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知事定例記者会見 令和5年2月13日(月曜日)

更新日:2023年2月13日更新 印刷

知事定例記者会見 令和5年2月13日(月曜日)

この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。

この知事記者会見録の模様は、  ふくおかインターネットテレビ  で動画配信しています。

発表事項

(1)令和5年度当初予算及び令和4年度2月補正予算の概要について(財政課)

記者提供資料(令和5年度当初予算、令和4年度2月補正予算) [PDFファイル/3.72MB]

(2)新福岡武道館のデザインが決定!(警察本部施設課)

記者提供資料(新福岡武道館) [PDFファイル/235KB]

(3)福岡オミクロン警報の解除について

(新型コロナウイルス感染症対策本部(事務局:がん感染症疾病対策課))

(知事)今日は、私から3件、発表事項がございます。

 まず1件目ですが、2月20日に開会する2月定例県議会に提案する、令和5年度当初予算及び令和4年度2月補正予算の概要を説明します。

 令和5年度当初予算の編成のテーマは、「未来を見据え、『成長・発展』に向けて加速前進」です。

この予算の概要説明の前に、このテーマを設定した背景について少しお話しします。

 昨年を振り返ると、新型コロナ、オミクロン株による爆発的な感染拡大。また、2月24日にはロシアによるウクライナ軍事侵略が始まりました。急激な円安も重なり、こういう予測困難な事象により、私たちは自らの生活、あるいは社会経済の足元を心配しなければいけないことが多かったと思います。私たちは、今後も起こり得る急激に変動する国際社会の中で、こういった様々な情勢変化に、強靱に対応していかなければなりません。

 新型コロナについては、発生から3年が経過しました。今年の5月8日には、感染症法上の位置づけが2類相当から5類感染症に変更され、季節性インフルエンザなどと同じ位置づけになります。いよいよ社会経済活動が平時に戻っていくことが期待されます。

 一方、本県経済を見ると、県内総生産、いわゆる県内GDPの実質値は、物価変動要因を除いたところ、平成30年度には19.9兆円まで成長しました。しかし、その翌年の令和元年度は、消費税率の引上げによる駆け込み需要の反動減があり、前年度比1.0パーセント減の19.7兆円となりました。さらに令和2年度は、確定値がまだ出ておりませんが、コロナの感染拡大の影響により大きく落ち込むことが見込まれています。その後、持ち直しの動きは見えますが、コロナ前の水準には戻っておらず、成長段階には至っていないと判断しているところです。官民で経済を牽引する取り組みが必要です。

 こういったことから、令和5年度においても、県民の皆さんの命と健康、生活を守ることを最優先に取り組んでいきます。このことは、揺るがすことができないことです。同時に、全ての人の人権を守り、年齢、性別、障がいの有無にかかわらず、誰もがその能力を発揮することができる、安全・安心な社会の実現を目指します。その上で閉塞感を打破し、国内外から投資、企業、人材を呼び込む。地域の活力基盤をさらに強固なものにするとともに、県として人や経済、社会にしっかりとした投資を行い、未来を見据え、福岡県を「成長・発展」に向けて加速前進させてまいります。

このような背景や予算編成の考え方で、この当初予算を組み、3つの柱を掲げています。「1000億円の人づくり」、「県内GDP20兆円への挑戦」、「安全・安心で活力ある社会づくり」の3つです。

 まず1番目の柱、「1000億円の人づくり」です。本県の発展を担っていくのは人です。今回の予算案では人財の育成に関し、1,000億円を超える予算を計上しています。子どもたちの学びや体験の機会の充実を図り、失敗を恐れず、留学、スポーツ、芸術、起業など、それぞれの夢に向かってチャレンジする若者を応援し、未来を担う人づくりに取り組んでいきます。

 「経済成長を支える人づくり」。半導体など成長が期待される分野で活躍されるテクノロジー人材や、経営感覚に優れた農業人材など、「経済成長を支える人づくり」にも取り組んでいきます。

「いきいきと輝く人づくり」。IT分野、建設業、農業など、様々な分野における女性活躍を推進します。高齢者や障がいのある方の就業機会の確保など、県民一人一人が「いきいきと輝く人づくり」を進めてまいります。

 「社会を支える人づくり」。医療、介護、保育など、エッセンシャルワーカーの育成・確保や、地域を守る人づくりなど、社会を支える人づくりにも力を入れてまいります。

 こうした人財の育成に積極的に投資し、本県の社会経済、そして未来を担う人財を育ててまいります。

 2番目の柱、「県内GDP20兆円への挑戦」です。本県の県内GDPはこのところ持ち直しの動きが見えるものの、成長段階には至っていないと判断しています。物価・エネルギー価格の高騰や海外での景気後退の可能性が指摘される中、未だ到達したことのない、物価変動の影響を取り除いた実質値での県内GDP20兆円を達成することは容易ではありません。しかし、臆することなく、前を向き挑戦します。県内GDP20兆円へのチャレンジという旗を掲げることにより、県内の市町村、企業の皆さんと力を合わせ、本県の経済を牽引する産業を育て、成長・発展の歩みを前進させていきます。官民で全力で取り組むことでその効果を年々高めていき、県内GDP20兆円を達成し、未来につながる経済成長を実現したいと考えています。

 3番目の柱、「安全・安心で活力ある社会づくり」です。急速に進む少子化により、本県の出生数は平成28年以降、6年連続で減少しています。子どもを安心して産み育てることができる地域社会づくりを積極的に推進していくことが喫緊の課題であると認識しています。

