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全国初!農業用廃プラスチックをアスファルト舗装の材料に! ~新技術でリサイクルコストの削減とCO2排出量削減~
国内で年間約8.7万トン発生する農業用廃プラスチック(※)は、これまでは、洗浄後にリサイクルするか、熱利用や焼却処理されていました。
この農業用廃プラスチックを有効利用するため、(株)成田美装センターは、令和2年度から(公財)福岡県リサイクル総合研究事業化センターの支援のもと、大牟田市、福岡大学等と、アスファルト舗装材料として用いる実証試験を行い、新たなリサイクル技術を確立しました。
この新技術により、従来のアスファルト舗装と比べて、耐久性指標が約2倍向上することが確認されました。また、焼却処理・洗浄工程が不要となったため、従来のリサイクルに比べ、コスト削減とCO2排出量削減が期待されます。今後、本格的な実用化に向け、研究や実証試験を重ねてまいります。
※ 農業利用後のプラスチック。本研究ではビニールハウス用ビニール及び雑草防止等に利用するマルチング材を指す。材質はポリエチレン。土や泥が付着し、リサイクルを阻害。
農業用廃プラスチック添加アスファルトの舗装利用研究プロジェクトの概要
○研究の目的
農業用廃プラスチックをアスファルト舗装材料製造時の添加材料として利用することで、廃プラスチックのリサイクルを推進する。本研究では、廃プラスチックの添加方法の検討や、製造したアスファルト舗装材料の施工性や耐久性等を確認し、実用化を目指す。
○研究チームと主な役割
(株)成田美装センター |
(研究代表者)農業用廃プラスチックの添加技術の研究 |
大牟田市 |
実証試験地の提供 |
学校法人福岡大学 |
アスファルト舗装材料の性能評価(物性評価試験) |
三井住建道路(株) 大牟田合材工場 |
道路施工 |
久留米アスコン(株) |
施工道路の性能評価(たわみ試験など) |
(有)青峰産業 |
試料調製及び施工に関する技術支援 |
○成果
・農業用廃プラスチックの添加により、アスファルト舗装材料の耐久性指標が約2倍向上することを確認。
・大牟田エコタウン内の市道及び大牟田市エコサンクセンター内の駐車場にて試験施工。試験施工から1年間経過後も、大きなわだち掘れ(道路のタイヤが走行する部分に溝状の凹みができる現象)は見られず、従来のアスファルト舗装と同等の性能を維持していることを確認。また、施工時の作業性(臭気等)も従来のアスファルト舗装と同等であることを確認。