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香春町(かわらまち)のシンボル・香春岳(かわらだけ)でかつて良質な銅が採れていたことをご存じですか?

香春岳は一ノ岳、二ノ岳、三ノ岳で構成されており、『豊前国風土記(ぶぜんのくにふどき)』には、二ノ岳から銅が採れたことや新羅(しらぎ)からの渡来人がいたことが記されています。

また、752年に完成した奈良の大仏を造立するため、全国から銅が集められましたが、この時、銅の主要な産地であった香春岳の銅も多く使用されたという歴史が残されています。他にも、町にある「採銅所(さいどうしょ)」という地名は、かつて、銅を採掘する官営の「採銅所」という役所が香春町にあったことが由来とされていたり、県指定文化財である「清祀殿(せいしでん)跡」はかつて銅を鋳造する工房であったりと、町と銅には深い縁があります。

そんな香春岳ですが、一ノ岳は昭和初期から石灰岩が採掘され、現在も掘り続けられており、当時に比べると約半分の高さ(240メートル)になっています。

現在は三ノ岳(約500メートル)のみ登頂でき、約1200種の多様な植物と出会える登山スポットとしても人気があります。近隣には、新羅の神を祭る香春神社や最澄(さいちょう)が創建した神宮院などもあり、悠久の歴史に思いを馳せる旅もおすすめです。

香春岳から採掘した銅も使用したとされる奈良の大仏(盧遮那仏)

香春岳から採掘した銅も使用したとされる奈良の大仏(盧遮那仏(るしゃなぶつ))

現在の清祀殿

現在の清祀殿

昭和初期の香春岳

昭和初期の香春岳一ノ岳は
約491メートル。

現在の香春岳

現在の香春岳。香春岳は五木寛之著
『青春の門』の舞台にもなった。
その魅力は九州オルレ筑豊・香春コースでも
堪能できる

問い合わせ:香春町教育委員会
☎0947-32-8410 ファクス0947-32-2513