣見たことあるかと、ぜひ見に行って、ああいうふうなイベントをやって、福岡の酒を盛り上げようじゃないかと。こんなことを当時の県酒造組合の江崎組合長さんに申し上げたのが「& SAKE」の始まりです。そうやって非常に我々には食や酒の強みが共にあり、そして伝統工芸品や工業製品などを見ても、中小企業のものづくりの技術や伝統、これも両県ともすばらしいものがあります。様々に共通する強みを持っているわけです。また現在、飛行機の直行便も1日3往復運行されていまして、これまでも観光や起業・創業などにおける連携を両県において進めてきたところです。

 こういったことを踏まえ、花角知事とも話して、大体東京から物事を放射状に考えることは、必要ないんじゃないかと。やっぱりもう我々地方と地方はいろんなご縁があったり共通点があったり強みがあったり、あるいは航空路とか、いろいろな人の行き来もできる。そういう連携ができるところがまさに地域間交流、Local to Localで連携を進めていくべきではないかということで合意をいたしまして、今後どういうふうな分野で連携をしていこうかということを協議し、相互の観光あるいは産業文化の振興を図っていこうということで、「新潟県・福岡県連携会議」というものを今回開催したわけです。

 これは佐渡の様子です。1日目、私も佐渡は初めて行ったんですが、非常に大きな島です。想像していたよりも大きい島で、真ん中の国中平野という平野があるんですが、非常に広大な第1種優良農地が広がっていまして、お米づくりの盛んな島です。トキも500羽ほどに復活して、たまたまトキが飛ぶのも田んぼで見えたんですが、美しい鳥でした。まず創業施設ですが、まさに佐渡もそういう素晴らしい島ではありますが、やはり人口が大きく減少しつつある。こういう中で地域振興というものを目指して、創業支援を地域に根ざしてやっておられる方は、「私たちみたいな者と、そういう場で中心になって地域の若者と一緒にやっているんです」というふうなお話がありましたが、まさに地域の皆さんが手を取り合う力を合わせて知恵を出し合って進めているこの「リバース佐渡」というインキュベーション施設を訪問させていただきました。面白いですね。コンテナボックスみたいなところに企業が入居していろんな事業を行っていました。それからかつて金山で栄えた相川地域というものがありますが、ここでまさに金山が栄えていたので昔色んなお店がにぎやかにあったところです。そういう古民家も残っているということで、この分散する古民家を宿泊施設に改装してまちの賑わいづくりを目指す「まちごとホテル」というものをNIPPONIAさんと力を合わせて進めていました。まさにイタリアで言えば「アルベルゴ・ディフーゾ」というのがありますが、あの考え方で非常に面白いと思います。畳敷きのところがありますが、ここで佐渡おけさの実演をしたり、観光客の皆さん向けにそんなことも定期的に行われていました。それから、昨年7月に世界文化遺産に認定をされた「佐渡島(さど)の金山」。このガイダンス施設や実際の坑道跡、実際のガイダンス施設は新潟県で整備されており、坑道跡はもともとこの金山を持っていた三菱マテリアルさんの子会社が今運営もされており、整備運営をされているということでした。

