本文
この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。
この知事記者会見録の模様は、 ふくおかインターネットテレビ で動画配信しています。
発表事項
(1)令和4年度12月補正予算の概要について(財政課)
記者発表資料(令和4年度12月補正予算の概要) [PDFファイル/1.04MB]
記者発表資料(令和4年度12月補正予算の編成概要) [PDFファイル/604KB]
(2)佐賀県とパートナーシップ宣誓制度に関する協定を締結します!(人権・同和対策局調整課)
記者提供資料(佐賀県とパートナーシップ宣誓制度に関する協定を締結します) [PDFファイル/64KB]
(3)第11回海外福岡県人会世界大会(ペルー・リマ)参加報告(国際局国際政策課)
(知事)本日は、発表事項が2件、そして報告事項が1件あります。
発表事項の1件は、12月1日に提案する「令和4年度12月補正予算の概要」です。
まず、12月補正予算の編成の考え方です。地域経済の活性化と成長・発展に取り組むとともに、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行に備え、医療提供体制を強化するものです。
また、来年4月に予定されている県議会議員選挙、今回の人事委員会の勧告に基づく給与改定、これらに必要な経費を計上しています。
補正予算の規模は、154億1,000万円となっています。その内訳ですが、地域経済の活性化と成長・発展に44億円余、新型コロナ対策に76億円余、県議会議員選挙に5億円余、給与改定に27億円余、合計154億1,000万円となっています。
この財源ですが、国庫支出金のほか、「新型コロナウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金」と昨年度からの繰越金などを財源として計上しています。
なお、現在、国の令和4年度第2次補正予算が編成されています。これを活用した本県における補正予算については、現在、鋭意、編成作業を行っているところで、まとまり次第、12月議会中に追加提案をしたいと考えています。
予算の中身ですが、1番目の柱「地域経済の活性化と成長・発展」については、物価高騰の影響を受けている地域経済を支えるために、事業継続の支援という考え方において、商工会議所や商工会等の皆さんが行う地域商品券の追加発行を支援したいと思います。これにより地域の消費需要を喚起していきたいと思います。
発行規模は188億円としており、このうち、キャッシュレス商品券分が119億円を占めています。この非接触型のキャッシュレス商品券の普及を図るために、発行団体が行う購入者をサポートするための窓口の設置や、使い方をまとめた消費者向けの動画の作成を支援するとともに、新たに、今回の物価高騰によって増えている紙代やシステムの利用料、こういった事務費の上昇分を上乗せして支援することとしました。これが、まず地域商品券についてです。
次に飲食店への支援です。コロナも一定落ち着きを見せ、飲食店の客足も戻りつつありますが、売上げの回復がなかなか芳しくないこともあります。この厳しい経営環境にある飲食店の売上げ回復を支援するために、県独自のプレミアム付き食事券を発行します。発行規模は60億円としており、8,000円出していただくと、1万円分の食事券が購入できます。
これが使えるお店は、県の感染防止認証を受けている認証店で利用が可能です。
なお、新型コロナの流行により、今後、県民の皆さんに外出の自粛など行動制限を要請した場合は、その期間中の販売停止、利用停止について、ご協力をお願いすることになります。
次に、危機に強い経済構造の実現についてです。今の事業継続を支援するだけではなく、今後もいろいろな社会経済状況の変化が考えられます。こういったものに対して、柔軟で、しなやかな、強い経済構造に我々の地域の産業、経済を持っていく必要があると考えており、これをつくろうという考え方です。
まず、インバウンドの県内宿泊・観光の促進です。コロナ前の状況を見てみると、外国人観光客が福岡にお見えになった場合に、福岡市、北九州市でお泊まりになる方が90パーセント以上です。訪問先も、いろんな観光等で行かれる先も、4分の3は両政令市域内になっています。こういう外国人観光客にいかに県内全域に回っていただくか、つまり、こういうインバウンド需要を県内全域に波及させるかが課題であると捉えています。
