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監査の種類
I 監査委員が行う監査等
監査委員は、地方自治法及び地方公営企業法に基づき、次に掲げるような各種監査、審査、検査を行っています。
監査の結果に関する報告については、県議会、知事及び関係行政委員会に提出し、併せて県公報に登載して公表しています。
区分
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一般監査
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財務監査
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定期監査
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随時監査
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行政監査
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財政的援助団体等監査
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特別監査
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住民監査請求に基づく監査
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決算審査
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例月現金出納検査
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基金運用状況審査
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健全化判断比率審査
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資金不足比率審査
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内部統制評価報告書審査
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1 定期監査(法第199条第1項、第4項)
監査委員は、財務に関する事務の執行及び経営に係る事業の管理について、毎会計年度1回以上期日を定めて監査を行うこととされ、これを「定期監査」と呼んでいます。
「財務に関する事務」とは、予算の執行、収入、支出、契約、現金及び有価証券の出納保管、財産管理等の事務をいいます。
また、「経営に係る事業」とは、公営企業に係る事業(福岡県では、病院事業、電気事業、工業用水道事業及び工業用地造成事業の4事業です。)のことをいいます。
監査委員は、これらの事務や事業が最小の経費で最大の効果を挙げるように処理されているか、また県の組織や運営の合理化に努めているか、事務の執行が法令の定めるところに従って適正に行われているかなど、県民の税金が無駄なく効率的に使用されているかをチェックしています。
2 随時監査(法第199条第1項、第5項)
監査委員は、定期監査のほか、必要があると認めるときは、いつでも財務監査をすることができるとされ、これを「随時監査」と呼んでいます。
監査委員は、時間外勤務手当や旅費、食糧費など9つの支出項目を監査対象として、事実確認調査を含む無通告(抜き打ち)監査を行っています。
3 行政監査(法第199条第2項)
監査委員は、財務に関する監査のほか、必要があると認めるときは、県の事務(一部を除く)の執行についても監査を行うことができるとされ、これを「行政監査」と呼んでいます。
行政監査は、公正で能率的な行政の確保に対する住民の関心が高まっていることなどを背景に、平成3年の地方自治法改正により新たに追加されたもので、福岡県では平成4年度から行政監査を行っています。
監査の対象は、県の行政運営や組織、事務処理の手続など県の仕事全般に亘っており、監査委員は毎年度監査テーマを決定し、監査を行っています。
4 財政的援助団体等監査(法第199条第7項)
監査委員は、必要があると認めるとき、又は知事の要求があるときは、県が財政的援助を与えているものの出納その他の事務の執行について監査することができるとされています。
「財政的援助」とは、補助金、交付金、負担金、貸付金、損失補償、利子補給その他の財政的援助、県が出資しているもので政令で定めるものなどをいいます。
監査委員は、県が資本金、基本金その他これに準ずるものの4分の1以上を出資している団体、公の施設の管理を委託している団体及び県が補助金等の財政的援助を行っている団体を対象に、その財政的援助に係る出納その他の事務が援助等の目的に沿って適正かつ効率的に執行されていかについて監査を行っています。
5 住民監査請求に基づく監査(法第242条)
住民監査請求は、福岡県に居住する住民が、知事等福岡県の職員について、違法若しくは不当な財務会計上の行為があると認めるとき、又は違法若しくは不当に公金の賦課・徴収、財産の管理を怠る事実があると認めるとき、これらを証する書面を添えて監査委員に対し監査を求め、必要な措置を講ずべきことを請求するものです。