 それから2日目ですが、2日目は本土に戻りまして、新潟市内で、ニーノというスタートアップ支援施設、ここに入居しておられる方や、スタッフの方々と花角知事とも一緒に写真を撮ったんですが、このニーノはスタートアップ新施設で、要するに民間の事業者さんが自立的に運営をしている施設です。我々のように県が開設して県が運営するのではなく、まずは民間が自立的に運営している、こういったスタートアップ支援施設が、新潟県内には8ヶ所あるということでした。それから燕市と三条市。僕もそうですが、燕三条って言うので燕三条市かと思うと、いやいや燕市と三条市は別ですとはっきり言われましたが、このエリアにありますオープンファクトリーの取り組みを見学しました。たくさんの企業がこのオープンファクトリーに取り組んでおられまして、その中でも鎚起銅器の老舗であります「玉川堂」さんとか、これは「藤次郎」さんという包丁とか刃物の専門店で、すばらしい技術をお持ちです。「玉川堂」さんは年間7千人程度、「藤次郎」さんは年間1万5千人程度の見学者を受け入れておられます。このオープンファクトリーが新潟においては非常にうまくいっている。ものづくりの現場を観光客の皆さん、或いは地元の高校生とか大学生とか若い方も見学するわけですね。「藤次郎」さんも「玉川堂」さんもそうでしたが、九州から来た若い人が2人、ぜひと言って入っていますよっていうのもありましたし、「藤次郎」さんも自分たちの製品を見ていただくことで、そういうものの良さもあるけど、自分たちにとっては人材獲得のためにも非常に役立っていると。これを見て、ぜひ「藤次郎」に入社したいということで、応募してくれる若者も毎年いるというふうなことでした。そういうふうなオープンファクトリーの取り組みを拝見しました。

 こういったことを踏まえた上で、この連携会議を新潟市の朱鷺メッセという新潟県が持っているコンベンション施設の中で開催しました。花角知事との間ではこれまでの両県の歩み、取り組みについて意見交換をまず行いまして、そのあと、今後さらにどういう分野で連携をしていこうかということで、4つの分野でやっていこうということを確認しました。

 まず1つは、観光と食・酒の共同PR等の分野です。両県ともに豊かな食文化或いは多くの酒蔵があります。食と酒に強みを持っています。双方の持つブランド力というものを生かして、両県の食を楽しむ旅行商品の造成の支援或いは酒のコラボPR企画を作っていこうと。観光振興、そして地場産業の振興、そしてさらに交流人口の拡大等に取り組もうということを確認しました。

 それから2つ目が、起業・創業分野での連携です。これまでも新潟とスタートアップに関して相互交流を進めてきました。ご存じのように、我々はCIC Fukuokaの中に、グローバルコネクト福岡を開設しました。ここでスタートアップのイベント、F★Pitchというものを行っています。このF★Pitchに新潟県のスタートアップ或いは中小企業の皆さんに登壇していただいて、資金の調達、或いは出会いや交流の場を広げて、本県のスタートアップや中小企業の皆さんとの協業のチャンスを作ろうということを両県で連携して進めていこうじゃないかということになりました。

 それからもう1つが、ものづくりですね。特に、やはり先ほどから申していますが、燕三条地域の取り組みというのを参考にして、本県におけるオープンファクトリーの体制を作っていきたいと思っています。そしてまた、お互いに、例えばうちの県であればこの11階の物産観光展示室の福岡よかもんひろば、そして今新潟でもやってくれているのは、新潟のホテル日航でこちらは31階に無料の展望室を持っていまして、ここでいろいろ福岡県の特産品なんかも展示してくださいます。こういったことをさらに進めていこうと、両県のものづくりの魅力を発信する取り組みを進めていこうということを確認しました。

 それから4番目が世界遺産です。平成29年に我々のところは「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」が登録をされたわけで、福岡県が先輩だというふうに言っていただきました。今後は、新潟県と講演会などを相互に開催したり、或いはやはりお互い海の上の世界遺産なんですね。やっぱり海洋環境の保全ということ、これも非常に重要な問題だということで環境保全のためのイベント開催など、こういったことをともに連携して進めていこうということでありまして、世界遺産の保全を進めて、さらにこの世界文化遺産を通じた両県民の交流というものを図っていこうということを確認いたしました。

 こういうふうな4つの項目でやっていこうとしたわけでありますが、先ほども少し申しましたが、人口が減少している、またこれからもしていく。そういう中で、地方は疲弊をしています。こういった中で、やはり東京への人口或いは財源の一極集中、これは追い打ちをかけられているようなものなわけです。我々地方が困難な課題を抱えている中で、今回、新潟県の多くの方々と地域をどのように活性化していくべきか、様々な観点から意見交換をさせていただくことができました。非常に有意義な訪問、会議になったと思っています。この連携会議を契機として、Local to Localで人の往来を更に増やし、この福岡と新潟の連携を地域間交流の日本の新たなモデルにしたいと考えています。

