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知事定例記者会見 令和5年10月24日(火曜日)

更新日:2023年10月24日更新 印刷

知事定例記者会見 令和5年10月24日(火曜日)

この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。

この知事記者会見録の模様は、  ふくおかインターネットテレビ  で動画配信しています。

発表事項

(1)11月1日、福岡県いじめレスキューセンターを開設します(こども未来課)

記者提供資料(11月1日、福岡県いじめレスキューセンターを開設します) [PDFファイル/120KB]

 

その他

(1)「ボストン・ニューヨーク訪問団」成果報告(新事業支援課、輸出促進課)

(知事)まず初めに、自動車税に係る個人情報の漏えいについてです。

今回、本県の自動車税の納付の呼びかけを行うコールセンター業務の委託先において、約14万人の個人情報の漏えいが発生しました。県民の皆さんに多大な不安とご迷惑をお掛けしていることについて、深くお詫びを申し上げます。

私は、13日に本件の報告を受けました。直ちに担当課に対し、まず、委託先であるNTTマーケティングActProCXに対する事実確認を行うこと。第2点目に、国の個人情報保護委員会への報告を行うとともに、速やかに記者会見を行うこと。3点目に、生嶋副知事をトップとして、関係部署による横断的な対策チームを立ち上げること。この中には、県警察本部及び消費生活センターにも入っていただくよう指示しました。そしてこのチームにおいて、不審な電話等への注意喚起、県としての相談窓口の設置、特別広報の実施などの対策を迅速に行うことを指示しました。また、4点目に、市町村に対して、消費生活の担当部署に注意喚起をしていただくようお願いするよう指示しました。

このような対応をとってまいりましたが、現在のところ、本件に関連すると思われる被害報告はございません。しかし、県民の皆さんからの問い合わせや苦情はいただいているところです。県民の皆さんが被害に遭うことがないよう、県からの発表当日である17日に県内の市町村に対し、注意喚起の呼びかけを依頼するとともに、21日には特殊詐欺被害防止を呼びかける新聞広報を実施しました。

また、昨日、23日に、NTT西日本九州支社長が私の元に謝罪に来られました。私からは、個人情報の漏えいによる県民の皆さんの不安解消に向け、緊密な情報共有を行うとともに、個人情報が漏えいした方に対し、速やかに本県と連名でお知らせをするなど、真摯な対応をとるよう求めたところです。

現在、NTT側の持つ情報と、本県が持っている情報との照合を進めているところですが、1日も早くこの作業を進め、個人情報が漏えいした方へお知らせするとともに、お詫びを行っていきます。1点目は以上です。

 

2点目です。11月1日に、新たに、いじめの相談窓口として、福岡県いじめレスキューセンターを開設します。

県内のいじめの認知件数は、平成29年度は8,926件でしたが、令和4年度は1万6,587件です。5年間で約7,600件増加しています。途中、コロナの影響もあって減少している年度もありますが、基本的には増加のトレンドを続けていると見ています。

一方、このようにいじめの認知件数は増えていますが、全国調査によると、子どもの命や心身、また財産といったことに重大な被害が生じたり、相当期間にわたり不登校になるなど、重大事態と言われるもののうち、約4割は学校がいじめとして認知をしていなかったという結果が出ています。このような状態ですので、いじめの早期発見・解消を図り、重大化、長期化を防ぐため、学校外の立場から、いじめに悩むお子さんや保護者を支援するいじめレスキューセンターを設置するものです。

このセンターの特徴を申し上げます。現在、県の教育庁でも、お子さんが抱える悩み全般に対する電話やLINEを使った相談窓口がありますが、今回のいじめレスキューセンターは、いじめ専用の相談窓口です。また、このセンターには、社会福祉士や精神保健福祉士といった資格を持っている支援員の方、また弁護士を配置して、相談対応のみならず、いじめの解消に向けて、学校側との調整、その後のフォローアップまで行います。

