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特定外来生物(植物)の駆除にご協力ください
特定外来生物(植物)とは
もともと日本にいなかった外来生物のうち、特に生態系などに大きな影響を与えるおそれがあり、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)で指定された生物を特定外来生物といいます。
特定外来生物に指定されている植物は繁殖力がとても強いため、放置しておくと在来植物を駆逐してしまいます。これらの植物は、栽培、生きたままの運搬、保管、植え替え、種子をまくこと等の行為が法律で原則禁止されています。
特定外来生物(植物)の駆除について
特定外来生物(植物)の駆除に関しては、土地管理者や施設管理者は当該土地又は施設を適切に管理する責任を有しており、積極的な駆除の取り組みが求められています。
特定外来生物の植物が、種子の飛散などにより意図せず施設内に生育している場合は、外来生物法で禁止されている「栽培」には該当しませんが、土地等の適切な管理のため、駆除をお願いします。
駆除後の処理方法についての注意点
特定外来生物の植物の駆除(抜き取り等)後、生きている状態で移動させることは、「生きたままの運搬」に当たりますので、以下の手順で処分を行ってください。
1.駆除した特定外来生物(植物)をゴミ袋に入れてしっかり梱包する
2.袋ごと2~3日天日にさらして枯死させる
3.可燃ゴミに出す
※ただし事前にホームページ等で駆除を行うことを告知すれば、2を省略出来ます。

植物に関する小規模防除の特例について
特定外来生物のうち植物に関して小規模な防除を行う場合は、防除の促進の観点から、以下の要件1~4を全て満たせば外来生物法上で禁止されている「生きたままでの運搬」「保管」の規制を受けずに実施できます。(外来生物法施行規則第2条第14号)
1.地域のボランティアによる防除等の小規模な防除を行う者が、当該防除に伴い運搬をするものであること。
2.防除した当該植物を処分することを目的として、廃棄物の収集、運搬又は処分に供する施設に運搬すること。
3.当該植物の落下、種子の飛散その他の理由による野外への逸出を防止するための措置をとっていること。
4.防除を行う者が、あらかじめ当該防除に関する次の事項を掲示板、インターネット等を使用する方法により公表し、かつ、公表された次の事項に従って当該防除を行うときに、当該防除の実施の一環として当該植物を運搬していること(農業・水産業を営むに当たって行う場合、森林の経営管理に当たって行う場合はこの公表は不要。)。
<公表事項>
ア 当該防除が特定外来生物である植物の防除に該当すること。
イ 当該防除を実施する者
ウ 当該防除の実施日時及び実施場所
| 種名 | 生息環境 | 生態的特徴 |
|---|---|---|
|
オオキンケイギク |
道端、空地、荒地、河川敷、堤防、人家周辺、道路法面、海岸砂浜、海岸埋立地 |
多年草。茎は高さ30~70cmになる。花期は5~7月、花(頭花)は直径5~7cmで橙黄色。種子生産量が多く、刈り取りに対する再生力も強いため、繁殖力が旺盛で強健な植物である。 |
ミズヒマワリ![]() |
クリーク、水路、河川 |
多年生の抽水植物。茎は中空、高さ0.5~1.5mで盛んに分枝する。直立できなくなると、水面に倒伏して成長し、水面を覆う。花期は6~11月、球形で白色の花(頭花)を多数つける。種子繁殖も行うが、栄養繁殖が極めて旺盛で、茎断片のほか、葉片からカルス再生する。 |
ナガエツルノゲイトウ![]() |
河川、クリーク、水路 |
水辺の湿った環境に生える多年草。茎は長さ0.5~1mに達する。横にはう茎の基部から数多く分枝し、発根する。花期は4~10月、花は球状で直径12~16mm、1~4cmの柄がある。花の色は白色または灰白色。長期間の乾燥に耐えられるので、陸上でも生育できる。 |
ブラジルチドメグサ![]() |
クリーク、河川、水路、ため池 |
多年生の浮葉から抽水植物。直径3~8mmの茎が分枝しながら水面または地表を横走し、各節から1枚の葉と根が伸びる。茎は各節でばらばらになりやすい。花期は4~6月、葉の付け根から1~数本の花茎を伸ばす。果実は成熟しないため、栄養繁殖により分布を拡大している。 |
アレチウリ![]() |
河川敷、林縁、荒地、畑地、樹園地 |
つる性の一年草。茎は粗い毛を密生し、巻きひげで他の植物などに巻きつきながら、長さ10m以上にまで伸長する。花期は8~10月、直径1cm程度の黄白色の花を雌雄別につける。大量の種子を生産し、一部は埋土種子となる。日当たりのよい肥沃な場所を好む。 |
オオフサモ![]() |
河川、クリーク、水路、ため池、池沼、湿地 |
多年生の抽水植物。茎は直径5mm程度と太く、分枝しながら水中を横走し、大群落を形成することもある。冬季は水面より上部の茎は黄化するが、そのまま越冬する。雄雌異株で日本では雌株のみ確認されている。栄養繁殖が極めて旺盛で、茎断片の分散により分布を拡大する。 |
ボタンウキクサ![]() |
クリーク、水路、河川、ため池 |
多年生の浮遊植物。長さ10~30cmの葉を密につける。葉の間から走出枝を伸ばして次々と子株を増やし、水面に広がる。7~10月に小さな花を葉の基部につける。種子繁殖も行われるが、走出枝は容易に切断されるので、子株分散による栄養繁殖が極めて旺盛である。 |
ナルトサワギク![]() |
海岸埋立地、道端、荒地 |
多年草。茎は基部で分岐して大きな株を作り、高さ30~70cmになる。花期はほぼ周年、直径約2cmの黄色の花(頭花)を多数つける、結実も一年中見られ、大量の風散布種子をつくる。繁殖力が強く、アレロパシー活性及び強度の攪乱耐性を有し、しばしば群生する。 |
オオカワジシャ![]() |
水路、河川、クリーク、湿地 | 越年生または多年生の抽水植物。茎は高さ0.3~1mになる。花期は3~6月で、直径7~8mmの淡紫色の花を多数つける。種子生産量が多く、地下茎からの栄養繁殖も行うため、繁殖力が旺盛である。在来種のカワヂシャと交雑し、雑種を形成することがある。 |
オオハンゴンソウ![]() |
湿地、河川敷、道端、空地、荒地、畑地 | 多年草。茎は高さ1~3mで、7~9月に直径6~10cmの黄色の花(頭花)をつける。繁殖力が強く、種子の一部は埋土種子として残存する。強い攪乱耐性を持ち、地下茎の断片からも再生可能である。湿った環境を好み、しばしば群生する。 |
特定外来生物など外来種の被害を防ぐには
環境省では、外来種による被害を未然に防ぐため、外来種被害予防3原則を提唱しています。
1.入れない
悪影響を及ぼすおそれのある外来種を自然分布域から非分布域へ「入れない」
外来種問題を引き起こさないために、一番大切なことです。外来種を入れなければ問題は起きません。
2.捨てない
飼養・栽培している外来種を適切に管理して「捨てない(逃がさない、放さない、逸出させない)」
ペットや観葉植物は、最後まで管理する責任があります。
3.拡げない
すでに野外にいる外来種を他地域に「拡げない(増やさない)」
野外に定着してしまっている場合には、まだ定着していない地域に拡げないことが大事です。
関連する情報
・環境省HP(法律・政令・規則・告示、基本方針、逐条解説等)
・特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令
・特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行規則











