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知事定例記者会見 令和4年8月10日(水曜日)

更新日:2022年8月10日更新 印刷

知事定例記者会見 令和4年8月10日(水曜日)

この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。

この知事記者会見録の模様は、  ふくおかインターネットテレビ  動画配信しています。

発表事項

(1)ワンヘルスについて(ワンヘルス総合推進室)

記者提供資料(福岡県ワンヘルス推進ポータルサイト) [PDFファイル/344KB]

記者提供資料(ワンヘルス宣言事業者登録制度) [PDFファイル/220KB]

(2)県産米粉を使用した新商品の開発支援について(水田農業振興課)

記者発表資料(県産米粉新商品開発支援) [PDFファイル/198KB]

(3)「福岡県マインクラフトコンテスト」の開催について(政策支援課)

記者発表資料(福岡県マインクラフトコンテスト) [PDFファイル/410KB]

(4)新型コロナウイルス感染防止対策について(新型コロナウイルス感染症対策本部(事務局:がん感染症疾病対策課))

 

(知事)本日は発表事項が3件、そして県民の皆さんへ呼びかけをさせていただくことが1件です。

 1つ目の発表事項、ワンヘルスについてです。

 7月26日に、蔵内勇夫日本獣医師会会長に対して、アジア獣医師会連合(FAVA)の日本事務所を福岡市にぜひ設置していただきたいということで、私と高島福岡市長、福岡県議会議長、福岡市議会議長、九州経済連合会会長、福岡商工会議所会頭、福岡県医師会会長、福岡県獣医師会会長の連名で要請を行いました。

 これを受け、8月6日に開催されたFAVAの執行部会議において蔵内会長から御提案いただき、ワンヘルスに特化したFAVA日本事務所の福岡市設置について、FAVA執行部会議全員一致で承認され、一昨日、蔵内会長から私に対し、御報告をいただきました。蔵内会長の御尽力、御努力に対して深く敬意を表します。

県や市、そして地元関係者が一致団結して働きかけをして、この福岡県に国際組織の事務所が開設されるのは、国連ハビタット福岡本部以来、25年ぶりのことです。大変うれしく、意義深いことであると思います。

 FAVA日本事務所の設置は、本県の国内外からの関係人口の増加、また福岡県、福岡市の国際的なプレゼンスの強化につながるものと大きく期待しています。県としましては、今後は日本事務所の福岡市内の設置場所について、関係者の皆さんと協議を行いながら、できる限り早く御提案したいと思っています。

 次に、このワンヘルスに関して、新しい取り組みを2つスタートします。県では、人と動物の健康、環境の健全性、この3つを一体として捉えるワンヘルスを推進していますが、これには県民の皆さん、事業者の皆さんにワンヘルスの考え方を理解していただき、そして実践、実際の行動に移していただくことが肝要です。

 県民の皆さんは、「ワンヘルスって何?」あるいは「どんなことをやっているの?」といった疑問を持たれていると思います。こういった県民の皆さんの疑問に答える、また、ワンヘルスの情報を分かりやすく提供するワンヘルスの推進ポータルサイトを今日開設したところです。

 このポータルサイトでは、ワンヘルスの考え方や県の施策、ワンヘルスに関するイベントの情報、生活の中でワンヘルスにつながる身近な取り組みや具体例、また、ワンヘルスに関する理解を進めていただくためのクイズコーナーを盛り込んでいます。ワンヘルスを知って、学んで、行動できる様々な情報を発信していきたいと思っています。ぜひ御活用いただきたいと思います。

 もう一つスタートする取り組みが、ワンヘルス宣言事業者登録制度です。事業者の皆さんによるワンヘルスの取り組みを推進するため、新たにこの登録制度を創設して、本日から募集を開始します。

 現在、新型コロナのパンデミックによって、私たちの生活、社会、経済は大きな打撃を受けています。今後、こうした感染症、パンデミックへの備えが、まさにワンヘルスであるわけです。将来にわたって我々の社会経済活動が維持、継続できる、こういった世の中であるためには、事業活動において、人と動物の健康と環境の健全性に配慮するワンヘルスに取り組んでいただくことが重要です。

 登録制度の対象は、県内に事業所などをお持ちの法人、団体、個人事業主の皆さんとしています。登録するための要件は、3つの宣言をしていただくことです。1つ目の宣言は、ワンヘルスに賛同することを明らかにしていただくことです。2つ目の宣言は、ワンヘルスに関する活動を行っていただくことです。