対象となる事案についてですが、学校や学校の先生に相談することを迷うお子さん、ご父兄もいらっしゃるわけです。こういう学校に相談することを迷ういじめ、あるいは第三者による支援を希望するいじめが対象で、対象となる方は、県内の小中高校に通うお子さんとその保護者の皆さんです。

いじめレスキューセンターに相談したいと思われた場合は、まずは電話かメールでご相談をいただきたいと思います。この電話とメールの相談には、社会福祉士などの支援員の皆さんが対応します。予約をいただけましたら、面接への相談も受け付けています。開設時間は、日曜から金曜の10時から18時までです。

それから、このセンターでは、先ほど申しましたように、こういった相談対応にとどまらず、相談内容を踏まえ、相談された方の同意のもとで、支援員、あるいは弁護士が学校を訪問し、状況を確認します。そしていじめの解消に向け、今後の対応について学校側と協議を行います。その上で、センターから相談をされた方に対して、学校との協議結果をご報告します。そしてこの報告後、3ヶ月をめどにフォローアップを実施します。こういったことによって、いじめの解消を図っていきたいと考えています。

県としては、いじめレスキューセンターの設置により、教育委員会や学校によるいじめ防止の取り組みとあわせて、いじめの早期発見・解消を図り、重大化、長期化するいじめを1件でも多く減らしていきたいと考えています。

 

3点目です。ボストン・ニューヨーク訪問団実施報告ということで、今月15日から20日までの日程で、県、県議会、九州経済連合会会長、九州大学総長、県内のバイオスタートアップの企業の皆さんでボストン・ニューヨークを訪問しましたので、ご報告します。

産学官のトップで構成される県訪問団をアメリカ東部に派遣するのは、今回が初めてです。

まずボストンですが、世界最大のバイオ産業の拠点です。マサチューセッツ工科大学(MIT)やハーバード大学など、世界トップレベルの大学や人材、企業、投資家が集積しており、州政府の支援を受けて、エコシステムが完成された地域です。また、世界的なスタートアップ支援機関であるケンブリッジ・イノベーション・センター(CIC)の本拠地でもあります。

今回ボストンを訪問した目的は、バイオ分野における福岡県とボストンエリア、この両地域の連携関係を構築するととともに、県内のバイオスタートアップへの投資やボストンの製薬会社等の企業との協業を生み出すためです。

マサチューセッツ州政府を訪問した際、国旗県旗のもとでの写真が写っていますが、私の左隣に立っていらっしゃるのが、ヒーリー州知事です。ヒーリー州知事と面会し、両県州におけるビジネス分野での交流を促進していくことを確認しました。

また、ハオ経済長官とは、バイオ分野における投資、あるいは具体的なビジネスの実現に向けた意見交換を行いました。ハオ長官からは、「福岡県は特別な友人である。両県州は、スタートアップやバイオ産業への関心が非常に高く、産学官の連携が密接であるといった共通点が多く、今後、連携して取り組んでいけるのではないか。」という発言をいただいたところです。

次に、バイオスタートアップ in ボストンです。在ボストン日本国総領事館の鈴木総領事をはじめ、日本国総領事館にもご支援をいただきました。また、在福岡米国領事館にもご支援をいただき、政治経済担当領事に今回の訪問団に同行いただいたところです。

両領事館との連携のもと、現地の製薬企業やベンチャーキャピタル等を対象としたピッチイベント「Fukuoka Innovation Night」を開催しました。その時のプレゼンは、日本国総領事館で行いました。日本総領事館によると、日本の地方自治体が主催するピッチイベントは初めての取り組みということでした。このピッチイベント「Fukuoka Innovation Night」には、会場の定員を超える約100名の方々にご参加いただいたところです。

私からは、「『世界から選ばれる福岡県』への挑戦」と題して、本県のバイオ産業振興策についてプレゼンテーションを行いました。また、県が支援しているバイオスタートアップの株式会社フェリクスや株式会社CUBICStarsなどによるピッチが行われました。

また、ピッチイベント終了後の交流会では、今後の共同研究、あるいは米国でのビジネス展開のための協業、さらには資本提携に至るまで、具体的なビジネスに繋がる広範囲なネットワーキングが行われたところです。