 

 次の発表事項です。この度、働く女性の皆様の出会いと交流の場である「福岡キャリア・カフェ」が開設3周年を迎えます。これを記念しまして、10月18日土曜日に会員限定のイベントを開催しまして、その参加者を今日から募集いたします。

 スライドにありますが、「福岡キャリア・カフェ」は毎週水曜日に博多駅のアミュプラザ博多の地下1階のコワーキングスペースQで開催しています。第一線で活躍するロールモデルが経験を語っていただく、月イチ・キャリアトークでありますとか、或いは、ぜひお会いしたいという希望するロールモデルとも、会員の方とそのロールモデルの方との個別のマッチングなどを実施しています。福岡博多での取り組みが好評でありましたので、昨年度からは北九州、筑豊、筑後の各地域でもカフェを開催し、年に2回は100名規模の大交流会も行っているところです。

 これまで自分なりのキャリアを見つけたいとか、或いは同じ悩みを持つ女性と繋がりたいといった多くの働く女性の皆様にご支持いただき、会員数はこの2年で1,200名を超えるところまできています。

 参加いただいた皆さんから、今後の自分の行動に対するヒントが見つかったとか、或いはもやもやしていたけども、悩みがすっきり消えたとか、そしてもっと多くのロールモデルの皆さんと出会いたいと、こういうお声をたくさんいただいているのが実情です。

 記念イベントですが、10月18日土曜日の午後開催いたします。場所は天神のワン・フクオカ・ビルディングで、参加は無料です。特別ゲストとして日本航空JALの鳥取三津子社長をお呼びいたします。皆さんご存じのように、鳥取社長は福岡県久留米市出身で、私もちょっとした縁で、時々飲んだりする仲ですが、非常に素敵な方でいらっしゃいます。JALでは初めての女性社長で、しかも初めて客室乗務員から社長に就任をされたという方であります。様々、鳥取社長も乗り越えてきたことが多くあると思います。大変忙しい中に今回鳥取社長においでいただくことができるようになりました。ぜひ、ご自身のキャリアについて語っていただくとともに、参加された方からの質問にも大いに答えていただきたいと思っています。

 講演テーマですが、当然JALの社長さんでいらっしゃいますので、JALグループのDEI戦略と自身の歩みとなっています。DEIとは、Dはダイバーシティ(多様性)、Eはエクイティ(公平性)で、Iはインクルージョン(包括性)、この3つの文字の頭文字からなる言葉です。社員それぞれが持つ個性を最大限発揮することが企業における価値の創造に繋がるという考え方を持っておられます。社員としての働き方、或いはご自身で起業される方、或いはもうすでにされている方など、働き方の形態を問わずに、参考になるものであると思います。

 ぜひネットで「福岡キャリア・カフェ」と検索していただくと出てきます。日本を代表する女性リーダーご本人から、話を聞くことができる大変貴重な機会ですので、ぜひ皆さんご参加いただければと思います。会員限定イベントと申しましたが、まだ登録していないという方もいらっしゃると思います。しかし、スマートフォンから簡単に登録できますので、これを機会に会員になって、このキャリア・カフェに参加していただきたいと思います。多くの皆様のご参加をお待ちしています。

 

 私からは以上です。

質疑応答

(朝日新聞)副知事の選任について、先ほど簡単に選出の理由について述べられていましたけれども、もう少し具体的に、上田さんのどのような経験、能力、それからパーソナリティが副知事として適任なのかというところを知事御自身の今までの交流とか関係を含めて御説明いただければと思います。

(知事)最後は副教育長ということで、教育委員会の本庁のほうで長くお勤めでしたので、そういった際に私も色々な機会に意見交換させていただいたり、あるいは一緒に仕事をさせていただいたりしたことがあります。非常に柔らかな頭を持っておられる方で柔軟な考え方を持っておられますし、そして教育委員会の事務局の経験が長いんですが、実は2年間は知事部局でもお仕事をしていただきました。これは文化行政のほうです。

