ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 県政情報 > 情報公開・個人情報保護 > 情報公開 > 福岡県情報公開審査会答申第128号

本文

福岡県情報公開審査会答申第128号

更新日:2015年4月14日更新 印刷

「市町村社会福祉協議会に関する事実確認報告書の部分開示決定処分に対する異議申立て」の答申内容を公表します。

答申

1 審査会の結論

 福岡県知事(以下「実施機関」という。)が、平成19年8月21日19保福第1542号で行った部分開示決定(以下「本件決定」という。)により非開示とした部分のうち、「法人の名称、所在地」及び「事実確認を行った場所」、「法人側対応者の職、氏名」を非開示としたことは妥当であるが、その余の部分は開示すべきである。

2 異議申立てに係る対象公文書の開示決定状況

 異議申立てに係る対象公文書(以下「本件公文書」という。)は、平成19年7月11日に実施機関が実施した特定の市町村社会福祉協議会(以下「本件法人」という。)に対する事実確認に係る報告書である。
 実施機関は、本件公文書に記載されている情報のうち、別表「非開示情報一覧表」に掲げる情報について、福岡県情報公開条例(平成13年福岡県条例第5号。以下「条例」という。)第7条第1項第1号及び第2号に該当するとして非開示とし、その余の部分は開示している。

3 異議申立ての趣旨及び経過

(1)異議申立ての趣旨

 異議申立ての趣旨は、実施機関が行った本件決定の取消しを求めるというものである。

(2)異議申立ての経過

ア 平成19年8月6日付けで、異議申立人は、実施機関に対し、条例第6条第1項の規定に基づき、本件公文書の開示請求を行った。
イ 平成19年8月21日付けで、実施機関は本件決定を行い、その旨を異議申立人に通知した。
ウ 平成19年10月11日付けで、異議申立人は、本件決定を不服として、実施機関に対して異議申立てを行った。

4 異議申立人の主張要旨

 異議申立書及び意見陳述書における異議申立人の主張を要約すると、次のとおりである。
(1)不正行為を行っていた本件法人職員の社会的評価は低下するが、本件法人については、社会的評価の低下等、風評被害を招くおそれはない。
(2)偽造領収書等に関する法人の説明が非開示部分にあり、非開示により公金の不正流用が放置されたら、社会的弱者の生活、健康、生命が害されるおそれがある。
(3)口頭で開示できる帳票の係数処理部分が、なぜ文書では非開示なのか。
(4)本件法人の個人名については、本件法人の職員の身分は市の職員に準じており、一般の社会福祉法人と違い公共性の強い法人であるので開示すべきである。
(5)事実確認の報告書だけでなく、不正がないと確認した書類の開示を求める。
(6)確認した資料に基づいて報告書は作成されているため、その確認した帳票関係の開示を求める。

5 実施機関の説明要旨

 部分開示理由説明書における実施機関の説明を要約すると、次のとおりである。
(1)不正経理を行っている等、本件法人の社会的評価の低下等の風評被害を招く情報があるため、本件法人の名称及び住所、事実確認を行った場所については、非開示情報に該当する。
(2)現地での口頭指導事項は、本件法人が重大な法令違反を犯しているような印象を与え、社会的信用を低下させる等の風評被害を招くおそれがある。
(3)本件法人側対応者の職及び氏名は、特定の個人を識別することができる情報である。
(4)本件法人の平成16年度決算書については、開示を求めない旨異議申立人からの申し出があったため、対象公文書から除外した。

6 審査会の判断

(1)本件公文書の性格と非開示情報について

ア 社会福祉協議会に対する監督

 社会福祉協議会は、社会福祉法(昭和26年3月29日法律第45号。以下「法」という。)第109条第1項各号に掲げられた事業を行う、社会福祉の推進を目的とする社会福祉法人である。
 社会福祉協議会に対する監督権は、法第56条第1項の規定に基づき、当該協議会の所轄庁(県知事等)が有している。所轄庁の監督権行使である監査は、関係法令等による法人運営、事業経営等について指導を行うことにより、適正な法人運営と円滑な社会福祉事業の経営の確保を図ることを目的としている。なお、本件法人の所轄庁は県知事であり、2年毎に定期監査を実施しているが、不適正な事例が確認された場合には、随時に監査を行うこともある。
 一方、今回、実施機関が実施した事実確認は、法第56条第1項の規定に基づく監査とは異なり、本件法人が不正を行っていると申し立てた者(以下「申立人」という。)の申立ての事実のみを確認するために任意に実施したものである。
 したがって、この事実確認には法的拘束力がないため、本件法人がこれを拒むことも可能であるし、仮に責任者の判断を仰いだ上で行うべき文書指導事項に該当するような不適正な事例が確認された場合には、実施機関は、本件法人に対して、改めて法第56条第1項の規定に基づく監査の実施を通知した後に、当該指導を行うこととなる。