このために、政令市以外に1泊以上宿泊していただく、または政令市以外の観光地を2か所以上見ていただく。こういう旅行商品を造成した旅行会社に対し、ツアー参加者1人1泊当たり3,000円を支援するものです。
予算規模の基礎となる誘客数は延べ3万人と見ており、県内全域へのインバウンド需要の波及に役立てたいと思っています。
次に農業です。農業DXを推進としています。農業においても、物価高騰に伴う生産コストの上昇が見られます。これを受けて、燃料や農薬の使用量の低減、また省力化につながるスマート農業機械の導入を支援します。
3番目、これはまちづくりにもなるわけですが、天神中央公園。旧福岡県公会堂貴賓館の前の部分を思い浮かべていただくと良いのですが、あそこは那珂川に面しています。那珂川に面したところの護岸や樹木をライトアップすることについて、これは先月、福岡市の高島市長と一緒に共同会見をさせていただいたとおり、福岡市の那珂川整備と歩調を合わせてやっていこうということで、共同発表させていただきました。
この工事を、来年の夏までに完了するようにしたい。なぜ来年の夏かというと、川の工事は水量の少ないときしかできません。来年の出水期前までに工事を終える必要があり、冬場にやりたいということで、債務負担行為を設定するものです。福岡市と連携して、水辺を生かしたまちづくりを進めていきたいと思っています。
二つ目の柱、新型コロナウイルス感染症対策です。
新型コロナと季節性インフルエンザの同時流行に備えて、医療提供体制を強化していきます。同時流行により、第7波を上回るような発熱患者、これがインフルエンザのためなのか、コロナのためなのか分からないケースもあります。発熱された患者が多数発生した場合に、発熱外来の逼迫を回避する必要があります。
そして、65歳以上の高齢者や基礎疾患を持っていらっしゃる方、いわゆる重症化リスクの高い方が発熱外来を受診できる機会を確保したいということで、2つのオンライン診療センターを開設しようと考えています。
新型コロナの自宅療養者オンライン診療センターですが、国の新しい基準が4段階ありますが、「レベル3」を目安に開設をすると考えており、自宅療養される方が診療を希望する場合に利用していただけるようにします。
インフルエンザのオンライン診療センターは、「レベル3」の期間中において、インフルエンザの流行を示すインフルエンザの警報がありますので、こういったものも考え合わせながら開設をしていきたいと考えています。
土日・祝日を含む24時間体制で、オンラインによる医師の診療と薬の処方を行うこととしています。
次に、発熱外来の混雑状況を知りたい、行ってから混んでいたのでは困るということで、これを確認できるシステムを構築します。スマートフォンなどで確認できるシステムを新たに作ろうということです。
次に、感染拡大期の診療・検査体制を強化するために、新たに休日、夜間に開設していただける発熱外来、その処方箋を受け付けていただける薬局に対して協力金を給付します。
次は、PCR等の検査費や医療費の自己負担分への支援について、所要額を増額しているところです。また、無症状者への無料検査も引き続き実施をすることとし、感染者を早期発見していくことにしたいと考えています。
予算の主な項目は以上です。
2つ目の発表項目は、本県で設けているパートナーシップ宣誓制度について、佐賀県と協定を締結することとしました。令和5年1月1日から運用を開始したいと考えています。
福岡県としては、性の多様性を認め合い、性的指向や性自認に関わらず、人生を共にしたい人と安心して生活できる福岡県をつくろうということで、今年4月にパートナーシップ宣誓制度をスタートしました。これまでに39組のカップルの方が宣誓をされています。
宣誓された方には、県から受領証カードを交付しています。このカードは県営住宅の入居の申込みといった本県の行政サービス、さらに不動産会社での賃貸住宅入居申込みなどの民間サービスに利用することができます。現在、県内では同様の制度を導入している4市1町、北九州市、福岡市、古賀市、福津市の4市と粕屋町があります。この市町が交付するカードで県営住宅の入居申込みができるといった相互利用に関する協定を締結して、制度利用者の利便性向上を図っているところです。
