ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 防災・くらし > 税金 > 県税情報 > 福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議における最終報告について

本文

福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議における最終報告について

更新日:2007年4月2日更新 印刷

福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議における最終報告について

 福岡県では、県庁内に設置した税制研究会の研究結果として平成13年11月に資源循環促進税(仮称)を公表しました。その構想について、構想の実現を図る場合の課題と解決方策を専門的見地から検討するため、「福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議」を設置しました。この度、その検討内容について最終報告が行われましたのでご報告します。

資源循環促進税制を考える専門家会議における最終報告

平成15年9月

目次

報告に当たって

一 検討の経過

二 福岡県内における産業廃棄物の現状と税制の役割

   1 産業廃棄物の現状と循環型社会づくりに向けた取り組み
   2 税制の役割

三 循環型社会づくりに資する税制のあり方

   1 排出抑制効果とリサイクル促進
   2 他地域の税制との調和
   3 税制の仕組み
   4   循環型社会づくりに向けた税収の活用

終わりに

  (資料1)福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議検討経過
   (資料2)福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議設置要綱
  (資料3)福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議委員名簿   

報告にあたって

「福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議」は、平成13年11月に福岡県税制研究会が公表した「資源循環促進税(仮称)」構想について、専門的見地から検討をすることを目的にして、平成14年2月19日に設置された。この報告書はほぼ1年半に及ぶ「専門家会議」の検討の結果を取りまとめたものである。

 本「専門家会議」に課せられた使命は、「福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議設置要綱」に、「資源循環促進税(仮称)」構想について「構想の実現を図る場合の課題とその解決方策」を「専門的な見地」から検討することになっている。一見すると、「専門家会議」の使命は、「資源循環促進税(仮称)」を具体化するための税務技術的課題の検討と狭く受け取られがちである。

 しかし、この「専門家会議」では、検討課題を広く捉え、「循環型社会」を構築するという人類史的課題に応える地方税制のあり方を、福岡県から発信するという意図に基づいて、この報告書を作成している。というのも、福岡県が「資源循環促進税(仮称)」を行政内部から構想したということは、そこに福岡県の「循環型社会」を構築したいという熱き思いを感じ取ったからである。しかも、「専門家会議」の委員構成が、地方税財政に関する専門家よりも、環境政策に関する専門家に重点が置かれていることからも、この「専門家会議」の使命が「資源循環促進税(仮称)」を具体化するための税務技術的課題の検討にとどまるものではないことは明らかである。

 もっとも、この「資源循環促進税(仮称)」構想が、平成12年4月に施行された地方分権一括推進法によって、地方自治体に課税自主権が拡大されたことが、直接の契機となっていることも事実である。しかし、課税自主権の拡大も、地域社会の構成員により人間的で、文化的で、しかも自然と共生していく「循環型社会」を形成していくことのできる権限が付与されたことを意味していると考えるべきである。こうした権限を福岡県はいかんなく行使して、「循環型社会」の構築を目指して着実に歩み始めようとしていると認めることができる。

 とはいえ、この「専門家会議」では、このように「循環型社会」を構築するための地方税のヴィジョンを描くとともに、「分権型社会」における地方税のあり方という税務技術上の課題にも取り組んでいる。しかも、こうした観点からすると、本報告は産業廃棄物に関する地方税のあり方について、画期的な一石を投じるものと自負している。

 地域社会をより人間的で、より自然と共生する「循環型社会」に変革していこうとする地方自治体は、環境関連税制をめぐって常にディレンマに陥る。地域社会を「循環型社会」に変革するための環境政策は、地方自治体とりわけ道府県という広域自治体が担う。いうまでもなく、環境政策から環境汚染物質の排出を抑制するためには、環境汚染物質を排出する段階で課税することが望ましい。

 ところが、地方自治体が入退自由なオープン・システムの政府であることを考えると、租税論的には地方自治体とりわけ市町村という基礎自治体は、排出物の最終処理段階での課税が望ましい。産業廃棄物でいえば、埋立て段階での課税が適していることになる。

 もっとも租税理論的にも道府県という広域自治体は、中間段階で課税することが望ましい。しかも、排出抑制という環境政策上の効果は、排出段階により接近して課税した方が強く、最終段階よりも中間段階で課税した方が好ましいことは明らかである。

 しかし、税収確保という課税目的からすれば、税務行政上は最終段階で課税した方が効率的である。そのため産業廃棄物に関する租税が、最終段階である埋立て段階で道府県段階の法定外独立税としても課税されている。

