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この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。
この知事記者会見録の模様は、 ふくおかインターネットテレビ で動画配信しています。
ふくおか県芸術文化祭2025アンバサダーが決定~福岡の文化芸術の魅力を発信!~ [PDFファイル/220KB]
「新進気鋭の芸術家活動支援事業」始動!~本日から募集!若手芸術家の活動経費を助成します~ [PDFファイル/161KB]
(知事)
皆様おはようございます。今日は私からの発表事項は1件です。今日の発表事項は、今年の「ふくおか県芸術文化祭」のアンバサダーの方を決定いたしましたので、お知らせをしたいと思います。
芸術文化祭ですが、福岡県では、県民の皆様が芸術文化に身近に触れる機会を提供しようということで、昨年度、これまでの「ふくおか県芸術文化祭」をリニューアルしまして、大学生や専門学生の皆様に企画運営をお願いし、オープニングフェスを行いました。子どもから大人まで、また外国の皆様にも大いに楽しんでいただけるように、125の催しを実施しました。延べ34万人を超える皆様方にご参加していただき楽しんでいただきました。これはかつての県民文化祭の2倍以上の参加人数になるわけです。
今年度も、10月から12月にかけまして、芸術文化祭を開催し、様々な事業を行う予定です。「ふくおか県芸術文化祭」の魅力を発信して、そして幅広い年代の方々にたくさんご参加をいただこうということで、アンバサダーを任命することといたしました。
今年結成10年目を迎えられます、九州発の8人組の女性アイドルグループ、「ばってん少女隊」の皆様にアンバサダーをお引き受けいただくこととなりました。「そうばってん」、「ああばってん」と我々言うわけですが、「ばってん」は、こういった九州地方の方言からきています。九州の魅力を全国に届ける、そして九州と日本の各地を“つなぐ”ということを目指して活動を続けているグループです。もともと「ばってん少女隊」というのは、福岡を活動拠点としていらっしゃいました。ですからメンバー8名と申しましたが、このうち5名の方は福岡県出身でいらっしゃいます。九州各県をイメージした楽曲もたくさん作っていらっしゃいますし、メンバーの地元愛というものが強いグループです。若者を中心に高い人気を集めていまして、若い世代の皆さんも気軽に楽しめるこの祭典を目指しています、「ふくおか県芸術文化祭」の方向性と合致しているということから今回アンバサダーとして任命したところです。
それではばってん少女隊の皆さんから、このアンバサダー就任にあたっての意気込みについてコメントをいただきましたので、少しご覧ください。
(コメント動画)
ばってん少女隊の皆様は、今後SNSあるいはホームページなどを活用して、「ふくおか県芸術文化祭」の魅力をPRしていただくこととなります。8月28日にはメンバーの1人、北九州市出身でいらっしゃいます上田理子さんに県庁を訪れていただき、芸術文化祭のプロモーション活動を行う予定としております。そして10月4日と5日に天神中央公園でオープニングフェスを開催いたします。初日の10月4日にこのばってん少女隊の皆様にパフォーマンスを披露いただきますとともに、トークショーの中で、「音楽活動というものを続ける思い」、あるいは「文化芸術の魅力や楽しさ」について語っていただく予定としています。
それから今年の10月4日と5日のオープニングフェスですが、福岡をテーマにしたオリジナルかるたを九州産業大学の学生の皆さんと連携して作る、あるいは12月に開催されます「世界ブレイキン選手権2025久留米」のアンバサダーである「九州男児新鮮組」によるスペシャルパフォーマンスなど、わくわくするイベントになるよう準備中ですので、詳細が決まりましたらお知らせしたいと思います。
このアンバサダー、ばってん少女隊の皆様には、芸術文化祭の魅力を皆様に伝えていただく、そして文化祭自体を大いに盛り上げていただくことを期待しています。文化・芸術というものは、私たちの心を豊かにします。そして日々の生活の質を高める、潤いと活力を与えてくれる、そういったものであると思います。この福岡も、文化・芸術の厚みのある、子どもから大人まで、身近に文化芸術に接することができる、そんな街に、県にしていきたいと思っています。そういった意味からも、この芸術文化祭は多彩な文化・芸術に触れていただく絶好なチャンスであると思いますので、各地でいろんな文化団体の皆様方、地域のグループの皆様方など、様々なイベントを開催されます。100件を超えるような事業が展開されます。ぜひ県民の皆様方にはこういった事業・イベントにご参加いただきたいと思っています。