活動とは、例えば病院でしたら、病院の待合室などにポスターを掲示していただくなど、人獣共通感染症に関しての啓発を行っていただく。

薬局では、処方された抗生物質はきちんと用法、容量を守って飲みきっていただく。こういったことによって、抗生物質が効かない細菌の発生を減らすことができるわけです。いわゆる薬剤耐性菌対策に関して、薬局でも啓発していただく。

事業所の皆さんは、電気やガソリンの使用量の削減や、植樹など緑化を増やす活動といった地球温暖化対策、あるいは県産のジビエを活用した料理を提供していただく、プラスチックごみを削減してもらう、食品ロスを減らすといった活動を、1つ以上行っていただければよろしいということです。

 3つ目の宣言ですが、今、2つ目の宣言で申し上げた活動を、自らの会社、事業所のホームページやSNSなどで、対外的に発信をしていただくことです。3つ全てを宣言していただくことが登録の要件です。

登録の申請は、ポータルサイトからのウェブ申請と郵送による申請、いずれも受け付けます。登録された事業者、団体には、ワンヘルス宣言事業者登録証をお送りします。

ワンヘルス宣言事業者登録証はこういったものです。これを事業所に掲示していただければと思っています。

 御登録いただきますと、県のポータルサイトでPRします。また、県の制度融資である、福岡県政推進サポート資金の活用ができるといったメリットがあります。そのほか先進的なワンヘルスの活動をされた事業者や団体、あるいはワンヘルスの取り組みを広げる活動をされた事業者、団体に対しては表彰を行うことも考えています。

 この登録制度によって、事業者、団体におけるワンヘルスの取り組みが広がり、さらに社員の皆さんの御家族、友人、あるいは地域や取引先へと、このワンヘルスの取り組みの輪が広がっていくことを期待しているところです。ぜひ、多くの事業者、団体の皆さんの御登録をよろしくお願いします。

 次に、本日2つ目の発表事項。県産の米粉を使用した新商品の開発支援を行うことについてです。

 国内の小麦は、国内需要の9割を輸入に頼っています。しかし、ウクライナ問題や円安によって価格が高騰し、供給についても不安が広がっており、食料安全保障の重要性が増しています。

 県としては、県民の皆さんへの食料の安定供給体制を強化するための取り組みの1つとして、輸入小麦の代替となる米粉用米の生産拡大によって、食料生産の基礎となる農地を維持、活用していきたいと考えています。こういったことから、今回この事業に取り組むこととしました。

 米の消費の減少、これは皆さん御存じのとおり続いています。そういったことから、主食用米の需給調整が行われているわけですが、水田、田んぼは、3年も作らなければ地力が落ちて、もう使えなくなってしまいます。米粉用米は、大豆などと同様に主食用米からの転作作物として位置づけられています。つまり、この需給調整の対象外です。米粉用米を生産することで農地の維持、活用が図られ、耕作放棄地の防止にもつながり、本県農業の持続的発展につながります。

 我々はこの点に着目して、6月補正予算の物価高騰対策において、明日につながる政策として、県産米粉の利用拡大のため、県内の食品製造事業者などによる県産米粉を使った新商品の開発、販売を支援することとしたわけです。つまり、出口を広げていこうということです。

 今日、8月10日水曜日から9月16日金曜日まで、この新商品の企画を募集します。

この審査は2段階で行います。まずは書類審査です。企画力、新規性に優れた20の事業者を選定します。選定された事業者の皆さんには、試作品の開発にかかる経費を、200万円を上限に助成します。補助率は10分の10とありますが、要するに200万円かかったら200万円助成するということです。

 それから、12月には試食などを行って最終審査を行い、味、品質が特に優れた3事業者に対して、ラベルデザインの作成や、広告、宣伝といった、販売をスタートさせるまでにかかる経費の2分の1を助成します。上限は500万円です。

 こういった審査、助成を基にいろんな取り組みを進めていただき、来年4月以降、新商品の販売をスタートしていただくこととなります。

 この米粉ですが、御存じのように、グルテンフリーです。つまり、小麦アレルギーの方でも安心して食べられる。また、小麦に比べて油を吸いにくい特徴があり、料理も非常にヘルシーに仕上がる。そして消化もいい。多くの魅力を持っています。