 新型コロナ対策、物価・エネルギー高騰対策、災害からの復旧・復興、県土強靱化を推進し、県民の皆さんの命と健康、生活を守る。新型コロナのような人獣共通感染症に対処していくためにも、引き続きワンヘルスの推進に取り組み、世界的先進地を目指してまいります。

 そして、ジェンダー平等を推進しますとともに、障がいのある方の自立と社会参加を支援し、年齢、性別、障がいの有無に関わらず、誰もがその能力を存分に発揮できる社会を目指してまいります。

さらに、スポーツの振興、健康寿命を延ばす健康づくり、文化芸術の振興、「FUKUOKA IS OPEN」を合い言葉に、世界に向けた発信と交流などを推進してまいります。

 今、3番目の柱を紹介しましたが、「子どもを安心して産み育てることができる地域社会づくり」について、出産・子育て施策の充実・強化のため、今、21億円ほどある「こども育成基金」に100億円をさらに積み立て、新たに「出産・子育て安心基金」を設置します。県として、中長期的な財源を確保し、子どもを安心して産み育てることができる施策をこれからも積極的に進めていくという意思を表すものです。

令和4年度の県税収入は、輸入額の増加や企業業績の改善等により大幅増加することが予測されており、これをこの100億円の積立ての財源として充てることとしました。まず、令和5年度はこの基金を活用した新規事業として、病児保育利用料の無償化、また、不妊治療費の助成を行います。今後、この基金も活用しながら、その時の情勢に応じ、機動的な出産・子育て施策を講じていきます。

 そのような3つの柱の下で編成した予算ですが、この令和5年度当初予算と、国の経済対策を最大限活用した令和4年度2月補正予算。これに年内に着手すべき経済対策として昨年12月議会で議決いただいた12月補正予算の3つを合わせて、16か月予算という考え方の下で編成しました。

一般会計の予算規模は、当初予算は2兆1,975億円で、4年連続過去最大となっています。2月定例会に提案するのは、当初予算と2月補正予算の2つです。合わせて2兆2,076億円となっています。

 令和5年度当初予算における新規事業の件数は190件です。昨年はコロナ関連を除くと187件で、3件増加しました。昨年222件という説明をしましたが、コロナ関係の事業も含まれているので、これを除いたところで比較すると、3件増加の190件です。

 それでは、予算の中身を説明します。

まず「1,000億円の人づくり」。この柱のうち「未来を担う人づくり」です。これまで20年以上にわたって取り組んできた青少年アンビシャス運動の成果を発展的に継承し、市町村や企業等の多様な主体が提供いただく体験活動を通じ、子ども同士が切磋琢磨しながら成長していくことを目指して、新たに「未来子どもチャレンジ応援プロジェクト」をスタートします。

 次の新規事業として挙げているのが、「福岡から世界へ」高校生応援海外研修プロジェクトです。海外には、本県ゆかりの方やゆかりの企業による海外県人会が多数あります。この海外県人会の企業の皆さんにご協力いただき、高校生の皆さんの就業体験やシリコンバレーで最先端の知識・技術を学ぶ研修を実施するなど、世界を舞台に活躍したい高校生を応援していこうというプロジェクトです。海外就業体験では、今回はハワイ、シンガポール、オーストラリアのニューサウスウェールズ州の3か所の県人会に御協力をいただき、事業を実施することとしています。

 次の柱、「経済成長を支える人づくり」。この主な事業として2つ上げています。

1つ目は、本県の先端技術産業で活躍する人材を育成しようということで、中学生、高校生がパワー半導体などの企業の優れた技術、あるいはその企業の将来性を学ぶ「テクノロジー人材創生塾」や、理工系の大学生が工場を見学・体験する「オープンカンパニーツアー」を実施します。

 また、次の2つ目の新規事項は、この半導体人材の育成を強力に推進しなければいけないということです。現在、百道にあるシステム開発技術カレッジを抜本的に見直し、仮称ですが「福岡県半導体人材リスキリングセンター」を新設します。この新たなセンターには、この分野におけるトップクラスの方をセンター長としてお迎えしたいと考えています。デジタル産業、あるいは自動車産業分野などの重要技術人材の育成に取り組んでいきます。このセンターを受講する際、県内中小企業の人材育成のためにも、中小企業の社員の皆さんについては、受講料は無料としたいと考えています。

 次に3本目の柱は、「いきいきと輝く人づくり」です。

 IT、建設業、農業など、様々な分野における女性活躍を推進していきます。ITや製造業など、いろんな分野で活躍されている女性経営者の皆さんと県とで、女性活躍のための課題や必要な取り組みなどを幅広く意見交換する、女性活躍イノベーションワークショップを新たに開催したいと考えています。これは、IT、情報通信業、製造業、運輸、ホテルなどの宿泊業、あるいはスタートアップ、こういった5分野でこのワークショップを展開したいと思っています。

 それから、企業発展の鍵となる女性の人材です。先般も色々な方とお話ししましたが、特に海外の投資家の皆さんから出資、投資を受けようとすると、女性の役員がいない企業は第一段階の審査で外される状況です。企業発展の鍵は女性であるということは世界共通です。九州大学発のベンチャー向けの人材バンク「CXOバンク」を今つくっています。この「CXOバンク」に女性人材の登録を推進していきたいと考えています。

 また、いろいろ柔軟な働き方が普及して、成長が期待されるIT分野での就労を希望する女性の方もたくさんいらっしゃいます。こういった方々にお応えするために、スキルに応じた研修から就職、キャリアアップまでパッケージで支援をしていきます。

 農業においても、事業拡大を目指す女性農林漁業者の皆さんが、応援していただく企業を募るベンチャーマーケットを開催します。それと同時に、この応援企業との取引に必要な機械、器具の導入を支援していきます。