それから、文化芸術関連で併せて1件お知らせをしたいと思います。新進気鋭の芸術家を支援するということで募集をかけるということです。文化芸術の向上・発展、これを図ると言っても、これは人が、何といっても人間がやるもので、芸術家を育てていかなければいけない。若い芸術家の皆様を育成していく、人を育てるという意味からも極めて重要であると思います。このために、本年度から新たな取り組みですが、本県にゆかりのある意欲的な若手芸術家の皆様、あるいはグループ、芸術団体、この皆様に対して、芸術活動に必要な経費を助成する事業を開始いたしました。対象となる活動は、創作活動、それから発信活動、それから海外へのチャレンジなどを幅広く捉えたいと思っています。対象経費の2分の1を上限として助成をします。現在今年度の助成事業を募集し、申請期間はあと1ヶ月、9月1日の月曜日までとなっています。ぜひたくさんの若い皆様の応募をお待ちしています。
私からは以上です。
(朝日新聞)今の発表事項の関係で、私から1点なのですが、昨年度、大学とか専門学生にイベントを企画してもらったりして、参加者数が2倍になったというですか。
(知事)そうですね、芸術文化祭全体としての参加者数が、令和5年度は14万5,000人ぐらいでしたが、昨年度は34万3,000人余りとなりまして、非常に増えています。
(朝日新聞)今回、このアイドルグループを起用されたのもそうなのかなと思うのですが、若い世代への認知度がこのイベントに関してまだ、あまり浸透してなかったという課題感があるということでしょうか。
(知事)もともと県民文化祭から芸術文化祭へとリニューアルをした、この検討に当たっても、やはりもっともっと若い皆様に文化・芸術に触れていただく、また、できれば参加をして、自分もチャレンジをしてみてもらう、こういう機会を我々つくるべきだと思いまして。もちろん、ずっと活動しておられます文化団体の皆様方の活動、これも貴重なもの、大切なものであると。これに加えて、若い力をこの文化・芸術の世界にも取り込んでいこうということでリニューアルし、やっているところです。
(朝日新聞)アメリカとの関税交渉で、15%というところで、当初よりは引き下げるところで妥結したということですが、一方で、従来から比べると高いです。上がっていますし、例えば鉄鋼とかアルミニウムとか、そういうところは高関税のままだと思うのですが、知事のこの交渉の妥結に対する受け止めと、それから、県としてもこれまでも支援というのを始められていると思うのですが、現状、今後どう動いていくとか、今の時点でどういう影響を確認されているとか、そういったところを教えていただきたいと思います。
(知事)一旦私もコメントを出させていただきましたが、繰り返しになる部分もあります。御了承ください。まず、本県の大きな産業、基幹産業、これは自動車産業です。もちろんトヨタさんとか日産さんとか大手、そしてこの自動車の関連産業は福岡県の中に600社いらっしゃるわけです。非常に影響が大きいものがある。この自動車に対する関税が27.5%から15%まで引き下げられたと、このことについては評価をすべきであると思っています。そして、幅広い品目についても15%になるということになりまして、一定のこういった決着を見たことについては、取りあえず安堵をしているところです。
しかし、一つは適用時期の問題です。今朝も報道されておりまして、大体8月7日からこの15%適用となっていますが、よく分からないのが、自動車はいつから、というのがまだ不透明なところがあります。日米間での文書の取り交わしがないということも、これも要因かとは思いますが、早めにこの自動車については、いつから適用というのを明らかにしていただきたいと思っています。
15%ということで、取りあえず安堵したと申し上げましたが、やはりその15%という税率も決して低いものであるとは思っていません。あらゆる業者の皆様にとっても負担になるものだと思っていますし、特に鉄鋼、アルミ。これは50%のままとなっていまして、特に我々の地域、鉄鋼というものは縁が深うございます。この50%の税率についても、引き続き、アメリカ側との交渉を続けていっていただきたいと思っています。