 現在、この米粉を使ったお菓子やパン、麺など、様々な商品が作られていますが、今回のこの事業によって、事業者の皆さんには新たな発想で。例えば、食品でなくてもいいわけです。プラスチックの代替品を米粉を使ってやってみようとか、そういうことも考えられると思います。こういう新たな発想で、これまでにない米粉の可能性を広げるような新商品の開発に取り組んでいただきたい。そして、先ほど申したような目標、目的を持って、米粉の利用拡大を図ってまいります。ぜひ、多くの事業者の皆さんの御応募をお待ちしています。

発表事項の3つ目、福岡県マインクラフトコンテストです。

本県では、移住、定住の裾野の拡大につながる、関係人口の創出、拡大を目指しています。本県のみならず他県もそうですが、移住をされた方や、これから移住を検討されている方の年代層を見ると、多くは30代から40代の方です。将来の移住者の裾野を広げていくためには、こういう若い世代の皆さんへのアプローチが必要であると考えました。

このため、新たに、国内外の若者世代に圧倒的に認知度が高いゲームであるマインクラフトを活用して、このゲーム上に福岡県内の観光施設などを再現していただくコンテストを開催するものです。

 この事業は、20代の若手職員の提案を生かしてつくり上げたもので、これまでにないユニークな取り組みであると自負しています。

 本日は、発案者の職員も同席しておりますので、紹介いたします。

 

(政策支援課)本事業を担当しております、政策支援課、20代の若手職員の園田といいます。

 本事業は、先ほど知事から説明があったとおり、若い世代に福岡県に関心を持ってもらうために、企画したものになります。

 このスライドは、福岡県庁をマインクラフトで制作したものです。マインクラフトとは、3Dの立方体のブロックで構成された「ワールド」と呼ばれる仮想空間の中で、ブロックを組み合わせることで、このように建物をつくったり、仮想空間の中をロールプレイングゲームのように冒険したりして遊ぶことができるゲームとなっています。とても自由度が高いゲームということで知られています。

 マインクラフトは、スマートフォンやパソコン、家庭用ゲーム機などで遊ぶことができ、若い世代を中心に世界中にたくさんのユーザーがいるゲームとなっています。

 私も実はマインクラフトをプレイしているユーザーの1人でして、昨年夏頃に県庁の職場仲間数名で、県内のある建造物をつくっていったところ、思った以上にハイクオリティーなものが完成しました。こういった体験をきっかけに、県内の有名な建築物を制作して、マインクラフトの仮想空間に福岡県を再現したら面白いのではないか、福岡県に関心を持ってもらえるきっかけになるのではないかと考え、今回、企画しました。

 マインクラフトをプレイしている方であれば、どなたでも参加できるものになっているので、ぜひ多くの方に御参加いただければと思っています。

 

(知事)このように、若手職員の発想、提案を生かした事業です。本県では、昨年度も事務事業の見直しについて、若手職員の皆さんの提案を受け付け、二千数百件の提案をいただいたところですが、これからもこういった政策、事業に向けて、若い職員の皆さんのアイデア、発想を大いに生かしていきたいと思っています。

 このコンテストですが、今も園田君からお話があったように、全国の多くの方に本県の魅力を伝えていきたいと思います。

コンテストは3つの部門に分けて実施します。課題部門、政策部門、自由部門の3つです。

 課題部門は、関門海峡ミュージアムや小倉城といった県内各地域の特徴的な建造物、公共施設、文化財など、18の建築物を挙げております。この18の建築物の中で、任意に選んで再現していただきます。

 2つ目は政策部門ですが、本県では、四王寺県民の森を「ワンヘルスの森」と位置付けて、これから整備をしていき、県民の皆さんに森林浴など、いろんなことで親しんでいただこうと思っています。この四王寺県民の森での取り組みといったワンヘルスの推進を政策部門のテーマとします。

事務局において、四王寺県民の森を模した仮想空間を、既にマインクラフトで制作しております。ここを舞台に、人や動物の共存、あるいは環境保護といったワンヘルスの取り組みを表現していただきたいと思っています。

 3つ目は自由部門です。これは、歴史上の建造物や未来の福岡の姿。あるいは、福岡の名物、あまおうなどの特産品。こういった福岡県にまつわる自由な作品を制作していただきます。

 これら3つの部門でコンテストを行いますが、作品を制作していただくために、全国の皆さんが、我が福岡県のことを調べていただくことになると思います。このことが福岡県に対する興味、関心の入り口、きっかけになると考えています。