現地に参加いただいた皆さんの声を紹介します。

「福岡とボストンは産学官が密接に連携をしており、共通点が多いと思った。」また、「バイオ産業の先進地である米国・ボストンにおいて、福岡県からのバイオスタートアップが堂々と、洗練されたプレゼンをしたことは、同じ日本人として大変心強い。」というご意見がありました。

また、登壇いただいたバイオスタートアップの方からは、「アメリカの有力ベンチャーキャピタルとのコネクション形成を行うことができた。」さらに「一度にたくさんのビジネス関係者との人脈形成を行うことができた。」こういったお声をいただいております。今後のビジネス発展への足がかりとなる大きな成果が得られたものと考えています。

それから、2025年の春に福岡県への拠点開設を検討しているケンブリッジイノベーションセンター(CIC)の本部を訪問しました。拠点開設に向けた福岡での事業展開に関するCICの方針をお聞きするとともに、福岡県との連携などについて意見交換を行いました。

また、起業家教育の分野で九州大学とも交流があるマサチューセッツ工科大学のマーティン・トラスト・センターを訪問しました。まず、マーティン・トラスト・センターのセンター長を務めているビル・オーレット教授、この方は年間900件ものスタートアップを生み出す、このセンター長でいらっしゃいますが、大変人気のある先生であり、非常にわかりやすくこのセンターの活動、また起業家教育に関する考え方についてお話を伺ったところです。

さらに3番目は、モデルナ。我々もワクチンで大変お世話になりましたが、mRNA技術の先駆者として急成長を遂げた企業です。13年前は、このモデルナという会社の社員は社長を入れてわずか3人でした。それが今では6,000人規模であり、さらにまた拡大を続けようとしている会社です。要因はまさにmRNA技術を使っていることです。また、この創薬の開発に関して、MチャットというAIを駆使している点もあります。こういったことによって、ワクチンを含む創薬を驚異的なスピードで完成させている会社です。こういったお話も含めて、このモデルナ本社において、成長の推移、あるいは今後の事業計画を伺いました。

それからもう一つは、先ほどからボストンはバイオ関係のエコシステムが完成していると申し上げましたが、ボストンにおけるバイオコミュニティを束ねるMassBioという支援機関があります。このMassBioを訪問して、県内のバイオスタートアップ支援に対しての有益な助言やご提案をいただいたところです。

次は、国際金融機能の誘致に係るものです。世界的な投資会社のステート・ストリート社。日本にも支社がありますが、このステート・ストリート社を訪問して、同社が集めていただいた現地の金融機関や投資家の方とランチミーティングを行いました。

このランチミーティングでは、日本政府が新たに打ち出した「貯蓄から投資へ」シフトを進めるということ、そして資産運用特区というものがあり、この資産運用特区の最有力候補に福岡県が挙げられていることなどを、私からプレゼンテーションを行いました。参加者の皆さんもこの点について非常に高い関心を寄せられていました。ランチミーティングの中では様々鋭いご質問もいただいたところですが、九経連の倉富会長と私で対応させていただいたところです。

さらにステート・ストリート社のルー社長と面談して、福岡県の国際金融機能の誘致の取り組みについて意見交換を行わせていただきました。

それから、次は、ニューヨークです。八女茶のプロモーションとして、世界のトレンドの中心地ともいえるニューヨークで八女茶の魅力を発信し、国内外での認知度向上、販路拡大を図るため、八女茶プロモーションを実施しました。

まずはニューヨーク最大の八女茶取扱店の日本茶専門店「ケトル」を訪問し、創業者のザック・マンガン社長とお会いしました。マンガン社長からは、「八女茶は、煎茶、玉露、抹茶など多種多様なお茶を生産しており、八女茶生産者の品質の維持、向上に対する努力は、特別なものがあると思っている。」と八女茶について高く評価をいただいたところです。