 当然、まずは人材育成、人づくり、その中でも教育というのは全ての基礎でありますので、子どもたちのしっかりとした教育というものをこれまでも取り組んでこられたし、我々も子どもたちの育成というものを今中心に取り組んでおりますので、そこで、経験、能力を生かしていただく。そして、文化についても、私もかねてから申しておりますけど、福岡のアーツカウンシルを立ち上げたり、あるいは若手の芸術家を育てたり、経済産業も発展しておりますが、文化芸術の厚みのあるまちを、福岡県をつくっていきたいと思っています。こういった観点からも様々な御経験というのが生きてくるというふうに思っています。

 そしてまた、行政の中の副知事という立場でありますので、担当する部局、組織、これを管理していただくというか、まとめていただいて、引っ張っていっていただかなければならない。こういった観点からも、行政の中でやはり部長とか副教育長もされて、非常に経験をお持ちですので、力を発揮していただけるものと思っています。ぜひ、上田さんには大活躍をしていただきたいと期待をしているところです。

(朝日新聞)新潟との連携会議ですが、先ほど御説明の中で、新潟と連携会議をするのは初めてという御説明があったと思いますが、どうしてまずこのタイミングで開かれたのかというところが1点と、2点目として、最後にLocal to Localという新しい形で進めていくべきではないかということをおっしゃっていたと思うんですが、これが具体的に何を指しているのか、関係人口とか交流人口の増加というのを念頭に置いて発言されているのかなと思っていますが、もう少しそこを説明いただければと思います。

(知事)そうですね、今の後段で言えば、まさにそういうことです。関係人口も、また実際に行き来する交流人口、その目的は観光であったり、あるいはビジネス。今新潟と福岡の3往復路線は非常に搭乗率が好調です。実は10年前ぐらいはこの路線を廃止するという話があって両県で何とか維持しようと、僕が副知事の頃でしたが、取り組んだことがありました。今は非常に好調。僕も今回乗ったときに思ったのが、結構若い方がたくさん利用されていて、多分これは観光とか色々なイベントに参加されたりとか、そういう方が多いんだろうと思います。さらにこれからは、色々な産業、経済の面での交流を進めることによってビジネスユースを増やしていくということ、これも非常に期待できるんじゃないかというふうに思っています。

 なぜ、この連携会議を今のタイミングでということですが、花角さんとは、実は去年から「やろうよ」という話になったいたんですが、お互い色々あって、しかも、私はこの3月が選挙でございまして、ともかく選挙が終わらんことには無責任なこともできんということで今年度になりました。ただ、やっぱりなるべく、来年度の予算編成、施策を考える上でも、それに間に合うといいますか、活用できるようなことを考えたときに、やはりこの時期がぎりぎりのタイミングかなということでお互い合意したところです。

(朝日新聞)キャリア・カフェのことに関してなんですが、今年で3周年ということなんですけれども、これまでこのキャリア・カフェの取組を通じて何か成果であるとか、具体的なものがもしあれば伺えればと思います。

(知事)もう1,200名を超える方が会員になっていただいています。これも一つの成果だと思います。たくさんの皆さんが、そういう出会いの場を求めておられる方がそんなにたくさんいる。登録していただいて活用していただいているということ、これは大きな成果であると思いますし、そういった中で、なかなか今後の自分の行動、つまりスタートアップ、起業したいと考えておられる方もいらっしゃる。ただそうなると、起業と一言で言っても、お金はどうするんだ、それからスタッフをどうするんだ、色々な問題があります。それから、今お仕事をされていれば、今の職場との関係というのもありましょう。そういったものを整理してからでないとできないということです。