利用される方のさらなる負担の軽減、あるいは制度の利便性を向上させようということで、隣県で、しかも人の往来も多い佐賀県と継続利用及び相互利用に関する協定を締結することとしたものです。
具体的に言いますと、福岡県から佐賀県に転居された場合、福岡県にカードの継続利用手続を行っていただくと、改めて佐賀県で宣誓をする必要がない。福岡県のカードをそのまま利用できることになります。これは、逆に佐賀県から福岡県に転入される場合も同様です。
また、例えば福岡県が交付したカードで、佐賀県医療センター好生館でのパートナーに関する病状説明や治療方針の同意といったサービスが利用できることになり、お互いのカードを相互の行政サービスに利用できるようになります。
今回の協定によって、利用できるサービスは両県の行政サービスです。先ほど本県内においては民間の事業者の方にもご協力をいただいていると申しましたが、今後、既にサービスを提供いただいているそれぞれの県の市町村、民間企業に対しても協定締結についてお知らせをして、両県のカードで相互にサービスを提供していただけるよう働きかけを行っていきたいと思っています。
今後も全ての県民の皆さんの人権を守り、誰もが安心して生活をして、たくさんの笑顔で暮らしていっていただける福岡県づくりを進めていきたいと考えています。
発表事項2項は以上です。
次に報告です。
先週15日からペルー、リマで開催をされた第11回海外福岡県人会世界大会に参加しましたので、報告します。
一言で申し上げますと、非常に感動しました。移民されてから100年以上の第2次世界大戦も挟んでいる。この長きにわたって、非常に多くの苦難を乗り越えてこられて、今、その地位を築かれ、それぞれ移民先の国の発展に貢献をしてこられた、そういう福岡県人会の皆さんの母県福岡への熱い思いに触れました。そして、改めて海外の福岡県人会の皆さんと我々との絆を確認できたと考えています。
具体的には、初日16日には世界大会の記念式典、そして歓迎レセプションが開催されました。今回の世界大会には9か国から9つの福岡県人会が参加されました。本県からは私と県議会議長をはじめとした議員の皆さん方、県市長会、県町村会、県の国際交流センターが出席しました。また、来賓として片山和之駐ペルー日本国特命全権大使、ミヤシロ・ペルー日系人協会会長も参加され、総勢230名が参加する盛大な式典となったところです。
これは式典で私が挨拶をしている写真です。レセプションの様子ですが、この記念式典には、高齢者の方、車椅子で参加された方もいらっしゃいました。最後には参加者の皆さん全員で、ふるさとを合唱しました。初めて顔を合わせた各国の皆さんが、言葉、文化、習慣などの違いに関わらず、ふるさと福岡という1点で思いを共有することができたと感じました。
次に、これはラ・ウニオン校を訪問した時の写真です。日系人の方が設立した学校で、ここは児童・生徒の皆さんから大変な歓迎をいただきました。そして、日本語の授業風景を見学しました。ずっと小学校、中学校課程を通じて日本語の授業を行っている学校です。ひな祭りとか七夕など、日本の風習についても学習しています。遠い異国の地でも祖国日本の言葉や文化を大切に受け継ごうという思い、これによって設立された伝統のある学校です。全て日系人ではなくて、ペルーの方も4割ぐらいで、かなり現地の方も入っている学校です。
3番目のスライド。世界大会の代表者会議、各海外県人会の代表者による会議に出席しました。青年部の方たちもこの前に会議を行われ、いろんな青年部としての意見も交わされていましたけれども、県人会活動の抱える課題、あるいは今後の展望などについて意見交換を行ったものです。
この会議の中では、若い世代の日本語学習を充実することの必要性など、様々な意見、あるいは県に対する提案もいただいたところです。今後の県の事業に生かさせていただきたいと思います。
なお、この代表者会議の場で、次回、第12回の世界大会を2025年、3年後に福岡県で開催することが決定されました。しっかり準備をしていきたいと思います。
