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公益通報者保護法について

更新日:2022年1月20日更新 印刷

 「公益通報者保護法」は、労働者等が、公益のために通報を行ったことを理由として解雇等の不利益な取扱いを受けることのないよう、どこへどのような内容の通報を行えば保護されるのかという制度的なルールを明確にするもので、平成18年4月1日から施行されました。

1 「公益通報」とは何ですか?

 企業などの事業者による一定の違法行為を、労働者(パートタイム労働者、派遣労働者や取引先の労働者などのほか、公務員も含まれます)・退職後1年以内の退職者・役員が、不正の目的でなく、組織内の通報窓口、権限を有する行政機関や報道機関などに通報することをいいます。

2 「公益通報者」はどのように保護されますか?

 事業者が、公益通報をしたことを理由として労働者などを解雇した場合、その解雇は無効とされます。
 また、解雇以外の不利益な取扱い(降格、減給、退職金の不支給等)も禁止されます。
 また、事業者は、公益通報によって損害を受けたとして、公益通報者に対して損害賠償を請求することはできません。

3 通報先はどこですか?

 通報先については、以下の3つが定められています。

(1)事業所内部

 通報先としての「事業者内部」とは、「役務提供先」又は「役務提供先があらかじめ定めた者」です。
 ​「 役務提供先があらかじめ定めた者」とは、役務提供先が、社内規程に定める等全ての労働者等が知り得る方法で、通報先を定めた場合をいい、例えば、グループ共通のホットライン、社外の弁護士、労働組合等を指定することが考えられます。

(2)権限を有する行政機関

​ 通報先としての「行政機関」とは、「通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関」、つまり通報対象事実について、法令に基づき命令や勧告などを行うことができる行政機関又は当該行政機関があらかじめ定めた者です。
 どの行政機関が「処分又は勧告等をする権限を有する行政機関」に当たるかは、各法令の規定に基づき定まっています。

(3)その他の事業者外部

​ 通報先としての「その他の事業者外部」とは、「その者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者」です。(通報対象事実による被害者又は被害を受けるおそれのある者を含みます。)
 例えば、
 ・報道機関、消費者団体、事業者団体、労働組合
 ・周辺住民(有害な物質が排出されている場合等)などが該当します。
 なお、ライバル企業など「役務提供先の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある者」は除かれます。

4 公益通報者保護法に基づく保護を受けるための要件は?

 通報先に応じて、公益通報者保護法に基づく保護を受けるための要件(保護要件)が定められています。

(1)事業者内部への通報を行おうとする場合

通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料すること

(2)権限を有する行政機関への通報を行おうとする場合

 以下ア又はイのいずれかの要件を満たす場合

ア 通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があること
​イ 通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料し、かつ、次の事項を記載した書面を提出すること
 ・通報者の氏名又は名称、住所又は居所
 ・通報対象事実の内容
 ・通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する理由
 ・通報対象事実について法令に基づく措置その他適当な措置がとられるべきと思料する理由
  (注)通報者が役員の場合は、イの保護要件の対象外となります。

(3)その他の事業者外部への通報を行おうとする場合​

 通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があり、かつ、ア ~カのいずれか1つに該当すること​

ア 事業者内部(役務提供先等)又は行政機関に公益通報をすれば、解雇その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由があること
(注) 通報者が役員の場合は、当該役員が調査是正措置をとることに努めることも必要となります。
イ 事業者内部(役務提供先等)に公益通報をすれば、通報対象事実に係る証拠が隠滅され、偽造され、又は変造されるおそれがあると信ずるに足りる相当の理由があること
(注) 通報者が役員の場合は、当該役員が調査是正措置をとることに努めることも必要となります。
ウ 事業者内部(役務提供先等)に公益通報をすれば、役務提供先が通報者について知り得た事項を、通報者を特定させるものであると知りながら、正当な理由がなくて漏らすと信ずるに足りる相当の理由があること
(注)通報者が役員の場合は、当該保護要件の対象外となります。
エ 役務提供先から事業者内部(役務提供先等)又は行政機関に公益通報をしないことを正当な理由がなくて要求されたこと
(注) 通報者が役員の場合は、当該役員が調査是正措置をとることに努めることも必要となります。
オ 書面により事業者内部(役務提供先等)に公益通報をした日から20日を経過しても、通報対象事実について、当該役務提供先等から調査を行う旨の通知がない場合又は当該役務提供先等が正当な理由がなくて調査を行わないこと
(注)通報者が役員の場合は、当該保護要件の対象外となります。
カ 個人の生命若しくは身体に対する危害又は個人の財産(事業を行う場合におけるものを除く。)に対する損害(回復することができない損害又は著しく多数の個人における多額の損害であって、通報対象事実を直接の原因とするものに限る。)が発生し、又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由があること

5 通報を受けた事業者や行政機関の対応

(1)事業者内部に通報があった場合

 事業者は、窓口において公益通報を受け付け、必要な調査を実施し、是正に必要な措置をとらなければなりません。また、公益通報者が公益通報をしたことを理由に不利益な取扱いを受けていないかの確認や、書面により公益通報がなされた場合には是正措置等の通知をしなければなりません。

(2)行政機関に通報があった場合

​ 権限を有する行政機関は、公益通報を受けた場合には、必要な調査を行い、適切な措置をとらなければなりません。
​ 通報が、誤って通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有しない行政機関に対してなされた場合には、その行政機関は正しい行政機関を通報者に教示しなければなりません。

6 事業者の方へ

 事業者の皆様には、公益通報者保護法上、従事者を指定する義務や、事業者内部の公益通報に適切に対応する体制を整備する義務が課されています(※)。
 (※)従業員数が300名以下の事業者については努力義務となっています。
 事業者が、こうした体制を整備することは、事業者内部の自浄作用を高めるとともに、事業者外部への通報による風評リスク等を減少させることにもつながります。
 また、通報の受付や調査などを担当する従業員は、通報者が誰であるかを特定させる事項について守秘義務を負います。

7 公益通報者保護制度についてもっと詳しく知りたい!

 公益通報者保護法の条文、対象法律、その他公益通報者保護制度の詳細については、内閣府の 「公益通報者保護制度ウェブサイト」(新規ウインドウで開きます) を御参照ください。

8 福岡県への公益通報はどこにすればよいか?

 福岡県が通報先となる場合は、通報対象事実について権限を有する法律を所管する課・室や出先機関が通報の受付窓口となります。
 もし、通報先がわからない場合は、下記までお問い合わせください。

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