 そういったことを色々な先輩のロールモデルの方、起業家の方、そういった方々から自分の経験、こういったときはこんなことをやったよとか、そういうことをいただいてヒントが見つかったということだと思います。それで悩みを少しすっきりすることができたということでしょうし、そういうことを踏まえて、我々の仕事もそうですし、こういった新潟の連携会議も、ある意味、花角さんという人との出会いというのも大きいと思います。やっぱり人と人との出会いというのは非常に大切。そういった意味で、もっとたくさんの皆さんと出会いたいというお声もあるということですから、そういう出会いの場として、このキャリア・カフェというのは機能しているというふうに思っています。

 

(西日本新聞)副知事の人事について教えてください。大曲副知事なんですけど、任期があと2年ほどあると思うんですが、辞任の理由が何かあれば教えてください。

(知事)そうですね。大曲副知事とは、私も直接お話をしました。6月議会で当初予算が議決をされた。それで、3月に私の選挙がありましたので、暫定予算、そしてその後の本予算の編成、それが6月の予算だったわけですね。これについて、大曲さんには、大変御苦労いただきました。今年度の当初予算が成立をして事業を進めていくめどというものが立ったということで、このタイミングで後進に道を譲りたいというお話でございましたので、私としてもこれをお受けすることとしたものです。

 

(西日本新聞)何か、大曲さんへの思いというか、一言あれば教えていただきたいのですが。

(知事)そうですね、私が大曲さんと最初に出会ったのは福祉労働部長の頃で、彼女が子育て支援課長だったんですね。で、最初に2人でやったのが、今で言うこども計画といいますか、そういったことでしたね。だから、一緒に計画づくりをやって。ただ、僕が部長になって、もうそのとき素案ができておったんですが、正直言って私としてちょっと納得いかないというか、色々な意見があったものですから、ちょっとこれはゼロから協議しようということを言って、大曲さんには大変な御苦労をおかけしたというのが最初の出会いでした。しかし、わがままな部長の言うことをよく聞いていただいて、しっかりと議論をしていただいた記憶があります。それが最初の出会いでして、その後も色々な形で仕事を一緒にし、また、副知事としても一緒に仕事をし、また、私が知事になった後は支えていただいて、本当に僕としてもありがたく思っているところです。

 

(時事通信)事務的なことで恐縮なんですけど、大曲副知事は何月何日付での辞職になるのかということと、あと、議会の同意を得られた場合、上田さんが副知事に就任されるのは何月何日付かということを教えていただいていいでしょうか。

(知事)もちろん同意が前提となりますが、退任日は、9月定例会の会期の終了日の翌々日の10月16日を退任日と考えています。そして、新副知事の任期は翌日10月17日からというふうに考えています。

 

(朝日新聞)前回の会見で、赤村の土地問題に関して、過去5年分の洗い出しをするという御説明がありました。早ければ9月上旬にも洗い出しをして、同様の事例があるかないか御説明できるかもしれないというお話でしたが、現時点での進捗等、伺えますでしょうか。

(用地課)まず、再発防止のために、用地課長名による土地の補償額算定に関する運用通知を、これを8月26日に各県土整備事務所に発出したところです。

 この内容につきましては、これまで5,000万円以上の補償についてのみ本庁決裁を行っていたものですが、今後は造成費等の特殊な算定を行うものについては、金額に関わらず本庁用地課の事前協議を行うこととしました。その通知を8月26日に行っています。

 そして現在、問題となっている土地の再評価につきましては、第三者として不動産鑑定士に依頼し、現地の実態に即した鑑定の価格の再評価を行うことにしておりまして、現在複数の鑑定士から見積りを取っているところです。10月の中旬頃には鑑定結果が明らかになる予定です。

 そして、今回のように造成費を加算したような事例の過去5年分の調査については現在調査中でございまして、9月の上旬頃に事例の有無や件数等について取りまとめを行う予定としています。

 なお、造成費を加算して算定すること自体は補償基準上問題がなくて、そのため、これらの案件、件数が出たからといって直ちに不適正になるものということではございませんで、今後、調査結果の中で造成費用を加味した結果、買収単価が近傍の土地に比べ著しく高くなっていないかなど、本庁で内容のチェックを行っていくことになります。結果がまとまり次第、ブリーフィング等で、調査状況について御説明させていただきたいと思います。