応募は8月17日から10月31日までです。日本全国どなたでも参加いただけます。ぜひ、たくさんの皆さんに応募していただきたいと思います。

 審査ですが、マインクラフトのプレーヤーに人気のある2名のゲスト、タツナミシュウイチさんとドズルさんを中心に審査員を構成して行いたいと思います。

優秀作品の発表は、11月下旬を予定しています。優秀作品として選ばれた方には、福岡県の特産品を賞品としてプレゼントしたいと思っています。

コンテストの終了後には、優秀作品等を活用して福岡県内の福岡、北九州、筑豊、筑後の4ブロックをマインクラフトで表現した「福岡ワールド」を制作します。福岡ワールドでは、プレーヤーの皆さんにアバターでワールド内を散策してもらう仕掛けを用意しています。ゲーム上で福岡県の雰囲気を味わってもらい、実際に訪れてみようという関心につなげていきたいと思っています。ぜひ、奮って御応募ください。

 

 発表事項は以上ですが、最後に、私から新型コロナについて、呼びかけをさせていただきます。

 今週、お盆を迎えます。久しぶりにおじいちゃんやおばあちゃん、お孫さんあるいは友達と会う機会も増えます。重症化リスクの高い高齢者の皆さん、あるいは基礎疾患をお持ちの方など大切な人の命を守るために、改めて感染防止対策を徹底していただきたい。

 まず、感染するとリスクの高い方と会う前には、今、博多駅、小倉駅、福岡空港、北九州空港などで、県の無料検査を実施しています。ぜひ、この無料検査を活用していただき、陰性を確認してからお会いいただきたい。

 また、高齢者と会われるとき、御一緒の時間は、家の中でもマスクを着用していただき、小まめに換気もお願いします。より一層の感染防止対策をお願いします。オミクロン株の感染力の強さに改めて注意をしていただき、大切な方の命と健康を守る、慎重な行動をお願いしたいと思います。

 また、高齢者の皆さんも、自身の命を守るために早めのワクチンの4回目接種をお願いします。そして、外出されるとき、友人など、人と会われるときは、行き先の混雑状況や感染防止対策を十分確認していただき、混雑している時間は避けていただきたいと思います。マスクを着用いただく、手指の消毒を徹底していただく、三密を避ける、そして換気が重要です。基本的感染防止対策を徹底して、十分気をつけてください。

 また、高齢者と日常的に接していらっしゃる方、お仕事で接していらっしゃる方もいます。そういう皆さんは感染リスクの高い行動を控え、慎重な行動をお願いします。

 県の医療提供体制については、コロナ病床を、8月2日以降、さらに41床増床しました。今日段階で1,826床となっています。病床の確保を進めていますが、同時に陽性判明時のトリアージについても、現場において徹底を図っているところで、医療提供体制、病床の逼迫を招かないように取り組みを進めています。

 また、入院調整本部からのお願いです。入院加療が必要ない方でも、コロナへの不安を理由に入院したいと申し出られる方が増えています。

しかし、コロナ対応病床は1,826床と限りがあります。本当に入院して治療を受ける必要がある方が入院できる状態を維持していくため、そういった方々の命を守るために、入院の必要性の判断は、医師の判断に従っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

質疑応答

(毎日新聞)ワンヘルスの登録制度ですが、そのメリットの中に、ふくおか県政推進サポート資金が活用できるということがありましたが、これはどういった内容か、もう少し詳しく教えていただけますか。

(ワンヘルス総合推進室)県の制度融資です。県のいろんな施策に参画する中小企業を対象とした低利の融資制度があります。

具体的には、融資限度額が1億円とか、融資利率がおおよそ1.5パーセントといったものです。

(毎日新聞)米粉の件についてです。審査は外部有識者を含め、審査会でするということですが、審査に当たってどういった方を重視されるかなど、基準があれば改めてお伺いできますか。

(知事)審査の基準ですが、まずは企画力、それから新規性に着目をして、審査を行うことになります。その上で、実際に試作品がつくられます。最終審査では、出来上がったものを味わってみる、使ってみる。そういったことで味とか品質がどうであるか、そこをしっかりと見ないと消費者の皆さんに受け入れていただけない、受注者の皆さまに使っていただけないことになりますので、そういった点をしっかりと審査をしていきたいと考えています。

