グラフふくおか2021夏号ロゴ

特集

特別対談 服部誠太郎福岡県知事とタレント岡澤アキラさんの写真

さらなる飛躍。笑顔あふれる福岡県を目指して

4月の福岡県知事選で初当選した服部誠太郎知事による新しい県政がスタートしました。太宰府市出身のタレントであり、福岡県のインターネットテレビ番組「ふかぼりっ!福岡県」でも活躍中の岡澤アキラさんと「けんちょう Food Marche(フード マルシェ)」で、福岡県の魅力、県政に対する思い、目指す未来について語り合いました。

就任時から今に続く思いは「感謝」、「責任」、「絆」

岡澤 知事に就任された今のお気持ちをお聞かせください。

服部 当選の瞬間、私の頭は3つの言葉でいっぱいになりました。「感謝」、「責任」、「絆」。選挙期間中、私の思いを受け止めていただいた県民の皆さまに対する「感謝」。県政を進めていく「責任」の重み。そして、各地を回り、皆さまといろいろお話をさせていただき、新しい「絆」が生まれたように感じました。この「絆」を大切にして、これから県政を推進していきたい。その思いは今も変わりません。

岡澤 小川前知事の辞任を伝える会見で、涙ぐまれていた様子が印象に残っています。あのときのお気持ちはどうだったんでしょうか。

服部 小川知事が闘病される中、二人で話すとき、お互い泣きながら話をしていました。そうしたことを思い出し、小川知事の悔しい胸の内を思いながら代読させていただいたもので、私もつい気持ちが出てしまいました。

岡澤 前知事の思いを継がれ、新しい知事として、まずどういったことに取り組んでいくお考えですか。

服部 喫緊の課題はコロナ対策です。県民の皆さまの命と健康がかかっており、就任当日から全身全霊で取り組んでいます。何としてもコロナを克服し、地域経済を立て直して、安心して生活できる福岡県を取り戻していかなければならないという思いです。
命や財産を守る上で、同様に重要なのが防災・減災対策、そして災害からの復旧・復興です。本県は、九州北部豪雨から4年連続で被災しています。被災地の復旧・復興を急ぐと同時に、流域一体となった治水対策に新たに取り組みます。

福岡県が誇る農林水産物の魅力を発信

岡澤 ここ「けんちょうFoodMarche(フード マルシェ)」は、とても明るくてきれいなところですね。

服部 ありがとうございます。県庁の食堂を全面改装して、今年の3月1日に県民の健康増進、地産地消、食育などをテーマにリニューアルオープンしました。

岡澤 開放感がありますし、木のぬくもりがあって居心地がいいです。環境にも優しそうですね。

服部 内装には県産木材を使用しています。とりわけ、この大川家具のテーブルや椅子は、県産の「センダン」を使っています。この木は成長が早く15年から20年で木材として使え、強度があり木目の美しさから家具材に向いています。他の広葉樹と比べ、二酸化炭素の吸収能力が約3倍高いのも特徴です。

けんちょうFoodMarche(フード マルシェ)の木目がきれいなテーブルの写真

「木目がきれいで手触りもいいですね。こんなテーブルでランチができれば気分も上がりますよ!」と岡澤さん

服部 県産の旬の食材を使用したフードマルシェ自慢のメニューをご用意しています。ぜひお召し上がりください。

岡澤 おいしい!鶏がプリプリでとってもジューシーですね。

服部 福岡県が開発し、九州一の出荷量を誇る「はかた地どり」のバンバンジーです。はかた地どりは香港にも輸出しています。

岡澤 すごい!まさに福岡から世界へという感じですね。

服部 この他にも、福岡女子大学の学生が開発したヘルシーメニューや、月1回のスペシャルメニューとしてジビエ料理や本県と友好提携を結んでいる国・地域の名物料理なども提供しています。もちろんおいしい「うどん」もありますよ。

岡澤 ありがとうございます(笑)。私も仕事で県内を回ってみて、福岡県は食べ物がおいしいところや豊かな自然があるところが魅力だと感じます。

服部 福岡県は食が豊かで、県産農林水産物だけでコース料理が作れます。日本一の水揚げを誇る「鐘崎天然とらふく」をはじめ、「筑前海のマダイ」や「ケンサキイカ」などのお刺身。刺身に合うお酒も、全国有数の酒どころ福岡の地酒が用意できます。メインディッシュは、「はかた地どり」の水炊き、「博多和牛」のステーキ、「豊前海一粒かき」など。締めは、「ラー麦」を使ったラーメンや「福岡有明のり」で巻いた「元気つくし」のおにぎり。デザートは「あまおう」や柿の「秋王」、お茶は「八女伝統本玉露」とフルコースが完結します。

岡澤 全部揃いますね!

