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「芦屋の里浜づくり」第5回ワークショップ
平成19年11月17日(土曜日)9時から芦屋町役場会議室において、第5回「芦屋の里浜づくり」ワークショップを開催しました。
今回のワークショップでは、九州大学農学部の久保田先生が参加され、前回ワークショップで、参加者から、ご質問のあった芦屋海岸における植物の生育や植物による飛砂防止効果について、「海岸林(その役目と造成方法)」のテーマで講演して頂きました。
久保田先生はパワーポイントを駆使し、海岸林の役割として防風・飛砂防止の他、防潮(塩分補足、高潮 高波・津波軽減)の効果があり、これまでの実験・経験・観測等から、防風や飛砂防止には、植林帯の幅が100メートル以上が理想であるとのアドバイスを頂きました。
また、飛砂対策を目的とした海岸林の造成方法については、まず、静砂垣(垣根のようなもの)、堆砂垣を設置し、海岸側に人工砂丘(前砂丘)をつくると、砂が落ち着き、(前面では砂が飛びますが)後方で植栽を施した事例を上げられました。
次に、前回のワークショップで取り上げられていました芦屋の砂浜での松の活着については、10月にコンサルトが、砂浜の2か所から砂を採取して、土壌分析を実施しました。
芦屋の砂は典型的な海砂の特性を有しており、若干PH(土壌溶液の水素イオン濃度を表す指標)が高く肥料分や腐値が含まれていないため土壌改良が必要となり、この砂浜の場合は、透水性、保水性を確保し、有機物の含有が少なく、光合成殺菌や窒素固定菌の生育に適した構造にすることが望ましく、これを満足するのが無機改良材であるとの分析結果がでました。
休憩を挟んで、九州共立大学の小島先生に「芦屋海岸の砂浜形状について」講演して頂きました。
小島先生はこれまで芦屋海岸を調査・研究され、色々な構造物を作ることによって砂浜の海岸が変化することや、芦屋海岸(三里松原海岸)が両側に岩礁、半島、岬があり、その間に砂浜があると必ずと言っていいほど弓状の形になり、弓状の中央が波の影響が強く、右側(芦屋海岸)に漂砂が移動してくることなど、海岸工学的な見地からアドバイスを頂き、海岸形状に関する知識の共有を図りました。
参加者の皆さんからは、様々な質問等が出ましたが、アドバイザーの明瞭な説明により、概ね理解をして頂きました。
(意見交換)
参加者の皆さん、アドバイザー、事務局で意見交換を行い、地域の住民が目指す里浜像について、「現状の砂浜を利用し植林活動等を行う」ことで今回のワークショップの目標である「全体案の醸成」が図られました。
次回第6回ワークショップは、「里浜の実現に向けて」を目標に平成20年3月15日(土曜日)開催予定ですが、会場が芦屋町役場庁舎改築のため、山鹿公民館(大字山鹿)で行います。
なお、12月~2月にかけ、芦屋海岸で堆積垣を作り飛砂を防止するための実験・調査等を行います。