(朝日新聞)関連してもう1問、伺えればと思います。

 前回の会見の中で、地権者からのお金の返金に関して、やり方はその当時はまだ検討段階にあると。登記が一旦相手に移っているので、税控除の関係とかもあるのでまだ検討段階でありますという話だったんですが、そこがもう一段階進んでいれば、お伺いできればと思ったんですけれども。

(用地課)それはまだ、現在まだ相手等も含めて協議検討中です。

(知事)相手の方も、一旦白紙に戻してというふうなことは言っていただいているんですけど、まさにおっしゃっていただいたように、行ったり来たりさせると、税がかかってくると今度は非常に相手の方にとって非常に不利になりますので、そこをどういうふうにしていくのか、ちょっと検討が必要だと思います。

(朝日新聞)すみません、白紙に戻すというのは、返金を一旦するという趣旨でおっしゃられているという理解でよろしいでしょうか。

(知事)返金をするというか、結局この金額自体がこういうふうに不適正な判断によって積み上げられたということであれば、その金額について一旦ゼロに戻して、ちゃんとした金額で協議をしましょうということをおっしゃってるんだと思います。

 

(西日本新聞)2点ほど質問したいんですが、1点目が陸上自衛隊輸送機のオスプレイについてです。防衛省は、佐賀駐屯地に配備するオスプレイが福岡県内を飛行する可能性があるとしています。県として、防衛省から飛行ルートや頻度、時間などの説明を受けたのか、また、安全対策について何か防衛省側に要望しているのか教えてください。

(知事)九州防衛局からは、このオスプレイにつきましては、木更津の基地から佐賀の駐屯地に移駐する際、それから訓練飛行についても適宜説明はいただいています。ただ、訓練飛行については、定まった飛行ルートというものはないということです。

 しかし、今回オスプレイの我が県内における佐賀からの飛行先ですね、これは築城基地と芦屋基地が当てられておりまして、これについては芦屋・築城両基地の関係地元自治体に対して九州防衛局から説明をしている、つまり訓練が行われる際には連絡を行っていただいています。県に対しても同様に、この訓練が行われる際には連絡をいただいているという状況です。

 我々、平成27年に柳川市さんとか近隣の市町を構成員とする佐賀空港へのオスプレイ等の配備計画に係る情報連絡会というものを設置いたしまして、定期的に情報共有をしてまいりました。そして、九州防衛局に対しましては、必要に応じて速やかな情報提供、また安全対策の徹底、このことについて県から申入れを行ってきたところです。

 今回、この訓練飛行については、地元の自治体、また県にも実施についての連絡はいただいているところです。改めて特段の申入れというものを行うことは考えておりませんが、やはりオスプレイの飛行につきましては、引き続き、かねてから我々申し入れてありますように、県民の生活に影響のないよう、安全性の確保を徹底していただくこと、そして必要な場合には速やかな情報提供を行っていただくこと、このことを今後もちゃんとやっていただきたいと考えています。

(西日本新聞)情報提供に関しては、例えば「今日飛行します」というのを事前にくれるのか、それとも事後報告なのでしょうか。

(知事)事前にいただいております。

(防災企画課)訓練飛行については、あらかじめ情報としていただきますが、詳細の日時とかルートとか、そこまでは情報としてはありません。あらかじめ何月何日以降、こういう訓練を行いますという情報をいただいているところです。

(西日本新聞)2点目ですが、先週末のインドのモディ首相との会談について、プレスリリースはいただきましたが、何か協議事項とかあったのかということと、福岡県が特別に会ったのか、それとも全国の知事も同様に会っているのか、どちらなのかというのを教えてください。

(知事)インド政府としてどのようなお声かけをしてということは、我々は詳細には存じ上げませんが、実際、モディ首相とどういう形で会談したのかと言いますと、帝国ホテルでしたけども、結局出席しておりましたのは村井現知事会長、それから次期長野県の阿部会長、愛知県の大村知事、それから神奈川県の黒岩知事など、私も入れて16名の知事が出席しておりました。