また、夜には、ニューヨークの三つ星レストランの「イレブン・マディソン・パーク」において、レストランのオリジナルメニューと八女茶とのペアリング試食会を開催しました。現地のメディア関係者の方、インフルエンサーの方、また、レストランなどの飲食店関係者の皆さんにご参加いただき、料理と相性のよい八女の玉露や抹茶を堪能していただいたところです。

今回の訪問を契機として、ドリンクメニューに八女茶を取り扱うレストランを増やし、トレンドの中心であるニューヨークから八女茶の魅力を発信してまいりたいと考えます。

今回のボストン・ニューヨーク訪問についての報告は以上です。

私からの発表は以上です。

質疑応答

(NHK)いじめレスキューセンターの対象は、私立も含む県内の小中高生全てということでよろしいですか。

(知事)はい。公立・私立を問わず県内の小中高校に通うお子さんまたはその保護者から相談を受けます。

(NHK)センターに部屋が設けられて、支援員が常駐するというような形ですか。

(知事)そうです。精神保健福祉士や社会福祉士、それから法律的な問題もありますので弁護士等、色々な資格を持つスタッフに対応いただくこととしています。

(NHK)そういう方々が支援をされることで、これまでとの違いや、どういうことが支援として進むのかという点など、センターに期待することをもう少し具体的にお伺いしてもよろしいでしょうか。

(知事)いじめ対策は、いじめ防止対策推進法に基づいて、主として学校において取り組みが行われてきました。しかし、依然として重大事態は発生している。しかも、その4割は学校が認知していなかった。そういった状態のまま事態が重大化しているということは看過できない問題であると思っています。これを早期に発見する仕組みが必要と考えたわけです。

 こういったことから、これまでの学校や教育委員会の取り組みに加えて、今回、知事部局が学校外の立場から、専門家の皆さんの知見を生かしながら、いじめの相談から解消まで関与することによって、いじめを県全体の問題として捉え直し、いじめの長期化・重大化を防いでいくという取り組みです。

 

日本経済新聞)ボストン・ニューヨークの出張に関してお伺いします。まず、意見交換や先方のプレゼンテーションを通じて、具体的に生かせそうな知見や、先方の反応など、どういった成果が得られたかを伺います。

(知事)非常にタイトなスケジュールで、相当の訪問あるいはミーティングを重ねてまいりましたので、それを一気に言うのは難しいですが、私が一つ印象に残っているのは、MITでオーレック教授に、アントレプレナーシップ、起業家精神を育てていくための取り組みについてお話を伺ったことです。

 まず、心構えあるいはシステム構築ということについて、一番言われていたのは、よく起業家とか成功された方というと、どうしてもその個人に着目しやすい傾向があるが、そうではないと。起業、スタートアップというのは、チームで行うものだということです。MITにおいては、まず学部・学生の段階から、技術系の学生やビジネス系の学生等、分野の違う学生間の交流を非常に重視していて、そういう場を積極的に設けて、チームとして起業を行っていくということが重要だということを繰り返し言われていました。

 そういう中で、会社を生み育てていくのであって、誰か一人が全てのことを理解して、その人が指示をしてという、昔のアメリカや日本のような形とは、もはや今は違う。チームの中で失敗もして、色々なことから学んで、そしてまた立て直していって、力を生み出していくのだということを強調されていました。

 我々も、どうしてもスタートアップというと、ヒーローみたいな方がかっこよくプレゼンしてと、そういう個人に着目しがちですけれども、「あれは結果だよ」というふうにおっしゃっていましたね。やっぱりチームの力を生み出す取り組みや仕掛けをつくるということを、大学も行政も心がけなければいけないということを強くおっしゃっていたのが私は印象に残っています。

日本経済新聞)ステート・ストリート社を訪問されたランチミーティングの際に、鋭い質問をいただいたとおっしゃっていましたが、肝心な課題というのはどういったところですか。