 「いきいきと輝く人づくり」では、障がいのある方などの就業機会を拡大していきます。既に皆さんご存じのとおり、本県では就労の場、就業の場として2か所、国立国会図書館の蔵書等をデジタル化する場所を設けており、複数の障がい者就労支援事業所の皆さんが利用されています。ここは、そういった障がい者施設の利用者の方や、ひきこもり、あるいは難病のある方などが二交代制で、午後4時までは障がいのある方々が、午後4時から午後8時まではひきこもり等の皆さんが、という体制を取っています。これは全国で唯一の「福岡モデル」と言われています。非常に注目されている、この福岡モデルの就労支援の場として、北九州地域に新たに3か所目を開設します。

また、これも同じく北九州市になりますが、今、福岡で「こといろ」という名前で開設している障がい者の皆さんのテレワークオフィスを、県内2か所目として北九州市に開設します。

 次の柱は、「社会を支える人づくり」です。介護人材の確保、定着を図るため、育児休業制度の充実等の労働環境改善、あるいは職員の人材育成に取り組む介護サービス事業所を認証し、公表する制度を創設します。今、政令市を含めると1万の介護事業所があります。この3年間でその内の半分ほどの事業所の皆さんの認証取得を目指していきたいと思っています。

 次に地域伝統行事お助け隊についてです。今、県内には無形民俗文化財だけでも251件あるのですが、引継ぎ手や担い手の不足に苦しんでいらっしゃいます。こういうものは、あまりマニュアルなどはなく、いわゆる口伝で伝えられたりするものが多いです。こういった地域伝統行事の継続を支援しようということで、その運営スタッフなどとして参加できる方を登録して、地域に派遣する仕組みを新たにつくっていきたいと考えています。

 大きく2番目の柱です。県内GDP20兆円へのチャレンジです。

 本県では昨年、グリーンをキーワードに、半導体、自動車、水素の3つの分野で戦略的に産官学の推進組織を改組、あるいは新設して、戦略的な取り組みを進めています。

 まず、グリーンデバイス開発・生産拠点構想については、産学官の連携といった福岡県の強みを生かし、約400社ある本県半導体関連企業の育成、または他県からの半導体関連企業の誘致などを行い、半導体関連産業の成長と集積を図っていきます。

 次に、北部九州自動車産業グリーン先進拠点プロジェクトです。本県では今まで、150万台とか180万台とか、台数で取り組んでいましたが、質に転換していく。脱炭素化やCASEと呼ばれる技術革新など、今、自動車業界は100年に一度と言われる大変革期に臨んでいます。環境への対応と経済成長の両立を目指すために、電動化分野への業態転換の促進や次世代技術への参入支援等を推進します。

 水素グリーン成長戦略です。脱炭素化への対応を成長の機会と捉え、水素における経済と環境の好循環、グリーン成長を推進し、水素関連産業の集積、地域経済の振興を図っていきます。具体的にはFCトラックの導入の促進支援や、オーストラリアニューサウスウェールズ州との水素エネルギーについての様々な今後の展開などを考えています。

 次に中小企業の振興ですが、引き続き制度融資の融資枠を十分に確保して、資金繰り支援を行っていきます。ゼロゼロ融資など、コロナの融資の返済開始のピークが令和5年の夏頃見込まれます。このため、借換え、あるいは新たな資金需要に対応する経営改善借換え資金を確保します。新たな融資枠は1,014億円です。

 それから、新たに「福岡デザインウイーク」をやっていこうということです。福岡デザインアワードをずっと行っていますが、このアワードでの受賞作品を博多駅のデジタルサイネージで周知するなど、デザインを活用した商品の販売促進を行っていきます。

 農林水産業の振興についてです。本県にもいろいろな県産の果物がありますが、なかでも、季節を越えて売っていこう、お歳暮商品に対応しようということで、冷蔵貯蔵に適した、ほとんど種のない甘柿、秋王の自動選果技術や、イチジクのとよみつひめのカビ発生の抑制技術を実証していきます。

 それから、果樹産地に気象観測スポットを設置します。そして、この気象条件に応じた栽培を行うための果樹栽培を支援するアプリケーションを開発していきます。

 次に、農林水産業のデジタル化支援についてです。まずは青果物の首都圏への安定供給を図ろうということで、産地から北九州の中央卸売市場にある北九州青果株式会社が整備しているストックポイント、農林水産省の補助事業で整備をしていますが、このストックポイントを経由して、東京の青果市場までの集出荷情報をリアルタイムで共有するシステムを構築します。

 水産では、燃油対策にもなるわけですが、漁船漁業については今まで海峡予測システムで水温・潮流等の予測を行って、そのデータを提供していきました。もう勘では駄目だということです。今まで、3日後の漁場を予測していたものを7日後まで分かるように改善します。

 博多和牛については、全国和牛能力共進会で優等賞に入賞しました。これを契機として、香港への試験輸出や、タイでの博多和牛フェアを開催します。

 アメリカ、ニューヨークとロサンゼルスにおいて、日本食レストランで県産酒と八女茶、福岡有明ノリとの一体的なプロモーションを実施して、輸出の拡大を図っていきます。

3本目が有明海の漁業生産の問題です。今期は植物性プランクトンの大量発生によって、ノリの生産に大変苦戦しています。この有明海のノリ生産を支援するため、適切な養殖管理によって、高品質なノリの生産を支援していきます。現状はスマートフォンで水温や潮位のデータをリアルタイムで提供していますが、これを3日先まで予測できるシステムを開発して、データを提供していきます。