15%という税率であって、今の段階、もう一つの要因は為替の問題があります。今、150円台までまた円安になっている。だから一定、この円安というものが輸出産業にとっては関税の影響を飲み込むといいますか、こういう効果は今出ていると思います。しかしこれとて、一方ではアメリカでは利下げの話があり、一方で日本は、取りあえず日銀の会合においては政策金利据え置きとなりましたが、今後の金利の動きもどうなるかと。こういったことで、為替相場というのは動いていきます。こういう不安といいますか、今後の不透明な要因もあるわけです。
こういったことから、来週7日、我々としましては、4回目の開催となりますが、関税措置に関する総合対策協議会、これを開催しまして、このたびの関税交渉結果の詳細を共有いたしますとともに、県内の事業者、業界の動向についても、現段階で把握している情報について共有を図りたいと思っています。
そして、一旦5月に、1万社を対象とした関税措置の影響に関するアンケートを行いました。もうこれから4か月近くが経つわけですので、特にこういうふうな関税交渉の結果も出たということで、中小企業の皆様の現況、また、今後の見通しというものを再度把握するため、このフォローアップ調査を今月中に実施したいと考えています。この結果は来月上旬に取りまとめになろうかと思いますが、できるだけ早く行いたいと思っています。
こういったことを踏まえまして、今、我々も相談窓口を開設したり、あるいは関税の影響に対する特別融資制度を創設したりと、既に資金繰り支援等もスタートしておりますが、さらに、どういったことが必要であるのか、資金繰り支援だけではなく、生産性を引き上げていくための支援なども、具体的にどういうふうな業種にどういうことをやっていけばいいのか、こういった対策について検討を進めてまいりたいと考えています。
(共同通信社)26日に佐賀県の玄海原発でドローンと見られる光る物体が目撃されまして、その後、生嶋副知事が九電を訪問されて、安全対策の要望をされていますが、改めて知事、原子力発電所でこういった事案が起きたことの受け止めと、また改めて、九電に要望することがあればお願いします。
(知事)今回の事案は、まだまだ詳細な事実が調査、把握されていないということもあるので、確定的なことは申せませんが、核物質の防護という観点からは非常に懸念すべき事案であると思っています。
こういったことから、先月7月29日に、県から九電に対し、県への情報提供、そして、安全対策を確実に行うこと、そして、事実が判明したら、公表をすること、この3点を中心に要請活動を行ったところです。九電からは、県民の皆様に御心配をかけて申し訳ない、関係機関と連携して今後も緊張感を持って対応していくという御回答はいただきました。
今回、発電所の施設に直接的な影響はなく、発電所の安全性に問題はないと説明は受けています。しかし、核物質防護という観点から、上空からドローンのようなものが侵入するということが許されると、そういうことができる状態は、やはり非常に問題があると思っています。確実に安全対策を講じるべきだと思います。
しかし、このことは九電といえども、一企業においての対応というのは難しい面もあると思います。やはり安全保障上の観点から、国においてしっかりと対策を講じていただきたいというふうに思っています。
(時事通信社)与野党が、ガソリン税の暫定税率を今年のできるだけ早い時期に廃止することで合意しました。このことを知事がどのように受け止めているのかお聞かせいただけますでしょうか。あと、ガソリン税の暫定税率が廃止された場合、県の歳入にどれぐらいマイナスの影響が出るのか御教示いただければ幸いです。
(知事)いわゆるガソリン税の暫定税率の問題だと思いますが、今日から臨時国会が始まるということで、暫定税率の廃止法案を野党7党が、共同で提案をされると伺っています。これを睨んで、30日には与野党6党で合意文書が交わされて、早期に法案を成立するという方向性で協議の場を設置して、必要な施策の検討を行うということが取り決められたと承知しております。報道ベースでは11月1日から廃止ということも言われているようですが、様々な準備も必要ですので、これは今後の状況を見守りたいと思っています。