次ですが、これは3日目、18日にペルー日系人協会を表敬訪問して、沖縄にゆかりのあるミヤシロ会長さんを面会するとともに、この協会に併設されている非常に立派な日本人ペルー移住史料館を見学しました。ここは1,000人が入るホールもあり、日系人の方が日常的に訪れて、いろいろな交流やイベントを開いたり、学習会をしたりと盛んに利用されているところです。
この史料館では、今回の福岡県人会の世界大会を記念して「福岡県人の力 世界へ」という名前の特別展を開催していただくことになり、そのテープカットもさせていただいたところです。非常に福岡県人会に対しても、これまでお力添えをいただいているような協会です。
スライド5が、さよならパーティーの様子です。炭坑節を踊っています。皆さんが参加して、さよならパーティーが開催され、この場で、先ほどの代表者会議での取り組み等も含め、世界大会に参加する一同による「ペルー宣言」が発表されたところです。
この宣言では、今後も将来の県人会を担う青少年の育成を図ること、また、次回の世界大会を2025年に福岡で開催することが示されたところでして、私も次回大会の主催者という立場で御挨拶をさせていただきました。
最後、全員で炭坑節を踊りました。どこの県人会に行ってもそうですけど、皆さん本当に懐かしみながら、また高齢の方は涙を流されて踊られたりと、やはり日本、福岡に対する思いがあふれ出してくる場面でした。
そういうことであったわけですが、実はさよならパーティーの直前に、リマ空港で航空機と消防車の衝突事故が起こり、残念ながら消防士の方2名がお亡くなりになるという大事故がありました。機体も炎上し、機体を動かすことができず、1日以上空港が完全に閉鎖されるという事態になり、我々のチケットも全て無効になり、帰国することができない状態になりました。
チケット等を手配しながら、公務を追加して、19日土曜日の夜に、リマの市内で開催された「日本祭り2022」に参加しました。毎年、開催されるらしいのですが、今回コロナがあったから、3年振りに2万人ぐらいの参加者があったそうです。10万平米のグラウンドですけど、日系人の皆さんがこつこつと買っていった土地に野球場とかサッカー場とかをつくっており、そこを使っての日本祭りは2万人以上、ペルーの方も含めて参加される盛大なお祭りでした。
これに参加させていただき、福岡県としてのパレードもありますので、福岡県人会の先頭に立たせていただいてパレードに参加させていただきました。全く予期しませんでしたけども、主催者のご配慮により、私は47都道府県の代表という形で紹介をされ、ステージ上で行われた鏡開きにも、片山大使や日系人協会の会長さんと一緒に参加させていただきました。福岡県人会のみならず、日本から知事が来たということで、日系人の各県人、沖縄県人の方が非常に多く、ペルーの皆さんからも、大変喜びの声や、歓声を送っていただきました。
参加させていただいて、非常に現地の日系人社会の様子がよく分かる場面でした。
このような交流を通して、各海外県人会の皆さんとの関係をより深めることができたと思っています。今後もこの県人会との交流事業を着実に実施して、いろんなご提案、意見もいただいていますので、より充実した内容にしていきたいと考えているところです。
報告事項は以上です。
(共同通信)コロナのオンライン診療センターですが、オンラインでも診療できる設備を持っている医療機関は限られると思いますけれども、これから新たに探すのか、募ったりされるのか、どういったところが担うことになるんでしょうか。
(がん感染症疾病対策課)現在、オンライン診療の実績のある民間事業者と協力して、お話を進めさせていただいているところです。
(知事)それぞれの医療機関が受けるのではなくて、診療センターに医師の方がいらっしゃって受けていただくということです。一般の診療所がオンラインで受ける形ではありません。
(共同通信)コロナとインフルエンザ、それぞれのオンライン診療センターは、一日に何人ぐらい診られる規模になるんでしょうか。
(がん感染症疾病対策課)コロナのほうが一日700人。インフルエンザのほうが一日500人の規模です。
(共同通信)佐賀県とのパートナーシップ宣誓制度に関する協定ですが、福岡県が他の都道府県とこういった協定を相互に結ぶ形になるのは初めてでしょうか。ほかにもありますでしょうか。