服部 これら県産農林水産物の一部は、インターネット「楽天市場」内の「福岡県ウェブ物産展」で販売し、全国の皆さんからご好評いただいています。ぜひご覧ください。

岡澤 知事はこのような福岡の食をはじめとする県の農林水産業の発展に向け、どのようなことに取り組んでいかれますか。

服部 私は、農林水産業は本県の基幹産業だと考えています。これを持続的に発展させていくため、販売促進と生産性向上に一層力を入れていきます。東京と大阪に設置した「福岡よかもん・よかとこプロモーションセンター」や東京のアンテナレストラン「福扇華(ふくおか)」を活用した首都圏・関西圏での県産品のPR、さらにウェブを活用した販売促進、「あまおう」、「福岡の八女茶」などの輸出拡大にも積極的に取り組んでいます。

岡澤 まさに福岡ブランド戦略ですね。

服部 はい。皆さん、福岡県の農林水産物は素晴らしいしバランスが良いと言ってくださいます。それで取引が増えていくと、生産者の皆さんがプライドを持って、さらに良いものを作ろうという好循環が生まれます。

岡澤 なるほど。

服部 また、生産現場の大規模化や法人化、農業版DX(デジタルトランスフォーメーション)による省力化などにより、生産性の向上を図っていく。こうした取り組みにより、農林水産業を「稼げる、魅力ある産業」にしていきたいと考えています。

服部福岡県知事が展示パネルを紹介している写真

展示パネルではバラエティ豊かな県産食材や健康に関する情報を紹介

県のさまざまな工芸品を展示するショーウィンドウの写真

県のさまざまな工芸品を展示するショーウィンドウ

世界の舞台で勝負できる福岡県を目指して

服部 岡澤さんはリポーターの仕事などで県内各地に行かれていますが、福岡県のどういうところに魅力を感じますか。

岡澤 やはり、魅力がたくさん「あり過ぎる」ところです。食べ物はおいしいし、スポーツも盛んです。都会もあれば自然にも恵まれ、空港も近い。歴史もあり、そして方言がかわいい(笑)。友達の友達は友達という気質も好きです。福岡県出身の有名人も多いし、福岡県民って「福岡が一番!」と思っているところがちょっとあると思います(笑)。

服部 福岡愛が強烈ですね(笑)。

服部誠太郎福岡県知事の写真

服部 誠太郎(はっとり せいたろう)
福岡県知事
1954年北九州市生まれ。中央大学法学部卒業後、福岡県庁入庁。福祉労働部長などを経て、2011年、副知事に就任。2021年、小川前知事の辞職に伴う県知事選へ出馬し初当選、福岡県知事に就任。

岡澤 そうなんです。強烈な地元愛とあふれる魅力。それをアジアの玄関口である「フクオカ」から発信していくことは大事なことだと思っています。

服部 そう思っていただけるのはうれしいですね。福岡県には魅力的な農林水産物の他、充実した交通インフラ、アジアとの近さ、優れた技術を持つ多くの企業、豊富な人材などたくさんの強みがあります。これらを生かして、輸出の拡大、企業誘致、観光誘客、国際金融都市づくりなどに取り組み、「世界と勝負し、世界から選ばれる福岡県」を実現していきたいと思っています。

青少年のチャレンジを応援

服部 岡澤さんには、インターネットテレビ番組「ふかぼりっ!福岡県」で県の情報を発信していただいています。番組で県の取り組みに触れる中で、特に印象に残っていることはありますか。

岡澤 印象に残っているのは、「福岡県タレント発掘事業」です。いろんなスポーツを体験したり、自分の能力をデータで見たり、客観的に分析する力を若い頃から習慣化することはどんな仕事に就いても役に立つことだと思います。

服部 そうですね。福岡の未来を支えていくのは「人」、人こそが宝、「人”財“」と私は言っていますが、産業、スポーツ、文化芸術などいろいろな分野を支えていく人を育てていかなければなりません。特に、青少年の育成が非常に重要です。私の座右の銘は「自らの内にある無限の力を信じよ」。しっかり努力すれば、その人の可能性は無限に広がることを示す言葉です。若い皆さんがさまざまな経験をし、その中で自らの可能性に気づき、努力して能力を磨き、大きく羽ばたいていく。そのチャレンジを応援していきたいと考えています。