(毎日新聞)マインクラフトですが、こういった同種の取り組みは、ほかの都道府県の自治体ではあるんでしょうか。

(政策支援課)マインクラフトの特徴を生かし、それを関連人口の創出や拡大に生かしていこうという目的でマインクラフトを活用した事業は、調べた限りでは、ほかにはないと理解しています。

(毎日新聞)当然、コンテストもほかにはないですね。

(政策支援課)はい、ありません。

(知事)非常に斬新な、若いアイデアを出していただいたと思って感謝しています。

 

(NHK)新型コロナですけれども、現在の感染状況についてどのように受け止められているか、また、今後の見通しについてお尋ねしたい。それを踏まえて、改めて県として、どのような対策で感染を抑え込んでいきたいか、お願いします。

(知事)今、新規陽性者数は、5日間連続して前の週の同一曜日を下回っている状況です。一部では、ピークアウトという言葉も聞こえています。しかし、感染者の実数を見ますと、連日1万人前後の非常に高い水準が続いており、一番重要な医療提供体制、病床の状況も7割以上で推移を続けており、医療への負荷も高い状況が続いていると認識しています。

 今後の見通しですが、お盆で普段会わない方と会う機会、会食をする機会等も増えています。それに伴い、感染がまた広がるのではないかという懸念もあります。楽観は許されない。引き続き強い警戒感を持って対応しなければならないと考えています。

 これに対する感染防止対策として、命のリスクに直結する感染を防ぎ、高齢者など重症化リスクが高い方を守るという取り組みを中心に、検査、医療提供の体制を充実、強化しているところです。そして、県民、事業者の皆さまには、改めて基本的な感染防止対策を確認して、徹底をしていただくことをお願いしたいと思っています。

 

(西日本新聞)旧統一教会と政治とのつながりがクローズアップされています。服部知事の選挙とか政治活動の中で、これまでそういった関係団体などとつながりがあるようなことがあるのかないのか、お伺いしたいと思います。

(知事)私は政治の世界に入ってまだ1年ちょっとですが、確かに選挙も経験しました。そういった中で、私から旧統一教会及びその関連団体に対してメッセージを送るとか、イベント、会合等に出席するといったことはありません。

 また、昨年の知事選挙に際しましても、支援を受けることはありません。

(西日本新聞)今、熊本とか長崎とかで関係団体、関連団体のイベントに、県とか自治体が後援していたことが明らかになったりしていますけれども、福岡県としては、何かそういう後援をした事例があったかなど、調査したのですか。

(知事)我々も調査をしました。調査は、宗教法人または宗教活動を行っている団体の中でも、旧統一教会を含む社会的な問題を引き起こしていると指摘をされている団体に対して、県が表彰をしたり、あるいは補助金を交付したり、後援名義を与えたりといった実績はないかということについて調査を行いました。

 文書の保存期間に合わせ、過去5年遡って全庁的に調査を行いましたが、調査の結果、こういった事例は確認されませんでした。

(西日本新聞)関連団体と思われるところから後援依頼などがあって、県として断った事例とかもあったりしたのですか。

(知事)結局お断りしたことまでは分かりませんが、少なくとも県として、そういうことを行った事例はないということでございます。

 

(KBC)お盆期間に入りまして、無料検査キット配布の事業も始まりましたけれども、発熱外来の逼迫を避けるような取り組み、県民への呼びかけがあれば教えてください。

(知事)発熱外来の混雑、逼迫が続いています。特に休日の混雑がひどいということで、これまで73の医療機関が休日も対応していただいていたのですが、それでは対応できない。具合が悪くなると診てほしいということがあります。そして、これからお盆もあります。

お盆、夏休みの期間の8月末まで、休日にも診療を行っていただくように協力金を準備して、呼びかけをしました。そうして、172の医療機関がこれに応じてくださいまして、結果、245の医療機関で休日の診療を行っていただくことになりました。

同時に、県民の皆さんには、検査目的で発熱外来にいらっしゃる方もいます。これが悪いとは申しませんが、子どもさんとか高齢者の皆さんが、平日、休日を問わず診察をなかなか受けられない状況が生じています。これを避けるために我々は、抗原定性検査キットをネットを通じてお申し込みいただければ、2日後にお手元に届き、検査をしていただいて、県のセンターに報告いただければその後の健康観察等を対応させていただくという仕組みをつくっていますので、ぜひこれを活用いただきたいと思っています。