(知事)福岡県は佐賀県とが初めてです。全国でも、都道府県間での協定は今回が2例目です。
本県を除くと9つの都府県でパートナーシップ宣言制度を導入しています。お仕事の都合などで県を移動されますから、これからこういったところにも働きかけをして、こういう協定が結べるように働きかけていきたい。
(共同通信)今回、佐賀県とこういう協定を結んだいきさつ。どちらかから声掛けがあったとか、いつぐらいから検討を始めていたとか、経緯を教えていただけますでしょうか。
(知事)本県が4月に制度を導入してからです。1例目はこの夏に佐賀県と茨城県が締結しています。だから、佐賀県としても、隣県であり、人の行き来の多い本県が4月に制度を導入しましたので、そういう打診はありました。本県としても、利用される方の利便性を考えたときに、これはやろうということで話を進めてきたところです。
(西日本新聞)補正予算にある、インバウンド関連の県内宿泊・観光促進に関連して、ネットなどで宿泊を予約しようとすると、なかなかホテル代が高いと思ったりすることがあるんです。ちまたでは、便乗値上げをしているホテルがあるのではないかということも指摘されているんですけれども。
(知事)時々報道もありますね。
(西日本新聞)福岡県として、そのような実態を確認されていたり、または指導されていたりしているのでしょうか。
(知事)私もペルーに出張する前に、別に福岡でということではなくて、全国紙などでもそういう報道がありましたから、ちょっと担当課に尋ねてみました。その時点で福岡において、そういう苦情とか問題化している例はないという報告は受けています。
(県民情報広報課)担当課に、最近の状況が分かりましたら、お知らせします。
(知事)最近物価が高騰していますから、若干そういう面もあり、必ずしも便乗ではないかも分かりませんけど。そこは、便乗値上げと言われるようなことは好ましくないです。必要な経費を価格に乗せていくということは、やむを得ないでしょうけれども。ここは、お客さまにも理解していただけることを心がけていただきたいと思います。
(県民情報広報課)先ほど質問があった全国旅行支援の便乗値上げの件で、県として実態の把握や指導した事例などがあったかについて、先ほど担当課に確認をしたところ、県としてご質問のような便乗値上げの事例は特段把握していない。また、国から、便乗値上げはしないようにという趣旨の国の通知がなされているので、それを受け、県内の全国旅行支援の参加事業者や宿泊施設に対して、県から便乗値上げはしないように、という連絡を行っているとのことでした。
(FBS)現在、新型コロナウイルス感染症の感染状況として、第8波の中でどういう状況にあるという認識でいらっしゃいますか。
(知事)新規陽性者数については、緩やかなペースながら徐々に増えている状況。病床使用率も、新規陽性者数に伴って徐々に上昇しています。最新の数字で申しますと、昨日、23日時点で29.4パーセント、一昨日が29.1パーセントでしたので、0.3ポイントの上昇。非常に病床も含めて緩やかなカーブです。
しかしながら、30パーセントというレベル2に近づいてきているのは事実であると思います。また、新たな亜系統BQ.1とか、そういう株の検出もありますので、こういったことの影響も注視していく必要があります。
今の段階で、この感染状況をどう見るかですが、感染拡大のペースは第7波の当時と比べると、大体今、5分の1ぐらいのペースです。また、厚生労働省のアドバイザリーボードの話を聞くと、地域差や不確実性はあるものの、感染の増加速度が鈍化してきているということで、現在のBA.5のままであれば、このままピークを迎える可能性もあるという意見もあります。ですから、現段階でどう見るかというのは非常に難しい。専門家の皆さんも難しいだろうと思います。
だから、今の段階で本県が第8波のただ中にあるとまでは言えないのではないかと思っていますが、ただ、兆候にあるのではないかという可能性は考えつつ、これに対して的確に対応していかなければいけないと思っています。