 次に「観光産業の振興」です。旅館には閑散期があります。また、閑散期の平日はお客さんが少ない。こういったときに観光客を呼び込もうということで、旅行代金等の一部を助成します。

 また、今年も実施して大変好評でしたが、修学旅行を呼び込もうということで、バス代の支援も継続して、1日1台当たり5万円、目標としては800台を行いたいと思います。

 それからインバウンド観光についてです。随分福岡の市内も外国人が多くなり、韓国語や中国語が飛び交っている状況です。さらに欧米豪を中心とする富裕層を対象とした高付加価値、高単価な旅行商品を造成していきます。

 また、欧米からの直行便が福岡空港にはありません。そういったことから、京都や大阪など関西圏を訪問された外国人の観光客の皆さんを本県に呼び込もうということで、JR西日本さんの外国人向けの企画乗車券と抱き合わせで、新幹線を活用して、そのお荷物を輸送する、この実証を行っていこうというものです。ホテルからホテルに荷物を送ることになります。

 それから、ベンチャー支援です。ボストンが本拠地のケンブリッジイノベーションセンター(CIC)の拠点が、現在、東京にあります。そのCICが天神の福岡ビルに入居を考えていらっしゃるということです。CICの福岡進出の機を捉えて、多様なベンチャーが集うグローバル拠点を創出していこうということです。

 まず、CIC Tokyoの中に、県職員が誘致活動を行うための拠点を整備して、職員を派遣し、常駐させます。また、福岡で韓国やタイなどの海外のベンチャー誘致に特化したグローバル・ビッグマーケットを開催します。こういった海外のベンチャーと国内外のベンチャーキャピタルなどの投資家の皆さんとのマッチング、出会いの場を設けるものです。

 次に、「先端技術産業の振興」です。久留米大学と連携して、バイオベンチャーの希少疾病医薬品、いわゆるオーファンドラッグの開発を支援する体制を構築します。

 次に、ブロックチェーンです。1つは、温室効果ガス排出量取引の「福岡・飯塚モデル」をつくろうということで、電力トレーサビリティ証明を行っていくものです。もう一つは、あさりの産地偽装の問題が出ていますが、福岡は国産の天然あさりの漁場として有明海が相当復活してきました。この国産の天然あさり「福岡有明あさり」を、トレーサビリティ証明によって、消費者が信頼して購入できる福岡モデルをつくっていきます。こういったことを、改ざんしにくいブロックチェーンの技術を用いてやっていこうというものです。

 それから、「グリーントランスフォーメーションの推進」です。国の省エネ基準を上回る省エネ住宅、いわゆる「福岡未来づくり住宅」とネーミングしていますが、この普及を図るため、モデル団地における住宅の断熱性の向上、また電力販売契約(PPA)による太陽光発電設備の導入を支援していきます。

 もう一つ、グリーントランスフォーメーションでは、県有施設や公用車の脱炭素化を加速させます。本県の県有施設の111施設について、原則、令和7年度までに計画的に太陽光発電設備を設置していきます。残り9つの施設は、色々な工事と合わせて整備することで、令和9年度までかかる予定ですので、令和9年度までには111施設を完了させます。令和5年度はこのうち23施設を実施します。

 それから、公用車については、電動車への切り替えが可能と見込まれる台数が792台あります。これについて、令和12年度までに計画的に更新します。令和5年度は、このうち93台を電動車に切り替えます。ただ、今は電動車も色々な車種が出てきている。まずはサブスクリプションを活用した形で、3年ほど見てみて、その後、車種が安定してきたら購入に切り替えていくことも検討していきたいと考えています。

 「戦略的な企業誘致」では、現在、苅田港新松山地区の第2期の分譲を行っていますが、第3期の約30ヘクタールの造成工事を進めます。また、直方・鞍手工業用地が23ヘクタール予定していますが、このための用地取得等を実施していきます。

 それから、「将来に向けた社会資本整備」として、北九州空港の滑走路2,500メートルから3,000メートルへの延長を早期に実現するため、やはり実績を積み重ねなければいけないということで、貨物便や旅客便の運行を支援します。また、福岡と北九州を結ぶリムジンバスの利便性を向上させます。深夜に、北九州空港から天神まではリムジンバスがある。そこから先はどうすればいいんだという話がありますので、深夜バスに接続する乗合タクシーの運行に向けた実証を実施したいと思います。

 次に、福岡・北九州高速道路の整備についてです。福岡都市高速3号線(空港線)を空港ビルの近くまで延伸する工事ですが、これを引き続き実施していきます。

 次に、3番目の柱「安全・安心で活力ある社会づくり」です。

 まず、「ワンヘルスの推進」。アジア獣医師会連合(FAVA)の大会で「アジアワンヘルス福岡宣言2022」が世界に向けて発信されました。また、昨年は同時に「FAVAワンヘルス福岡オフィス」の設置が決定されました。この春からこのオフィスが開設されますが、このオフィスと連携して、人・動物・環境の各分野に関する一体的な調査・研究を推進するなど、福岡県を世界におけるワンヘルスの世界的先進地になることを目指して取り組んでいきます。

 また同時に、県民の皆さんにワンヘルスは何なのかをよく理解していただく必要があります。こういったことから、実践活動を普及していただくワンヘルスマスターを育成していきます。

また、ワンヘルス宣言事業者の登録を行っています。この事業者の皆さんの相互の交流、連携を図っていこうということで、交流会を開催します。さらに、これまで筑後地域で開催していた「ワンヘルスフェスティバル」を福岡地域でも開催します。

