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麻しん(はしか)に注意しましょう
県内での麻しん(はしか)の感染拡大が終息しました
本県では、8月4日に麻しん患者(今年4人目)が報告されて以降、9月6日までに18人の患者が発生・感染拡大がみられました。
9月6日に確認された患者を最後に、以降新たな患者は発生しておらず、その患者の最終接触者の発生から、4週間が経過したことから、国立感染症研究所の「麻疹発生時対応ガイドライン」に基づき、10月4日をもって、本県における今回の麻しんの感染拡大が終息したと判断しました。
麻しんとは
麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身性感染症です。
感染経路としては、空気感染(飛沫核感染)、飛沫感染、接触感染など様々な経路があります。
感染力は極めて強く、麻しんの免疫を持たない人が感染するとほぼ100%の確率で症状が現れ、一度感染して発症すると生涯免疫が持続するといわれています。
麻しんの症状
麻しんウイルスの感染後、10日から12日間の潜伏期ののち、発熱や咳などの症状で発症します。
38℃前後の発熱が2から4日間続き、倦怠感、上気道炎症状(咳、鼻水、くしゃみなど)、結膜炎症状(結膜充血、目やに、光をまぶしく感じるなど)が現れて次第に強くなります。
発疹が現れる1から2日前ごろに口の中の粘膜に1mm程度の白い小さな斑点(コプリック斑)が出現します。コプリック斑は麻しんに特徴的な症状ですが、発疹出現後2日目を過ぎるころまでに消えてしまいます。
コプリック斑出現後、体温は一旦下がりますが、再び高熱が出るとともに、赤い発疹が出現し全身に広がります。
発疹出現後3から4日で回復に向かい、合併症がない限り7から10日後には主症状は回復しますが、免疫力が低下するため、しばらくは他の感染症に罹ると重症になりやすく、体力などが戻って来るのに1か月くらいかかることも珍しくありません。
麻しんに伴って肺炎、中耳炎、脳炎などさまざまな合併症がみられることがあります。特に、脳炎は頻度は低い(1000人に1人)ものの死亡することがあり、注意が必要です。
福岡県と全国における麻しんの発生状況
年 | H28 | H29 | H30 | H31/R1 | R2 | R3 | R4 | R5 | R6 | R7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
福岡県 | 1 | 4 | 20 | 14 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 21※1 |
全国 | 165 | 186 | 279 | 744 | 10 | 6 | 6 | 28 | 45 | 228※2 |
※1 福岡県の令和7年は感染症発生動向調査第39週(9月22日~9月28日)までの速報値
※2 全国の令和7年は国の感染症発生動向調査38週(9月15日~9月21日)までの速報値
平成27年3月27日、世界保健機関西太平洋地域事務局により、日本が麻しんの排除状態にあることが認定されました。
令和2年から令和4年は新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴う国内外における人の往来制限から、年間届出数は6~10例と大きく減少しました。
令和5年以降は、国外における麻しん流行に伴い、国内でも海外からの麻しん輸入症例が増加している一方で、海外渡航歴のない麻しん症例も報告されています。
県民のみなさまへ ~感染予防と感染予防とまん延防止のために~
〇 麻しんは感染力がきわめて強い感染症です。感染すると10~12日(最大21日間)の潜伏期間の後に、発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。
〇 発熱、咳、発疹、鼻水、目の充血など麻しんに特徴的な症状が現れた場合は、医療機関に電話で連絡し、指示に従って受診してください。
〇 症状出現日の10から12日前(感染したと推定される日)の行動(海外の流行地や人が多く集まる場所へ行ったかどうか等)について、医療機関にお伝えください。
〇 受診の際には、公共交通機関等の利用は控えてください。
〇麻しん患者と接触した場合には、接触後3週間(21日間)注意が必要です。
〇麻しんは、手洗いやマスクのみでの予防はできませんが、予防接種を行うことによって、95%以上の人が免疫を獲得することができると言われています。予防接種は自分が感染しないためだけでなく、周りの人に感染を広げないためにも有効です。感染リスクを最小限に抑えるために、麻しんの定期予防接種(第1期:1歳以上2歳未満、第2期:5歳以上7歳未満の者であって小学校就学前の1年間)をまだ受けていない方は、かかりつけ医に相談し、早めに予防接種を受けましょう。
