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知事年頭記者会見 令和5年1月4日(水曜日)

更新日:2023年1月4日更新 印刷

知事年頭記者会見 令和5年1月4日(水曜日)

この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。

この知事記者会見録の模様は、  ふくおかインターネットテレビ  で動画配信しています。

発表事項

(1)年頭挨拶

(知事)皆さん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。今年の年末年始、特に三が日は天候にも恵まれまして、皆様方には健やかに、輝かしき新年をお迎えのことと心よりお慶びを申し上げます。

 さて、昨年1年を振り返ってみますと、新型コロナのオミクロン株による爆発的な感染拡大、また、2月にはロシアによるウクライナへの軍事侵略が始まり、さらに急激な円安、そして年末には連続して鳥インフルエンザが発生しました。こういった予測困難な事象が数々起こりまして、私たちの生活や社会経済の足元を心配しなければならない1年であったと考えています。

 このうち、新型コロナについては、昨年の12月下旬以降、新規陽性者数が1万人を超える日もあるなど、現在、我々は第8波のただ中にあると思っています。

 重症病床使用率は1月2日時点で7.3パーセントと、引き続き非常に低い水準にありますが、病床使用率は75.2パーセントと、第7波のピーク時に近づいてきており、医療への負荷が高まっているものと認識しています。引き続き県としましては、医療提供体制や検査体制の充実・強化を図り、県民の皆さんの安全・安心を守ってまいりたいと考えています。

 さて、今日から令和5年の業務がスタートしました。もちろん、過去にも申しましたように、今年も最優先の課題は、県民の皆さんの命、健康、生活をしっかりと守ることです。新型コロナや自然災害、さらには様々な犯罪などから県民の皆さんの安全・安心を全力で守ってまいります。同時に、下を向かず、前を向き、世界を見て、そして未来を思い描いて、福岡県の成長・発展の歩みを力強く一歩前進させる年にしたいと考えています。

 こうした思いを込めて、私は、今年のテーマを漢字一文字で「展」という字にしました。展望や発展の「展」でございます。世界を、未来を展望し、そして県民の皆さんのための施策を幅広く展開し、様々な取り組みを進展させる、このことによって福岡県を発展に導いていきたい。このような思いを込めて、この「展」という字を思い描いたところです。

 今年の干支は「卯」です。ウサギは大きな耳を持っています。この大きな耳を我々も立てて、情報をしっかりと捉え、キャッチして、またウサギは前進あるのみであります。このウサギが跳躍するように、福岡県をさらに飛躍・発展させる年にしていきたいと考えています。

 こういったことを実現していくために重要なのは、まずは福岡県の未来を築き、拓き、担っていく「人財」を育成することである。このことは従来からも申し上げているとおりです。ICT技術を積極的に活用し、子供たちにハイレベルな学びの機会を県内各地で提供します。

 青少年を健全に育成する取り組み。これもこれまで我々はずっと取り組んでまいりましたが、様々な課題も見出されたところです。この青少年健全育成の取り組みを見直し、さらに充実させるとともに、ふるさとに誇りを持ち、その未来を担うリーダーを育成してまいります。留学に、スポーツ・芸術に、スタートアップ起業に、失敗を恐れず、夢に向かってチャレンジする若者を応援する取り組みを行ってまいります。

 また、産業分野においても、中小企業のDXの中心となる人材や最先端の半導体技術を身につけた人材、あるいは経営感覚に優れた農業人材など、福岡県の産業を支え、成長させる人材を育成してまいります。

 そして、このような人材が支える福岡県を、世界から選ばれる福岡県にしていかなければなりません。投資意欲が旺盛な半導体やEV関連など、企業の立地の受皿となる産業団地の造成を進め、戦略的な企業誘致に引き続き取り組んでまいります。

 産学官が連携したTEAM FUKUOKAで、国際金融機能の集積を目指します。

 また、福岡県が誇る農林水産物のブランド価値の向上、輸出の拡大に一層力を入れてまいります。

 さらに、ツール・ド・九州2023などのイベントが今年も数々ございます。こういった大規模大会、イベントを成功に導き、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアなどをはじめとするインバウンドの誘客に取り組んでまいります。

 さらに、発展基盤となる福岡空港や北九州空港の滑走路整備、北九州下関道路の早期実現に引き続き取り組んでまいります。

 そして、福岡県を飛躍させようと申し上げておりますが、飛躍していくためには、将来の発展の種をまき、芽を育てていくということが重要であることは申すまでもございません。

 昨年、我々は「グリーン」をキーワードに、様々なプロジェクトの推進組織を発展的に改組、あるいは新たに設置しました。今年はこういった組織を活かして、グリーンデバイスの開発・生産拠点や、自動車は、今CASEと呼ばれる100年に一度の大変革期を迎えていますが、こういった自動車のグリーン生産拠点の形成に向けた取り組みを推進するとともに、CO2フリーのグリーン水素による環境と経済の好循環を実現してまいりたいと思っています。

 また、創薬ですね、薬・医薬品。あるいは再生医療などの分野でスタートアップ企業の成功モデルが相次いで生まれているバイオ。また、衛星コンステレーションの構築をはじめ、裾野の広いビジネスである宇宙分野。それから、部品が多く、地元のものづくり企業の参入が期待される風力発電産業。こういった未来を切り拓く産業の成長を図ってまいります。