今回の廃止に向けた法案ですが、今、我々が伺っているところでは、地方への財源確保の懸念から、軽油引取税については外していると伺っています。この場合、本県の影響というものを考えますと、国から譲与をされます地方揮発油譲与税というものがあります。この地方揮発油譲与税に影響が出るということになります。
年間でどれぐらい減るのかというと、県ベースで4億円減少することになります。市町村にも影響があります。県内全体で見ますと、市町村分が7億円ありますので、県が4億円、市町村分が7億円、合わせて11億円の福岡県全体としての影響と見ていただければいいと思います。そして、これは地方のお話をしました。しかし、この揮発油税というものは、国の歳入にもなっているわけでして、国の税収のベースでは約1兆円減収になるというふうに言われています。
この暫定税率というものは、一体何だということになるわけですが、平成21年、道路特定財源の問題が出まして、これを一般財源化するということになりました。この道路特定財源を一般財源化するということに当たって、地方の道路整備の必要性などを踏まえて税率水準を原則維持するとされた経緯がありますことから、この暫定税率の廃止によって、影響というものは、国の歳入は1兆円減るわけです。ですから、国の財源において実施される地方の道路などのインフラ整備に支障が及ぶという可能性があるわけで、この点も我々に対する直接的な歳入、収入の減少というものと合わせて、国の歳入の減少に伴うインフラ整備への影響というものも大きなものになる可能性があります。今、道路が陥没するとか、上下水道管の老朽化の更新とか、様々な防災・減災の取り組みも必要だとか、インフラの整備の重要性は皆様も御理解をいただいていると思います。こういったインフラ整備に悪影響が及ばないように、国においては適切な対応を取っていただきたいと思っています。
それからもう1点、これは今、対象となっていませんが、もしも今後、軽油引取税の暫定税率についても廃止される、軽油引取税もこの対象になるとなった場合には、極めて大きな影響が生じます。県ベースでは、本県では年間約142億円税収が減るということになります。県内の市町村は、これは政令市のみに影響がありますが、政令市分で約60億円の減少。ですから、県が142億円、政令市が60億円と、合わせて202億円の減少ということになります。これは今回の対象ではありませんので、もしもというところです。
こういった地方の減収は、繰り返しになりますが、インフラ整備に対する悪影響、あるいは、また住民サービス、県民の皆様、市民の皆様への住民サービスの低下というものに悪影響を及ぼす可能性がありますので、やはりこの暫定税率の廃止議論に当たっては、責任を持って、恒久的な代替財源の確保ということ、このことをしっかりと検討し、議論をしていただきたいと思っています。このことは、直接、政府に対しましても、私どもから要望を上げているところです。
(時事通信社)全国知事会の村井会長が、任期満了に伴う会長選挙への不出馬を表明されて、長野県の阿部知事が会長選挙に立候補する意向を表明されました。服部知事は新会長についてどういう方がふさわしいとお考えかということと、会長選挙にどのように対応されるかということをお聞かせいただけますか。
(知事)この間、3日間にわたって青森で全国知事会議がありまして、私も出席をいたしました。会議の中でも、先ほど御質問のあった、いわゆるガソリン税の暫定税率の廃止問題、それから、やはり過度な人口、そして税財源の東京一極集中、この是正に向けた議論、そして子育て負担の軽減に向けて、ナショナルスタンダードというものを国においてもやはりきちんとつくるべきだということ、ナショナルミニマムはどこなんだということ、そういった議論が非常に活発に交わされました。もう討議時間がなくなるぐらい、議論噴出であったという状態でした。
このように、もう余すところなく、全国の知事が今、様々な課題というものを肌身に感じている、非常に厳しい状況にあると思っています。こういった中で、村井会長がこのたびお引きになるということで、私も村井さんとは力を合わせながら色々な取り組みをさせていただきました。新しい会長におかれては、この村井会長のこれまでの実績も踏まえ、そして、地方が抱える様々な事案について、やはり知事の皆さんの声を十分に、丁寧に聞いていただきたい。そして、全国知事会をリードして、国に対し、しっかりと物申すということができる方でなければ駄目だと思っています。
