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こどもの夏かぜに注意しましょう
夏かぜとは
夏にこどもを中心に患者数が増える感染症の総称で、以下に示す感染症が主なものです。
例年、5~6月に流行が始まり、7~8月にピークを迎えますが、新型コロナの発生以降、流行時期が変化しています。
夏かぜの感染経路
●飛沫感染
患者のくしゃみや咳に含まれるウイルスを吸い込むことによって感染します。
●経口感染・接触感染
水疱の内容物や便に排出されたウイルスが手指やタオル等を介して、口や目に入ることで感染します。
夏かぜの治療
特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。
夏かぜの感染を予防するためには
● 手指は石けんと流水でよく洗う
これらのウイルスはアルコール消毒が効きにくいため、石けんと流水で手を洗いましょう。
症状がおさまった後も2~4週間程度は、便などにウイルスが排出されています。
普段からトイレの後、おむつ交換の後にはしっかりと手洗いをすることが大切です。
● タオルの共用はしない
タオル等からの接触感染によりひろがります。
症状がある場合には、自宅でもタオルなどを共用しないよう注意しましょう。
● 咳エチケットに努める
症状がある場合はマスクを着用するなど咳エチケットに努めましょう。
咽頭結膜熱の症状
アデノウイルスに感染することで、発熱(38~39度)、のどの痛みや結膜炎などの症状をともなう、小児に多い病気です。かつてはプール利用時の接触やタオルの貸し借り等で流行することがあったため、俗称として「プール熱」と呼ばれていました。咽頭結膜熱は学校保健安全法上の学校感染症の一つで、主要症状がなくなった後、2日を経過するまで登校禁止となります。
手足口病の症状
コクサッキーウイルスやエンテロウイルス等に感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背(足の甲)などに2~3mmの水疱を伴う複数の発疹が現れます。発熱もみられますが、38℃以下のことが多く高熱が続くことは通常はありません。ほとんどの発病者は、3~7日のうちに治ります。
まれに、髄膜炎、脳炎などの中枢神経系の合併症のほか、心筋炎、急性弛緩性麻痺など、重篤な合併症を伴うことがあります。また、手足口病の典型的な症状はみられずに重症化することもありますので、注意が必要です。
ヘルパンギーナの症状
コクサッキーウイルスやエコーウイルス等に感染してから2~4日後に、突然の発熱に続いて、のどに痛みと水疱が現れます。発熱は1~3日続き、食欲不振、全身のだるさ、頭痛などを起こします。
一般的に経過は良好で、2~3日以内に回復しますが、合併症として、熱性けいれん、脱水症、小児ではまれに髄膜炎や心筋炎などが起こるため、注意が必要です。
啓発ツール
こどもの夏かぜに注意しましょう [PDFファイル/346KB](PDF)