イ 本件公文書の性格と非開示情報

 平成19年6月13日、申立人から「本件法人が不正経理を行っている」との申立てを受けた実施機関は、同年7月11日、本件法人所在地において、申立ての事実のみを確認するために、本件法人により加筆修正された平成16年度決算書を基に、当該決算書記載数値の不整合及び特定事項に係る会計処理について任意に事実確認を実施した。事実確認後、この結果等について実施機関の担当者がとりまとめのうえ所属長報告のために起案した報告書が、本件公文書である。
 実施機関は、別表「非開示情報一覧表」にある情報を、条例第7条第1項第1号及び第2号に該当するとして非開示としている。

(2)条例の規定について

ア 条例第7条第1項第1号

 条例第7条第1項第1号は、特定の個人を識別することができるもの又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるものを非開示とすることを定めている。
 また、同号本文に該当する情報であっても、公益的見地から開示することが必要と認められるようなものをただし書で定め、例外的に開示することとしている。

イ 条例第7条第1項第2号

 条例第7条第1項第2号は、法人等又は事業を営む個人(以下「事業者」という。)の自由な経済活動その他の正当な活動を保障し、事業に関する情報の開示により不利益を与えることを防止するという観点から、事業者に関する情報でその権利利益を害するおそれがあるものを非開示とすることを定めている。
 また、同号ただし書は、当該情報を公にすることにより保護される人の生命、健康、生活又は財産の利益と、これを公にしないことにより保護される事業者の権利利益とを比較衡量し、前者の利益を保護することの必要性が上回るときには、当該情報を開示しなければならないとするものである。

(3)本件公文書の開示・非開示の判断について

 以下、別表「非開示情報一覧表」に掲げる各非開示情報について、開示・非開示の判断を行う。

ア 本件法人の名称、所在地、事実確認を行った場所

 本件公文書の内容は、主に当該情報のように本件法人を識別することができる情報と、事実確認の趣旨や経緯、申立人の指摘事項やそれに対する本件法人の説明、実施機関の口頭指導等の申立人の指摘に関連した実施機関や本件法人の対応状況に係る情報である。
 申立人の指摘事項については、事実確認の結果、不正ではないが申立人の指摘どおり不適切な会計処理であることが判明したという事実に関する情報の記載と、不適切な会計処理ではなく、申立人の一方的な申立てであることが判明した不確実な情報の記載があることが認められるが、これらについては、申立人の指摘事項や実施機関の口頭指導等の一部を除き、既に本件決定において開示されている。
 したがって、本件法人の名称や所在地、事実確認を行った場所を開示すると、本件法人が識別され、既に開示されている情報と合わせることにより、本件法人があたかも不正経理をしたような誤解を招き、その結果、本件法人の名誉侵害又は社会的評価の低下につながるおそれが認められることから、当該情報は条例第7条第1項第2号に該当するため、非開示にすべきと判断する。
 なお、当該情報が条例第7条第1項第2号ただし書に規定する人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要な情報であるとは認められない。

イ 本件法人側対応者の職、氏名

 当該情報は、本件法人側の対応者である特定個人を識別できる情報であり、条例第7条第1項第1号に該当するため、非開示にすべきと判断する。
 なお、当該情報が同号ただし書のいずれにも該当しないことは明らかである。