 次に、「物価・エネルギー高騰対策」です。まず、材料費高騰で給食費の食材費が上昇しているので、保護者負担を軽減するために、給食の食材費上昇分を支援します。

 また地域商品券は、過去最大となる360億円の発行を支援します。この360億円のうち202億円はキャッシュレス商品券を考えています。全ての団体でキャッシュレス商品券の発行を促進し、デジタル化によって地域経済を活性化していきます。発行団体数は167団体でございます。

 それから、「災害からの復旧・復興、防災・減災、県土強靱化の推進」です。引き続き、災害からの復旧に全力で取り組んでいきます。また、特に九州北部豪雨で甚大な被害を受けた日田彦山線の沿線地域の振興については、今年夏のBRTの開業に合わせた記念イベントや沿線地域の周遊ツアーなどを実施します。基金を活用して色々な海外映画やドラマのロケの誘致、芸術家による創作活動を通じた地域住民との交流など、様々なものを計画しています。

 次に、「流域治水の推進」です。流域全体で水害の被害を軽減させようということで、市町村等が行うため池やグラウンドなどの雨水貯留浸透施設の整備、田んぼダムの導入を支援します。

 次に、「治安の確保」です。4月から自転車のヘルメット着用が努力義務化されます。このため、啓発動画を活用した交通安全教育の徹底を図ります。同時に交通指導・取締りを強化します。

 それから、ストーカー対策です。ストーカーによる被害者の皆さんを保護しようということで、被害者宅に訪れる訪問者を検知して、必要な場合には警察に自動的に通知をするスコープカメラを追加配備します。玄関ドアのスコープにカメラを設置して、人が近づくと警察のパソコンにアラームがつくことになります。

 次に、「子どもを安心して産み育てることができる地域社会づくり」です。新たな基金を活用して、まずは不妊治療を受けているご夫婦を支援するために、保険診療と併用可能な先進医療の費用の一部を助成します。自己負担額の7割を想定しており、上限を5万円としています。

 また、子どもは病気やけががつきものです。子どもが病気で、自宅で保育することが難しい場合に、病院や保育所等に病児を一時的に預けることができますが、この病児保育の利用を支援しようということで、県内全ての地域において利用料を無料化します。大体利用1回当たりが2,000円と見込まれます。現状では、利用者数は大体、年に9万9,000人ぐらいと聞いています。

 次に、出会い・結婚を応援。少子化対策も、出会い・結婚、出産、そして子育てという、色々な人生のステージがあるわけで、各ステージでのきめ細かな支援が必要です。まずは将来の結婚、子どもを産み育てていくことにつなげていくために、出会い応援団体の独身者が交流できるコミュニティサイトを構築します。このサイトの投稿内容などをAIで診断します。相性や色々な条件など希望があるわけです。これをAIで診断して、良い出会いとなるようなグループをつくり、そのグループ間による出会いイベントを開催していこうというものです。

 それから、子どもの人権を守るための児童相談所の機能を強化します。全ての児童相談所職員にモバイル端末を配備します。218台になります。外出先でも迅速に虐待相談等に対応できる環境を整備して、スピーディーな対応を図っていきます。

 それから、こども食堂です。こども食堂が地域で安定した活動ができるように、企業、市町村等とのネットワーク化を支援します。同時にクラウドファンディング型ふるさと納税を活用した支援の仕組みをつくります。

 それから、県営公園にインクルーシブ遊具を設置します。障がいのあるなしに関わらず、全ての子どもたちが一緒に遊べるインクルーシブな遊具広場やバリアフリーの園路などを、まずは大濠公園と筑豊緑地に整備します。5~7年度の3か年で6つの県営公園にインクルーシブ遊具広場を整備します。

 次に、「ジェンダー平等の推進」です。本県ではパートナーシップ宣誓制度をスタートしていますが、このパートナーシップ宣誓制度で利用できるサービスを拡大するため、企業向けのセミナーを開催するほか、性的少数者の方などの相談に、きめ細かに応じることができるように電話相談窓口を新たに開設します。

 次に、「誰一人取り残さない支え」です。孤独である、あるいは孤立しているという気持ちを抱えている若者も多くいます。こういった若者の皆さんが集う居場所をつくろう。ただ、リアルで、顔を出してというのはなかなか嫌だと、はばかられることもあります。そういったことから、メタバース上にこの居場所をつくって、アバターを活用して交流を図れるような場所をつくろうということです。若者の皆さんの孤独感を緩和していこうという取り組みです。

 次に、手話言語条例を2月議会に提案します。この条例の基本理念を踏まえて、手話通訳士や、より高度な手話技術を持つ同時手話通訳士などを養成して、ろう者が安心して生活できる社会を実現します。今日、この会見でも手話通訳をお願いしているように、同時手話通訳をされる方は非常に高度な技術を持っておられます。こういった皆さんを養成していこうというものです。

 「スポーツの振興、健康づくりの推進」です。まず、福岡、熊本、大分をつなぐ九州初の国際サイクルロードレース「ツール・ド・九州」を開催します。それから、世界のトップスイマーが集う「世界水泳選手権福岡大会」の開催を支援します。この世界水泳では、中学生2,000人を観戦に招待します。また、来場された方に対し、本県のスポーツ施策を紹介や農林水産物、観光地等をPRします。

 それから、ふくおか健康づくり県民運動推進として、平成30年から健康づくり県民運動をやっていますが、福岡県の場合、塩分の取り過ぎという傾向にあります。これを何とかしようということで、おいしい減塩を推進しよう。減塩というと、何かあんまりおいしくない感じがするということで、なかなか広がらないということもありますが、だしなどを使って、おいしい減塩を進めていこうということで、「スマートソルティングプロジェクト」をスタートします。縮めて、「スマソル」です。有名料理研究家等によるスマソルレシピコンテストや、最優秀のレシピを基に開発するスマソル弁当を大手量販店などで販売いただく取り組みを行います。

