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赤ちゃんのための先天性代謝異常等検査の国実証事業に参画します~7月1日から追加で2疾患の検査費用が無料に!~
福岡県では、赤ちゃんの生まれつきの代謝異常の早期発見・早期治療のために、先天性代謝異常等検査を公費で実施しています。
このたび、県では、北九州市及び福岡市とともに、こども家庭庁が実施する実証事業に参画します。これにより、従前の20疾患に加え、モデル的に新たに2疾患(重症複合免疫不全症(SCID)及び脊髄性筋萎縮症(SMA))の検査を無料で受けることが可能になります。
疾患の早期発見・早期治療につなげるため、ぜひ本事業をご活用ください。
1 追加される2疾患
(1)重症複合免疫不全症(SCID)
乳幼児期から感染症を繰り返し、治療しないと乳児期に亡くなることもある病気で、生まれつきの免疫不全症の中で最も重症な病気です。出生5万人あたり1人の割合でSCIDをもつ赤ちゃんが生まれるとされています。
免疫グロブリンの注射や、抗菌薬などで感染症を予防しつつ、臍帯血移植や骨髄移植で根治することが可能です。
(2)脊髄性筋萎縮症(SMA)
全身の筋力低下が進行し、治療しないと乳児期に亡くなることもある病気です。大多数は乳児期に発症します。出生2万人あたり1人の割合でSMAをもつ赤ちゃんが生まれるとされています。
核酸治療薬や、遺伝子治療を用いて、有効な治療を行う事が可能です。
2 実証事業の実施期間
令和7年7月1日~令和8年3月31日
※令和8年4月以降は、国実証事業等の動向を踏まえ、実施を検討します
3 対象者
7月1日以降に県内医療機関で検査を受ける新生児(県外からの里帰りで出生した新生児も含む)
4 検査費用
無料(採血料は自己負担となります。)
5 申込
産科医療機関で実証事業参画同意書の提出が必要です。詳しくは産科医療機関へお尋ねください。
6 検査の方法
生後5日目頃の赤ちゃんの足の裏から採取したごく少量の血液をろ紙にしみこませて検査します。
現在の20種類の病気の検査に用いているろ紙血を使用するので、赤ちゃんに新たな負担はありません。
7 検査の結果
結果は、陽性(疾患の可能性がある)・再検査・陰性(疾患の可能性が低い)で判定されます。
すぐに診断・治療ができる精密医療機関※の医師に受診していただき、採血等での精密検査や根治治療が必要となることがあります。
※九州大学病院、福岡大学病院、久留米大学病院、産業医科大学病院
8 実証データの報告
2疾患の実証データは、検査の有効性を検証するため、個人が特定されない形式でこども家庭庁の研究班に報告されます。この実証事業で得られた情報は、当該目的以外で使用されることはありません。
【参考】
従来から公費(無料)で実施している検査(20疾患)
アミノ酸代謝異常症(5) |
フェニルケトン尿症(PKU)、メイプルシロップ尿症(MSUD)、ホモシスチン尿症(HCU)、シトルリン血症1型(CIT-1)、アルギニノコハク酸尿症(ASA) |
有機酸代謝異常症(7) |
メチルマロン酸血症(MMA)、プロピオン酸血症(PA)、イソ吉草酸血症(IVA)、メチルクロトニルグリシン尿症(3-MCC)、ヒドロキシメチルグルタル酸尿症(HMG)、複合カルボキシラーゼ欠損症(MCD)、グルタル酸血症1型(GA1) |
脂肪酸代謝異常症(5) |
MCAD欠損症(MCAD)、VLCAD欠損症(VLCAD)、三頭酵素欠損症/LCHAD欠損症(TFP)、CPT1欠損症(CPT1)、CPT2欠損症(CPT2) |
糖質代謝異常(1) |
ガラクトース血症(GAL) |
内分泌疾患(2) |
先天性甲状腺機能低下症(CH)、先天性副腎過形成症(CAH) |