(知事)まず、参加された皆さんにプレゼンする前に、私は「九州と福岡を知っていますか」とお聞きしましたが、誰も知らない。アメリカ東部において投資・運用を行っている皆さんが、福岡というものに対して認知がないということはショックでもあり、認知度を上げていかなければならないと思いました。それは単に福岡、福岡、福岡と名前を連呼すればいいわけではない。特にご質問のあった中に、「あなたは東京ではなくて福岡に投資をしろと言うが、それは合理性がないのではないか」と。「東京の次に福岡と言うべきではないか、なぜ東京ではなくて福岡とあなたは言うのか」というものがありました。

 それに対して、いや、違いますよと。もちろん東京も、企業や金融機関の集積がある。しかし、福岡というもののこれからの発展可能性、ポテンシャルというのももっと着目すべきだし、福岡が持っているアジアとの近接性、アジアの活力を取り込む力、また優秀な人材を生み出す力、それから様々なインフラの整備もされている点とか、そういったことを倉富会長と私で御説明しました。

それと、東京と比較して、我々のところは非常にQOL(クオリティー・オブ・ライフ)が高い。自然も非常に近くにあり、ここでお仕事をされるのであれば、非常にいい環境で仕事ができるし、オフィスの賃料も含め、家賃も東京の半額だというメリットがあると。そういうことを倉富さんとも一緒に具体的に御説明して、御理解をいただけたものと思っています。

日本経済新聞)それらを踏まえて、今後どういうふうに取り組みをしていこうとお考えですか。

(知事)今回、国際金融機関やバイオ関連企業との関係づくり等の目的で行ったわけですから、今回の訪問はまずスタートだと思っています。ヒーリー州知事やハオ経済長官とも同じような話をしました、まずスタートだよねと。今回の訪問でスタートアップの皆さんは、結構色々な人脈をつくることができたとか、今後、具体的な話をする糸口ができたと言っていただいていました。

 そういうことで、これからの様々な我々の地域に対する投資、それから、具体的なスタートアップに対する投資、あるいは現地の製薬企業と我々のスタートアップとが協業していけるような関係を構築する、生み出していくことを我々としてもバックアップしていきたいし、これからも継続して、我々の情報を、御参加いただいた企業や投資家等々に対して様々な方法で情報提供していきたいと思いますし、具体的な企業間のマッチング等も行っていきたいし、それを支援していきたいと思っています。

 

(西日本新聞)いじめの関連で、福岡市の私立高校の女子生徒が5月に自殺した問題で、県の対応について質問させてください。

県は発生直後に警察から事案の報告を受けていたが、報道されるまで課内で共有することはなく、学校への催促も1回のみだったということについて、御遺族は大変その対応に不信感を持たれています。このことについて、知事の受け止めをお聞かせください。

(知事)県警から情報提供を受け、そのことについて担当の職員が上司への報告、または協議ということを行っていなかったために組織的な対応が取れていなかったということです。そして、学校に対しても、報告書の提出の督促が遅れている。こういった点については非常に遺憾に思っています。

やはり学校においてもそうですけれども、こういう事案に対して組織として情報を共有し、そして迅速に対応していく必要があると考えていますので、我々としてもこの点を十分に反省し、今後の対応に生かしていきたいと思っています。

(西日本新聞)関連して、前回の文教委員会の中で、私学振興局長が、こういうことが起こらないように部局を横断するプロジェクトチームを立ち上げると発言していますが、このプロジェクトチームの立ち上げの進捗度合はいかがですか。

(知事)局長が申したのは、いじめ重大事態の初動対応について、この体制をつくるための関係課の連絡会議というものを指しています。これについては、まず1回目の会合を10月6日に開いています。私学振興局の政策課、私学振興課、教育委員会の高校教育課、それから福祉労働部のこども未来課。この4課が出席しています。

これについて、関係課の間で組織として情報を捉え、迅速に対応する。そして、学校が速やかに調査を実施できるように、県においても初動の段階から情報を共有して、必要に応じてアドバイスを行う。この体制づくりの支援が必要になると思いますので、このための県関係課の間での統一したルールをつくっていこうということで、今、その検討を進めているところです。

 