 さらに、大学発スタートアップなどを支援し、育成をしていく。これについても、我々はベンチャー育成にずっと取り組んでおりますが、このスタートアップ支援の新たな取り組みを考えてまいりたいと考えています。

 そして、私たちは、冒頭も申し上げましたように、今もなお3年間にわたって新型コロナに苦しめられています。このような人獣共通感染症に対処していくためにも、ワンヘルスの推進は重要であり、これを実践していかなければならない段階に入っています。農林水産物等のワンヘルス認証やワンヘルス宣言事業者登録制度を広げ、そして、県民・事業者の皆さんの理解と実践を進めてまいります。

 さらに、全国初のワンヘルスセンターの整備、これを引き続き進捗させるとともに、昨年、福岡市内に設置が決定したFAVAワンヘルス福岡オフィスや、県内外の大学と連携した取り組みにより、福岡県がワンヘルスの世界的先進地となることを目指してまいります。

 こうしたことに重点的に取り組んでまいりますが、もちろんこれとともに、あらゆる差別や偏見をなくす、子供を虐待から守る、全ての人々の人権を守る取り組みを引き続き進めてまいります。ジェンダー平等、女性の活躍を推進します。また、障がいのある方の自立と社会参加を支援し、年齢、性別、障がいのあるなしに関わらず、誰もがその能力を存分に発揮できる社会を実現することを目指して引き続き取り組んでまいります。

 暮らしの安全・安心を確保するために、飲酒運転の撲滅、性暴力の根絶、暴力団の排除、ニセ電話詐欺などの被害の防止にも取り組んでまいります。

 平成29年7月の九州北部豪雨で甚大な被害を被ったJR日田彦山線は、今年の夏、BRTひこぼしラインとして復旧・開業されます。これは地域の振興、発展にとって非常に期待されるところですが、我々も引き続きこの被災地の復旧・復興に全力を挙げるとともに、激甚化、頻発化する自然災害に備えて流域治水の取り組みを進め、防災・減災、県土強靱化に取り組んでまいります。

 このように様々申し上げましたが、県民の皆さんと手を携えて未来への扉を開き、福岡県が九州のリーダー県としてふさわしい県となるように、さらなる飛躍と発展へと導いてまいりたいと思っています。そして、誰もが安心してたくさんの笑顔で暮らせる福岡県にしてまいります。皆様方の御理解、引き続きの御協力のほどをよろしくお願い申し上げます。

 新年、令和5年が福岡県民の皆さんにとってすばらしい1年となることを心より祈念を申し上げまして、私からの年頭の御挨拶とさせていただきます。

今年もよろしくお願い申し上げます。

質疑応答

(KBC)1点、新型コロナウイルスについてお伺いします。

 先ほど、会見でも病床使用率が75パーセントを超えていることから、医療への負荷が高まっているというお話がありましたが、現時点で宣言や警報を出すお考えがあったり、行動制限を含め県民への呼びかけなど、対策を考えられていることがあれば教えていただけますでしょうか。

(知事)年末年始の影響で、今、一時的に毎日発表される新規陽性者数は減少しています。それでも連日、3,000人を上回るなど、やはり第8波の中にある認識を持っています。

 年末年始の影響もありましたが、今後は成人式といったイベントも控えていますし、こういったイベントによる接触機会が増える、あるいは冬休みが終わり学校が始まる、こういった影響も懸念されるところです。

 県民、事業者の皆さんには、改めて基本的な感染防止対策の確認と徹底、またワクチンの早期の接種、さらには、もし感染が疑われる場合は、重症化リスクに応じて受診や検査を受けていただくようお願いします。

我々としても、コロナ対応病床を25床増床して、現在2,049床で対応させていただいています。また、オンライン診療センターも開設しています。まだ発熱外来のひっ迫という状況が見られないこともありますが、年末年始のオンライン診療センターの利用状況を見ると123件となっています。さらに12月29日からは患者待機ステーションも開設しまして、対応しているところです。

 今後もこういった医療提供体制や検査体制の強化に引き続き取り組み、医療のひっ迫回避に全力を挙げてまいります。

 我々としても「医療ひっ迫防止対策強化宣言」についてはずっと検討をしていますが、発熱外来や救急外来について、重症化リスクの高い方が受診できない状況にあるかどうか、あるいは入院調整が極めて困難な情勢にあるか、事業継続が困難となる事業所が多数発生しているか、といった点に着目をしながら、総合的に判断をしていきたいと考えています。

(KBC)宣言については、今時点では出すお考えはないということですか。

(知事)はい。

(KBC)しばらく状況は注視していると。

(知事)はい。

(KBC)分かりました。

 

(TNC)国のほうで議論を進めているコロナの2類、5類議論について、知事の見解をお伺いしてもよろしいでしょうか。

(知事)現在のオミクロン株を前提とした議論として、感染症法上、2類相当から5類への分類見直しが行われると、様々な社会的あるいは経済的な制約、出勤が規制されたり、入院を求められたり、がなくなりますので、これは社会経済活動にとって、制約が取れるという意味では評価できるものであると思います。

 当然、科学的な根拠に基づいた議論が行われていると思いますが、かねてから私が申し上げているように、お金によって人の命が左右されることがあってはならないということです。ワクチン、あるいはゾコーバ等の新しい薬はまだまだ高額です。こういった中で自己負担が求められることになると、診察や処方を受けるのをためらわれるようなことが起こり得ます。こういったことがあってはならないので、こういう経済的な負担の問題については、政府において、丁寧に、慎重に検討されるべきと思っています。

(終了)