 それとは別に、私もこのアプリを入れていますが、「ふくおか健康ポイントアプリ」をリニューアルすると同時に、アプリのポイントで県の特産品などが当たる抽せん会を実施します。楽しみながら健康づくりをやっていただくものです。

 それから「文化芸術の振興」です。コロナ禍で、子どもたちも色々なところが閉まっているから外に出られないという状況があり、文化芸術に触れる機会が減ってきています。これを乗り越えていこうということで、令和5年度に限ってですが、県立、市町村立の美術館、博物館等の常設展を無料で子どもたちに見てもらいたいと思います。

 県立では県立美術館、青少年科学館の2施設を無料化します。ぜひ、ご家族でご利用いただきたいと思いますし、令和5年度に限ってというのも、これをきっかけにして子どもたちがまたご家族で博物館や美術館を訪れていただいて、色々体験し、楽しんでいただくことになってもらえればという事業です。

 新県立美術館については、先般(選定委員会の)宮城委員長から詳しく選定結果をお聞きしましたが、本年度、公募型のプロポーザルを実施しました。来年度はこの基本設計を進めていきます。

 それから「世界に向けた発信と交流の推進」、“Fukuoka is open”。本県の教育、医療など外国人向けの生活関連情報をはじめ、留学生、インバウンド、国際金融機能の誘致やスポーツ、環境、ワンヘルスなど先進的な施策に関する情報、さらに在住外国人の皆さんでいろいろ活躍している方々の状況を、世界に向けて一体的に発信しようということで、“Fukuoka is open”というポータルサイトを開設します。

 「地域の活力の創出」では、移住、定住を促進しようということで、市町村と連携して、農林漁業、いわゆる地場産業など特色ある就業体験の場を掘り起こします。同時に居住、就業、交流体験が一体となったプログラムを作成して、移住希望者向けに提供します。また、子育て世帯への移住支援金について、今は子ども1人当たり30万円ですが、これを100万円に拡充します。

 それから、にぎわい愛されるふるさとの川づくりです。魅力あふれる河川空間、いわゆるリバーフロントを形成していくことで、自分たちが大切に思うふるさとの川を、町の中心で観光客の皆さんにも喜んでいただけるような親水空間をつくっていこうということです。このためのライトアップや水上デッキの整備を支援します。こういう事業を進めることで、川を愛するという心も育んでいきたい。今はマイクロプラスチックの問題もあります。海岸に漂着しているプラスチックごみの8割は国内の川から流れ出ていると言われます。こういうことを考えると、川を愛することを大事にしよう、川にごみを捨てない、ということにもつながると考えています。

 このほか、新型コロナウイルス感染症対策については、当面の対応として、上半期分を計上しており、今後の政府の方針等々を踏まえて、これを実施していきたいと思います。

 なお、2月補正予算については、経済対策の効果を速やかに発現させるため、早期に執行する必要があります。このため、県議会において早期にご審議、ご議決をいただきたいと考えているところです。

 予算については以上です。

 

 2点目は、新福岡武道館についてです。福岡市博多区の福岡市民体育館の隣接地に建設予定である新福岡武道館について、実施設計が完成し、デザインが決まりましたので、お知らせします。

 この土地は、地下鉄千代県庁口駅のすぐそばで、JR吉塚駅からも徒歩圏内です。こういった2つの沿線を考えたときに、非常にアクセスのいい場所です。また、都市高速道路のインターからも近く、非常に利便性が高い。こういったことから、この国有地を管理する福岡財務支局に、この土地の活用を要望していたところ、12月の国の審議会を経て、県への貸付けが決定されたところです。

 まず、外観のイメージです。新しい武道館のデザインコンセプトは、武道の精神と福岡の文化の融和による武道振興の新たな拠点の創出です。なかなか難しいテーマですが、伝統的な武道の精神を表現する格式高く重厚感のある和のデザインとなっています。並んだ列柱と大庇で、日本家屋の縁側のような、内と外をつなぐ軒下空間をつくっており、和の趣を演出しています。夜には、内側からの光がまるで行燈のような美しい明かりとなって、幻想的な光景を醸し出します。

 先ほど、福岡の文化と武道をつなぐと申しました。この仕掛けとして、博多織をモチーフとした縦模様で、福岡らしさを表現しています。博多織は古くは武士の帯として、近年では力士のまわしとして重用されているところで、福岡の文化と武道を融和させ、県民の皆さんに末永く愛される福岡の新たなランドマークとしたいと思っています。

 内部についてです。新しい武道館は地上4階、地下1階の鉄骨鉄筋コンクリートづくりです。武道ですから柔道場、剣道場を2階に配置し、それぞれ4面取れます。3階はその観覧席です。約1,000席の観覧席を確保します。相撲場は1階です。それから、弓道場は12人立ちの道場を4階に設けています。柔剣道場は、現在の面積よりも広くなっており、柔道場は、広さと畳のサイズを国際規格に適合するものとします。

 それから、地下1階に、体育館機能となるサブアリーナを整備します。スポーツ振興の拠点として、武道のみならずバスケットボールなど多様なスポーツの利用が可能になります。隣接の福岡市民体育館との施設の相互利用を考えています。そして、駐車場も市民体育館と共用とし、福岡市と連携を図ります。さらに、両施設の間には新たに連絡通路も設けます。こういう一体的な運営により、これまで以上に利用価値の高い施設となることを期待しているところです。

