ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 記者発表資料 > 全国初!新技術を用いた「バイオ液肥の濃縮製造施設」を開発!

本文

全国初!新技術を用いた「バイオ液肥の濃縮製造施設」を開発!

発表日:2023年6月27日 14時00分 印刷
担当課:
環境部循環型社会推進課
直通:
092-643-3381
内線:
3497
担当者:
執行、樋口

全国初!新技術を用いた「バイオ液肥の濃縮製造施設」を開発!
~し尿等の有効利用がレベルアップ!循環型農業の発展に貢献~

  • 本県が設立した(公財)福岡県リサイクル総合研究事業化センターでは、リサイクルシステムを社会に定着させるため、産学官民による研究開発やその事業化を支援しています。

  • 築上町ではこれまで、し尿・浄化槽汚泥を原料とするバイオ液肥を製造し、これを用いた循環型農業に取り組んできましたが、この液肥は95%が水分であることから、運搬コストがかさんだり、散布する機械や潅水装置に液肥中の繊維が詰まるために液肥の利用法が制限されたりするという課題がありました。

  • これらの課題を解決するため、同センターの支援のもと、水処理装置関連の事業を行う三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(株)が、九州大学、静岡県立大学、築上町、みやま市とともに共同研究を実施し、液肥から肥料成分を濃縮する施設を全国で初めて開発しました。

  • この研究では、築上町の協力のもと、築上町有機液肥製造施設で、令和2~4年度にかけて、特許技術をもとに築上町とみやま市の液肥を濃縮する試験を行いました。その結果、築上町の液肥では農作物に有効な肥料成分(窒素およびカリウム)を約20倍に濃縮することができました。

  • この濃縮技術により、(1)輸送コストや液肥の貯蔵スペースを削減できる、(2)肥料成分を農作物に与えたい濃度に調整することができる、(3)目詰まりの原因となる懸濁物質を除去することができる、といったメリットが生じます。
    これにより、従来は散布が難しかった小規模農地や、これまで利用できなかった潅水装置を使用する施設園芸・家庭菜園等への利用が期待できます。

  • この濃縮施設により、し尿等の廃棄物をより一層有効利用することが可能になり、循環型農業の発展に貢献します。

1  研究成果(バイオ液肥を濃縮する施設を開発)

九州大学の矢部教授が開発した特許技術(ろ過膜や電気透析を用いた技術)をもとに、し尿・浄化槽汚泥等を原料とする液肥から肥料成分を濃縮する施設を開発

液肥濃縮施設

築上町が建設した全国初の新技術を用いた液肥濃縮施設

 

液肥

(左)濃縮前液肥   (右)濃縮後液肥

濃縮後液肥は懸濁物質の除去で透明度が増し、

更に電気透析で肥料成分が濃縮

2  福岡県リサイクル総合研究事業化センターの研究開発事業概要

〇 研究開発事業の名称及び研究期間

  • 濃縮バイオ液肥開発研究会(平成30年度)
  • 濃縮バイオ液肥製造に関する事業化プロジェクト(令和2年度~令和4年度)

※本成果は、上記の研究会及び共同研究プロジェクトを経て開発
  福岡県リサイクル総合研究事業化センターは、関係者のコーディネート及び研究費の一部を支援

 

〇 研究チーム

  • 三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(株)[東京都中央区]:濃縮施設の設計及び性能確認

  • 国立大学法人 九州大学[福岡市西区]:電気透析、濃縮におけるコーディネート

  • 静岡県公立大学法人 静岡県立大学[静岡県静岡市駿河区]:脱塩液の排水(脱色)処理

  • 築上町[築上郡築上町]:液肥濃縮施設での液肥製造及び液肥利活用

  • みやま市[みやま市]:液肥(メタン発酵消化液)の提供

 

〇 研究目的

  • し尿・浄化槽汚泥の処理において発生する液肥から、肥料成分(リン、窒素、カリウム)の濃縮を行い、農業利用できる濃縮バイオ液肥製造の事業化

 

○ 矢部教授が開発した特許技術について

  • 液肥(消化液)をUF膜に透過させ、粒子や濁度成分を除去した透過液を製造し、次に電気透析で透過液から肥料成分を抽出し、濃縮するというもの

  • これらの工程により、特に窒素とカリウムを濃縮することが可能になる

 

○ 成果

  • 築上町の有機液肥製造施設の液肥とみやま市のバイオマスセンター「ルフラン」で発生する液肥から肥料成分を濃縮する試験を実施した結果、いずれの消化液についても濃縮することに成功
  • 特に築上町の液肥については、窒素およびカリウム成分を約20倍に濃縮することに成功

  • 同研究で開発した濃縮施設の装置及び液肥の製造方法については、三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(株)、築上町、九州大学の三者により特許を共同出願

3  現地取材について

 現地取材に対応します。

 詳しくは、築上町役場産業課にお問い合わせください。

 

○ 日程等

  • 日時:令和5年6月29日(木曜日) 10時00分~12時00分
    場所:築上町有機液肥製造施設(築上郡築上町大字湊1287番地)
        有機液肥製造施設及び液肥濃縮施設の見学等

【関係者連絡先】

○濃縮施設、濃縮技術及び研究成果に関すること

◆三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社

排水処理事業部 O&M部 長尾 衛 (ながお まもる)

〒103-0021 東京都中央区日本橋本石町1-2-2

TEL:03-6848-4219 ホームページ:https://www.mcas.co.jp/

 

   ○九州大学の特許技術に関すること及び消化液の活用等に関すること

   ◆国立大学法人九州大学 大学院農学研究院 

農業資源経済学部門 矢部 光保 (やべ みつやす)

〒819-0395 福岡市西区元岡744 WEST5号館 860号室

TEL:092-802-4693 ホームページ:https://www.agr.kyushu-u.ac.jp/

 

○現地取材及び築上町有機液肥製造施設に関すること

   ◆築上町役場 産業課 農業振興係 太田 美加 (おおた みか)

〒829-0392 築上郡築上町大字椎田891-2

TEL:0930-56-0300 ホームページ:https://www.town.chikujo.fukuoka.jp/

 

○共同研究開発事業及びその他ブリーフィングに関すること

   ◆公益財団法人福岡県リサイクル総合研究事業化センター

    (担当:研究開発課 大村(おおむら)、西川(にしかわ)、浜辺(はまべ))

     〒808-0135 北九州市若松区ひびきの2-1 産学連携センタービル4階

     TEL:093-695-3068 ホームページ:https://www.recycle-ken.or.jp/