長野県の阿部知事が、会長選挙への出馬を表明されております。阿部知事はもう4期になります。地方自治についても長い経験、そしてすばらしい識見をお持ちであります。今、国民運動本部長として、国民スポーツ大会、いわゆる国体ですね、あの見直しについても、積極的な取り組みを、本当に体を張ってやっていただいているというところです。
私も先般、阿部知事とお話をさせていただきました。やはり全国47人の知事が結束することがまず大切だと。そして、力を合わせて未来を切り開いていかなければいけないんだというふうにおっしゃっていまして、私も全く同感であるということで意見の一致を見たところです。
私としては、阿部長野県知事が新たな全国知事会長として最も適任な方であると考えています。阿部知事と共に、この難局を乗り越えていきたいと思っています。
(西日本新聞)大牟田市であった三井化学のガス漏れについての質問ですが、昨日は要請を生嶋副知事がされましたが、155人以上が病院を受診するなど市民生活に大きな影響が及びました。改めて服部知事に、今後県としてどのように関わっていきたいか、お考えがございましたらお伺いします。
(知事)今回、三井化学大牟田工場から有害物質が流出をしたということで、多くの方が病院に搬送されるなど、健康被害が発生をしています。被害に遭われた方に対して、心からお見舞いを申し上げます。
こういった被害が発生したということを極めて遺憾に思っています。特に、1時間半にわたり、消防、警察などの関係機関に速やかな連絡が行われなかったと、このことがやはり非常に問題であるというふうに一つは思っています。こういったことで消防・警察職員の皆さんにも二次被害が発生をしたということもあります。この連絡体制の問題、そして、基本的な毒物・劇物の適正な管理の問題について危惧をしているところです。
そういったことから、昨日、生嶋副知事を通し、県として、三井化学さんに対して3点申し入れを行いました。まず、もちろんこういったことが再び起こらないように再発防止を徹底されたいこと、それから、原因調査を行われると思いますが、判明した事実関係を速やかに公表すること、それから、3点目は、100名以上の方が被害を受けたということで、こういった皆様からの相談に対して適切に対応すること、このことを申し入れました。
今後とも地元の大牟田市、また関係機関の皆様とも連携をして、この有害物質が流出した原因の究明と、そして再発防止に向けて、県としても対応を図ってまいりたいと思っています。
(読売新聞)戦後80年の関連でお伺いをさせていただきたいんですが、福岡空港について、米軍の板付基地として使用されていて、現在も地位協定で軍事機が入港しています。民間の旅客機の利用が多い福岡空港で、軍事機も共用しているという現状について、何か御見解があれば、お聞かせください。また、基地返還促進協議会が全面返還を求める陳情書を毎年政府に提出しているんですが、服部知事は福岡市長とともに協議会の顧問という立場ですけれども、返還がやっぱりなかなか進まない中で、何かお考えがあればお聞かせください。
(知事)板付基地の問題ということですが、この板付基地も含め、米軍機の空港利用を含む基地問題というのは、これは国家・国民の安全保障に関わる極めて重大、重要な問題です。このことについてはやはり国において適切に対応されるべきものであると考えます。御質問にもありましたように、本県としても参加をしております板付基地返還促進協議会というものがあります。この活動の中で、国に対して、福岡空港の中にある米軍施設を早期全面返還していただきたいということについて要望を行っているところです。
そして、我々の板付の問題だけではなくて、やはり全国各地にあるわけです。こういった米軍基地のある都道府県で構成します渉外関係主要都道府県知事の連絡協議会、いわゆる渉外知事会というものがあります。ここで、国に対して同じように米軍基地の整理・縮小、そして返還というものも要望を行っているところです。
福岡市長も、私も顧問です。市とも力を合わせて、引き続き、こういった返還促進協議会、それから渉外知事会などを通じて、国に対して、米軍基地が早期返還されるよう求めてまいりたいと考えています。
(西日本新聞)参院選についてお尋ねしたいのですが、まず、参院選は与党が過半数を割ってしまったということになったんですけど、その結果の受け止めと、あともう1点、参政党がかなり今回躍進して、福岡でも議席を獲得しました。日本人ファーストを掲げて、外国人政策に対する見直しを迫っていると思うんですが、これを受けて何か県としても外国人政策で少し見直す部分とか、考えている部分があれば教えてください。