 このほか、新しい武道館は環境に配慮したもので、人と自然に優しい施設にしようということです。新築する県有施設としては初めての高効率空調の設置などにより、40パーセント以上の省エネルギー化、いわゆるZEB Oriented以上を図ります。あわせて太陽光発電設備も設置します。

 また、誰もが安心して快適に利用できるよう、バリアフリー化や車椅子用の観覧席や、身体障がいのある皆さんが利用しやすい駐車場を設置するとともに、柔剣道場の観覧席や内壁などには県産木の杉やヒノキを活用します。

この新しい新福岡武道館は、今年10月に着工して、約2年かけて工事を行って、令和7年11月しゅん工の予定です。県警察の術科訓練の推進向上とともに、武道を通じた青少年の健全育成、また県民の皆さんの心身の鍛錬の場として、多くの方に利用される施設となりますよう、しっかりと取り組んでいく考えです。

 

3点目は新型コロナについてです。

 新型コロナの新規陽性者数は、1月中旬以降減少傾向が続いており、病床使用率は2月11日時点で31.2パーセントとなっています。重症病床使用率は3.4パーセントと非常に低い水準で推移しています。速報値で申し上げると、12日時点の病床使用率は30.5パーセントまで下がり、重症病床使用率も2.5パーセントとさらに改善しています。

 こういった状況を福岡オミクロン警報の指標に重ね合わせて見ると、解除の目安をほぼ満たしていると考えられます。市町村の皆さん、専門家の皆さんの意見もお伺いしましたが、いずれも解除が適当であるというご意見でした。このことから、この記者会見の後、対策本部会議を書面開催して、本日をもって福岡オミクロン警報を解除することとしたいと考えています。

 警報は12月1日に発動しました。約2か月半です。これを今回解除できるのも、感染防止対策にご理解とご協力いただきました県民、事業者の皆さん方、また病床の確保、ワクチンの接種など医療現場の最前線で奮闘いただいている医療関係者の皆さん、様々な現場で社会を支えていただいているエッセンシャルワーカーの皆さん方のおかげであり、この場をお借りして、改めて厚くお礼を申し上げます。

 なお、この警報解除に伴い、レベル判断をどうするのか。これを考えたとき、現在もなお入院をされている方は1,200人いらっしゃいますし、医療機関や高齢者施設へのクラスターの発生もなお見られます。こういうことも踏まえ、無料検査体制も継続できる現在の「レベル2」は維持をすることとします。

 警報を解除しても、県民、事業者の皆さんにお願いする内容は特に変わるものではありません。引き続き、必要な場面でのマスクの着用あるいは手洗い、手指消毒、さらに、まだ寒いですが、換気といった基本的な感染防止対策の徹底をお願いしたいと思います。

 なお、詳細については対策本部会議の決定後、担当部局から説明します。

 

 私からは以上、3点です。

 

質疑応答

 質疑応答

 

(毎日新聞)予算案の件ですが、3本柱の1,000億円という額と、県内GDP20兆円という額の理由を教えていただけますか。

(知事)まず、1,000億円の人づくりですが、今回の予算案では、子どもや青少年、産業分野での人材、そして医療、介護、保育などの社会を支える人材。こういった人づくりに関して、予算額で1,000億円を優に超える事業費を計上しているところです。こういったことから、「1,000億円の人づくり」として、人への投資を重視するという本県の姿勢を県民の皆様に分かりやすくお示ししたものです。

 それから、県内GDP20兆円への挑戦です。先ほど若干触れましたが、実質GDPは、平成24年度は18.5兆円でしたが、平成30年度は19.9兆円まで一旦行ったんです、20兆円ちょっと手前まで。ただ、令和元年度に、消費税の引上げに伴う駆け込み需要の反動減があり、がくっと落ち込みました。また、まだ推計ですが、令和2年度はコロナの影響で大きく落ち込むことになると思います。持ち直しの動きは見えますが、コロナ前の水準に戻すのは、簡単なことではありません。

 こういった推移を考えても、本県がさらなる成長・発展を目指すに当たって、県内GDP実質値での20兆円は1つの指標になり得ると考えました。それがこの20兆円という数字の意味の1つです。

 もう1つの意味は、こういったチャレンジを掲げることによって、県内の市町村の皆さんや企業、産業を担っていただいている皆さんと共に、本県の経済を牽引する産業を育て、未来につながる経済成長を実現していこうと。この旗印ということです。

 これから様々な施策効果を見いだしながら、福岡県を発展させていく。その中で、20兆円という県内GDPを達成していくことを目指してまいります。

 

(毎日新聞)新福岡武道館のデザインの件です。デザインコンセプトについては書いてあるのですが、デザイン決定の経緯と、このデザインに決めた理由や、県としての判断の過程を教えていただけたら。あと、このデザインはどこの会社が提案されたものかも教えてください。

(知事)設計されたのは、株式会社梓設計さんです。福岡市の総合体育館や北九州スタジアムの実績をお持ちの会社と伺っています。

 先ほどご説明したように、この武道館は本県の武道の中核的な施設です。武道と福岡の文化との融合をしっかり図っていく。そのコンセプトが表されたものが採用されたと受け止めています。格式高くて、重厚感のある和のデザインによって、伝統的な武道の精神を表現されている。また、博多織をモチーフとした模様などで武道館の風格と福岡らしさを表現している。こういうところが優れた点として評価されたのではないかと思います。

 