 これは40代未満の方で、特に基礎疾患等をお持ちでない方が対象です。

 

(KBC)休日に協力してくれる医療機関、医療従事者の方々も大変疲弊されていると思いますけど、そういう方への思いがありましたら、お聞かせいただけますでしょうか。

(知事)色々なお医者様や看護士の方からお話をお伺いしました。人の命を守る。また、特に高齢者の皆さんなど、感染されて非常に不安に思っていらっしゃる方も多い。そういった方々の不安を取り除くためにも、しっかりと見てあげたいという強い気持ちを持って対応していただいています。本当に心から感謝を申し上げたいと思います。

我々もできる限りの取り組み、努力を行って、そういった発熱外来等、医療機関の負担を減らしていく取り組みはしっかりやってまいりますので、引き続きの御協力を、御尽力をよろしくお願い申し上げます。

 

(RKB)新型コロナの関連ですが、BA.5対策強化宣言を福岡県は出さなかったと思います。その理由として、先日、県議会がハワイへレセプションに行かれていたと思いますが、そのハワイ出張に配慮したのが宣言を出さなかった理由ではないかという指摘が一部ではあって、その経緯について、知事としての認識をお聞かせ願えれば。

(知事)県議会もハワイ州議会と友好提携を結んでおられて、そのような関係もあって、ハワイ州を訪問されたことは承知しています。それは、県議会として、取り組みについての必要性を御判断されて実施されたものと承知しています。そのことと、BA.5対策強化宣言とは全く関係ございません。

 BA.5対策強化宣言については、国が対策宣言なるものを発表される、それ以前の7月22日に、県として最高レベルの警報である「福岡コロナ特別警報」を発動していました。国も、既に各都道府県が独自の警報等を発している場合は、改めての宣言の必要はないと明記しています。本県との協議を踏まえて、国も認知されたものと思います。

我々としては、改めてこの宣言をする必要はないと考え、宣言は行わなかった。しかし、国としては、宣言をするのと同等の効果があるものとみなされているわけですので、福岡県は対策強化地域に指定されています。

それが対策強化宣言を行わなかった理由と、国との関係についてです。最初の御質問の、県議会の出張とは全く関係はありません。

(RKB)つまり知事としては、ハワイ出張は県議会の判断として行かれたものと、そういう認識。

(知事)県議会としての御判断でされたことです。

 

(RKB)8月の終戦(記念日)の関連ですが、福岡空港の板付基地に関して、その返還から今年で50年の節目を迎えると思います。空港内の基地の移転費用を負担する一方で、県は板付基地の返還促進協議会のメンバーでもあると認識しています。その中で、費用を負担する一方で返還を要求している、この県の状況について考え方を教えてもらえますでしょうか。

(知事)福岡空港について皆さんにもう一度思い出していただくと、コロナ前は、福岡空港は、特に朝と夕方の遅れが常態化していました。そして1本の滑走路では、もはや新しい地域からの路線、新規路線の乗り入れがほぼできない窮屈な状況で、これは地域の発展にとって大きなマイナスでありました。つまり、福岡空港の容量の拡大は、喫緊の課題であったわけです。

我々としても国に強く要望を行い、滑走路の増設事業を認めていただき、現在それを着実に進展させています。この事業に要する経費は、空港法の規定に基づき、その3分の1を福岡県と福岡市が負担する。その3分の1を県と市で、県6、市4の割合で負担しています。これは法の規定に基づく直轄負担金です。

 米軍施設については、この滑走路増設工事を進める上で、誘導路に米軍施設の倉庫がちょうど引っかかるということで、セットバックをしていただく必要があります。つまり、工事実施上の支障物件であることから移転が必要であり、国が移転経費を事業費に含んで計上しています。その一部を、結局、全体の工事費の中で県、市が負担をしていることになります。

 一方で、板付基地の返還の問題は国家国民の安全保障に関わる問題でして、国が適切に対応されるべきものと考えています。しかし、県としても、これは昭和30年からですが、県民生活と空港の安全確保のため返還促進協議会に加わり、福岡市とともに、国に対し基地の返還を粘り強く求めているわけです。毎年、外務省、防衛省、在日アメリカ大使館、在日米軍等に対して要望を行っています。

 このように、それぞれに必要性があり、また重要な課題に取り組んでいるものですので、これが矛盾しているとは考えていません。

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