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福岡県保健医療計画(第8次)を策定しました
福岡県保健医療計画の策定について
〇 県では、県民が生涯を通じて心身ともに健康に生活できるための医療提供体制の整備を目指して、昭和63年に保健医療計画を策定し、定期的に見直しを行ってきました。今回の計画見直しにおいても、国の定める基本方針を踏まえ、医療提供者、学識経験者等が参画する医療審議会(計画部会)等で協議を重ね、計画を策定しました。
〇 保健医療計画は、医療施設相互の機能連携を促進し、地域の体系的な医療提供体制の整備を行うことを目的とするものです。今回の計画では、以下の主な取り組みについて、医療機関の機能分担、連携体制や数値目標等を示しています。また、新たに、令和6年4月から適用される医師の働き方改革を踏まえ、タスク・シフト/シェアの推進や、チーム医療の推進に向けた人材確保等について記載したほか、「福岡県ワンヘルス推進基本条例」に掲げる施策等も記載しています。
1 基本理念
全ての県民が生涯を通じて心身ともに健康で生活できるよう、いつでも、どこでも、安心して必要な保健医療サービスを受けることができる体制整備
2 策定根拠及び計画期間
根拠法令:医療法第30条の4第1項
計画期間:令和6年度から令和11年度までの6年間(中間年で見直し予定)
3 主な取り組みと目標
○5疾病
疾病 |
主な取り組み |
主な数値目標(平成35年度) |
・がん |
・がん検診の受診勧奨、働きながらがん治療を受けられる環境の整備 ・地域医療連携の推進などがん医療の充実、均てん化 |
検診受診率:60%以上 〔現状値(R4)〕 胃がん(40.4)、肺がん(44.4)、大腸がん(42.1) 等 |
・脳卒中 ・心筋梗塞 等の心血 管疾患 ・糖尿病 |
・健診の必要性の更なる普及啓発 ・保健指導者育成のための研修等による予防の強化 |
特定健康診査実施率 51.9%(R4)→ 70%以上 特定保健指導実施率 26.0%(R4)→ 45%以上 |
・精神疾患 |
・うつ病、認知症等多様な精神疾患に対応した医療体制の構築 ・精神疾患患者の地域移行・地域定着支援の推進 |
入院後3か月時点の退院率 60.8%(R元)→ 69%以上 |
○6事業・在宅医療
事業等 |
主な取組み |
主な数値目標(平成35年度) |
・救急医療 |
・救命救急士への研修等メディカルコントロールの充実 ・救急医療機関の適正受診のほか、救急車の適正利用の啓発 ・とびうめネット登録患者数の拡大への支援 |
救急搬送における医療機関までの収容平均所要時間 37.9分(R4:全国7位) → 全国1位 |
・災害時における医療 |
・災害拠点病院の耐震化のほか施設・設備整備への支援 ・DMAT等の医療チーム体制の充実や、災害医療コーディネート体制の構築 |
災害拠点病院の耐震化率 96.9%(R4)→ 100% EMIS(※)の施設情報の入力率 50.0%(R4)→ 100% ※ 国の「広域災害・救急医療情報システム」 |
・新興感染症発生・まん延時における医療等(※) | ・新興感染症に係る医療を提供する体制の確保 |
入院病床数 流行初期350床(うち重症80床) 初期以降2,000床(うち重症200床) |
・へき地医 療 |
・へき地医療拠点病院が行う代診医派遣等の事業への支援 ・自治医科大学卒業医師の派遣 |
へき地医療拠点病院の数 11病院(R4)→ 11病院 |
・周産期医 療 |
・分娩施設の少ない医療圏における施設・設備整備への支援 ・高度周産期、地域の医療機関との役割分担・連携の促進 |
分娩施設が確保されている二次医療圏数 13医療圏(R4) → 13医療圏 |
・小児医療 (小児救急を含む) |
・小児救命救急センター運営費への支援 ・救急時の適切な受療行動の啓発等(ガイドブック配付、小児救急医療電話相談事業(#8000)) |
小児死亡率(小児人口千人対) 0.19(R4:全国平均0.18) → 全国平均以下 |
・在宅医療 |
・同行訪問研修、多職種連携等の推進による在宅看取り体制の構築 ・患者急変時の対応について、地域の在宅医療機関及び消防関係者の連携強化 |
訪問診療を受けた患者数 43,058人/月(R5) → 53,017人/月 |
(※)国指針により今回の第8次計画から新たに追加
4 二次保健医療圏の設定と基準病床
○ 二次保健医療圏は現行の13医療圏を維持する。
○ 基準病床数は次のとおり
〈一般病床及び療養病床〉
医療圏 | 基準病床数 | 既存病床数 |
福岡・糸島 | 18,080 | 18,802 |
粕 屋 | 2,586 | 3,296 |
宗 像 | 1,151 | 1,573 |
筑 紫 | 3,277 | 3,661 |
朝倉 | 693 | 948 |
久留米 | 5,501 | 7,012 |
八女・筑後 | 1,537 | 1,898 |
有 明 | 2,145 | 3,866 |
飯 塚 | 2,305 | 2,845 |
直方・鞍手 | 731 | 1,193 |
田川 | 952 | 1,330 |
北九州 | 11,511 | 15,931 |
京築 | 1,442 | 1,580 |
合 計 | 51,911 | 63,935 |
〈精神病床〉
医療圏 | 基準病床数 | 既存病床数 |
全 域 | 17,040 | 20,625 |
〈結核病床〉
医療圏 | 基準病床数 | 既存病床数 |
全 域 | 105 | 209 |
〈感染症病床〉
医療圏 | 基準病床数 | 既存病床数 |
全 域 | 66 | 66 |
(既存病床数は令和5年11月1日現在)
※二次保健医療圏とは 高度あるいは特殊な医療を除く入院医療を主体とした一般の医療需要に対応し、医療機関相互の機能分担と連携に基づく包括的な保健医療サービスを県民に提供していくための基礎となる圏域。 |
※基準病床数とは 病院及び診療所の病床について、どの地域でも一定水準の入院医療体制を確保することを目的として、医療法の規定に基づき定めるもので、全国統一の算定式により算定する。既存病床数が基準病床数を超える地域(病床過剰地域)では、原則、病院開設や増床が許可されないことになっている。 |