(知事)まず、参議院選挙について、これは一度お話ししたかも分かりませんが、やはり、まず現在の自公政権、与党にとりましては大変厳しい選挙結果になったということです。しかし今、先般から色々な御質問の中にもありますように、我が国はどういう状況にあるか。外を見ますと、非常に混迷しているというか、そういう国際情勢の中で、安全保障面でも、それから外交、関税措置も含む経済、こういった全ての分野において、今までにないような、かつてないほど厳しい状況に置かれているということを認識しなければいけないと思います。そして、内を見ますと、やはり少子高齢化が急速に進むというか、もはや超少子高齢社会の中に我々は置かれているわけです。そういった中で、人口減少で地方が疲弊する、地域社会が崩壊しかねないと、こういう状況にある。さらに、デフレからの脱却という問題、いまだ実現できておりません。賃金と物価の好循環というものがやはり実現できていない。そして、大規模災害からの復興、こういった国内においても先送りできない課題が山積しています。
こういう中で、政治の責任、これは極めて重いものがあると思います。各政党におかれては、今、政治は何をなさねばならないのかということを、国民の切実な声を、疲弊している地方の声を、真っ正面から受け止めていただきたいと思っています。そして、人々の幸せと我が国日本の繁栄に直結する責任と実効性のある政策議論を腰を据えて行っていただきたいと思っています。
それから、参政党を例にとられました、日本人ファースト問題。参議院選挙での各候補者の皆さん、あるいは各政党の御主張に対して、私からコメントすることは差し控えたいと思います。
ただ、外国人と日本人との共生の問題ですね。これは全国知事会としても、先般報道もしていただきましたが、国に対しても、やはり外国人との共生ということについて申し入れをしているところです。福岡県でも11万人を超える外国人の方がいらっしゃいます。留学生はもとより、技能実習や特定技能あるいは技術・人文知識・国際業務、こういった就労をしている方々も増えているという状況であり、また、こういう皆様方の活力なくしては、これからの日本の経済も地域社会というものも維持していけないということです。こういうふうな外国人の方々にこれからも活躍をしていただくということは重要であると認識しています。
こういう外国人の皆様が、安心・安全で快適に暮らしていっていただけなければいけないということで、我々も、FUKUOKA IS OPENセンターといったワンストップセンターを開設したり、色々日本人と外国人の方のお悩みにも応え、そして日本人と外国人との共生社会というものをつくっていこうという努力をしているわけです。
県としては、これからもこういった取り組みを通じて、やはり日本人も外国人も互いの文化・習慣について理解を深めて、共に暮らしやすい地域づくりを進めていきたいと思います。
確かに外国人の皆様が労働者として活躍をいただいている、これは本当に貴重なことなんですが、ただ、彼らは労働者といって別に働く機械でもなければ道具でもないわけです、人であります。我々日本人と同じ人です。人と人がともに共生をしていく、理解をし合いながら、そういう社会をつくっていかなければいけないわけで、それで全国知事会からも申し入れをしていると。
そして、この点については、やっぱり今まで国は何をしてくれたのかということです。確かに、労働政策の中において色々な制度を作り、色々取り組みはされていますが、地域における日本人と外国人との共生の問題については、ほとんど地方自治体任せであったのではないかというふうに思います。これからはこういった点についても、国において責任を持って取り組んでいく、この姿勢が必要ではないかと思っております。
(NHK)戦後80年となるということで、九州ではオスプレイの配備だったり、国民保護計画の作成など、安全保障面の動きが相次いていると思いますけれども、防衛の最前線になっている、戦後80年にあわせて、こうした現状への受け止め、知事からお願います。
(知事)国家安全保障の問題というのは、国において判断をし、また適切に対応すべき問題であるというふうに思っています。しかし、国民保護、住民の皆様方の生命、財産を守る、こういう点においては我々も果たすべき役割があります。
