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てんかん対策について
1 てんかんとは
てんかんとは、脳の神経細胞が異常発火を起こすことで、反復性の発作(てんかん発作)を引き起こす神経障害の一種です。てんかん発作は、全身を震わせる全身けいれん(痙攣)以外にも、意識障害、自動運動、感覚異常、精神症状など、さまざまな症状を引き起こすことがあります。
原因
てんかんの原因には、先天性の脳の異常、外傷、脳腫瘍、脳卒中、感染症、代謝異常、免疫性などがあります。例えば脳腫瘍など外科手術で取り除ける原因であれば、それらに対する治療を行うことで、てんかん自体が改善する可能性があり、原因を特定することは非常に重要です。一方で、半数以上で原因は特定されない、もしくは原因が特定されても玄以を取り除くことが出来ないため、多くの方はてんかんに対する治療を行う必要があります。
症状
「てんかん発作」には様々な種類があり、異常な電気活動を起こしている脳の部位に対応した様々な症状が出現します。「てんかん発作」は、ほとんどの場合数秒~数分間で終わりますが、時には数時間以上続くてんかん重積状態も起こります。
例えば「全般性強直間代発作」では多くの場合、意識がなくなり、全身が硬くなった後(強直相)、全身をガクガクとさせます(間代相)。症状が軽い場合には、一方の腕や顔の一部だけが数秒間だけ固くなるだけの方もいます。また、突然反応がなくなり数秒間だけ宙をみつめるのが発作の症状の方では、転倒したりけいれんしたりすることもなく、他者からは気づかれないかもしれません。
発作の前に決まって何かの臭いを感じるなど、何らかの感覚でこれから発作の起こることがわかる方もいます。こうした前触れの症状は「前兆」と呼ばれます。
2 福岡県てんかん支援拠点病院
福岡県では、国の「てんかん地域診療連携体制整備事業」に基づき、国立大学法人九州大学をてんかん支援拠点病院として指定しました。てんかん支援拠点病院を中心として、てんかん患者を適切な診療につなげるための各診療科・各医療機関との連携を強化するほか、医療機関等の職員の専門性を高めるための研修や、てんかんへの正しい理解を深めるための情報発信等を実施することにより、県内におけるてんかん診療連携体制の整備を進めてまいります。
指定医療機関
国立大学法人九州大学
指定日
令和5年1月23日
業務内容
てんかん支援拠点病院は、主に以下に掲げる業務を実施します。
1、てんかん患者及びその家族への専門的な相談支援・治療
2、県内の医療機関等への助言・指導
3、関係機関(精神保健福祉センター、県内の医療機関、保健福祉(環境)事務所、市町村等)との連携
4、医療従事者、関係機関職員、てんかん患者及びその家族等への研修の実施
5、てんかん患者及びその家族、地域住民等への普及活動
6、てんかん治療医療連携協議会の運営 ほか