岡澤 これからどんなすごい人が福岡県から誕生していくのか楽しみです。

服部 岡澤さんのような職業に憧れを持つ人もたくさんいるのではないかと思います。今の仕事を目指されたきっかけは何ですか。

岡澤 きっかけは高校の担任の先生の言葉です。「身長が高いけん、モデルでもやってみい」。その一言でオーディションを受けたら合格しました。当時のモデル仲間はみんな東京に行ってしまいましたが、僕は福岡が好きすぎて「福岡で福岡のためにできる仕事はなんだろう」と考えたときに、地元のメディアで、福岡の魅力や良さを、自分を通して伝えたいと思いました。

タレント岡澤アキラさんの写真

岡澤(おかざわ)アキラ
タレント
1993年太宰府市生まれ。テレビ番組やラジオパーソナリティ、演劇などで幅広く活躍中。現在、福岡県のインターネットテレビ番組「ふかぼりっ!福岡県」に出演し、“ふかぼり隊長”として、県の情報を深く掘り下げて伝えている。

服部 岡澤さんは自分の夢を実現するために努力されて、今のご活躍があるのですね。私も「次代を担う『人財』の育成」にしっかり取り組んでいきます。

「ワンヘルス」の世界的先進地へ

岡澤 あっという間に時間が過ぎてしまいました。最後に、改めて今後の意気込みを聞かせてください。

服部 知事として新しく挑戦したいことが3つあります。先ほど申しました「世界と勝負し、世界から選ばれる福岡県の実現」、「次代を担う『人財』の育成」、そしてもう1つが「ワンヘルスの推進」です。

岡澤 ワンヘルスとはどういったものですか。

服部 ワンヘルスとは、「人と動物の健康、そして環境の健全性は1つ」という考え方のことです。新型コロナウイルス感染症をはじめ、新興感染症の多くは「人獣共通感染症※」であり、これに対応するには、ワンヘルスの理念に基づく取り組みが重要になります。

※病原体が人と動物の間で双方向に感染する病気

岡澤 なるほど。人の健康を守るためには動物も環境も健康であることが大切なんですね。

服部 そうですね。この考え方は、国連が掲げるSDGsのゴールの多くにも関わり、世界に広がってきています。私は、トップクラスの研究者による国際会議の開催やワンヘルスを実践する拠点の整備などにより、福岡県をワンヘルスの世界的先進地にしたいと考えています。

岡澤 知事のお話を聞いて、これから福岡県が目指すもの、挑戦していきたいことがよく理解できました。私も「ふかぼりっ!福岡県」を通じて県の取り組みを一生懸命PRしていきたいと思います。

服部 ありがとうございます。これからの日本の発展を支えていくのは九州、福岡県はその九州のリーダー県とならなければいけません。県民の皆さまと手を携えて、福岡県の未来の扉を開いていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。

※この対談は、十分な距離の確保、換気の実施など、新型コロナウイルス感染症対策を講じ、実施しました

  • 福岡県ウェブ物産展のバナー

    福岡県ウェブ物産展

    福岡県自慢の農林水産物や加工食品、暮らしを豊かにする工芸品などを豊富に取り揃えて販売。生産者が丹精込めて育てたさまざまな農林水産物を気軽にネットで購入できます。

  • 福岡県インターネットテレビ番組「ふかぼりっ!福岡県」のバナー

    福岡県インターネットテレビ番組
    「ふかぼりっ!福岡県」

    毎月2回程度、ふくおかインターネットテレビ、YouTube、Facebookにて配信中!タレントの岡澤アキラさんが“ふかぼり隊長”となって、福岡県のさまざまな取り組みを深く掘ってお伝えします。

  • けんちょうフードマルシェ はかた地どりのバンバンジーの写真

    はかた地どりのバンバンジー

    けんちょう Food Marche(フード マルシェ)

    県庁の食堂が「県民レストラン」としてリニューアル

    地下1階の食堂が県産木材を使用した明るく開放的な空間に生まれ変わりました。メニューも一新し、福岡女子大学の学生と共同開発したヘルシーメニューや県産の旬の食材を使った地産地消メニューも提供。どなたでもご利用いただけます。

    場所
    県庁地下1階西側
    営業日
    月曜~金曜
    (土日祝日、
    年末年始を除く)
    営業時間
    11:00~14:00
    (ラストオーダー
    13:30)
    座席数
    約360席

    ※新型コロナウイルス感染防止対策として、当分の間は座席数を減らして営業