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令和7年度 京築普及指導センター 活動情報
当普及センターの現地活動を記事にして、随時掲載しています。
No.1 JA福岡京築スイートコーン部会が県庁で販売促進活動
美味しいスイートコーンをお届けします
JA福岡京築スイートコーン部会は、部会員30名で12.4ヘクタールの作付けを行っています。ゆうパックでの注文を主体に、消費者に直接新鮮なスイートコーンをお届けする、特徴ある販売を行っており、部会員一丸となって品質の向上に力をいれています。
スイートコーンの出荷開始目前となった5月26日に、スイートコーン部会長およびJA職員が福岡県農林水産部長及び関係各課を訪問し、今年の生育状況の説明と共に、甘くて美味しいスイートコーン「京築の恵み」のPRを行いました。また、2年ぶりに県庁ロビーでの対面販売を実施し、県庁職員をはじめ一般の来庁者にも京築のスイートコーンの魅力を知ってもらう良い機会となりました。
今後はスイートコーン祭り等のイベントを通して更なるPRを行っていきます。また、本年のゆうパックの出荷開始は6月2日からで、14,000ケースの出荷を目指しています。
普及指導センターでは、関係機関と協力し、高品質のスイートコーンを安定的に生産できるよう、引き続き支援を行っていきます。
No.2 令和7年度新規就農者のつどいを開催
関係機関・先輩農家と連携し、新規就農者定着を支援
京築地域農業・農村活性化協議会担い手部会では、新規就農者及び就農希望者を対象に、毎年新規就農者のつどいを開催しています。つどいでは、就農後の農地確保や資金に係る支援策についての情報提供に加え、先輩農家と意見交換できる機会を設けており、今年度は令和7年6月27日に築上町で開催し、新規就農者5名、就農予定者1名の計6名が参加しました。
まず、青年農業士の株式会社ファーム赤松の赤松健人氏を講師に、現地視察と併せて講演、意見交換を行いました。
赤松氏は、雇用就農を経て親元就農した経験から、雇用就農中に学んだこと、親元就農してからの気づき、今後の展望等について講演いただきました。農業、特に契約出荷において、信用・信頼を得ることの重要性と、常に自身の労働を給料換算し意識すること等、赤松氏ならではの経験と見識を聞く良い機会となりました。
その後、指導農業士や4Hクラブといった先輩農家、関係機関との意見交換の時間を設けました。
参加した新規就農者からは、機械や資材などの初期投資負担や労働力の確保に係る質問が出されました。先輩農家からは、「まずは無理のない自身のキャパの範囲内で全力で頑張ってみてから投資を検討すること」や「普段から情報発信すること、地域や先輩農家に伝手をつくることで情報も入ってくる」といった具体的なアドバイスを受け、「とても参考になった、良い意見交換ができた」との声が多く聞かれました。
普及指導センターでは、就農希望者の支援や新規就農者の定着促進に対し、関係機関と連携し引き続き支援を行っていきます。
No.3 水稲の増収に向けた講習会を開催
京築管内は水田農業が主体の地域であり、約5000haの水稲が作付けされています。6年産は、近年問題となっていたイネカメムシの被害を効果的な防除対策により最小限に抑えることができましたが、猛暑の影響で収量は例年より低くなりました。地域の農業者からは、昨今の米不足の状況もあり、収量を回復するための対策が強く求められていました。
そこで、7年産の取組として水稲の収量確保に向けた講習会を6月23日と25日に行橋市内の4か所で開催したところ、農業者50人が参加しました。
普及指導センターから6年産水稲の反省と7年産の増収に向けた栽培管理として、中干しから収穫期までの水管理、穂肥の施肥量と施肥時期、イネカメムシの発生状況や防除について説明しました。そのほか、熱中症予防と農作業安全についても注意喚起しました。JA福岡京築からは、実際の水稲の分げつを数える方法や中干しの重要性、畦畔の除草の省力化につながる除草剤体系の紹介がありました。講習会後は農業者と共に現地ほ場も見学して、実際に水稲を見ながら現在の生育状況を確認しました。
普及指導センターでは、今後も関係機関と連携した講習会の開催や現地指導により、水稲の安定生産に向けた支援を行っていきます。
No.4 苅田小学校の小学生が大豆について楽しく学ぶ
令和7年7月2日、苅田町立苅田小学校の3年生約100名を対象に総合的な学習の一環として、普及指導センター職員が大豆についての授業を行いました。
授業では、福岡県での大豆の生産量や大豆から作られる食べ物、福岡県農林業総合試験場が開発した新品種「ふくよかまる」の特徴、大豆の育て方や大豆栽培で使用する機械(トラクター)について、写真やグラフを使いわかりやすく説明しました。
授業の中で行われた大豆に関するクイズ形式の説明については、生徒が回答の正誤に一喜一憂する姿がみられました。また、生徒からは新品種「ふくよかまる」に関して、栽培時期や、味、収穫方法等の様々な質問が出され、今回の授業を受けたことで大豆についての関心が高まった様でした。
普及指導センターは今後も次世代を担う子供たちに、地域農業への理解を深めるための支援を行っていきます。
No.5 暑さに克つ米づくりを学ぶ
豊築集営連が水稲増収のための研修会を開催
7月8日に、豊築地域集落営農組織連絡協議会(豊築地区の集落営農組織42組織が加入)主催で水稲の栽培技術向上による増収を目指した研修会が開催され、各組織の役員、関係機関49名が参加しました。多くの組織が水稲を栽培していますが、6年産では夏季の異常高温による肥料不足や水不足で、収量はかつていないほど低下しました。
そこで、本研修会では、水稲の専門家であるJA福岡京築 尾形氏を講師に招き、「暑さに克つ米づくり」と題して講演が行われました。講師からは、水稲の生理生態の基礎から始まり、良食味米と増収はつながっており、充実の良い米づくりが増収に向けたポイントであるとの説明を受けました。今からできる増収技術として、中干しや溝切といった水管理や、高温年は基肥一発肥料でも追肥をするなど写真やデータを用いて紹介があり、参加者は真剣な顔で説明を聞いていました。
次に、普及指導センターからは、管内での水稲の生育状況と出穂予想、病害虫の発生状況について説明しました。また、全国で問題となっている熱中症の予防対策についてパンフレットを用いて紹介しました。
参加者からは、「高温時は追肥が必要となるときがあることがわかった」「中干しの時期と重要性がわかった」などの感想が聞かれました。
普及指導センターでは、今後も関係機関と連携し、農業現場の抱える課題に対応した研修会の開催や農作業事故防止に関する情報提供を行っていきます。
県では、高価格な輸入花粉から脱却し、持続可能なキウイフルーツの生産を実現するため、県産キウイ花粉の産地を育成する取り組みを進めています。
キウイフルーツは着果を安定させるため、これまで輸入花粉を使用して人工授粉を行っていましたが、近年は輸入花粉の価格高騰やかいよう病感染の懸念から、未発生地での国内産花粉の生産・供給への期待が高まっていました。
このため、かいよう病未発生地の行橋市において、株式会社ふるさぽ新田原が県の委託を受け、キウイフルーツ雄木苗を定植し、キウイフルーツの花粉生産に取り組んでいます。
令和7年7月3日、株式会社ふるさぽ新田原、JA福岡京築、普及指導センター他、県の関係者が集まり、雄木の栽培管理や花粉の効率的な精製方法について協議するため、検討会を開催しました。検討会では、枝の仕立て方や花粉精製時の環境整備等について、活発な意見交換を行いました。
普及指導センターでは、今後も関係機関と連携し、県産花粉の安定生産に向けて取り組んでいきます。