 本会議では、排出抑制という環境政策上の課税目的と、道府県税は中間段階で課税することが望ましいという租税理論上の命題との両立を飽くまでも追求することを試みた。その結果が本報告の提言内容である。

 このように本報告はあくまでも、中間処理段階での課税に固執し、道府県税と市町村税との課税のインパクトを明確にしている。その結果として、「保健所設置市など他の自治体との関係に関すること」という本会議に与えられた検討事項への回答が可能になっている。

 つまり、市町村段階と道府県段階との二段階で、産業廃棄物税を課税した場合の課税調整が実現できる。本報告の重要な内容は、こうした市町村税と道府県税との課税調整を提言したところにある。

 しかも、本報告の提言している方式は、道府県間の課税調整をも容易とする。九州地方知事会の地方税制調査研究会では、それぞれの県で課税される産業廃棄物関係税に対する調整システムを検討している。その際にも本報告の提言内容が検討基準となることを期待したい。さらに、本報告の内容が波紋となって広く全国に及び、「循環型社会」への取組が福岡から全国に伝播していくことをも熱望する。

 地方税は人間が生活を営む地域社会での共同事業を支える共同負担である。本報告を手掛かりに、広く県民が福岡県という地域社会の未来を構想し、「循環型社会」を目指した積極的行動を展開していくことを期待したい。

  平成15年9月

福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議

座長  神野 直彦



一 検討の経過

 厳しい地方財政の状況や地方分権の進展を踏まえ、幅広い観点から地方税制について検討を行うことを目的として、平成12年4月に職員による福岡県税制研究会が設置された。その中で県内における産業廃棄物の現状と課題について分析が行われ、産業廃棄物の排出に着目した「資源循環促進税(仮称)」構想が平成13年11月に取りまとめられた。

 本専門家会議においては、福岡県税制研究会が取りまとめた税構想をもとに、税制のあり方、政策効果、事業活動への影響、他地域との関係などについて検討してきた。

 検討当初は、まだ全国的にも産業廃棄物に関する税について検討している自治体は数少なかったが、現段階では全国のほとんどの都道府県レベルにおいて検討が行われ、中国4県や北九州市など複数の自治体が導入している状況となっている。

 このような状況の下、県内事業者、処理業者、他の自治体との意見交換を行ってきたが、その中では、特に、近隣地域で異なった税制が導入された場合の事業活動への影響や、課税の重複による納税者の過重な税負担の調整等についての意見や要望が多く出されることとなった。

 本専門家会議として、本年5月に、産業廃棄物が県境を越えて移動している実態を踏まえ、それぞれの自治体が税制を導入した場合に生じる納税者の過重な税負担の回避方法等も視野に入れた税構想を中間報告として取りまとめた。

 その後、中間報告で今後の課題とされていた税収使途等についても検討を行い、その結果も含め、今回、最終報告として取りまとめたところである。



二 福岡県内における産業廃棄物の現状と税制の役割

1 産業廃棄物の現状と循環型社会づくりに向けた取組

 今日の大量生産、大量消費、大量廃棄型社会は、廃棄物の焼却によるダイオキシン類の発生や不法投棄など、地域の環境や地球環境を保全する上で、様々な問題をもたらしている。〔図1〕
 福岡県内においても産業廃棄物の発生量は、若干減少傾向にあるものの依然高い水準で推移しており、最終処分場の残余容量は逼迫している。
 また、福岡県の場合、県内への搬入量が県外への搬出量を大幅に上回っているという状況もある。こうした産業廃棄物の問題の解決を図るためには、廃棄物を資源という観点から見直し、できるだけ排出を抑制し、リサイクルを促進する循環型社会の構築を図っていく必要がある。
 このため、福岡県では、「福岡県廃棄物処理計画」を策定し、平成12年度に対する平成22年度の産業廃棄物の排出量の増加率を6.5%〔図2〕に抑制し、資源化・減量化率を86.8%から95%〔図4〕に増加させるとともに、最終処分量を現状の1/2以下〔図3〕に削減することを目標に掲げている。

 この目標を達成するために、福岡県では産業廃棄物の不適正処理防止に関する条例の制定など環境問題の解決を促進するための制度づくりや、産学官民という新しい共同研究体制でリサイクル技術と社会システムの開発やその実践の支援など、循環型社会づくりに向けた取組を行っている。

