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環境保全団体交流会「生物多様性を守るために、一人ひとりにできること」を開催しました!

更新日:2019年9月20日更新 印刷

活動報告

 「さまざまな生きものが作り出す環境の中で、私たち人間は、そこから水や食べ物等を得て、豊かな暮らしをしています。この当たり前になっていることについて、改めて考えてみましょう。」

 そのようなコンセプトで、筑紫・糸島地区地域環境協議会(事務局:福岡県筑紫保健福祉環境事務所)の事業として、生物多様性の重要性に対する理解を深め、生物多様性を守っていくために一人ひとりにできることを考えることを目的とした体験型学習のイベントを開催しました。

開催概要

開催日時

 令和元年8月23日(金曜日) 9時30分から12時

開催場所

 竜岩自然の家(筑紫野市大字柚須原)

参加者数

 31名(大人15名、子ども16名)[内訳:一般参加者25名(8世帯)、地球温暖化防止活動推進員4名、環境保全団体2名]

講師

 一般財団法人福岡県浄化槽協会 総務課兼企画課 事務主査 牛嶋真一 氏、福岡県保健環境研究所 環境生物課 研究員 中島淳 氏

共催

 こどもエコクラブ福岡県事務局

 猛暑続きから一転し、お盆明けは不安定な天候が続くようになりました。前日は日中よい天気であったにもかかわらず、夜は雨が降りました。

 当日朝、幸いにも雨は上がりましたが、川が増水した中での開催となりました。

開会

 竜岩自然の家に集合。参加者の方に受付で調査資料(下敷きと採点表)、説明資料、調査器具をお渡ししました。調査資料と説明資料を挟んでいる探検ボードと小型のアミは、こどもエコクラブから提供を受けた品物を活用させていただきました。

 開会にあたり、イベントの視察に訪れた平井一三福岡県議会議員から、環境教育の重要性等についてお言葉をいただきました。

 本日のイベントは、小学校の総合学習の授業において当事務所職員が外部講師として実施している「水辺教室」の内容を実演する形で行うものです。そのため、説明は小学校上級生向けとさせていただきました。

川の水が汚れる原因について

 牛嶋講師がパネルを使って説明しました。

 1人が1日に使用する水の量は247リットルにも及びます。トイレ、お風呂、台所等で使われた水は排水として出て行くことになります。その排水の汚れについて、次のような例で説明がありました。

 マヨネーズが付着した皿を洗うと、白く濁った水が出て行きます。この濁った水を魚が棲める程度にまできれいな水で薄めようとすると、マヨネーズの量がたった10ミリリットルであっても、浴槽8杯分もの水が必要となります。実際には、排水は下水道や浄化槽で処理され、きれいになってから川に放流されるのですが、下水道や浄化槽は微生物の力で水をきれいにしているので、過大な負荷はかけられません。水を汚さないために、一人ひとりができることとして、「食べ残しなどをしない」ことの説明がありました。

宝満川での生き物調査

 この調査では、「水のきれいさ」について水生生物の種類ごとに付された点数の平均点で判定し、「自然の豊かさ」について魚の種類ごとに付された点数の平均点で判定します。

 野外調査の場合は安全管理が必須です。危険な生き物としてハチとヘビを紹介し、注意点を説明しました。

 平井一三県議会議員のお言葉 福岡県浄化槽協会牛嶋講師による「水が汚れる原因」についての説明 保健環境研究所中島講師による「危険な生き物-ヘビ」の説明

生き物調査

 通常の「水辺教室」では、安全管理のために上流側と下流側にロープを張って活動範囲を示すのですが、今回は前日の雨で増水していたため、川岸から2~3メートルまでの狭い範囲を活動範囲としました。