今、日本を取り巻く安全保障環境も非常に周辺国との対応をめぐる緊張の高まりなど、これまでになく厳しいものになっている。こういった中で、万が一の事態に備えて、沖縄の先島諸島からの住民避難が必要となった場合、この受け入れ体制の準備というものを今進めております。これはもちろん国、そして民間も含めて、連携して進めておるわけです。
冒頭、戦後80年ということも踏まえてということですが、世界を見ると、ウクライナ、あるいはイスラエル、パレスチナ、あるいはタイ、カンボジアの間でも軍事衝突など、この21世紀の今日においても、人々が傷ついて命を落としてしまうという、こういう悲劇が繰り返されていることを極めて憂慮しております。
我々は、80年前のことを振り返り、平和の尊さというものを考えなくてはいけないと思います。やはり戦争は、最大の人権侵害であるというふうに思います。二度と私たちは戦争の悲劇を、惨禍を繰り返してはならないわけでありまして、ただこういう中で、どうしても時間の経過とともに、戦争を体験された方々が高齢化する、年々減少していくという状況にあります。こういった平和の尊さというものを次の世代にしっかりと引き継いでいくことが我々の責務であると思います。
県としても色々、戦時資料展やパネル展、あるいは市町村の皆さんのへの支援などもやっておりますし、今年度は改めて戦争体験者などから直接お話を聞くような平和記念講演というものを80年の節目として開催をしまして、その動画を若い人達も見ていただきたいということで、YouTubeで配信をしたいというふうに思っています。
こういった取り組みは非常に地味な取り組みかも分かりませんが、一つずつ積み重ねていって、やはり平和というものを我々はしっかり守っていくという意識を我々もまた次代を担う人たちもしっかりと持っていく、このことが重要であると思っています。
(共同)知事会長選挙で1個確認なんですけれども、先ほども阿部長野県知事がふさわしいんではないかと話がありましたけれども、推薦人になられるお考えというのはありますでしょうか。
(知事)今のところはそのお話は来ておりませんが、もしもそういうお話があれば、決してやぶさかではございません。
(FBS)渇水についてお伺いしたいんですが、今年は例年になく梅雨も短かかったですし、昨日、朝倉市のほうで渇水の対策本部が設置されていると思うんですが、これに関して知事の受け止めと、これは地域によって状況が異なる話ではあるかもしれないんですが、水の使い方について何かコメントありましたらお願いします。
(知事)まず、今どういう状況かということをお話ししたほうがいいかなと思っています。
やはり7月の降水量が平年の1割から3割ぐらいになっているということで、大きく下回っています。主要ダムの貯水率というのは確かに減少をしております。7月末時点で調査をいたしましたところ、県全体の平均としては81.3%の貯水率がありまして、平年より少し低いという程度です。
ダムによってではありますけども、全体平均としてはそういうことで、宮城県さんとかよく報道されておりますが、今デットウォーターを放流するという状況にもなっていると村井知事からもお聞きしました。そういうふうな状況には本県においては現段階ではなってないということで、まずはそこは申し上げておきたいと思います。
そして、これからどうだろうということで、毎日夕立も降らないような状況ですが、ただ気象庁によりますと、向こう1か月の降水は平年並みはあるだろうというふうなお話があっておりますので、直ちに給水制限が必要だという状況には現段階ではないというふうに思っております。これも状況を見ながらということになりますが、無駄な水は使わないということは当然でありますので、その点は注意をして生活をしていただきたいというふうには思います。
それから、朝倉市のほうで節水への取り組み強化の動きがあります。これは稲の穂が出る時期、これが8月中旬以降ということになります。これに備えて農業用水を確保しておこうということで、朝倉市においてはいち早くこういった取り組みを始められているものと認識しております。
こういったことで、水資源機構のほうで江川、寺内、小石原川、この三つのダムを所管されておりまして、朝倉市と水資源機構がそれぞれ渇水対策本部を設置されたと聞いておりますので、我々も今後こういった動き、それから、先ほど申しましたが我々が管理するダムの貯水量、それから水の利用状況、こういったものを全て総合的に見ながら対応を図ってまいりたいというふうに思います。
(終了)