最も気になる産業廃棄物問題目標の設定

2 税制の役割

 このような施策により、産業廃棄物の排出抑制やリサイクルの促進が図られているものの、前述の県内で発生する産業廃棄物に対する目標を達成するためには、更なる取組の強化が必要である。
 産業廃棄物問題の多くが、通常の事業活動や日常生活そのものから発生する廃棄物に起因する問題であり、規制的手法のみでは十分な対応ができないと考えられることから、経済社会や県民のライフスタイルのあり方を環境配慮型へと変革していくことが求められている。
 このため、事業者等に市場メカニズムを通じ、例えば原材料の変更、製造工程の見直し、廃棄物処理の変更など環境保全等に資する行動を促す経済的手法として税を活用していくことが効果的である。〔図5〕
 また、その税収を、リサイクル技術の研究開発の支援、排出抑制・リサイクル設備整備導入時の助成、不法投棄防止対策など適正処理体制の整備に向けた政策の強化などの財源に充てることにより、循環型社会の構築に向けた取組が一層促進されるという二重の効果も期待できる。



資源化・減量化に向けた目標の設定

排出抑制、リサイクル促進への税など経済的手法の活用について

三 循環型社会づくりに資する税制のあり方

1 排出抑制効果とリサイクル促進

(1)排出抑制効果

 より高い排出抑制効果を図るため、排出事業者に税負担を求め、最終処分場(埋立)への搬入と共に排出に近い中間処理施設への搬入に課税する。

ア 納税義務者の考え方

 廃棄物処理法における排出者責任に基づき、排出者に直接的に税負担を求めることによって、より高い排出抑制効果が図られるため、排出事業者を納税義務者とする。
 なお、福岡県は、他県からの搬入が極めて多く、排出事業者が県外に及ぶこともあるが、県内へ廃棄物を搬入する行為に着目して県外の排出事業者についても納税義務者とする。
 この場合、納税者が多数にわたり申告事務等の繁雑さが生じるとともに、徴税面においても効率的ではないため、徴収方法については特別徴収方法を採用することとする。〔図6〕

特別徴収制度

※ 特別徴収方法とは
 税の徴収について、便宜を有する者にこれを徴収させ、かつ、その者に徴収した税を納入させる方法である。
(福岡県の構想では、排出事業者が納税義務者となり、処分業者が特別徴収義務者となる。)

イ 課税段階の考え方

  排出抑制を図るためには、排出段階で課税することが理論的には最も望ましい。しかしながら、排出段階で課税する場合、課税対象となる排出量を捕捉するためには発生量から控除する有価物量の特定が必要となるが、産業廃棄物が有価物に転化する時点の確定ができないことから課税対象である排出量の捕捉が困難である。
 課税対象の捕捉は排出後の処理段階で可能であるため、最終処分段階の埋立処分場への搬入に課税するとともに、できるだけ廃棄物の排出に近い中間処理段階の処理施設への搬入に課税することにより排出抑制に資することとする。

ウ 基本税率

 排出抑制を図る観点から排出量に応じた課税が望ましい。廃棄物の排出量を把握するに当たっての計量単位は一般に重量、容量が考えられるが、容量は圧縮の度合いなどにより量が変化する不安定な単位となる。このため、課税標準量を捕捉する上でより客観性があり、また特別徴収方法を採用する上で税執行実務に際しての混乱が生じにくい点を考慮し、課税標準の単位として重量を採用することとする。
なお、基本税率については、他県の税制度を考慮し、1トン当たり1,000円とする。

 (2) リサイクル促進

 簡素な税制で幅広くリサイクルへ誘導するため、中間処理施設へのはんにゅうの課税に当たっては焼却施設への搬入のみを課税対象とする。

ア リサイクル控除の課題

  中間処理施設への搬入の課税に当たっては、リサイクル促進の観点から、再生利用を目的とした中間処理施設への搬入について課税控除など課税の特例を設けることが考えられる。
 この場合、中間処理施設における様々な再生利用品としての有価物の個別・随時の認定が必要となり、複雑な仕組みとなるおそれがある。

イ リサイクルを促進させる簡素な税制の考え方

  簡素な税制により、効果的にリサイクルへの誘導を図る観点から、リサイクルの前処理として行われる破砕、選別、脱水等と、基本的にリサイクルにつながらない焼却を区別化し、焼却以外の他の中間処理を課税対象外とすることが適当である。
 また、再生利用につながらない最終処分場(埋立)への搬入を課税対象とすることは、リサイクルへの誘導にも効果的である。
 この結果、税の仕組みとしては、焼却施設への搬入と最終処分場(埋立)への搬入が課税対象となる。
 なお、焼却処理や埋立処分は、全国的に環境負荷に関する住民の懸念が比較的大きいものと考えられており、それらが課税対象となることにより、環境負荷の低減が図られるものと期待される。