ウ 申立人の指摘事項、指摘事項に関する本件法人の説明、説明に基づく実施機関の確認事項、指導事項

 当該情報には、実施機関が事実確認を行った結果、改善報告を徴するまでには至らない助言的事項と判断した会計処理誤りについて及びそれに対して実施機関の担当者が現地で口頭指導を行った経緯が記載されている。
 当該情報を見分すると、本件法人において確認された会計処理誤りの具体的な情報とそれに対する実施機関の口頭指導等の情報が記載されていることが認められるものの、本件法人を識別できる情報の記載はないことから、当該情報を開示しても本件法人の名誉侵害又は社会的評価の低下につながるおそれがあるとは認められない。
 また、異議申立人は本件開示請求とは別に実施機関に対し「本件法人に対する法令に基づく過去5年分の監査結果」を求める公文書開示請求をしている。当該請求に係る実施機関の判断は、個人情報に該当する情報を非開示とする部分開示決定であった。当該決定により開示された公文書の中には、本件法人の不適切な事務処理事例に対する文書指導等が記載された監査結果書が含まれている。
 なお、社会福祉法人の監査結果に関する厚生労働省の見解によると、同省局長通知の「社会福祉法人指導監査要綱の制定について」において、「監査結果の開示は、法人運営の適正化のみでなく、利用者の立場に立った質の高いサービスの提供に資することも目的としていることを踏まえ、各都道府県市の情報公開条例に基づく開示請求に対しても積極的に閲覧を可能としておく体制を整えることが望ましいこと。」と通知されているところである。
 よって、上記のとおり実施機関が既に監査結果を開示しており、今回の事実確認の趣旨や目的が、監査の趣旨や目的と類似したものであると認められることから、本件公文書のうち当該情報については、条例第7条第1項第2号に該当しないため、開示すべきと判断する。

(4)異議申立人のその他の主張について

 異議申立人は、実施機関の本件公文書の特定に誤りがあると主張しているため、この点についても検討する。
 本件開示請求書の「請求公文書の名称等」の欄には、「平成19年7月11日に県保健福祉課が実施した市町村社会福祉協議会の調査書に関する全部の書類」と記載されている。実施機関は、公文書を特定するに当たり、当該期日に実施した調査が本件法人に対するものだけであったことから、本件法人の事実確認に関する公文書を本件公文書と特定したものであり、この特定に誤りは認められない。
 また、本件公文書以外に事実確認時に実施機関が取得した、本件法人により加筆修正された平成16年度決算書や、事実確認後に実施機関が作成した本件公文書に係る起案文については、開示請求時に異議申立人から請求対象公文書としない旨の申し出があったとのことであり、異議申立人からもその点について何ら主張されていないため、実施機関が本件公文書に該当しないと判断したことは妥当である。
 一方、不正がないことを確認した書類の有無については、本件公文書の末尾において「本件法人に対しては、口頭指導した事項以外に改善を求めることはしない」と記載していることから、本件公文書が異議申立人の主張する不正がないことを確認した書類に該当することが認められる。
 その他、確認した帳票関係書類の有無については、当審査会が事務局職員に実施機関の保管する文書ファイルを見分させたが、その存在を確認することはできなかった。
したがって、実施機関の本件公文書特定の判断に誤りがあるとは認められない。

 以上の理由により「1 審査会の結論」のとおり判断する。

別表

    非開示情報一覧表

    非開示情報説明
    法人の名称、所在地
      「A市町村社会福祉協議会」、「A市町村B番地☆☆」
    本件法人の名称、所在地である。
     番地以下建築物名が記載されている。
    事実確認を行った場所
    「A市町村☆☆」
    事実確認を行った場所(本件法人が所在する建築物名)である。
    法人側対応者の職、氏名事実確認時の本件法人側対応者の職、氏名である。
    申立人の指摘事項本件法人の会計処理が不正経理であるとの申立人の申立てである。
    指摘事項に関する法人の説明 指摘事項が生じた理由やその対応に関する本件法人の説明である。
    法人の説明に基づく実施機関の確認事項 指摘事項に関する本件法人の説明に基づいて、実施機関が実際に確認した事項である。
    指導事項 実施機関が確認した結果、改善すべきと認められた事項に関し、本件法人に対して口頭指導した事項である。

皆様のご意見をお聞かせください。

お求めの情報が分かりやすく十分に掲載されていましたか?
このページの情報は見つけやすかったですか?

※個人情報を含む内容は記入しないでください。
※お答えが必要なお問い合わせは、上の「このページに関するお問い合わせ先」からお問い合わせください。
※いただいたご意見は、より分かりやすく役に立つホームページとするために参考にさせていただきますのでご協力をお願いします。
※ホームページ全体に関するお問い合わせは、まで、お問い合わせください。