 調査開始直後から、あちこちで「見つけた!」「サワガニを捕まえた!」と歓声が聞こえてきます。

 条件の悪い中での調査でしたが、30分ほどで水生生物15種類、魚3種類が見つかりました。

「水のきれいさ」の判定

   見つけた主な種・・・カワトンボ科、カワゲラ科、ヘビトンボ科、サワガニ科など

   平均4.3点・・・きれいな水

「自然のゆたかさ」の判定

   見つけた種・・・カワムツ、タカハヤ、ヨシノボリ類

   平均2.7点・・・豊かな自然が残る環境 

生き物調査の様子1 生き物調査の様子2 参加者が捕獲した生き物(サワガニ、ヘビトンボ等)

講師講話

 生き物調査について、中島講師から解説がありました。

 水生生物は「水のきれいさ」の指標となり、きれいな水に棲むものほど高い点数がつけられており、本日の調査でも高い点数の水生生物がたくさん見つかったこと。

 しかし、ミナミヌマエビのように「水のきれいさ」に関係なく、広く分布している水生生物もいること。

 一方、魚は「水のきれいさ」のほかに「餌」と「棲みか」がなければ生きられないこと。つまり、三面コンクリート張りの水路のような川では、いくら水がきれいでも魚は生息しておらず、餌となる水生生物や棲みかを作り出す環境があってこそ魚が生息できる。つまり、魚は「自然の豊かさ」の指標であること。

 その他、水生生物のヘビトンボは昔から子どもが癇癪を起こした時の薬として重宝してきた地域もあることなど、たいへん興味深い話も聞けました。

生き物調査用下敷き、魚類調査用下敷き 保健環境研究所中島講師による魚の説明 保健環境研究所中島講師による講話

まとめ

 環境保全団体交流会の学習のまとめとして、生物多様性の重要性、生物多様性に迫る危機、生物多様性を守るために一人ひとりにできることについてお話をいたしました。

 詳しくは、以下の添付ファイルをご覧ください。

最後に

 本日、いろいろな話をさせていただきました。その話の要点は冊子「いのちのつながり、いのちのにぎわい」にまとめられています。

  • 動物も植物も、そして人間もみんな生き物
  • 生き物はつながっている
  • 生命(いのち)のつながりとにぎわい
  • 生き物に支えられる私たち
  • みんなができること

 野生の生き物にエサをあげることは、生き物の生命のつながりを壊すことになります。

 パンフレット「いのちのつながり、いのちのにぎわい」 チラシ「支えよう、いのちのつながり」 チラシ「支えよう、いのちのつながり こども編」

本日の話の総括

 「生きものを支え、生きものに支えられる幸せを共感できる社会」という言葉を紹介いたしました。これは、福岡県生物多様性戦略第2期行動計画に示されたキーワードで、2050年を目標年度として、福岡県が生物多様性を守っていくために目指していく社会のあり方を説明したものです。

 最後に、職員が「未来のために、今選ぼう、賢い選択」と声をかけ、参加者全員で「COOL CHOICE」と唱和して終了しました。

 

 この日、4世帯の方にエコファミリーの新規登録を、9名の方にCOOL CHOICE宣言書の提出をいただきました。これらの方に、エコファミリー登録特典及びCOOL CHOICE宣言お礼の品物をお渡ししました。

 「生物多様性を守るために、一人ひとりにできることがある。」

 このメッセージを、参加者の皆様に受け止めていただけたと思います。

参加者の皆様の声

お子さまより

  • 川に魚や水生昆虫がたくさんいるので、その生態系のバランスを崩さないように、できることを考えようと思った。
  • SDGsという言葉を初めて知りました。

大人の方より /満足度 平均4.4点(5点満点)

  • ただ虫などをつかまえて終わりではなく、生物の大切さ、環境に対して自分ができることまで教えてくださった。
  • 天気が心配でしたが、川の中に入って観察できてよかったです。講話も勉強になりました。

福岡県地球温暖化防止活動推進員より

  • 授業だけで聞く「生物多様性」と体験を通して知った「生物多様性」は全然違います。地球温暖化対策を、生物多様性と一緒に学ぶ意味がよく分かりました。

皆様のご意見をお聞かせください。

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