(日本経済新聞)話が戻りますが、ボストンの件で、まずはスタートというお話があったと思いますが、意見交換で、例えば県と現地当局とか現地機関とのMOUみたいな話があったのかということと、知事として、今後そういうのを結んで、より密な連携をしていきたいというお考えがあるのかどうか。

(知事)州知事とは、特に現段階でMOUというお話はしておりません。また、私が聞いたところでは、ヒーリー州知事は、いわゆる一般的なMOUというものについてはあまり積極的でありません。ただ、先ほども申し上げましたように、具体的なビジネスとか、そういう特定の分野について連携していくということについては非常に積極的に感じましたので、この分野でとか、そういう可能性はあると思います。

 ただ、問題は、MOUを結ぶかどうかではなく、やはり両県州において、お互いの状況をよく情報共有して、そして共通点も見出したわけですので、連携しながら、実際のステージの上で活躍する企業の皆さんがやりやすいように、そして成果が見出せるように、これを具体的にバックアップしていくことが重要だと思います。

MOUというのは、それをするために何らかの意思疎通を図る手法ではありますが、今のところはそういうふうに考えております。ともかく、まず実績をつくっていくということです。

(日本経済新聞)最先端の国際金融、あとバイオのスタートアップの先端地を見学されたと思いますが、逆に福岡にこういう組織とか機能が足りないなと思った点はありますか。

(知事)我々もバイオコミュニティを形成しており、国からも地域バイオコミュニティの認定をされている状況であり、一定の地域全体としての取組体制はできていると思いますが、やはり集積度は違います。そして、もっともっとエコシステムというものを完成していく上において、重要なアセットは大学です。大学の皆さんにも、もっとバイオのエコシステムをつくっていく上において関与していただくことが必要だと思いました。先ほどからお話ししているように、もともとボストンはハーバード大学ができ、その百数十年後にMITと。MITも地域の要望によってつくられた歴史がある。そして、二つの大学だけではないのですが、しっかりと地域のエコシステムの形成に大きな役割を果たしているということで、これは私としても非常に印象に残りました。今回は九州大学の石橋総長以下、九州大学の副理事の方等が御参加いただき大変ありがたく思っていますが、九州大学にとどまらず、我が県の強みでもある県内のたくさんの大学、しかも理工系の大学も多く、医療系の大学も4つありますので、こういう大学の皆さんにもっともっと我々の取り組みに対して参画いただくことは非常に重要な問題だと思っています。

 

(FBS)昨日、岸田総理が所信表明でライドシェアの導入の検討を表明されていたことについて、服部知事としてはどのようなお考えでしょうか。

(知事)現実問題として、今、タクシー業界、バスもそうですけど、人手不足ではない業界は多分ないと思います。そういう中で、特にこうやってインバウンドも含め観光が活性化している中で、私が聞いたところでは、特にタクシーは保有している車の半分が車庫に眠っているという状態もあって十分に稼働できておらず、そこには人手不足の要因があると思います。地域によっては、通院や買い物など様々な生活の中で、高齢者の皆さんの足として、ライドシェアという手法がそういうものの解決策として出ているのだと思います。 これは一つの取り組みとして考えられるものであると思います。

ただ一方で、やはり課題もまだあると思います。これはタクシー協会の皆さんも懸念を示されていることで、御存じかと思いますが、例えば、会社で雇用しても、二種免許を持っている運転手さんと一種免許を持っている運転手さんをどういうふうに処遇すればいいのかという問題もあると思いますし、また、個人が運送を副業的に行うとすれば、安全面から考えて、過重労働の問題は大丈夫かということです。睡眠不足とか色々な安全面の問題は確保できるのかどうかという問題もあろうかと思います。様々に課題もありますので、業界の御意見もしっかり踏まえて、政府には対応していただきたいと考えています。

 

(毎日新聞)昨日、沢井製薬が飯塚市の九州工場で製造する胃炎薬の品質試験を、承認を受けた手順と異なる方法で不正に実施していたと発表しましたが、今後、県として、沢井製薬に対してどのように対応するお考えでしょうか。

