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医薬品ボトル回収・再資源化実証事業について
「プラスチック資源循環促進法」が本年4月に施行され、プラスチックの使用の削減・合理化や再資源化などの資源循環に向けた取組が求められています。
こうした取組を推進するため、県と(公財)福岡県リサイクル総合研究事業化センターは、(公社)福岡県薬剤師会及び大日本印刷株式会社と協同して、全国に先駆けて、薬局で使用後に廃棄されている医薬品ボトルを回収し、再資源化する実証事業を実施しました。
医薬品ボトルは、薬局や病院で高齢者用の錠剤の一包化に伴い使用量が増加しています。使用済のボトルは、良質なプラスチックが使用されており、汚れも少なく再資源化に適しています。ですが、回収ルートがないこと、ラベルが付着していることなどから、焼却処理されていたため、医薬品ボトルの資源循環の促進に取り組みました。
使用済医薬品ボトル
実証事業の概要
実施体制
福岡県リサイクル総合研究事業化センターが実証の全体運営を行い、福岡県薬剤師会の協力の下、令和4年10月から令和6年9月まで一部地区の会員薬局から医薬品ボトルを回収しました。
また、再資源化では大日本印刷株式会社の、ボトル回収では医薬品卸売業者の協力を得ながら事業を実施しました。
医薬品ボトルの回収スキーム
福岡県薬剤師会の協力の下、以下の回収スキームで、5つの地区薬剤師会の会員薬局においてボトルの回収を行いました。
地区薬剤師会 |
福岡市薬剤師会 |
筑紫薬剤師会 |
久留米三井薬剤師会 |
八幡薬剤師会 |
小倉薬剤師会 |
回収対象地域 | 福岡市東区、博多区 | 筑紫野市、春日市、 大野城市、太宰府市、那珂川市 | 久留米市、小郡市 | 北九州市八幡東区・八幡西区 | 北九州市小倉北区・小倉南区 |
回収開始時期 |
東区 令和4年10月~ 博多区 令和5年10月~ |
令和5年10月~ |
令和4年10月~ | 令和4年10月~ | 令和5年10月~ |
回収量 (令和4年10月~) |
約1,709Kg |
※回収は、本実証事業に参加している薬局でのみ実施しています。
リサイクル製品の制作
大日本印刷株式会社の協力の下、医薬品ボトルをリサイクルした「お薬手帳カバー」と「お薬ボックス」を製作しました。
これらの製品は、本実証事業に参加している薬局の一部において、希望する利用者に配布しました。
お薬手帳カバー
お薬ボックス
「プラスチック製医薬品ボトルのリサイクルに向けた環境配慮設計ガイド(最終案)」の作成
本実証事業により得た知見を活かして、剥がせるラベルの使用など、リサイクルしやすい医薬品ボトルの設計案などをまとめた「プラスチック製医薬品ボトルのリサイクルに向けた環境配慮設計ガイド(最終案)」を大日本印刷株式会社の協力のもと作成しました。
医薬品ボトル製造業者や医薬品業界等における医薬品ボトルのリサイクルに向けた取組の一助となることを期待しています。