 そして、モディ首相に対して、全員ではなく、やはり時間の関係もありましたので、発言の機会を数名の知事がいただいて、その中で特に福岡県御発言をどうぞということで時間をいただけたので、私のほうからは、今回4月にインド総領事館を新たに福岡に開設されましたので、このことについて歓迎するということ、それから、福岡としては2007年からインドのデリー準州との間で友好提携を結んでいると。これまでのこの取組と、今年度、ぜひデリー準州の首相を福岡にお招きしたいので、そのことについてインド政府としても協力していただきたいということ、そして今後の、これはインド側も特におっしゃっており、また、石破総理との間でも、人材、特に高度専門人材の交流のことがありますが、福岡としても、IT、それからバイオ、半導体、あるいは宇宙、こういった先端技術分野での取組というものが進んでいる県なので、ぜひそういう高度専門人材の交流というものをインド政府とも力を合わせて、また総領事館とも力を合わせて進めていきたい、こういったことを私からはモディ首相に申し上げました。モディ首相からは、福岡には大変元気を感じるということを言っていただきました。

 

(NHK)飲酒運転について、先月末頃から北九州市でも相次いで、また、福岡県の県教育委員会の教員のほうでも飲酒運転の事例が何件かありましたが、改めて知事として、飲酒運転の取締りについてお考えをお聞かせください。

(知事)機会をいただきましたので、県民の皆様への呼びかけということもさせていただきたいと思いますが、我々、この飲酒運転の問題については全国に先駆けて平成24年、これは県議会の議員提案だったのですが、飲酒運転撲滅条例という全国で初めて罰則つきの条例を制定しています。これに基づいて飲酒運転撲滅宣言企業とか、撲滅宣言をしたお店とかを拡大したり、あるいは違反者のアルコール依存症の受診の指導とか、さらには、飲酒運転を見かけた際の110番通報の義務化とその周知を、社会全体の力で飲酒運転をなくそうという取組を進めてきました。

 しかし、先般の県民大会でも私も申しましたが、残念ながら昨年の福岡県の飲酒運転事故の発生件数は6年ぶりに増えています。そして、県民の皆様から今、110番通報をお願いしますと言いましたけども、この通報が年間2,000件を超える状態が続いていまして、検挙件数も非常に高い水準で推移をしています。ずっと取り組んでいますが、我々が目指す飲酒運転ゼロということからは程遠い状況にあると言わざるを得ません。極めて遺憾な状況であると思っています。

 それから最近では、道路交通法が改正され、自転車も酒気帯び運転の罰則の対象になったわけですが、非常に県警察のほうも鋭意この指導・取締りに取り組んでいただいています。本県の検挙件数がその結果800件を超えており、全国でも突出して多い状況です。自転車での飲酒運転が違反だということについての認識が甘いと言わざるを得ません。飲酒運転は、毎回、県民大会でも申し上げておりますが、被害に遭われた方の貴い命、あるいは前途ある未来、これを一瞬にして奪うわけです。そして、被害者の御家族にも本当に強い痛みというものを癒えることなく残してしまうと。それのみならず、加害者自身、また、その加害者の御家族の人生も一変させてしまいます。

 この飲酒運転事故の御遺族は、先般、大上さんに初めて登壇していただきました、山本さん、大庭さん、いつも出ていただいていますが、もう本当に様々な場面で飲酒運転撲滅のメッセージを発信していただいています。我々はこういった御遺族の思いというものを改めて胸に刻みつける必要があると思います。皆さん、飲酒運転は重大かつ悪質な犯罪なんです。飲酒運転は絶対しない、させない、許さない、そして見逃さない、このことを改めて自分自身で確認し、徹底していこうではありませんか。どうぞよろしくお願い申し上げます。

(NHK)そういった中、市町村、県を含め、公務員の飲酒運転という事案も多々出てますが、これについて知事としてどのように防止に取り組んでいくのか、加えてお聞かせください。