(知事)まず、沢井製薬の九州工場は、福岡県にとっても非常に大きな、有数の医薬品製造所です。この沢井製薬九州工場においてそのような不正が発生したことは極めて遺憾に思っています。しかも薬のことですので、人の身体、健康ということに直結する問題です。極めて遺憾に思っています。

 県では、6月21日に沢井製薬の本社がある大阪府から情報提供を受けました。これによって動きまして、7月3日から5日にかけて立入調査を実施しました。そして、不適切な試験が行われているという事実を確認しました。その後、報告等も取りましたが、10月に受領した同社の報告を見た限りでは、違反事実に対する改善というものが不十分であると判断しています。いわゆる検査体制、管理体制というものが十分な改善が行われていないと考えています。

 こういったことから、県としましては、同社に対して薬機法に基づく詳細な調査を行っているところです。今後の対応としては、もちろん改善命令等の発出が考えられるわけですが、これについても厚生労働省と協議をしながら進めてまいりたいと思います。

 

(毎日新聞)台湾有事関連ですが、先日、松野官房長官が熊本県の蒲島知事らと会談して、台湾有事を念頭に沖縄県の離島住民の避難先としての整備計画を2024年度中に策定するように要請して、蒲島知事は九州各県と連携を密にしたいということでした。熊本県や鹿児島県などから福岡県に仮に協力の要請があった場合、県としてどのように受け入れ体制を整備するお考えでしょうか。

(知事)九州地方知事会長として蒲島知事、それから鹿児島県知事にも松野官房長官から要請があったと。松野官房長官は、福岡県に対しても、直接、要望にお見えになりたいと伺っていますが、なかなか日程の問題もあり、お会いできておりません。

 この件については、武力攻撃事態などの場合、県は国民を保護するための措置を的確かつ迅速に実施しなければならないと、国民保護法において定められています。こういったことがまず基礎です。国からお話があった場合には、もちろん国との協議、あるいは九州各県との連携というものを図りながら対応する必要があると考えていますが、やはり国民保護法第58条においても、都道府県知事は避難住民を受け入れるものとするという規定になっております。我々日本国民の生命、身体の安全を図るという観点からも、福岡県としては法に基づき対応してまいりたいと考えています。

 

(西日本新聞)先ほどの私立高校のいじめの問題の話でもう1点ですが、当時の私立高校における自殺事案の対応に当たった臨床心理士の方が、弊社の取材に対して色々な発言をされていて、その臨床心理士の方は、県の教育庁のいじめ対策委員の委員長だと思います。今後、県立学校で重大事案が発生した場合、その委員長が主体になって対応されると思いますが、対応が今後できるのかという色々な読者の声等を聞いていて、委員長の今後の処遇というか、県がどこまでその処遇に関与できるのか、県知事はどうお考えなのか、もしあれば聞かせていただけないでしょうか。

(知事)この臨床心理士の方とのやり取りは、御紙、西日本新聞の紙面によって私も拝見をしました。ただ、県立学校のいじめ防止対策推進委員会の委員長をお務めであると伺っていますが、この委員会については教育委員会の所管となっており、委員の任用等の事務については教育委員会で行っているところです。私からこれを云々というのは差し控えたいと思いますが、今日は教育委員会に同席いただいておりますので、お話しいただければと思います。

(高校教育課)教育委員会の高校教育課です。

先ほどの臨床心理士の方にはこちらから聞き取りを行っています。その際に本人からは辞任の意向はないというお話でして、今も委員長でおります。

(西日本新聞)今のところは、任期まではその方に対応してもらうという形になる、委員長としての職務はしていただくという形なんですね。

(高校教育課)予定ではですね。

(西日本新聞)教育委員会として解任のお考えは特にないということですか。

(高校教育課)まず、解任規定が現在のところは特にありません。また、もし通常あるとしても、非違行為や心身の状況によって職務が継続できないなどという場合になりまして、今回の件はそれに当たらないと考えています。

 

(終了)

 

 

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