※ 最終処分である海洋投入処分に対する課税についても、今後、課税技術上の問題点を含め検討するものとする。

ウ 焼却施設への搬入に係る課税の特例

  焼却による熱エネルギーを利用して発電し、外部に供給(売電)する場合など熱エネルギーを有効活用したり、熱処理等の過程を通じて廃棄物を再生資源として利用する場合など、焼却施設でも循環型社会の形成に資するものと考えられるものについては、その搬入について課税の対象から除くことが適当である。

※ なお、課税除外に当たっては、個々の施設ごとに適用されるべき有効活用等に関する具体的な基準を明らかにする必要がある。

2 他地域の税制との調和

(1) 全国の状況

    三重県、滋賀県における排出に着目した税の導入や、中国三県(鳥取、岡山、広島)及び東北三県(岩手、秋田、青森)でのそれぞれが連携した埋立税の導入をはじめ多くの自治体において税の創設や税構想の公表等が行われている。〔図7〕
 九州においても複数の県で税構想が公表されており、各県間で調整が行われている。

全国の状況

(2) 事業活動への影響

 産業廃棄物が市町村、県を越えて広域的に移動し、かつ、多段階で処理されている実態を踏まえると、中間処理段階の課税方式、埋立段階の課税方式といった異なる税制が近隣県で併存する場合、納税者の負担の累積などの問題が発生することとなる。
 排出事業者との意見交換等においても、納税者の過重な税負担が生じるおそれのあることから、近隣県が導入する場合、広域的な一律の税制度とするよう要望が出されている。〔図8〕

 
税の調整
 

(3) 課税控除の方法による県間調整の困難性

中間処理段階で課税された産業廃棄物が、福岡県内や埋立段階での課税を導入している他地域に搬出された場合、納税者の税負担が累積し、過重な税負担が生じることとなる。
 これを回避するためには、課税済みの産業廃棄物の排出量を捕捉し、控除等を行う必要があるが、中間処理段階において一括して減量化された場合など、廃棄物の処理工程上、排出者ごとの控除すべき量の捕捉は困難である。このため、できるだけ簡素な方法で調整できるシステムが必要となる。

(4) 他地域の税制と調和できるシステム

 税負担の累積を回避し、広域的にも導入可能な税制とするため、中間処理施設 (焼却)への搬入における課税について税率を調整する。

ア 税率調整

 中間処理施設(焼却)への搬入における課税については、基本税率(1,000円/トン)から、あらかじめ、焼却処理を経て埋め立てられる残さ相当分(20% ※)を控除した税率(800円/トン)を設けておく。
 この税率調整により、焼却を経て埋め立てられた場合も、排出事業者における排出量1トン当たりの税負担は中間処理段階(焼却)と最終処分段階(埋立)のそれぞれの施設への搬入の課税を合わせても1,000円を超えないこととなる。〔図9〕

  税率調整 

イ 税率調整による他地域の税制との調和

 この方法によれば、中間処理(焼却)後の残さが他地域へ搬出され、埋立段階で課税されたとしても、排出事業者における排出量1トン当たりの基本税率 1,000円を超えることはないため、納税者の税負担の累積は確実に回避されることとなり、各地で導入されている埋立税とも調和でき、広域的にも導入可能な税制となる。〔図10〕
 なお、県内においては北九州市が既に最終処分業者を納税義務者とする税制を条例化しているが、今回提案した税制において、こうした関係も含めて整理できるものとなっている。

他地域との税制の調和

3 税制の仕組み

資源循環促進税(仮称)の概要

資源循環促進税(仮称)の概要図

 

項目 内容
1 納税義務者 ・県内の焼却施設及び最終処分場へ産業廃棄物を搬入する排出事業者又は中間処理業者
2 課税客体 ・県内の焼却施設及び最終処分場への産業廃棄物の搬入
3 課税標準 ・県内の焼却施設及び最終処分場に搬入される産業廃棄物の重量
4 税率 1.焼却施設への搬入量1トン当たり    800円
2.最終処分場への搬入量1トン当たり  1,000円
5 徴収方法 1.焼却処理業者及び最終処分業者による特別徴収
  (申告納入)
2.排出事業者及び中間処理業者による申告納付
6 課税標準料見込
・最終処分量 約44万トン
・焼却処理量 約30万トン    計 約74万トン
(平成13年度 産業廃棄物処理実績報告書等より推計)
7 特別徴収義務者数 ・最終処分業者 約60業者
・焼却処理業者 約70業者    計 約130業者
8 税収見込 ・約6億円
(平成13年度 産業廃棄物処理実績報告書等より推計)