(知事)やはり公務員というもの、特に県職員は、県民の皆様の命を、そして生活を、安全を守るということが第一の責務です。その公務員が飲酒運転をするということ、これは非常に重大な問題であると思います。こういうことが起こらないように我々も研修を徹底し、日常的にも上司からの声かけ、また、職員同士、一緒に酒を飲むときに絶対飲酒運転はしないんだということを確認しながら懇親会等も行うなど、日頃の行動の中でも自然とちゃんと守られていく状態にしていかなければいけないと思うんですね。飲酒運転をしないということは、特別なことではなくて、当然なんですから、このことを我々の職場でももっと徹底をしていきたいと思っています。

 

(RKB)午前中に発表がありましたが、プレジャーボートの件で、改めて服部知事の受け止めをお願いします。

(知事)水産局からブリーフィングさせていただいたわけですが、県が管理しております漁港において3か所、3つの漁港において、長年にわたって無断でプレジャーボートが係留されていたということ、このことについては、大変遺憾に思っています。

 これは県の漁港管理条例に基づいて、プレジャーボートを利用される方は届出をしてもらう、桟橋の使用料を納入していただくという必要があるわけでございますが、これについて利用者の方から適切な対応が取られていないということ、これは明確な条例違反です。

 そしてまた、我々の問題として、本県の担当部署がこういった条例違反の状況に気づけなかった、この漁港の管理体制というものにも問題があると思います。

 条例違反をしている、このプレジャーボートの利用をされている方に対しては、速やかに県への利用届の提出、それから使用料の納入、これを求めてまいります。そして今後、併せて、こういった事態が生じないように、県管理の漁港の管理体制を見直す必要があると思っています。というのは、先ほども御説明あったかも分かりませんが、水産局、その中に施設を管理する係があるわけですが、実際、この条例に関係する業務を主に担当している職員は2名なんですね。それで県の各所にある漁港の管理に当たっているということですが、実態においてなかなか、実際に施設が破損したりなんかすると、そういうふうな復旧工事とか、そういうことで事業担当者は行くんですが、日常的な管理のほうを見ると今言ったような2名体制ということです。そして水産局は出先機関を持たないものですから、なかなか日々の管理というものが十分にできていなかったということのようです。

 これをどうしていくのかということで、漁港の管理体制というものを見直そうということですが、この水産局と、それから関係する7つの漁協がございますので、この対策会議をできるだけ早く立ち上げたいと考えています。そして、この管理体制について、対策会議の中でどのようなやり方が一番いいのかということを検討すると同時に、県職員によります現地でのプレジャーボートの係留状況、この確認も行っていきたいと思っています。

(RKB)漁協側の利用料として年間で5,000円とか1万1,000円とかをもらっていたという話も県から先ほどブリーフィングでありましたが、これについて問題意識は、服部知事はありますか。

(水産振興課)先ほどブリーフィングの中でも御説明させていただきましたが、漁協側の電気代であったり水道代であったり、日々の漁協が負担する料金の一部負担につきましては、これは国のほうにも確認しまして問題ないというふうには確認できております。

(知事)だから、施設使用料になるのではないということですね。

(水産振興課)県が持っております漁港施設の利用料として取ってるんではなくて、漁協が電気代とか外灯とか、あと水道とか、そういったものに対しての実費負担というものを漁協が徴収しているというものでございまして、それについては問題はないという理解です。

 

(西日本新聞)先ほどのプレジャーボートの話で、なかなか県の職員も二人体制で日々の管理が十分できていなかったとおっしゃられたと思うのですが、今回の事案を受けて担当職員の人数を増やすとか、そういったことも考えられてらっしゃるんですか。

(知事)例えば、一人増やしてもなかなか、この日々の管理というものを、実際に沖端の漁港等々に出向いてというのは、非常に効率もよくないと思います。色々な地元の漁協の皆さんとも話して、どういう方法が一番効果的・効率的であるのかということは考えていきたいと思います。

 

(終了)

 

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)