監査委員は監査の結果、請求に理由がないと認めるときは、理由を付してその旨を書面により請求人に通知するとともに、これを公表し、請求に理由があると認めるときは、当該執行機関や職員に対し期間を示して必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、この内容を請求人に通知し、公表しています。
住民監査請求は、福岡県民の方であれば誰でも請求することができ、一人でも複数でも請求できるものです。
また、監査委員の監査に代えて、外部監査人による監査(個別外部監査)を求めることもできます。
「住民監査請求Q&A」はこちら
「住民監査請求に基づく監査の結果」はこちら
6 決算審査(法第233条第2項、地方公営企業法第30条第2項)
知事は毎会計年度、会計管理者、企業管理者から提出された決算(一般会計及び特別会計並びに公営企業会計)及び証書類その他政令で定める書類を監査委員の審査に付することとされています。
監査委員は、決算書その他関係諸表に基づく計数を確認するとともに、各種監査や例月現金出納検査などの結果を踏まえ、予算が合理的かつ効率的に執行されているかどうかを主眼として審査を行い、例年9月に知事へ意見書を提出しています。
7 例月現金出納検査(法第235条の2第1項)
県の現金の出納は、毎月定められた日に監査委員がこれを検査することとされています。
監査委員は、会計管理者や企業管理者から提出された検査資料について毎月の計数を確認するとともに、県財政収支の動態を主として計数面から把握することを主眼として検査を行い、その結果に関する報告を議会及び知事に提出しています。
8 基金運用状況審査(法第241条第5項)
知事は毎会計年度、特定の目的のため設置した基金について、その運用の状況を示す書類を作成し、これを監査委員の審査に付することとされています。
監査委員は、決算書その他関係諸表に基づく計数を確認するとともに、基金の運用が適正かつ合理的に行われているかどうかを主眼として審査を行い、例年9月に知事へ意見書を提出しています。
なお、審査の対象となる基金は、福岡県土地開発基金、福岡県市町村振興基金及び福岡県立美術館美術品取得基金の3基金です。
9 健全化判断比率審査(地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項)
知事は毎年度、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率及び将来負担比率(以下「健全化判断比率」という。)並びにその算定の基礎となる事項を記載した書類を監査委員の審査に付すこととされています。
監査委員は、健全化判断比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類が適正に作成されているかどうかを主眼として審査を行い、例年9月に知事へ意見書を提出しています。
10 資金不足比率審査(地方公共団体の財政の健全化に関する法律第22条第1項)
知事は毎年度、公営企業の資金不足比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類を監査委員の審査に付すこととされています。
監査委員は、資金不足比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類が適正に作成されているかどうかを主眼として審査を行い、例年9月に知事へ意見書を提出しています。
なお、審査の対象となる公営企業は、福岡県病院事業会計、福岡県電気事業会計、福岡県工業用水道事業会計、福岡県工業用地造成事業会計、福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計及び福岡県流域下水道事業特別会計の6会計です。
11 内部統制評価報告書審査(法第150条第5項)
平成29年の地方自治法一部改正により、令和2年度から、都道府県に内部統制体制の整備が義務付けられました。
内部統制体制とは、業務を阻害するリスクを洗い出し、あらかじめ対応策を講じ、職員がこれに基づき業務を遂行することより、事務事業の適正な執行を確保することです。
地方自治法の規定に基づき、知事は評価報告書を作成し、監査委員の審査に付すこととされています。
監査委員は、長による評価が適切に実施されたか、内部統制の不備について重大な不備に当たるかどうかの判断が適切に行われているかを主眼として審査を行い、知事に意見審査書を提出しています。
II 外部監査制度
平成9年に地方自治法が改正され、監査機能の専門性・独立性の強化や監査機能に対する住民の信頼を高めるため外部監査制度が導入されました。
外部監査人は、都道府県などの普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営について優れた識見を有する者であって、知事と契約して外部監査を行う、弁護士や公認会計士などの資格のある人です。
外部監査には、下表のように全体的な監査を委託する「包括外部監査」と特定の案件ごとに契約する「個別外部監査」の2種類があり、福岡県では平成11年度から包括外部監査が実施されています。
監査委員は、外部監査人から監査結果に関する報告の提出があったときは、これを県公報に登載して公表しています。
種類 | 内容 |
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包括外部監査 | 県の財務に関する事務の執行状況や事業の管理状況などについて、毎年特定のテーマを設けて監査を行うもの |
個別外部監査 |
個別の案件ごとに監査を行うもの |