先日、私が不在のときに本部長代行に指名した大曲副知事に記者会見を開いていただいて、新しい「オミクロン株対応の福岡コロナ警報」を設けた旨発表したところですが、これは、国のレベル分類に沿った形で考えています。30パーセントという病床使用率をめどに、専門家の皆さん、市町村の皆さんのご意見をお聞きして判断した上で、この警報の発動を検討したいと考えています。
この警報の名前が分かりづらいという話もありますので、ちゃんと決めないといけないのですが、私としては、「福岡オミクロン警報」で良いと思っています。結局、「福岡コロナ警報」は、皆さん御存じのとおり、デルタ株を想定した国の基本的対処方針に沿ったものです。この基本的対処方針には緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が入っています。国はこの基本的対処方針は変えていません。
このため、我々も今までの「福岡コロナ警報」は残しておく。これは毒性の強い、デルタ株のようなものがまた流行した時は恐らく国も切り替えてくると思います。あくまで国の今回の対応方針も、オミクロン株対応で、オミクロン型対応でのレベル分類とその対応方策なので。我々もそれに応じて、今回警報を新たにつくったということですので、今回の新たな警報は「福岡オミクロン警報」と略称をつけさせていただければと思っています。
(共同通信)そのオミクロン警報ですが、30パーセント目前まで来ていると思うのですが、警報の出し方の考え方についてお願いします。
(知事)先ほど申しましたように、基準を明確に決めましたから、30パーセントになった段階で専門家の皆さん、また県内の市町村の皆さんの意見も聞く必要があります。その上で警報発動について判断、決定していきたいと思っています。
だから、基本的には国の対策方針にもあるように、社会経済活動を極力維持しながら、その中で感染拡大の抑止を図ること、これは我々も同様です。それに沿って警報を発動したとしても、そういう考え方の下での、県民の皆さん、事業者の皆さんへの要請になるとご理解いただければと思います。
(KBC)福岡オミクロン警報がもし発動された場合の、県民への要請について教えてください。
(知事)今申しましたように、社会経済活動を維持しつつ、感染の拡大を予防するという考え方を基本に置きます。具体的には、本部において決定する必要がありますので、私が今、勝手には決められませんけれども、基本は今申したようなことですので、県民の皆さん、事業者の皆さんには引き続き感染防止対策を徹底していただく。今回は特に寒い地域で、感染が一時期急拡大しました。これは換気が不十分であるという見方も強いです。これから寒くなると我々もそこの部分が心配ですので、換気の徹底等を含む感染防止対策、基本的な感染防止対策の徹底をお願いするということ。
それと県としては、オンライン診療センターも含め、発熱外来やコロナ対応病床の充実強化、こういった医療提供体制のさらなる強化を同時並行的に進めていくことになると考えています。
(西日本新聞)福岡オミクロン警報に関連して、先ほど専門家の分析で、第7波の5分の1くらいの増加拡大ペースで、感染の増加傾向は鈍化しているということでしたが、一方で、知事がおっしゃるように社会経済活動への影響を非常に考慮されているということで、12月になると忘年会シーズンもあって、事業者の方が非常に期待していると思うんですね。
(知事)そうですね。
(西日本新聞)そうした中で、警報を発動すると、県民に行動自粛を要請する旨ではないにしても、一定のアナウンス効果はあると思うんです。そうしたこと全体を踏まえて、知事としては慎重に見極めたいというお考えでしょうか。
(知事)慎重に見極めることは必要でしょうが、基準は設けましたので、そこは粛々と判断をしていきたいと思います。
ただ、今おっしゃったように、この補正予算で我々手を打たせていただいたように、飲食事業者の皆さんたちも、売上げ回復が鈍くて苦しんでおられる状況もあります。お店の側もそうですけど、利用する側も感染防止に十分気をつけて、それ以上の行動自粛等をお願いせざるを得ないような状況にならないように、そこを警報発動の段階ではしっかりとお願いをしていきたいと思っています。
皆さん、今からクリスマスだ、忘年会だというシーズンなので、楽しみにしておられる皆さんも多いと思いますので、ここはみんなで力を合わせて、感染を広げないことをやっていくことが大事だと思います。
(終了)