4 循環型社会づくりに向けた税収の活用

循環型社会づくりへの効果をいっそう高めるため、税収の使途については、現時点では、当面する緊急課題で県民の関心の高い不法投棄対策をはじめ、リサイクル技術の研究開発など以下のような施策が例として考えられる。
 具体的な使途については、導入段階での税収の状況に応じて検討されることが望ましい。
税収の活用

(1) 産業廃棄物の適正処理体制の整備(当面する緊急課題への取組)

ア 適正処理の促進

 産業廃棄物の処理の安全性、信頼性を高めるための排出事業者その他関係者による取組を支援し、適正処理を促進する。

イ 不法投棄の防止対策等の強化

 隣県、市町村、処理業者、NPOとの連携による広域的な不法投棄の防止対策を推進するなど、循環型社会の形成を阻害する不法投棄や不適正処理の防止対策等を強化する。

(2) 環境の世紀にふさわしい技術・システムの開発促進と産業活動への支援

ア 排出抑制・リサイクル設備整備の促進

 福岡県内の排出事業者及び処理業者が、効果的で高度なリサイクル設備や排出抑制設備の導入促進のための施策を行う。

イ リサイクル技術の研究開発・事業化支援

 優れた研究開発能力を有し、事業化を目指す企業、団体などが取り組むリサイクル技術の研究開発や事業化を支援する。

(リサイクル総合研究センターにおいて取り組んでいる産学官民の共同研究開発事業の新たな機能を創設する。)

ウ 新たなリサイクルネットワークづくり

 排出事業者、廃棄物の処理業者・再生事業者、再生品の利用事業者が、廃棄物や再生品の特性、技術、コストなどに関する情報を共有し、企業間交流を通じて、新たなリサイクルルートを実現するためのネットワークづくりを支援する。

(情報システムの構築、事業所内の展示機能の設備、展示交流会の開催、企業による環境保全活動の実践支援)

エ 環境産業を担う人材の育成

 県内企業の経営者や技術者が、環境産業の経営戦略や最新の環境・リサイクル技術などを学ぶ研修システムづくりや、アジア・太平洋地域との人材交流を促進する。

(3) 循環型社会を目指したまちづくりに積極的に取り組む市町村への支援

ア 環境産業の育成

 廃棄物処理にかかる環境関連技術の開発やリサイクル産業などの環境産業の育成に取り組む市町村に対する支援を行う。

イ 処理施設周辺の環境対策や不法投棄防止対策への支援

 産業廃棄物の適正処理の促進に向けて、処理施設周辺の環境対策や不法投棄の監視・通報システムの整備などに取り組む市町村に対する支援を行う。

おわりに

本専門家会議で検討し提言した資源循環促進税(仮称)は、循環型社会の構築という正に人類史的課題の達成に資する税である。産業廃棄物問題の解決と循環型社会の構築は福岡県にとって重大な課題であるだけでなく、すべての地域にとっての問題でもあり、全国的な課題でもある。
 本会議で提言した資源循環促進税(仮称)は、福岡県の実状に即した税であると同時に、全国の各地域間の課税調整も可能にする税であるという意味で普遍性を持つ税であると考える。
 本税を導入することは大量廃棄社会から循環型社会への転換という社会経済システムの改革を促す役割を果たすことになるものと期待されるところである。

 福岡県においては、本専門家会議の提案を具体化するため、県民・関係者の理解を得る努力を重ねる工夫をするとともに、隣接する各県との調整を図りつつ、必要な検討をされるよう願いたい。
 さらに、この税が導入された後にも、税導入の政策的効果や様々な影響を見極めつつ、所期の目的が達成されるようその着実な運用に留意されることを強く要望するものである。

【福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議検討経過】

平成14年 2月19日
「福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議」設置
 産業廃棄物の排出抑制やリサイクルの促進に資する政策税制として公表された「資源循環促進税(仮称)」構想について、構想の実現を図る場合の課題とその解決方策を専門的見地から審議、検討することを目的として設置
福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議(第1回)
 