(西日本新聞)予算案についての関連ですが、いわゆる財政改革プラン自体が緒についたばかりではあるのですが、今回、県債残高や三基金残高の今年度末の見込みの数字が出ていますけれども、このペースをどう見ていらっしゃるか。また、今後、令和8年度末の目標がありますけれども、それの達成の可能性に関してお考えを聞かせてください。

(知事)財政改革プランについて少し具体的にお話しします。県債残高については、令和5年度末見込みで、令和3年度末と比べて282億円減らそうというのが目標でした。これが令和5年度末の見込みでは427億円減る見込みで、目標はクリアしています。

 また、財政調整基金等三基金残高についても、令和5年度末で537億円を大きくしていこうというのが目標でした。400億円から500億円ぐらいを確保しようという考え方だったわけです。それが、現段階の見込みでは、令和5年度末の段階で638億円の三基金残高になる見込みで、こちらもプランの目標を大きくクリアできていると思います。

 もちろん税収の好調もあり、この財改プランの目標は達成できていると思いますし。また今後についても、福岡県民の皆さんの福祉の向上、県の成長発展のための施策をしっかり打ち、投資すべきところにはしっかりと投資をしながら、財政の健全化にも意を用いて、安定した財政運営を図ってまいりたいと考えています。

 

(RKB)当初予算案の件で、重複するかと思いますが、子育てや教育など、人材への投資といった話が出ていたと思うんですけれども、その辺りは、知事としての独自色、知事としてのカラーが出ていると思いますが、そのあたりの思いは。

(知事)私が知事となった際、知事として福岡県を今後成長・発展させていくためのチャレンジを3つ掲げています。この1丁目1番地に掲げているのが人財の育成でした。

 考え方として、AIであるとかロボットであるとか、いろんな技術は発達している。しかし、何といってもこれからの福岡県の未来を切り開いて、担って、さらに前に進めていく。これは、やはり人であるわけです。人こそは宝である。このことは常々申し上げており、この考え方が根底にあります。

 こういったことから、人への投資をしっかりと行って、次代の福岡を担っていく人財を育てる。このことこそが福岡県の礎を築くものであるという考え方で、今回の予算も考えさせていただきました。

 

(毎日新聞)北九州市長選について、(北九州市は)知事の地元ですが、与野党相乗りの候補ではなくて、武内さんが初当選されました。今回の市長選、投票率が低かったのもありましたけれども、知事はこの結果についてどう受け止められているのか。あと、武内さんと今後、北九州市長としてどういうふうに関わっていくのか、お考えがあれば教えてください。

(知事)選挙の結果は北九州市民の皆さん、有権者の皆さんの選択によるものであり、これについて、私がとやかく申し上げることではないと思っています。この結果、当選された武内新市長におかれては、北九州市をしっかりと発展させて、市民のための政治、行政を進めていただくように期待したいと思っています。

 今おっしゃっていただいたように、北九州は私のふるさとです。また、福岡県にとって、北九州市は福岡市と共に竜の両眼と言っていいまちです。本県の発展にとっての大きな成長エンジンです。北九州市と県がこれから連携して施策に取り組んでいくことによって、県全体の発展のためにも大きな成果・効果が得られるものと認識しています。

 私が常々、県政を進める上で申し上げているのは、市町村の皆さんとの連携によって、県の力を、お互いの力を、2倍にも3倍にもしていく。こういう姿勢で臨みたいと申し上げている。このことは、北九州市であれ福岡市であれ、政令市も含めた全ての市町村の皆さんとやっていこうということです。こういった観点からも、県であっても、市であっても、目指すところは同じである。県民、市民の皆さんの豊かな暮らしであり、福祉の向上である。こういったことから、必ず北九州市とも、これからも県と連携して、協力して、施策を進めていけると信じています。このことに向けて、できるだけ早く新市長とも対話する機会が得られればいいなと考えています。

 

(NHK)マスクの着用について、政府は来月13日から、マスクの着用について個人の判断に委ねる方針と聞いています。卒業式については、永岡文科大臣が、感染リスクが低いことなどを踏まえて、マスクを着用せず出席することを基本とすると発言しています。これについて、県としての受け止めと、学校あるいは県民に対してどういうふうに周知をしていくのか、この点についてお願いします。

(知事)マスクの着用については、新型コロナの分類の見直しに向けて、一律のルールで着脱を求めるのではなくて、各個人の判断に委ねるということでした。これは、これまでよりも一歩前進したものであると受け止めています。しかし同時に、私からも国に対しては、国民の皆さんが混乱することのないように、マスクの着用が必要な場面について、具体的に示していただきたいと要望していたところです。今回、マスクの着用が効果的な場面などが示された。さらに卒業式についても、文科大臣から具体的にお話があった。こういったことは適切な対応であると思っています。

 新型コロナの分類の見直しやマスクの着用の緩和がなされたからといって、新型コロナウイルスがなくなるわけではありません。3月13日以降も、感染された方や有症状の方などは着用することと明確に言われていますし、重症化リスクの高い方と会う場面や混雑した場所などではマスク着用が効果的であると示されていますので、これを踏まえて、県民の皆さんが、場面、状況などに応じて適切に判断ができるように、県としてもいろんな具体例を示しながら、様々な媒体を通じて、分かりやすく県民の皆様にお示しをしていきたいと思っています。

 

(西日本新聞)先ほどの北九州市長選の質問に関して、知事は、できるだけ早く新市長と対話することができればいいとおっしゃっていましたが、今、お二人の間で話し合っていたりとか、そういう場を持つ予定はありますでしょうか。

(知事)いいえ。今、特にそのような申し入れをいただいている状況にはありません。まだ、武内さんも就任されていませんし。市長に就任されるのは20日なので。

 

 

(終了)

 

 

 

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