〇医療・教育関係者や海外渡航を計画されている方は、麻しんの罹患歴や予防接種歴を確認し、明らかでない場合は予防接種を検討してください。
海外での感染に気をつけましょう
■海外に行く前に
・麻しんの予防接種歴を母子手帳等で確認しましょう。
・定期接種を受けていない方は、予防接種を検討してください。
「麻しん(はしか)」は、世界で流行している感染症です。(出国前の注意事項) [PDFファイル/519KB]
■海外から帰国した後に
帰国後2週間程度は健康状態(特に、高い熱や全身の発しん、咳、鼻水、目の充血等の症状)に注意しましょう。
「麻しん(はしか)」は、世界で流行している感染症です。(帰国後の注意事項) [PDFファイル/519KB]
麻しんの予防
麻しんの予防には、予防接種が有効です。
麻しん(はしか)はワクチン接種が予防に有効です! [PDFファイル/355KB]
定期接種
1歳になったら1回、小学校入学の前にもう1回予防接種を受けましょう。
「生後12月から生後24月に至るまでの間にある方」及び「5歳以上7歳未満の方であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある方」は、予防接種法に基づく定期の予防接種を受けることができます。
※接種を希望される場合は、お住いの市町村の予防接種担当課にお問い合わせください。
任意接種
2回の定期接種を受けていない方で、今まで麻しんにかかったことが明らかでない方は予防接種を御検討ください。
上記定期接種の対象でない方も、予防接種法に基づかない任意の接種が可能です(費用は自己負担となります)。
予防接種を受けるかどうかは、本人(保護者)の判断によりますので、医療機関の医師に御相談ください。
生年月日 | 回数(※) |
---|---|
昭和47年(1972年)10月1日以前 | 0回 |
昭和47年(1972年)10月2日 ~ 平成2年(1990年)4月1日 | 1回 |
平成2年(1990年)4月2日以降 | 2回 |
※予防接種法に基づき定期接種を受けることが可能だった回数であり、実際の予防接種を受けた回数は母子手帳などを確認してください。
予防接種可能な医療機関は、「ふくおか医療情報ネット|公益財団法人福岡県メディカルセンター」(新しいウィンドウで開きます)で検索できます。
医療機関の方へ
麻しん患者を診断した場合は、最寄りの保健福祉(環境)事務所に直ちに届出をお願いします。
また、麻しんに関する特定感染症予防指針に基づき、ウイルス遺伝子検査を行うため、患者検体の提供に御協力をお願いします。
麻しんの予防接種の推奨の周知について
平成30年5月16日付け厚生労働省健康局結核感染症課長通知において、麻しんの排除を達成するため、医療関係者、児童福祉施設等の職員、学校等の職員等に対し、予防接種を推奨するよう依頼がありましたので、下記のとおり関係機関にお知らせしております。
- 公益社団法人福岡県医師会長、公益社団法人福岡県病院協会長、一般社団法人福岡県私設病院協会長、公益社団法人全国自治体病院協議会福岡県支部長、一般社団法人福岡県精神科病院協会長あて(保健医療介護部長発出)
「麻しんの予防接種の推奨の周知について」 [PDFファイル/438KB]
- 各市町村(学校組合)教育委員会学校保健主管課長あて(教育庁教育振興部体育スポーツ健康課長発出)
「学校における麻しん対策について」 [PDFファイル/558KB]
- 各県立学校長あて(教育庁教育振興部体育スポーツ健康課長発出)
「学校における麻しん対策について」 [PDFファイル/552KB]
- 各私立幼稚園長、各私立小・中・高等学校長、私立中等教育学校長、各私立専修・各種学校長あて(人づくり・県民生活部私学振興・青少年育成局私学振興課長発出)
「学校における麻しん対策について」 [PDFファイル/2.68MB]
「麻しんの予防接種の推奨について」 [PDFファイル/583KB]
- 各市町村保育所等主管課長あて(福祉労働部子育て支援課長発出)
「児童福祉施設等の職員に対する麻しんの予防接種の推奨の周知について」 [PDFファイル/162KB]
- 各指定保育士養成施設の長あて(福祉労働部子育て支援課長発出)
「児童福祉施設等の職員に対する麻しんの予防接種の推奨の周知について」 [PDFファイル/154KB]
- 福岡県医薬品卸業協会会長あて(保健医療介護部長発出)
「麻しんの予防接種の推奨の周知について」 [PDFファイル/402KB]
関連情報
麻しんに関する特定感染症予防指針(平成31年4月19日改正)|厚生労働省(新しいウインドウで開きます)