6月~平成15年 3月
処理業者等実態把握調査
 
 ※〔 6月 北九州市「環境未来税条例」市議会で可決〕
 
7月26日
福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議(第2回)
 北九州市との意見交換
 
7月31日
福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議(第3回)
 北九州市の税制との税負担の重複を避ける基本的な仕組みを公表

 北九州市は、本県の産業廃棄物行政において極めて重要な役割を担っていることから、市の税制 について尊重し、北九州市域内の最終処分場に搬入される産業廃棄物については、県の課税標準量 から北九州市内の最終処分場へ搬入された量を控除することとする。

 
7月~平成15年 3月
福岡県資源循環促進税構想の説明
 事業者への訪問や説明会などにより、これまでに百数十社の事業者に対し、「資源循環促進税(仮称)」構想と北九州市の税制との税負担の重複を回避する基本的な仕組みについて説明を行った。
 
8月~10月
「資源循環促進税(仮称)」構想に関する事業者アンケート実施
 
10月29日
福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議(第4回)
 排出事業者(製造業、建設業:8社)との意見交換専門家会議において事業者との意見交換を行い、免税点など税制のあり方や事業活動への影響等について様々な意見が出される。
 
11月
「資源循環促進税(仮称)」構想に関する県政モニターアンケート実施
 
平成15年 5月23日
福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議(第5回)
 九州中北部4県との意見交換
 
5月30日
福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議(第6回)
 中間とりまとめ
 広域的に導入可能な税構想を公表
 
8月19日
福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議(第7回)
 社団法人 福岡県産業

福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議設置要綱

福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議設置要綱

(設置目的)
第1 産業廃棄物の排出抑制やリサイクルの促進に資する政策税制として公表した「資源循環促進税(仮称)」構想について、構想の実現を図る場合の課題とその解決方策を専門的な見地から審議、検討するため、「福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議」(以下「専門家会議」という。)を設置する。

(所掌事項)
第2 専門家会議は、次に掲げる事項について審議、検討し、その結果について知事に報告する。
(1) 税制のあり方と政策効果に関すること
(2) 事業活動への影響に関すること
(3) 保健所設置市など他の自治体との関係に関すること
(4) その他座長が必要と認める事項に関すること
2 審議、検討に当たっては県民各層や関係者との意見交換を行うものとする。

(組織)
第3 専門家会議の委員は、環境政策や地方税財政制度に関し優れた識見を有する者のうちから知事が委嘱する。
2 専門家会議は、委員5人で組織する。

(委員の任期)
第4 委員の任期は1年とする。ただし、再任を妨げない。補欠による委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(座長)
第5 専門家会議に座長を置く。
2 座長は委員の互選により選出する。
3 座長は専門家会議を代表して、会務を総理する。
4 座長は、必要に応じて委員以外の者の出席を求め、その意見を聞くことができる。
5 座長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。

(招集)
第6 専門家会議は座長が招集する。

(幹事会)
第7 専門家会議の運営等について、連絡・調整するため、また、専門家会議の検討を補佐するために、福岡県税制研究会の会員で構成する幹事会を置くことができる。

(庶務)
第8 専門家会議の庶務は、総務部税務課において処理する。

(その他)
第9 この要綱に定めるもののほか、専門家会議の運営に関し必要な事項は、座長が専門家会議に諮って定める。

  附則
この要綱は、平成14年2月19日から施行する。

「福岡県資源循環促進税制を考える専門家会議」委員名簿

(掲載順:五十音順)

氏名
役職名
座長代理
あさの なおひと
浅野 直人
福岡大学法学部教授
 
うえた かずひろ
植田 和宏
京都大学大学院経済学研究科教授
座長
じんの なおひこ
神野 直彦
東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授
 
とがわ けんいち
外川 健一
九州大学石炭研究資料センター助教授
 
はなしま まさたか
花嶋 正孝
福岡大学名誉教授
(福岡県リサイクル総合研究センター長)

皆様のご意見をお聞かせください。

お求めの情報が分かりやすく十分に掲載されていましたか?
このページの情報は見つけやすかったですか?

※個人情報を含む内容は記入しないでください。
※お答えが必要なお問い合わせは、上の「このページに関するお問い合わせ先」からお問い合わせください。
※いただいたご意見は、より分かりやすく役に立つホームページとするために参考にさせていただきますのでご協力をお願いします。
※ホームページ全体に関するお問い合わせは、まで、お問い合わせください。

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)